エクシヴァルワールド ヒーローズ   作:銀祐

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レガシードルに伝えられる“大いなる機神”マグナカイザーとオーディアンによってオレイワルドス軍を退いたユウキ達だが戦術師アマネが倒れてしまう。果たしてどうなるのか…!?


呪われし機神、砕ける機神

ディード辺境伯居城内 通路

敗走したネスターエックスはようやくオレイワルドス最高責任者である辺境伯ディードの居城に着き、シャオラン達6人は例の物を届けるべく謁見の間へと向かった

 

シャオラン「デュラクローズは何とか中破で済んだがエルドラゴニスとアシュレギオンを失ってしまうのは残念だったがこれ以上ディード様を待たせるわけには行かん…それに例のアレを届けるのが先なのだが…」

 

サクラ「ディード様がレガシードルで発掘された機神を経由し、ムゲンザーク様のお力で生み出された超魔機神…それを届けに随分と時間が掛かってしまったのも無理はないけどユウキ達XVGSが今後レジスタンスと与するのも時間の問題になる…」

 

キョウジュ「しかし俺とタツマキは専用となるカスタム機を失ってしまった以上どうする事もない…」

 

タツマキ「ちくしょう!こうなってしまったのも全部あの機神共のせいだ!!」

 

フブキ「荒れてるようだねぇ…」

 

ツムギリア「無理もないさ、戦力を大幅に失いかけた私達にとってディード様なら何とかしてくれるはず。そのためにここへ来たんだから」

 

そう言ったシャオラン達は謁見の間へたどり着く。そこへ待っていたのはディードとその腹心であるバルゼリクスとエンヴィリオである

 

シャオラン「ディード様、シャオラン以下選抜部隊ここに参りました」

 

ディード「随分と待ちくたびれたぞ…それで例の物は届いておるな…?」

 

するとサクラは持ってきた例の物をディード達に献上した。それはなんと召喚武具らしき大鎌とフルスキンタイプの装甲手である

 

ディード「……よろしい…待たせた甲斐があったものだ…バルゼリクス、エンヴィリオ、この召喚武具をお前達に授ける…」

 

バルゼリクス「…ありがとうございます」

 

エンヴィリオ「これさえあれば僕達に敵はいないという訳だねぇ…」

 

シャオラン「…ディード様にお話をしてもらいたいのですが…」

 

ディード「話とは…?」

 

シャオラン「ここに来る前にレジスタンスの支部での戦いでキョウジュとタツマキの機体が大破されてしまいまして…私の機体は中破で免れましたが戦力を失った我々は最早貴方様のお力が必要となります…」

 

ディード「…ふふふ、良いよい。そう言うと思ってお前達を呼んでおいた以上お前のデュラクローズは我々が責任もって修理する…それにキョウジュとタツマキよ、機体を失ったお前達には2体のライネビロンを与え、同時にお前達が乗っていた機体と同じようにカスタマイズしよう…」

 

キョウジュ/タツマキ「ありがとうございます!」

 

サクラ「ディード様、私達は長旅の疲れを癒したいのですが…」

 

ディード「…いいだろう、好きなだけ休むがよい…」

 

サクラ「ありがたき幸せ…」

 

そう言ったシャオラン達は来るべき時へ向けて疲れを癒す事にした。それらを見ていたバルゼリクスとエンヴィリオは彼等を見てこう思いながらディードと話す

 

バルゼリクス「しかしどうも腑に落ちないものですね…ムゲンザーク様が認め加護を与えた英雄が今のままではどうする事もできないままでは…」

 

エンヴィリオ「僕もそう思いますよ、今の彼等では奴らを倒すどころか世界を信じることが出来ず、誰からも賛同や理解を得られないまま抱えていた歪みと暴走をする人間すら殺せなくなっちゃいますからねぇ…?」

 

ディード「そう言うと思ってな…バルゼリクス、エンヴィリオ、ムゲンザーク様が与えたその力であの機神を苦しみ虐げ絶望する様にしておけ、XVGS抹殺と黒い機神はその後だ…」

 

バルゼリクス/エンヴィリオ「「御意/わかりましたディード様」」

 

例の召喚武具を手にしたバルゼリクスとエンヴィリオがついに出撃する事になったその頃のユウキ達は…?

 

 

レジスタンス本部 医療施設

 

医師「バイタル安定…アマネ様はもう大丈夫です…ただ」

 

看護士「機神回路、疑似リンクからのバックファイヤの反動負荷は…意識が回復するには…」

 

医務室は喧騒に溢れかえっていた。第十三支部での戦闘直後、帰還したマグナカイザーから意識を失いぐったりとしたアマネを抱きかかえたアスカに運び込まれ数時間。容態は安定したが意識が戻らず昏睡状態に陥ってしまった

 

ナガラ「くそっ!!俺達はこの先どうなっちまうんだよ!?」

 

ルキナ「今まで私達が頑張っていたのは無駄な事でしょうか…?」

 

リシア「これじゃあ私達疫病神扱いじゃないか!!一体どうしてくれんだよ!?」

 

ナガラ、ルキナ、リシアはこうなってしまったのは全部ユウキ達がレジスタンスの人々を知ろうとした…いや彼らが求める答えを曲解してしまった事が原因だ

 

もはや何と愚かな事だろうか?曲解解釈したのが発端で埋まりかけた溝が更に広がったのだから

 

ユウキ「何で僕達ばっかこんな目に遭わなければならないのは他でもないが何か悪いことしたのは言うまでもなく僕達があまりに問題行動を3点起こしてしまったんだろう。一つは生け捕りにしたレジスタンスの人々の公開処刑に加担された事、二つはその事が原因で仲間同士で喧嘩、3つ目は公開処刑で虐殺された人々の遺族に対する謝罪と言う名の棚上げかつこれみよがしの綺麗事だらけのセリフ、全ては僕達があまりにも浅はかに過ぎなかったんだろう…」

 

ティアナ「こうなってしまった以上私達は綺麗事を捨て、自分達の個性のままに行動し、オレイワルドスを倒す事に専念しなければなりません!!」

 

モロハ「その通りだ、オレイワルドスによって大事な人々を失った者や気の毒で可哀想な人、更には関係なく巻き込まれて被害に及んだ者といった弱者の為にも俺達は奴らを倒すしか方法はない」

 

トウマ「今の俺達に出来る事は言うまでもなくそれしかないからな!!」

 

ヒマリ「奴らを倒さなければ私達の罪は贖えないという訳ね!!」

 

ユウキ達はオレイワルドスに対しては情け容赦なく、救う価値などない絶対悪である以上多元世界に平和を取り戻す事、死んでしまった者の無念を晴らすべく戦わなければ自分達の罪は贖えない、弱者の気持ちを考えて自分を見失わずに戦い続けると口にした時だ

 

マリエラ「随分とやる気のようだけど、何かおっぱじめるの?」

 

マルス「ん〜勝手なことは駄目なんじゃないかな?」

 

サツキ「マルスにマリエラさん、今の私達にはもうそれしかないのよ」

 

シズノ「どうしても止めたいと言うのなら私達のどこがいけなかったのか説明してください!」

 

タクヤ「こんな事言いたくなってしまうのも無理ないけど…実はユウキを殴り飛ばしたレジスタンスの女性がどうしても許せないせい。その悲しみを否定してしまってな…」

 

チサキ「嫌な気分になってしまうのは他でもないけど結局ユウキに止められて思い留まったのは良いけど…」

 

アリサ「そらまぁあたし達の気持ちを理解しないで大事なものを奪われた悲しみや怒りしかない連中はいつもそうだから、そっとしておくどころか助ける価値何てないと言ってしまって申し訳なかったから…」

 

遺族たちの悲しみを否定しようと考えたらしい…しかしマリエラ、マルスは心の中でため息をついた。”どこまで子供なんだと、何もわかってない”、この分だと殴られた理由すらも解してないとわかったが敢えて胸のうちにしまい込んだ

 

マルス「気持ちは分からなくもないけど…あまり勝手に動かれると困るんだけどね?」

 

ユウキ「忘れた訳じゃないよ…」

 

マルス「…それに第十三支部での戦いからやすんでないだろうし…そうだ!」

 

マリエラ「ここは気分を変えて温泉に入るのはどうかしら?」

 

ティアナ「温泉ですか…?」

 

そう言った後ユウキ達はマルスとマリエラによって温泉に誘われる事にした

 

ユウキ、モロハ、トウマ、タクヤ、ナガラ、マルスは男湯。ティアナ、ヒマリ、サツキ、シズノ、アリサ、コトナ、チサキ、マシロ、リシア、ルキナ、マリエラは脱衣所で別れた…自然石で作られた湯船から湯気が立ち、琥珀色の源泉かけ流しの温泉に誰もが息を呑んだ…質素ながら茅葺きの庇、岩を彫り抜いた五右衛門風呂?が並ぶ…それぞれ体を洗った後で湯船につかり湯の温度が疲れた体に染み渡った…が女性陣の視線はマリエラに集まる

 

マリエラ「はあ〜生き返るうう〜最近肩こりが酷くて…ふう」

 

琥珀色の湯を小麦色の肌になじませるよう滑らせるマリエラの水蜜桃がブルンと揺れ、無駄なく引き締まったウェストからヒップライン、太モモ…スタイルバッグんな肢体を湯に預け目を細めた

 

マリエラ「ふぃ〜いい湯でしょ〜あら、どうしたの?そんなに見ちゃだめよ♪」

 

アリサ「ち、違うから!」

 

マリエラ「はいはい♪そういうことにしとくわね……ところで、聞きたいんだけどレアがユウキを殴った事を怒ってたのかな?」

 

チサキ「どうしても許せられなかったから助けたくないと思ってしまって…」

 

アリサ「でもユウキが遺族のわからなくても救う価値がないからと言って助けるのを否定したところで解決できるはずがないと言われて思い留まったけどな…」

 

マシロ「その後私達は自分達の罪を償うべくオレイワルドスを倒さなければならないとそう考えた…」

 

マリエラ「ん〜…?」

 

ティアナ「そうですけどこうなってしまったのも全部私達が何も知らなかった上で思慮がなく浅はかな理想論ばかりだったからそれで…」

 

マリエラ「はぁ…あなた達は本当にわかってないわねぇ、あの後レキウス達に頼んでレアが何故こんな事をしたかも…何もわかってない」

 

ヒマリ「え…?」

 

マリエラ「……そんな事、望んでなかったのレアは」

 

ティアナ「でも私達が潜入捜査で生け捕りにした人々の中でそういった人がいるとは知らずディードの公開処刑に加担してしまったのは事実何ですが…」

 

マリエラ「だ〜か〜ら潜入捜査、虐殺に利用された事、彼女のような遺族の為、ディードを始めとしたオレイワルドス軍を一人残らず倒さなければならない…そんな事、求めてないんですけど?」

 

サツキ「そうなんですけど、私達にはそれしかないのよ…!」

 

シズノ「でも勝手な行動はしてはいけないのは十分わかってますし…」

 

マリエラ「勝手な行動はともかく、あなた達は勘違いしてない?んで見当違いのまま、レアたちの前で」

 

コトナ「…勘違い?」

 

マリエラ「潜入捜査における公開処刑による虐殺の加担や仲間同士での反目、綺麗事や上から目線な被害者根性丸出しかつ自分たちは悪くないという。そんなこと一つも求めてなかった…もう一度、思い出してみなさい…レア達が何を求めていたか?」

 

ヒマリ「レアさんが何を求めていたか…でも私達はどうしてもオレイワルドスを許せなかったから戦って殲滅することじゃ駄目なんですか?」

 

マリエラ「……駄目よ~もし気づいたとしてもアフターカーニバルよ…マリエラお姉さんから一つだけアドバイスしてあげる。“証を立てなさい”…わかりやすくシンプルな答えってやつだけど…よく考えてね」

 

ティアナ「…証を…立てる?…」

 

その言葉を深く刻んだティアナ達。時同じくして男湯の方では…

 

マルス「自分達の問題点を解消するべく自分達の個性のままに行動し、オレイワルドスを倒す事に専念したいという訳か…」

 

ユウキ「そうなんだよ、あの時僕を殴り飛ばしたえーと…」

 

マルス「レアさんだよ…」

 

ユウキ「そうレアさん。この事が切っ掛けで僕達はもうこれまでの自分と決別し、新しい自分になるべくオレイワルドス軍を倒さなければならないんだ」

 

モロハ「俺達とは住む世界の違う人間はひねくれてはいるものの事実をねじ曲げた嘘は…ぶはっ!な、何するんだよ…うわ、目が、目がああああ!」

 

“レガシードルの人間が捻くれている”…少しだけカチンときたマルスは無言で器用にモロハの顔めがけお湯を飛ばした。ここの温泉の泉質はナトリウム泉…当然。海に入った時と同じく染みるのは当たり前…どこぞの大佐並にのたうち回るモロハが余計なことを言ったんだとこの場に居る皆は気づいた

 

トウマ「それに潜入捜査が原因で仲間同士の喧嘩をしてしまった事も含めてな」

 

タクヤ「後、遺族の皆に対して許せなかった事もそうだけど…」

 

ナガラ「そらまぁ俺達じゃダメだと言われて仕方ない事もあるし…」

 

マルス「成程…それじゃあ僕からハッキリ言わせてもうけど…今までのあげた問題点と改善点も含めてダメだ。それにアマネさんが倒れた事は気にしなくていいが倒れてしまったのを自分達のせいだと思うのは烏滸がましいよ?自惚れだ」

 

ユウキ「そうだよね…」

 

トウマ「でも俺達は自分の過ちを贖うべくオレイワルドス軍と戦い続けなければならないんだ、これ以上奴らに虐殺されないようにするべく救えなかったレジスタンスの人々の無念を晴らすために…」

 

モロハ「はあ、はあ…住む世界が違えど俺達のやるべき事に変わりはない…奴らに殺されたレジスタンスの遺族の為にも奴らを倒さなければならない…」

 

マルス「……ならアドバイスだ……“証を示す”…僕から言えるのはコレだけさ」

 

色んな問題を抱えたユウキ達があげた問題点、改善点は的外れだと切り捨てたマルスのアドバイスが染み渡る…が、さらなる絶望が皆を襲う…なぜなら

 

マルス「ん?どうしたのかな?」

 

湯船から上がり手拭いを肩にかけたマルスが不思議そうに首を傾げる…傷が浮かぶ身体もだが

 

((((((((ま、負けた!)))))))))

 

何が負けたかは敢えて言うまい

 

それから風呂上りに浴衣を着たユウキ達は板張りの廊下を歩きながら風に身を任せ涼む…頭に浮かぶのはマルス、マリエラからのアドバイスだ

 

ティアナ「証を示す…一体どんな意味でしょうか…?」

 

ユウキ「いずれわかるかもしれない…とりあえず今は僕達に出来る事をしよう」

 

モロハ「そのようだがこの後どうするんだ?」

 

トウマ「とりあえずブレイブマシンの整備をしながら模索しておくのはどうだ?」

 

アリサ「それも良いよな、来るべき大規模反抗作戦に向けて完璧に仕上げないとこの先大変な事になるし」

 

コトナ「ダイユーシャとフラガルシオンがブレイブフォースを使った事から他の3体もそのようなのを搭載している以上、万全の状態にしないと」

 

マシロ「だけど今の私達じゃダメな気がするのは大体わかるけど戦って殲滅するじゃないとしたら一体何だろう…?」

 

チサキ「その事なんだけどマリエラの言ってたようにレアさんが何を求めていたのかが気がかりなのよね…」

 

タクヤ「それがわかれば苦労はしないけど世の中そんなに甘くはないんだよなぁ…」

 

サツキ「ところでさ、あのマグナカイザーやオーディアン…レガシードルの機神って全部があんな感じなの?」

 

シズノ「たぶん…ゼロ、ドラグーンが合体したのがマグナカイザー。オーファン、ノヴァが合体したのがオーディアンね…ブレイブマシンとはコンセプトも違うし、武器を媒介にして喚び出すなんて魔法ってレベルじゃありませんね」

 

少し興奮したように見せるホロスフィアにマグナカイザー、オーディアンの姿…合体時に発生するバリア・フィールド、必殺技時の瞬間最大出力数値データに目を見開いた

 

ナガラ「たしかに機神って凄いな…使われてる技術は俺達のブレイブマシンと全くの別物ってわけだ。それよりもユウキ、オレイワルドスの奴等も黙っちゃいられねーのは皆もわかってるよな?」

 

ユウキ「わかってるけど今は僕達の問題を向き合わなければならない状況なんだから…」

 

ルキナ「分からない事が山ほどありますけど油断なりませんね…」

 

リシア「全くもってそうだろうな…」

 

ユウキ達は大規模反抗作戦に向けて自分達のやるべきことが何かを今一度考えたが解らないまま夜が明けて、大規模反抗作戦まであと10日が迫っていた…

 

レジスタンス本部 医療施設

 

未だに目覚める事がないアマネを一晩中傍にいたアスカは静かに様子を見ていた所、マルスとマリエラが現れ、この先どうするか考えるように語り合った

 

アスカ「……」

 

マルス「アスカ…君がアマネさんを思う気持ちはわかるよ…いまは信じよう…ね?」

 

アスカ「ユウキあいつ等は…?」

 

マリエラ「今のところは良い子ちゃんを通してる感じ?…話変わるけど辺境伯軍…いえオレイワルドス軍の事なんだけど…アマネが予想してた通りね」

 

アスカ「……」

 

マリエラの言葉に無言で返すのを見て。やれやれと手を上げる…壁に背を預けるアスカの胸のうちにあるのはアマネを守れなかった“自身への怒り”だ

 

二人の関係を知るマリエラ、マルスは痛いほど知ってるからだ。話を元に戻すようにマルスは口を開いた

 

マルス「…辺境伯軍は間違いなく動く…マグナカイザー、オーディアンを見せてしまったからね…あとユウキ君達の行動が気になるけど大丈夫かな…?」

 

アスカ「……」

 

オレイワルドス軍…いや辺境伯軍の次の一手、未だにレジスタンスとの溝が埋まらないユウキ達の動き次第で迫りつつある大規模反抗作戦の成否に影響する…眠り続けるアマネが目覚めるのを待つしかないのだから

 

その頃のユウキ達は今後の戦いに向けてブレイブマシンの整備を行っていた。ダイユーシャ、フラガルシオン、ダイカイザー、ブラスティオン、リュウビレイザーから少し離れた区画には、ビクティム、カノーネが並び整備するレジスタンスはユウキ等に目をくれずパーツ交換と魔導サーキット、変換効率調整を勧めていく

 

最初の頃に比べ敵意は無いが、空気が重い…それを振り払うようヒマリはん〜っと背伸びした

 

ヒマリ「今の所問題ないそうだけど今後の戦いに備えるようにしておかないとね」

 

ティアナ「機体のお手入れはこまめにしなければなりませんが浮かれてる場合ではありませんよ」

 

アリサ「わかってるって、それにしても証を示すというのは一体何なんか気になるな」

 

コトナ「行動で証明する…とでも思いたいわね」

 

トウマ「そのようだけどシャオラン達を退いたとしてもまだディードや二人の側近が控えてる」

 

モロハ「バルゼリクスとエンヴィリオか……」

 

シズノ「……あの二人が動くって事ですか?」

 

サツキ「だからといって私達は出来る限りそれらに立ち向かうしか方法はないわ」

 

マシロ「わかっている…倒れてしまったアマネさんの為にも頑張らないと!」

 

タクヤ「ああ、俺達は精一杯奴らに立ち向かわなければならないからな!」

 

チサキ「闘志を燃やすのは良いけど今は整備に集中しないと…」

 

ユウキ「今あげた問題点や改善例がダメなら証を示す…僕達に出来るのかな…?」

 

仲間たちが整備を励んでいる中、何故かユウキだけ深刻そうな顔をしていた。証を示す…いずれ分かる時が来るのかもしれないとそう信じていたその時である。警報にも似た音が鳴り響いた

 

“エマージェンシー!エマージェンシー!第十一支部が辺境伯軍に特定!攻撃を受けている模様!第一種戦闘配置に移行!ビクティム、カノーネ六小隊は速やかに救援へ向かわれたし!繰り返す!!”

 

トウマ「まさかまた奴等かよ!?休暇終了が早すぎないか!?」

 

アリサ「とりあえず整備はある程度終わったからな、いつでも出撃できるぞ!」

 

サツキ「それじゃあ早速行きましょう!」

 

マルス「なら僕とアスカもだ…忘れたわけじゃないよね?」

 

笑顔だが目は笑ってない…少し離れた場所にいるアスカは鋭い眼差しを無言で向けている。救援へ向かう部隊と共に行くようだ

 

ユウキ「そういえばそうだったね…ところでマリエラさんは?」

 

マルス「マリエラはアマネさんを診てる……ああ見えて神医術師だから心配はないよ」

 

マリエラが医術の心得があると聞いた皆が驚いた…普段から露出高めな彼女のイメージしかないから仕方ないのは無理ない…じゃあと手を振りマルスは離れていくのを見送る…ナガラ、リシア、ルキアはユウキを見た

 

ナガラ「だったら俺達もアマネさんの様子を見ていかないとな!」

 

リシア「また出番無しになるけど今はそれどころじゃないし…」

 

ルキナ「私達の事は気にしないでユウキさん達にお願いします」

 

ユウキ「わかった。行くぞ皆!!」

 

ユウキ、ティアナ、ヒマリ、モロハ、サツキ、シズノ、トウマ、アリサ、コトナ、タクヤ、チサキ、マシロはアスカやマルスと共に出撃。残ったナガラ、リシア、ルキナはマリエラと共にアマネの様子を見に行こうとした…が

 

ナガラ「な、なんだよ?」

 

アスカ「…………戦闘配置につけ…」

 

リシア「私たちはアマネさんの様子を…」

 

その言葉にいら立つナガラ、リシア、ルキアに更に言葉を重ねた…

 

アスカ「必要ない……」

 

底冷えするような威圧感が込めた声に答えることが出来ないナガラ、リシア、ルキアを残し背を向け分厚い刃を持つ機神召喚剣を逆手に構えたまま駆けていく

 

レジスタンス第十一支部

突如現れた大勢のドラムローバに対し、レア率いるビクティムとカノーネ部隊が迎え撃つ。その様子を空間圧縮魔術によって作られた空間で見ていたバルゼリクスとエンヴィリオはこう言った

 

エンヴィリオ「あのような連中が戦っている所に奴らが来ると思うのは言うまでもないけどまだ動いちゃダメなのかなバル?」

 

バルゼリクス「エン、まだその時ではない。我々が動くのは奴らが来た時だ…」

 

この様な戦いをまるで撒き餌のように考えていたバルゼリクスとエンヴィリオだが二人の思惑通りにダイユーシャ((ユウキ/ティアナ/ヒマリ))、ダイカイザー《(タクヤ/チサキ/マシロ)》)、フラガルシオン((モロハ/サツキ/シズノ))ブラスティオン((トウマ/アリサ/コトナ))、そしてゼロとオーファンが駆けつけ、レジスタンス部隊と協力する事になった

 

ダイユーシャのグランディアブレード、フラガルシオンとブラスティオンのダブルセラフィックブレード、ダイカイザーのギャラクシーブレード、そしてゼロのバスターソードとオーファンの二振りの大剣が大勢のドラムローバを蹴散らしていく。何とか片付いたと思ったその時、ユウキ達は何やら違和感を感じる

 

ユウキ「…おかしい、何故奴らはこのような連中を率いていたのか…?」

 

ヒマリ「もしかして何か引っかかるという事?」

 

ユウキ「そう、もしかして僕達は奴らの思惑通りにここへ誘い込んだという訳なんだろうか…?」

 

アスカ/ゼロ“………!”

 

???『その通り、お前達をここへおびき寄せるために大勢のドラムローバを使わせたのだ』

 

そう言いながら現れたのは浮遊魔法を使ったバルゼリクスとエンヴィリオだった

 

モロハ「バルゼリクス!それにエンヴィリオもか!!」

 

エンヴィリオ「覚えてくれて光栄だねブラウム君…というか今はモロハ君だったね」

 

トウマ「よくもユウキや兄さん達を公開処刑の為に利用したな!!」

 

タクヤ「わざわざ出て来るとは好都合だ!一気にぶっ飛ばしてやるぜ!!」

 

潜入捜査を行ったユウキやモロハ達を利用した事で怒るトウマとタクヤをよそにバルゼリクスはそれらをあしらうようにこう言い放つ

 

バルゼリクス「愚かな奴等よ…ならば問わせてもらおう。お前達は周りを信じる事すら出来ず誰からも賛同を得られずただ自分達の事しか考えていない事をまだ気づいていないのだろうか?」

 

ユウキ「…何を言ってるんだ?」

 

バルゼリクス「あの時虐殺を行ったのはディード様を含めた私達であるが生け捕りをしていたお前達は言うまでもなく我々に加担したという事、それが原因で彼等に恨まれ憎まれ嫌われているせいか遺族にまで信じるどころか理解しなかったお前達は周りを信じることができず、自分の殻に閉じ籠っている弱い人間と同類にして同罪という訳だ。そのような人間に良心や理性があっても我々から見れば下らないとしか思えない…やり直しても無駄だという事だ」

 

エンヴィリオ「言うなれば歪みや暴走を抱えた時点で生きてる価値何てないから死んで当然なんだよねぇ~♪」

 

その事を聞いたユウキ達は世界を信じることが出来ず、誰からも賛同や理解を得られないまま抱えていた歪みと暴走をする人間に対して容赦なく、わずかながらの良心すら蔑ろにするという同じ人間とは思えない理由で死んで当然だと考えるバルゼリクスやエンヴィリオに業を煮やした

 

モロハ「そこまで言うのなら徹底的に叩きのめしてやる!!」

 

シズノ「あなた達に殺されたレジスタンスの人々の為にもあなた達には報いを受けさせてもらいます!!」

 

サツキ「覚悟しなさい!!」

 

ヒマリ「というかアンタ達の機体はどうしたのかな?まさか忘れちゃったとか言わないよね?」

 

ティアナ「いえ、あの二人の事ですから何かとんでもない事をしでかすつもりです」

 

ユウキ「僕達は騙されないぞ!」

 

そう言われたバルゼリクスとエンヴィリオは何かを悟ったかのようにこう言い始めた

 

エンヴィリオ「やっぱり勘付いたそうだねぇ。僕達が何をしでかすのかを」

 

バルゼリクス「だがお前達が我々に勝つ事など不可能となるのだからな!」

 

そう言った後、バルゼリクスとエンヴィリオは専用の召喚武具をを天に翳して詠唱する

 

バルゼリクス「超魔機神召喚!!バルゾディアック!!」

 

エンヴィリオ「超魔機神召喚!!エンデヴィルザー!!」

 

その呼び声に反応した事で召喚者の下に駆け付けたのはおぞましくも禍々しい2体の機神。

それはムゲンザーク自らの力によって生み出された存在、

世界を信じることが出来ないを壊し、

誰からも賛同や理解を得られないを砕き、

それらによって抱えられた歪みや暴走を滅ぼすべくわずかながらの良心を蔑ろにするオレイワルドスが生み出した破壊と殺戮の象徴、

その名も超魔機神【バルゾディアック】と【エンデヴィルザー】

 

マルス/オーファン“あの機神は……?”

 

アスカ/ゼロ“………”

 

マシロ「まさか奴等も機神を用いるなんて…!」

 

エンヴィリオ「機神は機神でも僕達のは超魔機神なんだけどね」

 

アリサ「超魔機神だと!?」

 

エンヴィリオ「ディード様がレガシードルで発掘された機神をムゲンザーク様自らの力を与え生み出されたとでも言ってもらいたいね」

 

バルゼリクス「余計なことはいいエン、せっかくの超魔機神である以上我々はディード様の命令通り実行しなければならない」

 

ユウキ「僕とタクヤはアスカと共にバルゼリクスを、モロハとトウマはマルスと協力してエンヴィリオを攻撃だ!奴等の思い通りにさせてなるものか!」

 

タクヤ「言われるまでもないさ!」

 

アスカ/ゼロ“………”

 

モロハ「行くぞトウマ、そしてマルス、俺達の力を奴等に見せつけるぞ!」

 

トウマ「勿論だよ兄さん!」

 

マルス/オーファン“……いいだろう”

 

そう言った後ダイユーシャ達は2体の超魔機神と対決する

 

【ダイユーシャ/ダイカイザー/ゼロ対バルゾディアック】

 

バルゼリクス「まずはお前達か…纏めて相手をしてもらうとしよう!!」

 

そう言ったバルゾディアックは両腕から放つバルスマッシャーでダイユーシャ達を攻撃するがそこへダイユーシャとダイカイザーが挟み撃ちを仕掛けようとしていた

 

ユウキ「左右同時攻撃で仕掛けるぞ!!」

 

タクヤ「了解!!」

 

そう言った後ダイユーシャのグランディアブレードとダイカイザーのギャラクシーブレードによる同時攻撃を仕掛けるがそれを想定していたかのようにバルゾディアックはその攻撃を両腕で受け止めた

 

バルゼリクス「浅はかな考えだな、そんな事をしてこの私に盾突こうなど…む!?」

 

そう言ったバルゾディアックの目の前には上空からゼロがバスターソード“ライフルモード”から放たれたビームを仕掛けていた

 

アスカ/ゼロ“………排除開始…!”

 

そう言いながらバスターソード“ライフルモード”から放たれたビームがバルゾディアックに直撃し爆発した。やったかと思われたその時である

 

バルゼリクス「その程度の攻撃で終われる私ではない!!」

 

そこへバルゾディアックが拳一つでゼロを攻撃し、その攻撃を受けたゼロは吹っ飛ばされてしまう

 

アスカ/ゼロ“ぐっ…!?”

 

そこへバルゾディアックが拳一つでゼロを攻撃し、その攻撃をバスターソードの刃で受け踏み止まる

 

ティアナ「アスカ君!!」

 

ユウキ「くそっ!今度は僕達が相手だ!!」

 

タクヤ「加勢するぜ!!」

 

そう言いながらダイユーシャとダイカイザーは力を合わせてバルゾディアックに立ち向かう。しかしバルゾディアックは武器を使うことなく徒手空拳だけで2体同時に張り合いながらダメージを与えられず防戦一方だった

 

バルゼリクス「どうした?威勢がいいのは口だけか?」

 

ユウキ「うるさい!!」

 

タクヤ「俺達を舐めるな!!」

 

このままでは勝てないと思ったユウキ達はある方法を思いつく

 

ユウキ「こうなったらアレを使うぞ」

 

タクヤ「今の俺達にはそれしかないという訳か…」

 

マシロ「でもあいつに通用するのかな?」

 

チサキ「とにかくやってみるしかないわ!」

 

ヒマリ「ユウ君!」

 

ユウキ「わかってる!」

 

ユウキ/タクヤ「ブレイブフォース!!」

 

ダイユーシャとダイカイザーはブレイブフォースで勝負に出た。果たして超魔機神に通用するのだろうか?

 

バルゼリクス「あれはシャオランを打ち負かした奴等の能力…面白い、存分にかかって来い!」

 

ユウキ「一気に行くぞ!!」

 

タクヤ「ああ!!」

 

ユウキ/タクヤ「ブレイブソード・チャージアップ!!」

 

ブレイブソード・チャージアップはグレートソード(大剣)にエネルギーを溜めて敵を一刀両断する必殺技で今回はブレイブフォースによって威力が上がった事でバルゾディアックに叩き込んだ。これによりバルゾディアックはダメージを受けてしまう

 

バルゼリクス「ぐっ…!流石だな…この私に傷を負わせるとは…ならば私も本気を出してもらうとしよう!グランバルソード!!」

 

するとバルゾディアックは専用の大剣であるグランバルソードを召喚した。どうやら本気を出すつもりだ

 

ユウキ「どうやらそれが奴の本気らしいな…だけど強大な相手にとって不足はない!!」

 

タクヤ「その通りだ!俺達はあんな奴等に負けるわけにはいかないんだ!!」

 

バルゼリクス「ならば来るがいい…お前達の持てる全力を尽くしてな…!!」

 

ユウキ「言われなくても!!」

 

タクヤ「行くぞバルゼリクス!!」

 

ブレイブフォース状態で再びバルゾディアックに挑むダイユーシャとダイカイザーだがやはり先程の徒手空拳とは違いグランバルソード一つで防がれてしまう

 

バルゼリクス「無駄な足掻きをしたものだな…貴様らがいくら強くなった所で所詮は弱い人間!我等に勝てる事などあり得ないのだ!!」

 

そう言ったバルゾディアックはグランバルソードの大きな一振りでダイユーシャとダイカイザーを持っている武器ごと叩き込んで吹っ飛ばした

 

ユウキ/タクヤ「うわああああ!?」

 

【フラガルシオン/ブラスティオン/オーファン対エンデヴィルザー】

 

エンヴィリオ「いくら君達が有利だからと言ってもこのエンデヴィルザーの敵ではないという事を変わりはない…纏めて抹殺してあげるよ!」

 

モロハ「お前達の思い通りに行くと思うな!!」

 

トウマ「兄さんの言う通りだ!お前達のやっている事は一人で抱え込んで苦しむ人に対する虐殺に過ぎない!!」

 

マルス/オーファン“その通りだ…!!”

 

エンヴィリオ「何とでも言うがいいさ、僕達はムゲンザーク様やディード様によって理解する事や信じることだって出来るんだからね!!」

 

そう言った後、エンデヴィルザーは両腕から発射するヴェノスマッシャーでフラガルシオン達を攻撃するが何とか回避しながら反撃に出る事にした。まずはフラガルシオンとブラスティオンが同時にセラフィックブレードで攻撃し、怯んだ所でオーファンが二振りの大剣でエンデヴィルザーに斬りかかるが…

 

エンヴィリオ「一度目の攻撃は受けても二度目の攻撃は受けるわけには行かないね!!」

 

そう言いながらエンデヴィルザーはオーファンに向けて至近距離でのヴェノスマッシャーで攻撃し、その攻撃を受けたオーファンは吹っ飛ばされてしまうが地面へ大剣を突き刺し刳りながら止まる

 

マルス/オーファン“ぐあああ…!!”

 

コトナ「トウマ、オーファンが…!」

 

トウマ「わかってる!兄さん!!」

 

モロハ「ああ!!」

 

モロハ/トウマ「ブレイブフォース!!」

 

先程のダイユーシャとダイカイザーと同じくフラガルシオンとブラスティオンはブレイブフォースで勝負に出た

 

エンヴィリオ「それって確かシャオラン君を打ち負かした能力だね?何をするつもりかね?」

 

モロハ「こうするのさ!!太白超斬破!!」

 

太白超斬破とは太白のエネルギーで大剣を払ってから、大きく飛び上がって大剣を振り落とすことによって 爆炎を発生させる必殺技でブレイブフォースによる威力倍増によってフラガルシオンは見事エンデヴィルザーに命中した

 

エンヴィリオ「何ィィ!?」

 

トウマ「これが俺達のダブル太白超斬破だ!!」

 

そして更にブラスティオンも続けてブレイブフォースによって威力を倍増した太白超斬破でエンデヴィルザーにもう一撃くらわした。これによりエンデヴィルザーはダメージを受けてしまう

 

エンヴィリオ「…どうやら君達を見くびってしまったようだね。そろそろ本気を出すとしようか」

 

するとエンデヴィルザーは専用の大鎌であるヴェノスタックスを召喚した。大鎌と言うよりはそれらを合わさった両手銃にしてヘビィボウガンである

 

エンヴィリオ「僕のエンデヴィルザーがヴェノスタックスを出した以上君達に勝ち目はないという事を思い知るんだね!!」

 

そう言ったエンデヴィルザーはフラガルシオンとブラスティオンに襲い掛かるがブレイブフォース状態で応戦するべくセラフィックブレードで迎撃するがヴェノスタックスによる強力な一撃でへし折られてしまう

 

モロハ/トウマ「な!?」

 

エンヴィリオ「言ったはずだよ、君達が何をしようとしても勝ち目はないという事をね!!」

 

そう言いながらエンデヴィルザーはフラガルシオンとブラスティオンから離れてヴェノスタックスのもう一つの要素である重金属粒子砲で砲撃し、爆音と共に吹っ飛ばした

 

モロハ/トウマ「うわああああ!!」

 

エンヴィリオ「いいね、いいね、いいザマだねぇ!最高の気分だよ!!」

 

バルゼリクス「そうだな…我々に対して過剰な怒りを任せる事しか能がないどころか誰からも信じる事や理解や賛同すら出来ず抱え込んだ愚か者にはこのような苦痛を与えてから抹殺しなかればならないからだ…」

 

そう言いながらユウキ達を苦しみ、虐げる様を見て平気な顔をするバルゼリクスとエンヴィリオをよそにユウキ達は自分達の安否を確認する

 

ユウキ「皆大丈夫か…?」

 

ティアナ「大丈夫です…」

 

ヒマリ「私も同じくね…」

 

サツキ「あの超魔機神はこれまでの奴等とは大違いよ…」

 

シズノ「今の私達ではどうする事も出来ません…」

 

モロハ「だからといって諦めるかよ!」

 

トウマ「言われるまでもないがそれとこれとは別なんだ…」

 

アリサ「ちくしょう!何とかならないのかよ!?」

 

コトナ「無理よお姉ちゃん…今のままではあいつ等に勝てないわ」

 

チサキ「何か方法はないのかしら!?」

 

マシロ「そんな事言われても…」

 

タクヤ「やっぱり奴等の言う通り今の俺達は信じる事や理解する事すら出来ないと言うのか…!?」

 

2体の超魔機神によって大きなダメージを受けたXVGSが誇る4体のブレイブマシンは何とか立てるが不幸な事に今の一撃でグランディアブレードとギャラクシーブレード、そして2本のセラフィックブレードが折られてしまいどうする事も出来ず今までの自分達のやり方ではどうしようもなかった事を悔やんでいた

 

エンヴィリオ「最早彼等に成す術はなさそうだよバル?この後どうしようかな…?」

 

バルゼリクス「知れた事を…奴等は我々を知り過ぎた以上生かしておく必要はない…」

 

そう言ったバルゾディアックとエンデヴィルザーは自分達オレイワルドスの目的や真相を知り過ぎたユウキ達を抹殺しようとしていた。一方バルゾディアックとエンデヴィルザーによって吹っ飛ばされ、立ち上がったゼロとオーファンはこの様な光景を目の当たりにした

 

マルス/オーファン“このままでは…どうする…?”

 

アスカ/ゼロ“…………(力だけ…いや少しはマシになったか)…マルス”

 

マルス/オーファン“……わかった”

 

そう言った後行動を起こす前、バルゾディアックはグランバルソードによる強大な衝撃波、エンデヴィルザーはヴェノスタックスによる強力な砲撃でダイユーシャ達にトドメを刺そうとしていた

 

バルゼリクス「万策尽きたようだな…これで終わりだ!!」

 

エンヴィリオ「それじゃあ…バイバ~イ♪」

 

火花を散らせ倒れ伏したダイユーシャ達に、闇より暗い波動を伴う衝撃波、妖しい輝きをあふれ出させながら撃たれた砲撃が迫る…短く紡がれたアスカの言葉にマルスは頷きゼロ、オーファンが立ちはだかり、防御結界を幾重にも展開し防ぐ…しかし数秒持たずに砕け2機は飲み込まれた

 

エンヴィリオ「へえ、耐えたかい…流石は古の機神だけはあるかい」

 

バルゼリクス「……そいつ等をかばうとは…愚かだな」

 

衝撃波と砲撃の余波が消えゼロ、オーファンが立つ姿にユウキ等は理解が追いつかない…なぜ自分たちを守るようにして立つのかを?

 

ユウキ「アスカ…?マルス…?どうして僕達を…?」

 

アスカ/ゼロ「………退け…」

 

マルス/オーファン「…………君たちは皆を連れて速く!」

 

ゼロのバスターソードが横薙ぎに振るわれ、バルゾディアックが手をグランバルソードで弾き、オーファンが構えた二振りの大剣がエンデヴィルザーを捉えるも躱されヴェノスタックスがスレスレで装甲を掠り、空を、大地を剣閃、砲撃を避け縦横無尽に駆けぶつかる様にユウキらは息を呑むしかない…

 

あの時、初めて剣を交えた時とは雰囲気も違う、必殺の一撃が繰り出されるも紙一重で避け反撃に転じる姿はまさに演舞としか例えようがない

 

バルぜリクス「……目障りだ」

 

エンヴィリオ「そうだね~慣らしはもうこれぐらいで十分かな?」

 

激しく撃ち合う中、バルゾディアック、エンデヴィルザーから異様なオーラが溢れた、何かが来ると肌で感じ距離を取り離れたゼロが変形、オーファンはその背に乗ると大きく大剣を構えた…いくつもの不可思議的円環が正面に展開していく

 

アスカ/ゼロ「…マルス」

 

マルス/オーファン「…ああ!」

 

オーファンを乗せたゼロは不可思議円環を凄まじい加速と共に抜け、紅蓮の焔…不死鳥へ姿を変え飛翔すると同時にバルゾディアックが闇よりも深い黑いエネルギー弾を撃った…互いにぶつかり炎、闇があたりに霧散し大気を震わすが押し返され、ついに闇に飲み込まれた

 

アスカ/ゼロ「ぐ…」

 

マルス/オーファン「っ!!」

 

闇に貪られるようにゼロ、オーファンの装甲が砕けながら地響きと共に落ちた…その姿が揺らぎ弾き出されるようにマルス、アスカは倒れ手にした機神召喚武具からビシリと音と共に砕け、灰色に染まり宝玉が輝きを失う

 

ユウキ「くっ…アスカァァ!!マルスゥゥ!!」

 

目の前で自分達を庇ったゼロとオーファンの前に叫ぶユウキだったがバルゾディアックとエンデヴィルザーは邪魔建てしたとはいえ自分達にとっての障害だったゼロとオーファンの死は言うまでもなく好都合であったが…

 

バルゼリクス「邪魔をしたとはいえまさか仲間と思って自らを犠牲にするとは好都合…む!?」

 

エンヴィリオ「何だ!?」

 

そこへビクティム、カノーネの部隊がバルゾディアックとエンデヴィルザーに対して攻撃を開始した

 

レジスタンス「何をしている!?さっさと二人を連れてここから退くんだ!!」

 

ユウキ「でもあなた達はどうするんですか!?」

 

レジスタンス「ここは我々が食い止める…勝てないのはわかるけど…」

 

ユウキ「でも皆さんはあいつ等に対して怒りに任せて戦ってるんじゃ…」

 

レジスタンス「それは違う…誰もが平和に、君達の嫌う怒りに任せて戦うんじゃない、未来を繋ぐために戦う…君達はアスカとマルスを連れて退くんだ!!」

 

そう一括されたユウキはようやく理解した、レジスタンスの人々はただ怒りを任せて戦うのではなく誰もが平和のために、未来を繋ぐために戦っている事を…それを知った今、自分達に出来る事を実行する

 

ユウキ「…モロハ、トウマ、タクヤ、ゼロとオーファンを連れてここから引き揚げよう」

 

モロハ「わかった…これからどうするんだ?」

 

トウマ「どうするって…」

 

タクヤ「分かってるけど急いでここから脱出だ!!」

 

そう言った後ダイユーシャ達を連れて撤退した。その後レジスタンス部隊は殿を務める為残る。圧倒的な性能差を誇る超魔機神にビクティム、カノーネら数を減らしていく蹂躙され、倒れ伏してしまうだけだった

 

バルゼリクス「愚かなレジスタンス共め…手こずらせおって…!!」

 

エンヴィリオ「どうやら逃げたみたいだよ…どうでるかな?」

 

バルゼリクス「どう足掻いても無駄だ…」

 

エンヴィリオ「つまり孤立無援のざまぁと言う事だね~アハハハハハ♪」

 

高らかに笑うバルぜリクス、エンヴィリオ無惨な躯を晒すビクティム、カノーネのが再起動しバーニア全開で組み付いた…装甲は砕け、四肢の一部が喪われたのに関わらずだ

 

レア「はあ、はあ、捕まえたぞゴラァ!!」

 

血を吐き火花散るビクティムのコックピットに座るレア、ノイズ混じりのモニターには僚機が映され、右操縦桿基部から赤く点滅するパネルがせり出す

 

レジスタンス女性「姐さん、これ以上は!」

 

バルゼリクス「く、離せ!!」

 

エンヴィリオ「おやおや、まだ抵抗するのかい?諦めが肝心だよ?」

 

レア「が、は…諦めるかよ…アスカとマルス…ついでにクソガ…ユウキが逃げ切るまでは……だからさ…アタシらと地獄にまでつきあええええ!!」

 

力いっぱい点滅するパネルを叩いた瞬間、バルゾディアック、エンデヴィルザーにしがみついたビクティム、カノーネからまばゆい光が溢れた

 

エンヴィリア「き、貴様―――――――――」

 

バルゼリクス「なっ!――――――――――――」

 

レア(……ざまあみろ………あとは…たのむよ……いま、いくよ…)

 

大地が、空が激しく震え極太の光の柱が立ち上がる…爆風とともに光が、レジスタンス第十一支部を焼き尽くし文字通り消滅した…爆心地にはビクティム、カノーネだったナニカが墓標のように散らばっていた

 

レジスタンス本部に帰還したユウキ達は待機していたナガラ達やマリエラに超魔機神の出現やゼロとオーファンが死に絶えたが奇跡的にアスカとマルスは無事で更にはレジスタンスの部隊が未来を繋ぐために殿を務めた事を話した

 

マリエラ「アマネが倒れた事に続いて奴等の切り札である超魔機神によってゼロとオーファンが倒されるなんて…」

 

ティアナ「信じたくはありませんが私達を逃がしてくれたレジスタンスの皆さんが殿を…奴等に立ち向かいました…」

 

マリエラ「第十一支部の壊滅は聞いたわ……ならわかってるわね。私たちがやる事を」

 

ヒマリ「わかった気がする…彼等が怒りに任せて戦うのではなく誰もが自由と平和のために…そしてより良い未来に繋ぐために戦っている事を…」

 

マシロ「その為にも私達は自分の無力さを知ったんだ…私達を助けるために庇った二人の思いを無駄にはしないために…」

 

マルス「勝手に殺してもらうのはどうかな?」

 

アスカ「……」

 

包帯とギプスで腕を固定したアスカ、マルス…その手にはひび割れ輝きを失った機神召喚剣バルムンク、機神召喚大剣バスターソードが痛々しい姿を見せた

 

ユウキ「そうだった、ごめんなさい…て、動いて大丈夫なの?」

 

マルス「大丈夫さ…死なない限り、体が動くうちは戦えるからね」

 

マリエラ「二人とも絶対安静って言わなかった!?」

 

アスカ「……ビクティムがあるなら使う…」

 

マリエラ「も〜う根暗ん坊!とにかくビクティムじゃマルスやアスカの操縦に耐えきれないわよ!!」

 

傷だらけになろうとも戦う意思は消えてない…なぜこうなってまで怪我を押してやろうとするのか…ユウキ達はわかってしまう…第十一支部で殿を努め散ったレアを始めとした面々と同じ、いやそれ以上の信念が突き動かしていると…いや彼らを止めることはだれも出来ない

 

ナガラ「ま、まあアスカとマルスが無事で良かったのはいいが…問題はゼロとオーファンの事なんだけど…」

 

ユウキ「一体どういう事なんだ?」

 

ルキナ「私達グランストライアの技術では修理どころか蘇らせる事は出来ません…」

 

リシア「つまりレガシードルの機神は未知の技術で作られたんだよ…私達の知らない何かが多すぎ…エクストラオーバテクノロジー、シンギュラリティーすらも超えてる」

 

モロハ「そんなバカな…!俺達の技術ではどうする事も出来ないのか…!?」

 

アスカとマルスが無事であるが問題はゼロとオーファンはユウキ達グランドストライアの知識を持ってしても修復、解析不可能な技術が使われた機神…なにより機神召喚武具すらも手に余り、直すにも呼び出さなければならない。どうする事も出来ないと思われたその時、レキウスとミホノカが現れる

 

レキウス「まだ諦めるのは早いんじゃないのかな?」

 

ミホノカ「災難でしたけどお困りのようでしょうね」

 

トウマ「レキウスにミホノカ」

 

モロハ「知ってるのか?」

 

タクヤ「知ってるも何も俺達が喧嘩した時に出会ったレジスタンスのメンバーなんだ」

 

シズノ「私達の知らない間に他のメンバーと知り合うなんてずるいです…」

 

アリサ「それは悪かった…なんて言ってる場合じゃないけど今は大変な事になってるんだ」

 

ミホノカ「知ってますよ、あの機神の出現と第十一支部の壊滅。そしてオーファン、ゼロの事も…大規模反抗作戦の要なのに…」

 

ゼロとオーファンを一体どうすれば良いか悩む…ふとレキウスの脳裏にあることが思い出された

 

レキウス「ゼロとオーファン。もしかしたら蘇らせる方法があるかもしれない…」

 

ティアナ「それは一体何でしょうか?」

 

レキウス「レガシードル王家に伝わる伝承さ…」

 

“最果てより来たりし数多の災厄、大地は汚れ、数多命流れ、悲嘆の涙落ち散る…「黒きモノ」来たりて大いなる神を呼びし武具を与えん。最果てより来たりし数多の災厄を闇に屠り、光が大地を照らす”

 

レキウス「まあ、出だしだけど…ここからが重要さ」

 

ユウキ等に言い聞かせると再び語りだした

 

“災厄は去りしも、大いなる神と武具は命流れ尽きる…想うモノとありたいと願い、嘆く人々の願い…「黒きモノ」、自らの血を枯れし泉に落とす…数多の輝き称える聖なる泉、共に皇咒の華は咲き乱れ、その蜜を大いなる神、武具に注がれ強き力と共に蘇らん”

 

レキウス「……コレが伝承さ…」

 

ユウキ「じゃあ…聖なる泉に行けば…」

 

アマネ「……ゼロ、オーファンは蘇る…なら急ぎましょう。新たな力を手にするために」

 

凛とした静かな声…皆が一斉に振り返る。十二単姿に長い鹿毛をゆらしドラグナを手にし佇むアマネの姿があった

 




次回予告
溝が埋まるも、戦術師アマネが倒れた

死に絶えたゼロ、オーファン

復活の為にユウキ等が向かうは伝承に在りし《黒き者》が産み出した“聖なる泉”そこに咲く“皇咒の華”

アマネ、マリエラ、傷の癒えないマルス、アスカ、ユウキ等が見たものは…

名誉挽回に流行るオレイドワルス、シャオラン等が迫る

エクシヴァルワールド ヒーローズ
命の華

新たな命はレガシードルの悪意ある闇を祓う
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