元帝王はありふれた世界で暴れまくる   作:紙の子

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第9話

おぉ〜!!

驚いてる驚いてる〜!

っと、呑気なことしてる場合ではないな。

 

「ハジメ」

 

「な、なに……って後ろ!!」

 

呑気に話しているとどうやらベヒモスが踏み潰そうとしているみたいだ。

 

「グァァァァ!!」

 

ハジメはダメだと目を閉じるが、俺様は軽々と止める。

 

「危ないから離れてろよ?」

 

俺様はハジメを後ろに下げて、ベヒモスの足を上に持ち上げた。

そしてそのまま横に振り払った。

 

「うわぁ!?」

 

ハジメの声を聞きながら、俺は空高く飛び上がる。

そして

 

「デスシウム光線!!」

 

右手に赤黒いエネルギーを溜め、十字に構えると光線が放たれベヒモスに直撃する。

 

「グギャアァーーー!!!!」

 

光線を受けたベヒモスは悲鳴を上げながら爆発した。

 

 

 

ベヒモスを倒した俺は人の姿に戻るが、香織、雫、ハジメ以外からは喜ばしい顔をせず、光輝は聖剣の刃をこちらに向けて睨んでくる。

 

 

「お前は何者なんだ?どうしてそんなに強いんだ?」

 

その言葉を聞いた光輝以外の全員が驚くような顔で見てくる。

 

「何者もなにも?俺様は紅月王牙だ!」

 

「嘘をつくな!あんな力……まさか魔人族と手を組んでいるんだな!」

 

俺様の言葉を無視して勝手に決めつける光輝に少しイラつき始める。

 

「食らえ天翔閃!!」

 

聖剣から放たれた閃光が俺様に向かって放たれる。

俺様は片手で受け止め目の前で相殺した。

 

 

「こんなものか……お前の実力は?」

 

俺様は殺気を放ちながら近づく。

 

「くっ!?」

 

怯えるように一歩下がる光輝。

 

「……はぁ……めんどくせぇ。この辺でいいか」

 

俺様は崖の方に向かい歩いていく。

周りは何をするのか疑問に思っている。

そして崖に着くと体をクラスの方に向ける。

 

「じゃなオメェら精々死なねぇように頑張れ〜」

 

地面を蹴り後ろに身を投げる。

流石の行動にメルドは急いで向かい、香織や雫、他の生徒も驚いている。

 

……しかしなぁ……

 

「何で助けたのに落ちてきた?」

 

「王牙君と居ると面白そうだから」

 

何故か俺様の隣で落ちてきたハジメ。

面白そうって……下手したら死ぬかもしれないのに……

 

「本当にお前は馬鹿だな」

 

「えへへ……」

 

「褒めてないぞ」

 

ハジメと喋りながら奈落の底へと落ちていった。

 

 

 

 

 

 

奈落に落ちた俺様とハジメは颯爽と仮拠点を作り周辺を見渡す。

出てくるのは足が気持ち悪い兎と雷を放つ狼、斬撃を放つ熊がいた。

流石にこのままハジメを連れて行くと確実に魔物に殺されると思った俺様は魔物の肉をすり潰した肉団子を食わした。

予想以上の苦痛にハジメは神水を飲みながら何とか飲み込む。

結果は予想通りになり、ハジメの全ステータスが4桁になり技能も魔物が持っていた能力を獲得、更に魔力操作と言う魔人にしか持ってない技能を得た。

俺様?

元々ステータスがバグっているため数値なんて出てこない。

技能も増えることは無かった。

 

 

 

ステータスが上がったので、戦闘技術と錬成の訓練をして周辺の魔物と戦わせた。

まぁあっさりとは言わねぇが何とか勝てている。

そして現在のハジメのステータスは

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:57

 

天職:錬成師

 

筋力:2500

 

体力:3700

 

耐性:2000

 

敏捷:4000

 

魔力:5000

 

魔耐:3000

 

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+高速錬成][+遠隔錬成][+融合錬成][+融合錬成予測]・魔力回復 ・魔力操作・酸化強化・轟雷・言語理解

 

 

俺様の訓練を受けてここまで成長をした。

 

「さて、ここまで化け物になったんだ。ここの迷宮にいる魔物は赤子同然だ!」

 

「そうだね」

 

ハジメは錬成で造り上げた銃”ドンナー”を片手に俺様の後を付いてくる。

 

 

 

 

 

下へ下へと降りて行き、ようやく五十層に到着。階段を発見したハジメは、その階層を細かく調べていると重厚な扉を発見。まるで、「お宝が眠っているよ!」と看板が立っていても不思議ではない造りの扉だ。

 

「・・・この先にお宝が眠っているのかな?」

 

「どうやら鍵が必要みてぇだな……」

 

俺様は魔力を流すとバチッと電気が流れた感覚がしたみたいだ。

すると両脇にいた石像に色が付き始めて魔物となった。

 

完全には動き出せてない巨人二体のそれぞれをハジメは撃ち抜き、俺様は顔面を握り潰す。

 

「呑気な奴らだなぁ〜」

 

「……あっ!これじゃない?」

 

巨人の魔物から丸い宝石が出てきたのを拾うハジメ。

俺様もそれらしき宝玉を見つけ出し扉にはめる。

 

窪みにはめ込もうとするとピッタリとはまり込んだ。直後、魔石から赤黒い魔力光が迸ほとばしり魔法陣に魔力が注ぎ込まれていく。そして、パキャンという何かが割れるような音が響き、光が収まった。同時に部屋全体に魔力が行き渡っているのか周囲の壁が発光し、久しく見なかった程の明かりに満たされる。

 

 

 

二人は警戒しながら扉を押すと中は、聖教教会の大神殿で見た大理石のように艶やかな石造りで出来ており、幾本もの太い柱が規則正しく奥へ向かって二列に並んでいた。そして部屋の中央付近に巨大な立方体の石が置かれており、部屋に差し込んだ光に反射して、つるりとした光沢を放っている。

 

そして

 

「..............................誰?」

 

突如聞こえる声に構える二人

 

二人の視線の先には立方体の物体に体を半ば埋めてる金髪の紅い瞳のきれいな少女だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「..................誰?」

 

 

 

そう体を半ば埋めてるいかにも訳ありそうな少女が問うてきたのに対し俺様は............

 

「……邪魔したな」

「ちょっ……王牙君?!」

 

ハジメの手を引っ張り扉を閉めようとする。

 

「ま、、、、待って!お、、お願い、助けて!」

 

「はぁ?そんな所で封印されてる時点で怪しさ満点なんだよ」

 

「す、少し位話を聞いてもいいんじゃない?」

 

「いや.......しかしなぁ」

 

そういいながら悩む様子を見せながらも扉を閉じていく。

完全に関わりたくないみたいだ。

 

「違う!私...........悪くない!お願い.......待って!」

 

 

 

 

 

「私......”裏切られた”だけ」

 

その一言で俺様は手を止めた。

 

(裏切られた……ねぇ)

 

俺様は少女の前に行き声をかける。

 

「ならお前は何故ここに封印されている?」

 

「私、先祖返りの吸血鬼……すごい力持ってる……だから国の皆のために頑張った。でも……ある日……家臣の皆……お前はもう必要ないって……おじ様……これからは自分が王だって……私……それでもよかった……でも、私、すごい力あるから危険だって……殺せないから……封印するって……それで、ここに……」

 

なるほどね……

どの世界も異端なものは排斥されるってか。

 

「お願い.......助けて」

 

どうしたものかと考えるとハジメはその少女の元まで歩いていきその少女を封印するものに触れ..........

 

「錬成!......グッ!...抵抗が強い!けど、今の僕ならあぁぁぁ!!」

 

そういいながらさらに魔力を流し込む。

俺様はため息をしながらハジメの隣で魔力を流す。

 

「王牙君!」

 

「やるからには助けろよハジメ!」

 

「うん!!」

 

そうすると少女をとらえていたものが徐々に融解したように流れ落ちていく。

 

「.........ありがとう」

 

ハジメは少女を助けられた。あまりにも多くの魔力を使ったハジメもその場に座り込んでしまった。

 

「二人の.....名前は、なに?」

 

「ハジメ。南雲ハジメ」

 

「紅月王牙」

 

名を伝えると少女は2人の名を呼び続ける。

 

「君の名前は?」

 

「..............名前つけて?」

 

「あぁ?名前あるんだろ?」

 

「違う。もう昔の名前いらない。......ハジメがつけて?」

 

ハジメは頬をカリカリ掻きながら少し悩むように考えると............

 

「”ユエ”でどうかな?気に入らないなら別の考えるけど......」

 

「ユエ、ユエ、ユエ」

 

「ユエってのは僕たちの故郷で月をさすんだ。この部屋に入った時、君のその金髪と紅い瞳が夜空に浮かぶ付きみたいだったから......どうかな?」

 

「........んっ!今日からユエ。ありがとう」

 

まぁ喜ばしい雰囲気だな。

上から邪魔者が来なければ。

 

「上から来るぞ気をつけろ!」

 

「何でコンバット越前?」

 

俺様は本来の姿になりデスシウム光線を上空に放つ。

すると上から落下しようとしたムカデみたいな魔物がデスシウム光線を受けて爆発した。

流石の出来事にユエは唖然とした顔をしている。

 

「はぁ〜!30%で死ぬとかこの世界の敵は柔らか過ぎないか?」

 

俺様は人の姿に戻りハジメとユエを見る。

 

「……王牙は人間?」

 

「俺様は異世界の宇宙人……ってその内ちゃんと説明してやるよ」

 

「……約束」

 

 

 

その後サソリの鎧と巨人の肉を持って来た王牙はハジメとユエの元に向かう。

そこには仲睦まじい姿の2人がいた。

学校や香織達に見せる笑顔よりも柔らかい感じの笑顔をユエに見せている。

俺様はハジメをここに落とした事を申し訳ないと思っていたが、大切な人が出来たのだと感じた。

 

「……ほらお前ら!下の階に向かうぞ!」

 

「う、うん!」

 

「……ん!」

 

 

まぁそんな少し楽しくもあり緊迫感のある冒険をし今俺様達は、予想ではあるものの最下層.........第100層に到達していた。

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