元帝王はありふれた世界で暴れまくる   作:紙の子

6 / 34
第6話

現在、ハジメは訓練の休憩時間を利用して王立図書館にて調べ物をしている。その手には〝北大陸魔物大図鑑〟というなんの捻りもないタイトル通りの巨大な図鑑があった。

なぜ、そんな本を読んでいるのか。それは、この二週間の訓練で、成長するどころか役立たずぶりがより明らかになっただけだったからだ。力がない分、知識と知恵でカバーできないかと訓練の合間に勉強しているのである。

 

「それで?なんかあったか?」

 

隣では王牙が別の書物を見て居るが、パラパラと開いてはすぐに閉じて本棚に戻す。

聞くと「全て把握した」と言うので凄いと思う。

 

「やっぱり、亜人の国には行ってみたい〜ケモミミを見ずして異世界トリップは語れない。……でも〝樹海〟の奥地なんだよなぁ~。何か被差別種族だから奴隷以外、まず外では見つからないらしいし」

 

「まぁ、見れるとしたら捕まってない亜人族だな。かと言って帝国まで行って見せてくれなんて言えないだろ?」

 

「そうだよねぇ〜はぁ……」

 

ハジメは図鑑を閉じて机にもたれる。

王牙はため息しながらチラッと視線を外す。

 

 

「そろそろ訓練の時間だぞ。行かねぇのか?」

 

「えっ?!もうそんな時間?!」

 

ちなみに王牙は初日にメルドと試合をして完全勝利を見せつけて訓練をサボっている。

ハジメはすぐに訓練場に向かい王牙は図書室を出てある場所に向かった。

 

 

 

 

 

俺様はハジメが訓練に行ったので王女の部屋に向かい勝手に入る。

 

「リリィ〜入るぞ」

 

「お、王牙さん?!もう〜入るのでしたらまずノックをして下さい!」

 

「はいはい……とりあえずやる事は?」

 

「机の上に既に資料は置いてありますのでそれをお願いします」

 

俺様は席に座り目の前にある書類を見る。

この量を俺様達より歳下の王女がしているとか親は何させてるんだと思いながら作業に集中する。

 

 

 

 

 

「ほら、終わったぞ!」

 

「ありがとうございます!

ふぅ〜休憩にしましょう」

 

メイドのヘリーナが紅茶を用意してくれたのでそれを飲み一息する

 

すると扉をノックする音が聞こえリリィが返事すると入ってきたのはハジメ、香織、雫の3人だった。

それに何故かハジメはボロボロだった。

 

「何でハジメがボロボロなんだ?」

 

香織から話を聞くと、ハジメと別れた後、訓練場に着いたハジメに檜山達が早々に目をつけ訓練と偽りハジメを虐めていたらしい。

少しした後に香織達がその場に駆けつけ檜山達は撤退するも光輝はハジメが香織達に頼り過ぎだのもっと訓練に励むべきだのと言ったらしい。

 

「今から檜山達ボコしに行くかぁ〜」

 

「辞めときなさい。王牙が行ったら面倒事になるから」

 

「そ、そうだよ!僕は大丈夫だから!」

 

3人に体を掴まれ行くなと言われたので仕方ないと席に座る。

 

「……たく。ハジメも”あれ”をさっさと完成させたらアイツらも手が出せないだろうに」

 

「あれって?」

 

香織が気になったのか興味を持ったのでハジメに見せるように言い机に置く。

 

「これって銃よね?」

 

「あぁ。魔石の魔力を弾とした銃だ。

それも魔力に依存しないからステータスの低いハジメでも勇者を超える威力を出せる」

 

「と言ってもまだ試作品でまだ未完成なんだ」

 

 

「それにしても王牙君はなんでそんなに詳しいの?」

 

「ん?俺様とハジメはFPSのゲームを一緒にしてるから、それで今回案を出したんだよ」

 

「けど王牙君、銃よりも剣とか下手したらナイフ1本で戦うから」

 

「まぁ、とりあえずこれは完成させないといけないな」

 

「そうだね」

 

 

 

 

話は変わり香織が俺様に質問してくる。

 

「そう言えば王牙くんはどうしてリリィの部屋にいたの?」

 

「ん?個別勉強だが?」

 

「個別」

 

「勉強……」

 

あぁ?なんで香織と雫はそんな目で見てくる。

 

「リリィの手伝いをしたり、俺様はこの世界の事を教えてもらってる。決して訓練をサボってやましい事はしてねぇよ」

 

「へぇ〜そうなんだぁ〜……ねぇ、リリィ?」

 

「な、なんです?」

 

「私も勉強を教わろうかな?」

 

「……えっと、それは……」

 

「なにか問題でもあるのですか?」

 

「い、いえ……その……」

 

ん?何で俺様をチラチラと見てくる。

……はぁ。

 

「分かったよ。空いてる時に俺様が手伝いに来るからそれでいいだろ?」

 

俺様はリリィの頭を撫でてそう言う。

リリィは顔を赤くしながらも縦に頷いた。

 

「まさか王牙君……王女も虜に?」

 

「不味いよ雫ちゃん!王牙くんが……」

 

「落ち着きなさい香織……けど羨ましいわね」

 

「なぁ、お前ら本当に失礼だぞ?」

 

香織と雫は何かをブツブツと言い始めるが無視しとく。

 

「じゃ、俺はそろそろ戻るぞ。あんまり無理するんじゃねぇぞ?」

 

「はい!ありがとうございます王牙さん」

 

夕食時間になったので俺様達はリリィの部屋を出て食堂に向かった。

 

 

 

 

 

 

そして夕食時にメルドがやって来て

 

「明日から、実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要なものはこちらで用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ! まぁ、要するに気合入れろってことだ! 今日はゆっくり休めよ!!」

 

そう言って伝えることだけ伝えるとさっさと行ってしまった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。