ハイリヒ王国到着後、早々にイシュタルは国王の手のひらにキスをするという誰得な絵面に吐き気を思わす。
そして謎にパーティが始まり俺様は外でのんびりする。
最初はハジメがいたが、疲れたのか先に寝室に向かっていった。
なので1人中の様子を見る。
「本当に戦う気があるのか……」
「正直言いますと今襲われたら終わりだと思われますわ」
隣で飲み物を飲む金髪の少女はこの国の王女のリリアーナだ。
最初は勇者一行に挨拶と来たが何故か隣にずっといる。
そしてその目の前では愉快にパーティをしている王子に姫様とクラス共。
「……たくよ。こんなんで戦争に勝てるのか?」
「私もそう思います」
まぁいいかと思いながら俺は夜空を見上げる。月明かりが照らす草原はとても綺麗だった。
「なぁリリアーナ王女。今度この世界の事教えてくれ」
「えっ?!」
「王国の外の情報を知りたい。魔物や洞窟や外の町だ」
「わ、分かりました」
「ありがとな」
俺様はリリアーナの頭を撫でてその場を去っていく。
リリアーナはその場で立ち止まり顔を赤くしていた。
そんな事も知らずに俺様はメイドに案内してもらい寝室に向かっていった。
翌日から早速訓練と座学が始まった。
まず、集まった生徒達に十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが配られた。不思議そうに配られたプレートを見る生徒達に、騎士団長メルド・ロギンスが直々に説明を始めた。
「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」
メルドに使い方を教えてもらい各自ステータスプレートに血を流す。
するとステータスが表示された。
紅月王牙(ウルトラマンベリアル) 15歳 レベル■
天職 暗黒の帝王・神殺しの帝王
筋力:■
体力:■
耐性:■
敏捷:■
魔力:■
魔耐:■
技能:全属性適正・物理完全防御・飛行・限界突破・超直感・再生魔法・魂魄魔法・生成魔法・重力魔法・変成魔法・空間魔法・昇華魔法・言語理解
流石に見せるには怪しまれる。
隠すか…
紅月王牙 15歳 レベル1
天職 武闘
筋力:150
体力:150
耐性:150
敏捷:150
魔力:150
魔耐:150
技能:格闘術・縮地・剛力・威圧・金剛・身体強化・気配感知・魔力感知・言語理解
こんな感じか。
よし、次はハジメの番らしい。
しかしメルドは首を傾げている。
多分あれは困ったのかハジメの天職を見てどう説明すればと悩んでいるみたいだな。
「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛治するときに便利だとか、その……」
「……いえ、その気持ちだけで充分です…」
歯切れ悪く説明するメルドにハジメはそう言って俺様の元に戻ろうとする。だが、先ほどとは明らかに違う様子に普段からハジメを目の敵にしている男子たちが食いつかないはずがない。
鍛治職は明らかな非戦系天職。クラスメイト全員が戦闘系天職をもち、これから戦いが待っている状況では明らかに役立たずだ。そして、案の定檜山がニヤニヤとしながら声を張り上げる。
「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か?鍛治職でどうやって戦うんだよ?メルドさん、その錬成師って珍しいんですか?」
「……いや、鍛治職の10人に1人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」
「おいおい。南雲〜。お前、そんなんで戦えるわけ?」
檜山が、実にウザい感じでハジメと肩を組む。
周りを見渡せば、生徒達ー特に男子達はニヤニヤと嗤っている。
「さぁ、やってみないとわからないかな」
「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボい分ステータスは高いんだよなぁ〜?」
メルド団長の表情から内容は察しているはずだろうに、わざわざ執拗に聞いてくる檜山。本当にいい性格をしている。取り巻きの3人も囃し立てている。
強い者には媚び、弱い者には強く出る典型的な小物の行動だ。
檜山はハジメのプレートの内容を見て、爆笑する。そして、斉藤達取り巻きに投げ渡し内容を見た他の連中も爆笑なり嘲笑なりをしていく。
「ぶっはははっ〜、なんだこれ!完全に一般人じゃねぇか!」
「むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな〜」
「ヒァハハハ〜、無理無理!すぐ死ぬってコイツ!肉壁にもならねぇよ!」
「コイツの作る武器なんか使いたくねぇわ!」
次々と笑い出す生徒に香織と雫が憤然と動き出す前に、呆れと怒りが混ざった低い声が発せられた。
「黙れよ雑魚ども」
俺様の怒りの形相に檜山達はさっきのウザったらしい笑顔は消え失せ、代わりにビクビクと怯え始めた。
俺様は檜山からステータスプレートを奪いハジメのステータスを見る。
「……へぇ〜♪」
俺様の笑みを見てハジメは残念な顔をしているが、俺様は違う。
「いい天職だなハジメ」
「えっ?!」
俺様の言葉にハジメは驚きの声を上げる。
「ハジメなら俺様達がいた世界の武器を作ることも可能だろ?」
ハジメの天職を褒めるとハジメは嬉しさと恥ずかしさが混じったような微妙な顔になる。
「うん……ありがとう……でも、僕にできるかな……」
不安そうなハジメに俺は自信満々に言い放つ。
「胸を張れ!お前がその力を最大限に使えた時、お前はバカにした阿呆勇者を軽く凌駕出来る!」
その後愛子がハジメを励まそうとステータスプレートを見せるがあまりの技能でハジメは四つん這いになってしまったので俺様はハジメを励ます羽目になった。