エクシヴァルワールド ヒーローズ   作:銀祐

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レガシードルに降り立ち、ディード辺境伯の居城へ潜入捜査をする事になったユウキ達6人はレジスタンスの人々を公開処刑し、更には生体爆弾に変えようとする辺境伯一派に業を煮やし謁見の間にて対峙する。
しかしそれはディードの思惑通りで自らがオレイワルドス軍の最高責任者であり、上層部であるムゲンザークや四天女神の望んだ多元世界の管理による支配と自分達上層部の身内である神人類を配し良き世界に変える事が目的である事、そして自身が二年前の惨劇を引き起こした元凶である事を明かす。
そしてディード達はユウキ達の正体が発覚した事で近衛兵たちを呼び出し、彼らを取り囲んだ。
絶対絶命の中、辺境伯居城の直上に漆黒の機神が防衛結界を抜け出現し、ディード達は応戦すべく居城から人造機神を出撃するが漆黒の機神による砲撃で人造機神を巻き込み居城スレスレに着弾する。
混乱する中、ユウキ等は脱出の好機とみて居城から離脱。数時間後に待機していたメンバーと合流した。


三度目の邂逅

辺境伯の居城から離脱して2日後、キャンプ用ドローンキャリア

 

チサキ「それでユウキ達が辺境伯の居城から逃げれたのは、黒い機神の攻撃のおかげって訳ね。」

 

ユウキ「あの黒いブレイブマシンはどう見てもガンダムだった。でも…このデータが間違いないなら僕達の知ってるガンダムじゃない。」

 

ドローンキャリア内にあるミーティングルーム…ユウキたちが見るのはホロスフィア(空間投影スクリーン)に映された漆黒の機神、タクヤらが密かに配していた偵察モジュールから得た各種計測結果はすべてを凌駕していたからだ。

 

タクヤ「あのバカ太いビームもだけど展開した術式はこっちのどの魔法、魔導、異端技術体系とも一致しない。まあ時間をかければわかるとしてだ。先ずわかったのがディードがオレイワルドス軍の最高責任者でしかもムゲンザークや四天女神という神々が上層部である事がハッキリした。」

 

アリサ「そのディードが二年前の惨劇を引き起こした元凶である以上このまま放っておいたら大変な事になるからな。オレイワルドスの連中が不完全な人間より優れているというくだらない理由から大事なものを奪い、あらぬ罪を着せ排除するなんて何考えてんだよ?」

 

コトナ「あの公開処刑や生体爆弾のような悪逆非道な事をした上で自分たちは厳しくも優しいという上辺だけ綺麗な理由で正当化したり秩序を守るという自己愛独善な価値観“メサイアコンプレックス”の押し付けだわ。」

 

モロハ「ああ、奴らは自分達が常に正しい、自分達こそが多元世界の秩序を守る…ふざけてるぜ、こんなのは!」

 

サツキ「ええ、こんなの絶対に許さないわ!!」

 

シズノ「私もです…自分達が崇拝する神々が望んだ世界の為、多くの人々を追い込んで、死んでも“平和のために必要な犠牲”って言うのは許せません…!!」

 

潜入捜査を行ったユウキ、モロハ、ティアナ、ヒマリ、サツキ、シズノから見れば思い出せば怒りを覚えるようなものだった。自分達が倒さなければならない仇敵たちの所業を見て心から涙したり、この上ない吐き気を催しながら怒りのあまり拳を握りしめた。

 

ティアナ「その通りですよ、辺境伯が戦力を再編するまであまり時間はない。せめて他のレジスタンスと話を付ける事が出来ればいいと思いますが…。」

 

ヒマリ「とにかくレガシードル各地で抵抗してるレジスタンスと接触しないと。」

 

トウマ「オレイワルドス軍より先に接触しないと大変な事になるぞ!!」

 

マシロ「奴らの事だからきっとレジスタンス…レジスタンスと関係のない人の命も危ない。何としても止めないと!!」

 

ナガラ「ドローンキャリア、ブレイブマシンのエネルギーはまだまだいけそうだが、問題は水と食料…か。」

 

リシア「水と食料は、まだ辺境伯の手がまだ及んでない町でやるしかない。ルキナ、奴らが戦力を立て直すまでの予想時間は?」

 

ホロスフィアへ今まで得たデータ、黒い機神がうちはなったビーム?による辺境伯軍の被害予想、人造機神、兵らの損耗率を打ち込みシュミレートした結果…。

 

ルキナ「辺境伯が戦力を建て直すまでの時間は…今日を入れて約一ヶ月以内です。」

 

一ヶ月…長いようで短い時間しか残されていない事実を突きつけられた…コチラの戦力の要であるブレイブマシンの補修パーツ、エネルギーはまだあるが、水と食料は心もとない。

 

ユウキ達は辺境伯の支配エリアでは無い町で水と食料を残った資金で購入しながらレガシードル各地で抵抗運動を続けるレジスタンスの目撃情報を集めるべく動き出した。ダイユーシャ((ユウキ/ティアナ/ヒマリ))ダイカイザー((タクヤ/チサキ/マシロ))フラガルシオン((モロハ/サツキ/シズノ))ブラスティオン((トウマ/アリサ/コトナ))リュウビレイザー((ナガラ/リシア/ルキナ))を乗せたキャンプ用ドローンキャリアはレガシードルの地を転々と回るも足取りは掴めなかった

 

それから三日後…キャンプ用ドローンキャリアを着地固定したユウキ等は手分けして近隣の町へ粗末な道をあるき進んでいく。

 

ユウキ「まだレジスタンスらしき人がいないそうだな…。一体どこにいるんだろうか…?」

 

ヒマリ「ユウ君あれを見て!!」

 

ユウキ、ティアナ、ヒマリの三人が出くわしたのは辺境伯軍のドラムローバ、ビアレイザーの軍勢が街へ無差別攻撃をしている光景。火に焼かれのたうちまわり息絶え、踏み潰され血潮が大地を染め、悲鳴を上げ逃げる人々が焼け出されていく。

 

ティアナ「ドラムローバとビアレイザー…どうやらディード達の差し金ですね!!」

 

ユウキ「すぐにみんなの所へ戻るぞ!!」

 

その頃ユウキ達が見ていた場所はオレイワルドス軍がドラムローバとビアレイザーの軍勢でレジスタンス狩りという無差別殺人が行われていた。

 

兵士A「オレイワルドス軍に逆らう愚かなレジスタンスは皆殺しだ!!」

 

街の住人「な、何いってんだ!俺達はレジスタンスじゃ…」

 

兵士B「ディード辺境伯に仇なした逆賊は死あるのみ!!」

 

乾いた音が木霊する。レジスタンスの人々、いや無関係の街の住人の一人の眉間を撃ち抜いた音だ。力なく倒れ息絶えた青年の姿をみて恐怖に震える中、再び銃口が向けられた時だ。

 

ユウキ「そこまでだオレイワルドス!!」

 

タクヤ「レジスタンスの人々は早く安全な所へ!!」

 

逃げ惑うレジスタンスの人々を安全な場所へ退避した後ダイユーシャ達はオレイワルドス軍と対峙する。

 

モロハ「レジスタンスの人々を痛めつけるとは許せられないな。」

 

トウマ「いつまでもお前達の好きにはさせないぞ!!」

 

ナガラ「覚悟しな!!」

 

ダイユーシャ達をみて怯える住人をよそに辺境伯軍の一人がニヤリと笑みを浮かべた

 

兵士A「覚悟するだと?…アハハハ、笑わせるなよレジスタンスの機神共が!」

 

するとドラムローバが何やら網のようなものでダイユーシャ達に投擲された。

 

軽く腕を上げる兵士にうなずくドラムローバ数体がダイユーシャ達に何かを投げた…

 

ナガラ「何だこりゃ?ただの網じゃねーか!ひきちぎってや…」

 

リシア「よく見ろ!あれがただの網に見えるか!?」

 

網に手をむけナガラは目を見開いた…リュウビレイザーの手にあったのは両手首、両足首を強固な紐で結ばれた少女、首はあらぬ方向を向きリュウビレイザー、ナガラを血を溢れ出させながら視て事切れた。そう、ダイユーシャ達に投擲されたのはレジスタンスだと無理やり決めつけられた人たちが網のように繋ぎ合わされたものだったのだ!

 

タクヤ「に、人間で出来た網か!?」

 

兵士B「その通り!ディード様がXVGSが出て来た時にお前達が手も足も出ないようにしろと命じられてな!!動いてみろよ?んなことしたらまだ生きてる奴らの手足をちぎり飛ばしても戦いたいならさ?」

 

モロハ「くそっ!!ディードめ、卑劣な手段を…!!」

 

トウマ「このまま何もできないのかよ!?」

 

ユウキ「もう二度とあのような悲劇を繰り返させないと決めたのにまた繰り返すのか…!?」

 

少年「が、がば」

 

少女「いたい、痛いよおおお!!」

 

妊婦「だ、だれか赤ちゃんだけでも…助けて!!」

 

動けば網にされまだ生きている人々が死ぬ…ブレイブマシンのモニターには苦悶に歪む人々の顔、血を溢れさせ事切れた老人、破水した妊婦…その叫びがコックピットに否が応でも響いた。が、別な警報が鳴りダイユーシャが空を見た。はるか上空、太陽を背にこちらへ迫る影、レジスタンスの人機オーファンを載せた天空翔神ゼロだ

 

マルス「…アスカ」

 

アスカ「わかってる…」

 

そう言った後オーファンが地上から降り両手に大剣を大きく構え立ち、ゼロは変形と同時にバスターソードを構え超低空飛行で本隊へ接近、低威力のビームが本隊スレスレに着弾、爆風に煽られた。

 

兵士A「例のレジスタンスの機神か!!」

 

兵士B「丁度いい!奴らを倒してからだ!!」

 

煮え湯を飲まされ続けたレジスタンスへ攻撃を指示する部隊長…だが気づいていなかった

 

マリエラ「うんうん、上手くひきつけてる。さすがはアスカ、根暗ん坊もね…さ、お・バ・カ・さん?達が夢中になってるうちに、やるわよ!」

 

オレイワルドス軍がゼロとオーファンによる陽動に向けられてる中 チャイナドレスにプレートアーマーをつけたマリエラとレジスタンスの面々が姿を見せ、ダイユーシャ、ダイカイザー、リュウビレイザー、フラガルシオン、ブラスティオンから人々を手早く降ろしていく。息絶えた人たちも一緒にだ

 

マリエラ「コレでヨシ…じゃアタシ達は少しだけサラダバ〜」

 

生き残った人間網にされた人々と共に転移術式で転移するマリエラ。ダイユーシャ達は何とか人間網から開放され、ゆっくりとたちあがった。

 

ユウキ「よし、これで戦える!!」

 

モロハ「俺達を貶めた報いを受けさせないとな!!」

 

5体のブレイブマシンの反撃が始まる

 

まずフラガルシオンはセラフィックブレードでドラムローバとビアレイザーを斬りつける

 

サツキ「こうなった以上とことんやってやるわ!!」

 

シズノ「貴方達のような悪辣な連中は…大嫌いです!!」

 

モロハ「そういう事だ!!オレイワルドス!今日の俺達はお前達に容赦はしない!!」

 

潜入捜査の件で自分達の無力さに業を煮やしたフラガルシオンが次々とドラムローバとビアレイザーを倒し、更にブラスティオンもセラフィックブレードで攻撃する

 

アリサ「何でもお前らのいい様にはならねぇよ!!」

 

コトナ「これ以上悪逆非道な事をするならあたし達が許せないわ!!」

 

トウマ「覚悟するんだな!!」

 

続いてはダイカイザーとリュウビレイザーがグロリアスカリバーで攻撃する

 

チサキ「上辺だけ綺麗で人々を迫害や排除する貴方たちに罰を与えてやるわ」

 

マシロ「絶対に許さない!!」

 

タクヤ「そういう事だ!!」

 

リシア「徹底的にぶっ飛ばしてやるからな!!」

 

ルキナ「同感です!!」

 

ナガラ「許しはしねぇぞ!!」

 

そしてダイユーシャのグランディアブレードがドラムローバとビアレイザーを打ち倒す

 

ヒマリ「自分勝手な残虐行為をする輩は私達が許さない!!」

 

ティアナ「その通りです!あなた達の理不尽な秩序は許される事ではありません!!」

 

ユウキ「僕達がお前達を倒しエクシヴァルワールドといった多元世界に自由と平和を齎す!!」

 

そう言いながら敵を倒し続けるユウキ達。彼らがうち漏らしたのをゼロのバスターソードが左右に展開、バレルから放たれたビームが強固な装甲を物ともせず撃ち抜き、地を踏み抜くよう蹴りながら超高速機動で翻弄するオーファンは両手に構えたビアレイザー五体を逆袈裟、胴薙ぎ、唐竹割りに深々と切り捨てていく

 

アスカ「…(ち、うるさい奴らだ)」

 

マルス「……っ!」

 

ユウキ等の声を耳障りだと言わんばかりに軽く舌打ちしながらも目の前の敵を屠る姿にオレイワルドス軍は最早、最初のような勢いを維持することすらできなくなり焦りだしたどうする事もなかった。

 

兵士B「なんて奴らだ…!」

 

兵士A「仕方ない、ここは退却だ!!」

 

数える程のビアレイザー、ドラムローバから信号弾が上がり波が引くように撤退していく。索敵圏外から消えたのをみてユウキらがほっとする…が再びアラートが鳴る

 

ユウキ「!」

 

モニター一杯に映る深緑の刃…オーファンがダイユーシャのコックピットへ大剣をギリギリまで突きつけてる。フラガルシオンもゼロのバスターソード、マリエラら率いる陸戦隊は器用に機体によじ登り対機神用砲撃を何時でも撃てるように構える姿だ。まさに一難去ってまた一難の状態である

 

モニター一杯に映る深緑の刃…オーファンがダイユーシャのコックピットへ大剣をギリギリまで突きつけてる。フラガルシオンもゼロのバスターソード、マリエラら率いる陸戦隊は器用に機体によじ登り対機神用砲撃を何時でも撃てるようにコチラを捉えている。一触即発の事態、ユウキ、モロハは意を決してハッチを開き突きつけられた刃の前に姿を見せた

 

ユウキ「僕の本当の名はユウキ・ミカドグニルだ」

 

モロハ「同じくモロハ・ミカドグニル、俺達はお前達の敵ではない」

 

ユウキ「僕達はディード辺境伯の目的と真意を知るべく潜入捜査を行った、辺境伯の真の目的に気づいた命からがら脱出し、君達と話し合う為にここまで来た」

 

マルス「…………」

 

レジスタンス「あ?何いってんだテメェら!」 

 

レジスタンス「話し合い?目的に気づいた?…ざけんなよ!」

 

ユウキの言葉にレジスタンスは声を上げ睨んだ…仲間を殺した辺境伯と行動を共にし公開処刑に加担した事実は変わらない中、マルスはジッと耳を傾けた 

 

モロハ「俺達は君達、レジスタンスと戦ったのは真の目的を本性を知らなかった…加担してしまった事実は変わらない。それでも本当の敵を、ディード辺境伯の凶行を止めるた…」

 

ゼロwithアスカ『言いたいことはそれだけか…』

 

ユウキ/モロハ「!?」

 

静かな声と共にバスターソードのバレルが開き放電し始める…

 

ゼロwithアスカ『…どんな事情だろうが奴らに組みした……。』

 

????“…待ちなさい“

 

鈴のような声と共に光が広がり、腰まで伸びた鹿毛、十二単衣にも似た着物に身を包んだ女性の姿…バレルの放電が止まる

 

ゼロwithアスカ『……(アマネ?)止めるな…』

 

アマネ“……なりません…コレより当域より撤収。重傷者も含めて、そして彼らをココに招くように”

 

マルスwithオーファン『……戦術師、危険だ。』

 

マリエラ「ちょっと!いきなりなんじゃない!?アマネ!?」

 

アマネ“……マルス、アスカは監視を命じます…陸戦隊の方々も…いいですね”

 

有無を言わさぬ迫力に気圧され、殺気だっていた陸戦隊は鉾を納めた。ゼロ、オーファンの姿が揺らぎ消えアスカ、マルスが機神召喚剣を手にしブレイブマシンを降りたユウキ、モロハの前に立った

 

アスカ「……来い」

 

マルス「アスカ、わかりづらいだろ?…はあ、とりあえず一緒に来てもらうよ」

 

鋭い眼差しを向けるアスカをなだめ柔らかい表情で促し、空間転移陣がブレイブマシン兼キャンプ用ドローンキャリアと共に不思議な空間を抜け見えた光景に息を呑んだ。

 

辺境伯の居城をも超える城塞、機神鍛冶等が槌を振るいレジスタンス兵が対人から機神戦、法術訓練に勤しんでいる中を進むユウキ達、不信感、怒り、敵意が入り混じった視線に耐えついたのは竹林が風に揺れる中に、こじんまりとした“お堂”だ

 

アマネ「…お入りなさい」

 

静かな声と共に入ると、幾つものホロスフィア浮かぶ中心にたつ十二単衣姿の女性が座していた

 

アマネ「…よく来ていただきました…来訪者の方々…わたくしは反辺境伯レジスタンス所属“戦術師アマネ”、まずあなた方に問いましょう…私たちと何故敵対したかを」




次回予告
ユウキらが招かれたは、レジスタンスの数ある拠点の一つ。

戦術師アマネの言葉の刃がユウキ達を深々と斬り捨てる。

失意のユウキ達にアスカ、マルス、マリエラの不審と疑念の眼差しを共に向けるレジスタンスから信頼を得られるのか?

エクシヴァルワールド ヒーローズ
正念場からのスタートライン
ユウキ達の冒険は続く。
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