エクシヴァルワールド ヒーローズ   作:銀祐

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嵐の前に

レジスタンス本部

聖なる泉でゼロとオーファンの復活を成し遂げたユウキ達はレジスタンスの人々から真の意味で仲間として受け入れられ、希望の象徴として迎えられていた。初めは潜入捜査で起きた公開処刑や仲間同士の喧嘩、そして遺族に対して謝罪のつもりが棚上げかつこれみよがしの綺麗事が原因で災難続きだったが未来を繋ぐために戦うべく、尽力した彼等は今やレジスタンスの同志に等しいものだった

 

レキウス「君達がゼロとオーファンを蘇らせたのは言うまでもないが良く頑張ってくれた」

 

ミホノカ「この度の功績はまさにあなた達のおかげです…」

 

ゼンイツ「話はアマネさんから聞かせてもらったけどアスカ達のために頑張ってくれて本当に良かった…」

 

ホリア「来るべき時まで間に合わせたあなた達には感謝するわ」

 

シグレン「色々あったけどお疲れ様」

 

フェイル「…辛い事があったけど頑張ったね」

 

レジスタンスの面々であるレキウス達に称賛されて戸惑うユウキ達の返答は…

 

ユウキ「ありがとうございます」

 

モロハ「皆の協力があったから…俺達だけじゃ機神復活は無理だった…」

 

今思い返せば散々な目に遭ったのも無理もない、このような悲劇を繰り返し訳にはいかない、何よりもレガシードルを支配するディード辺境伯から取り戻す為に来るべき大規模反抗作戦まであと3日。ユウキ達は僅かな休息を取る事になった

 

レジスタンス本部 ダイナー(食堂)

 

トウマ「レガシードルに来てから散々な目に遭った俺達だけど諦めずにここまで来たのはいい事あったそうだな~」

 

モロハ「はあ…トウマ、散々な目ってどういう意味だよ?」

 

トウマ「あ!?…悪かった」

 

モロハ「いい加減、気付けよ…ったく」

 

散々な目にあったというトウマの胸ぐらをつかみあげ咎めるモロハ…トウマは言葉の使い方も思慮なさが今まで状況を産み出した事を気づいてないようにもわかる

 

タクヤ「まあ、落ち着きなよ…今は超魔機神に対抗できる戦力はマグナカイザーとオーディアンに他ならないけど俺達のブレイブマシンの合体技でどうにかなると思うそうだが…」

 

ナガラ「ハイレガシロード…勝利の鍵という訳だな」

 

ユウキ「そうだね…この一か月間僕達は何を見て学んだのかと言うと潜入捜査を経て再度レジスタンスと邂逅し、連行されることになったが何とか本部に着いた…」

 

モロハ「俺達はアマネさんと初めて会った時、潜入捜査の件を話したが俺達の行動自体が思慮がない事を指摘され捕虜同然だった事やトウマ達と喧嘩した事もあったな…」

 

トウマ「あの後俺達はレキウスやミホノカとの出会いで同罪だのと言われたからな…兄さん達には色々と申し訳なかった…」

 

タクヤ「それからゼンイツにホリア、シグレンにフェイル…レジスタンスの皆とな」

 

ナガラ「ユウキ達がマルスの趣味に付き合わされたりトウマ達がジャンクの後始末をしたり、紆余曲折で仲直りしたのは良かったけど」

 

ユウキ「第十三支部では公開処刑で殺されたレジスタンスの遺族に対し謝罪した所でレアさんに殴り飛ばされた事だね…」

 

仲直りしたユウキ達がアマネ達と共に第十三支部で輸送を行った際、公開処刑で殺されたレジスタンスの遺族で辺境伯の真意と目的を知るためとはいえ加担してしまった事を機に謝罪した…が、彼らが求めいた答えを曲解したが故に殴られた意味を解する間も無く超魔機神の出現、敗れたゼロとオーファンを連れて逃がすべく殿を務め命を散らした

 

ユウキ「今思えばレアさんを始めとした遺族の悲しみが何なのか分かった…何もかも僕達が彼らを偏見の目で見ていた…」

 

後悔の念に囚われるユウキ、この場にいる面々もだ…そんな中だ、見慣れた顔を見つけた

 

モロハ「マルスじゃないか、どうしたんだ?」

 

マルス「実は…コレを格納庫にいるおやっさん達、あとアスカに届けてもらえないかな?」

 

そう言ったマルスが用意したのは何故かお弁当とお茶が入ってた台車コンテナ。どうやらアスカはおやっさん達と格納庫にいるらしい

 

ユウキ「勿論引き受けるよ…アスカに渡すとき何か気をつけることってある?」

 

言い淀みながらも尋ねるユウキ…無口、無愛想、話しかけるな的な雰囲気を纏わせ、誰に対しても厳しくナガラらは身を持って知り(冷ややかな眼を向けられた、首元に刃をすんドめされた)、其れ等を聞いていたからだ

 

マルス「ん〜〜ま、普通に渡せばいいんじゃない」

 

ユウキ「え?普通に?他には?」

 

マルス「まあ、余計なことを言わないことかな…“三年前のアスカ”だったら間違いなくユウキ君を殺してるかもね」

 

あっけらかんに応えるマルスの口から出たのは三年前、初めて機神の乗り手として本部づきとなった日、共に戦うんだからと話しかけた瞬間、振り返りざまにバスターソードを袈裟斬りに振るわれた…このときアマネも側におらずやむなくマルスはバルムンクを抜き刃をぶつけ斬りうたびに刃風が鳴りあたりを震わせ、拳、蹴りの応酬が繰り返された

 

マルス「……腕や脚の一本や二本無くなってもおかしくなかったかな〜それに僕とまともに殺りあえるのはあまり居なかったし。半日近くしてアマネさんが戻ってきてどうしたと思う?ゲンコツ一発でアスカを沈めたんだ……それからはコンビを組むようになって、大分柔らかくなったかな」

 

モロハ/トウマ/タクヤ/ナガラ(アレでだいぶ柔らかくなったのか!?)

 

懐かしそうに笑いながら話すマルス、モロハ、トウマ、タクヤ、ナガラは心の中で叫んだ…腕の一本、脚の一本失うかもしれない“殺し合い”をしたなんて信じられないし、ゲンコツで解決するアマネの姿が余りにも想像できなかったからだ

 

マルス「まあ、根は悪くないし純粋だよアスカは…アマネさんの受け売りだけど本当さ」

 

ユウキ「そ…そうだよね…それじゃあ皆…行ってくるよ…」

 

恐怖で怯えながら台車コンテナを押して進むユウキだがモロハ達は彼の心配をする

 

トウマ「兄さん、今までの俺達は一体何を考えて行動したんだろう?」

 

モロハ「さぁ何だろうな…?」

 

タクヤ「とにかく今は祈るしかないようだな…」

 

ナガラ「そうだよな…」

 

マルス「あははは…そうだ暇なら少し訓練に付きあってくれるかな?怪我の治り具合も診たいしね」

 

ナガラ「あ、ああ」

 

心配はいらないと言う感じでマルスに促され、モロハ達は訓練に付き合う為に外へ出た…数時間後、地獄を見たと付け加えておく

 

レジスタンス本部 格納庫…数十機のビクティム、カノーネ、ユウキ達のブレイブマシンがガントリークレーンに固定され足元やキャットウォークにはメカニックたちは忙しなく動いている…装甲が外された2機のビクティムのコックピットに座る少年がピアノを弾くように機体管制魔導OSを再構築していく

 

レジスタンスメカニック「アスカ、右駆動サーキット4番から230番魔導回路は総交換だ。そっちは?」

 

アスカ「……魔導サーキットフレームは問題ない……おやっさん」

 

レジスタンスメカニックチーフ「そうかい。ん〜こっちの装甲の耐魔術式も練り込み直しだな」

 

破損した装甲を目にしガシガシと髪をかいた。辺境伯軍のドラムローバ、ビアレイザー相手に引けを取らないビクティム、眼前にあるのは原型機であるビクティ厶・シンはアスカとマルスがテストしたモノ…オレイドワルスのシャオラン等の機体にココまでヤラれたのたかと思うと悔しさがこみ上げる

 

レジスタンスメカニック「修理は後回しになるな…さて、そろそろ飯にしたい所だがな…ありゃあ坊主じゃねぇか?」

 

弁当やお茶が入った台車コンテナを押していたユウキに皆が手を止め降り集まってきた

 

ユウキ「み…皆さん…お弁当とお茶を届けにきました…」

 

レジスタンスメカニックチーフ「いつぞやの坊主じゃねぇか、気が利くな…安心しな、お前さんらのブレイブマシンもバッチリ整備してやるからよ」

 

ユウキ「いたた!?…えと、アスカは?」

 

レジスタンスメカニックチーフ「ん?ああ」

 

バシバシと肩を叩かれ痛がるユウキは弁当やお茶を届けると笑顔を向けるメカニック達…最後にアスカの分を手にし恐る恐る声をかけた

 

ユウキ「あ…アスカ」

 

アスカ「………」

 

ユウキ「昼、食べない?」

 

コックピットに座るアスカは応えないが指が止まり、スッと目を向け開いていたホロスフィアを閉じ出てくる…あいもかわらず無表情かつ無愛想のままワゴンから弁当を手に取り粗雑に置かれたコンテナに腰掛けた

 

ユウキ(えーと…普通に話せばいい事なんだからもしあの時みたいに綺麗事ばかりになったらどうしよう…ええい)

 

大いに迷い、悩むユウキであるがアスカが弁当を食べ終わると何故か無言でジッと見つめていた。大量の冷や汗をかきながらまるで死神が近づいているかのように戦慄するユウキは意を決した

 

ユウキ「……」

 

アスカ「……」

 

ユウキ「遺族の皆さんに謝罪した。でもそれは手前勝手な解釈で、レアさんに殴られて“求めてるコト”がわからなかったんだ…あの後償いたければ戦えと言われても…」

 

アスカ「……」

 

ユウキ「超魔機神との戦いで負けた時、聖なる泉でもシャオランに打ちのめされても、君たちは戦うことを諦めなかった……君たちは強い。僕達よりも」

 

これまでの出来事を振り返りながらアスカに伝えようとするユウキ…耳を傾け無言を貫き通すアスカは意外な事を言い放つ

 

アスカ「……強くない」

 

ユウキ「え?でも…」

 

アスカ「……“本当に強い奴ら”をここに来てから見てきたハズだ…オレやマルスだけではディード辺境伯、バルゼリクス、エンヴィリオ、ガクルスとは戦えない…」

 

ハッとなるユウキ…ここに来てからみてきた事をもう一度思い返した…頭に過るのはレジスタンスの面々。戦闘参加は出来ずとも機体を整備するメカニック、作戦立案をする参謀、物資調達を担う輸送隊…平和だったレガシードルを取り戻す為に戦う彼らがいるからこそレジスタンスは戦ってこれたのだと気づいた

 

ユウキ「(……そうか…だからか)…でも…僕達がしてしまった事は許されないことだよ…」

 

アスカ「……そう思うなら戦え…償いたいならな」

 

ユウキ「ありがとう、その言葉…覚えておくよ。あれ?アマネさんは?」

 

アスカ「…マリエラが診てる……心配はいらない」

 

ぶっきらぼうに告げ、作業に戻るアスカ。一人残されたユウキは少しだけ、彼の人となりがわかったような気がした

 

同時刻、レジスタンス特務医療院

 

マリエラ「ん〜〜〜あれれ?」

 

アマネ「どうしました?まだ反動負荷は消えて…」

 

メディカルデータを診て唸るマリエラに不安な面持ちで訪ねたアマネ…機神側、特に合体による過度な反動負荷“バックファイヤ”に過去数度倒れた事を危惧したマリエラら医師等により念入りに診断していた。しかし結果に目を疑い何度も見直した

 

マリエラ「アマネ、落ち着いてね……貴方の身体から合体の反動負荷因子“リスクファクター”が綺麗サッパリ無くなっる…むしろ機神回路適合係数が私たちと同じぐらいにまで跳ね上がってるし、なんでかわからないけど体質も改善されてるわよ?」

 

アマネ「え?」

 

診断結果に声が上ずる…実はアマネは身体が弱く機神には選ばれてはいるが合体によるバックファイヤへの耐性が極めて低い。ドラグナを先代から受け継ぐも戦闘への参加は慎重かつ短期決戦でのみマグナカイザーを使うにとどまっていた

 

マリエラ「簡単に言うと健康体、これからはバックファイヤを気にしないで何時でも安心して合体できるってこと…」

 

診断結果をスフィアに映し見せる…過去のメディカルデータには未発達な機神回路、疑似ラインとは違い強化されている

のは素人目から見てもわかる…しかしアマネはなぜ爆発的に改善したかを?

 

マリエラ(あくまで推測なんだけど…聖なる泉、皇咒の華が関係してる…でも調べようがないかな〜)

 

シャオラン等を撃退したあと、“聖なる泉”は再び枯れた…華もマルス、アスカの機神召喚武具の核(コア)に取り込まれたから調べようがない。しかしアマネの身体が復調した理由は聖なる泉から生まれた虹を浴び、皇咒の華が関係してるのは間違いない

 

アマネ「…希望が見えてきましたね」

 

マリエラ「ま、用心には越したことはないけど定期的に検査だけは受けてね?アスカがまた心配して夜通し看病をするわよ?」

 

アマネ「わかりました…」

 

マリエラの冗談に微かに笑みを浮かべた

 

同時刻 レジスタンス本部 大浴場

 

ティアナ「ふぅ…色々と苦難の連続ばかりでしたけど…ゼロ、オーファン復活を果たせましたね」

 

リシア「あたし達は何もできなかったけど…うまくいってよかった〜」

 

琥珀色の湯に身を預けるティアナにリシアはブクブクと顔を湯につけている…泉質は美肌効果バツグンだから致し方ない。女のコにとってスキンケアは戦いそのもの…一方で

 

ルキナ「はぁ…私達の出番は大規模反抗作戦ですよね…」

 

アリサ「そんなに落ち込むなよ!あたし達だって嫌な事続きなんだからさぁ!」

 

コトナ「今は作戦に向けて英気を養わなきゃなね?」

 

チサキ「この際だから皆でガールズトークをしたらどうかしら?」

 

シズノ「そうですね…みんなで楽しい事を話すのも良いと思います…」

 

サツキ「どんな話にしたいのかこの所戦い続きで悩んじゃうよねぇ…」

 

リシア「それじゃあオレイワルドスと戦い以外で何をしたらいいのか皆で語り合わないとな、まずはティアナ達からだ」

 

ヒマリ「私の場合は差し詰めスイーツの食べ比べをしたり、おいしいご飯を食べたりする事があるよね~」

 

ティアナ「私もそうだと思いますけど。食後に30分の休憩を経て運動して痩せなければなりませんし…後困ってる人を助けたり世界の平和をために頑張る事とか…」

 

サツキ「私だったら体を動かして鍛えたりするわ。色んなスポーツを体験してた事もあったから、後ネットで動画を見たり甘いものを食べたりする事もね」

 

シズノ「私はオンラインゲームやクロスワード、オカルトやミステリーの研究、更には茶道などの習い事でしょうね…」

 

ルキナ「アリサさん達の場合はどんな事をするんでしょうか?」

 

アリサ「あたしはコトナと一緒でゲームしたりネットサーフィンやアニメ動画を見て、ガーデニングなどの園芸も嗜んでいたからな」

 

コトナ「あたしもお姉ちゃんと同じよ」

 

チサキ「私は天体観測をしたり音楽を聴いたりネットでゲーム実況の動画を見たり、SFやスペースオペラ物を見たりするわ」

 

マシロ「私は編み物や思いついたことをノートで書いたり、後チサキちゃんのお勧めでゲーム実況の動画を見たり、SF物が好きになった事もあった」

 

ティアナ「ではリシアとルキナはどんな事をするんでしょうか?」

 

リシア「私達か?私達は…ユーチューバーだな。姉妹で力を合わせて再生数を稼ぐという事だ」

 

ルキナ「皆で楽しく盛り上がりたいのもありますがキャラ崩壊による悪ふざけやアンチヘイトだけはNGですけどね」

 

ヒマリ「全くもってその通りだね…」

 

楽しいガールズトークを終えてティアナ達はある事を思い出す、それはシャオラン達オレイワルドスの事である。いずれもマグナカイザーとオーディアンによって敗北し、初めは第十三支部でキョウジュとタツマキは乗機を失ってライネビロンのカスタム機を得たが今度は聖なる泉での戦いでシャオランとサクラが乗機を失う事になっていた

 

ヒマリ「そういえば聖なる泉での戦いもそうだったけどがシャオラン達は何故ハイレガシロードに挑もうとしたのかなぁ?」

 

アリサ「一度ならず二度までもとはこの事だろうな…」

 

チサキ「シャオランとサクラは今頃自分の乗機を失って大慌てだけどいい気分だわ」

 

マシロ「なんだか私達オレイワルドス絶対許さない軍団になってる…」

 

サツキ「奴等が人の命や心を平気で踏みにじるのは許せないのよねぇ…」

 

シズノ「でも、私達が戦わなければならない相手がオレイワルドスだけに固執するのは些か…それに」

 

ティアナ「ゼロとオーファンをレジスタンスと共に来るべき大規模反抗作戦で頑張りましょう!!」

 

結束を強めるティアナ達…身内しかいないこの場だからこそ言えるのだ。レジスタンスの面々がいたら再び溝が広がること間違い無しのティアナの王族らしからぬ言動に苛立ちを感じるも琥珀色の湯に髪を透しながらシズノは別なことを考えていた

 

シズノ(一体“黒きモノ”は何なんでしょうか…?あの伝承に書かれていた事がもしそうだとしたら…)

 

湯の暖かさもあり岩場に身を預け、ゆっくりとまぶたを閉じたシズノを光が包み、目を開くと不思議な瑠璃色にも似た水を湛えた泉、その周りに華が咲き乱れ立っている

 

シズノ「ここは一体…?」

 

温泉にいたはずなのにと困惑するシズノ…あたりを見ると華に混じって武具が大地につき立ち、奥まった場所に黒い衣を靡かせ座る人影に息を呑み恐る恐る近づいていき声をかけた

 

シズノ「あなたは?…黒きモノ?」

 

黒きモノ“ᚲᛟᚲᛟᚾᛁᚺᛁᛏᛟᚲᚢᚱᚢᚺᚨᚺᚨᛁᚲᚢᚺᛁᛋᚨᛋᚺᛁᛒᚢᚱᛁᚲᚨ…”

 

しかし、発せられた音いや言葉にシズノは理解できない…古代レガシードル語、あらゆる次元にすら存在しないモノだと直感的に悟りどうしたらと悩んだとき。頭に声が響いた

 

黒きモノ“……ここに人が来るのは珍しきことか…ああ、“外より来たりてこの地に住まいし者らを真に解した者か…”

 

シズノ「やっぱりそうでしたか…ではあなたに問います…何故レガシードルに機神を残したんですか?」

 

黒きモノ“……❲來るべき災厄を祓う劔❳……いまな時に在りし邪神、邪神が尖兵は先触れ…劔はコレより先のためにある…

 

シズノ「來るべき、災厄?災厄を祓う劔?…」

 

シズノの心に語る黒きモノはゆっくりと手をかざした…光が集まり幾重の幾何学的模様が形を無し現れたのは翼を重ねた中心に翠の秘石がはめ込まれたブレスレット…ふわりと浮かびシズノの左手首に宿った

 

シズノ「え?」

 

黒きモノ“……コレは劔にして劔に非ず…劔鞘…少女が真に望むとき……力……よろ…”

 

聞き覚えのある声に黒きモノの声が遠のく…それは彼女を待っている者の声がした…

 

シズノ「ん?」

 

目が覚めるとそこは脱衣所でその周りにはティアナ達がいた。そう、シズノは湯船に浸かりながら寝ていたのだ。その事を心配した仲間たちは彼女をここまで運び、体をふいた後浴衣をタオルケットのように被せ、今に至るのであった。その後浴衣を来たシズノはティアナ達に心配かけた事を謝罪する

 

シズノ「ごめんなさい…私としたことが…」

 

アリサ「全く…温泉で寝てどうすんだよ?心配したんだからな」

 

チサキ「一体どんな夢を見たのよ?」

 

シズノ「どんな夢って……あれ?」

 

思い出そうとするもモヤがかかったみたいになる…頭を抑えるシズノにハアっとため息をついた

 

マシロ「分からない事ばかりだけど今はレガシードルをオレイワルドスから取り戻さないと!」

 

コトナ「そのためにもしっかり休暇を取って置きたいけどやるべき事があったらいいと思うわねぇ…」

 

来るべき大規模反抗作戦に向けて僅かな休暇は連戦で疲弊したXVGSとレジスタンスは力を蓄えていく

 

シズノが夢で見た黒きモノは何伝えようとしたのか?彼が授けたブレスレットはナニか…いつの日か明らかになるだろう

 

辺境伯居城 謁見の間

前回の敗走によって乗機を大破してしまったシャオラン達はバルゼリクスによって大目玉を食らわせてしまう事になった

 

バルゼリクス「愚か者共が…!XVGSを抹殺する事すら出来ずレジスタンスの象徴である機神を蘇らせてしまうとは…何たるザマだ!!特にシャオランとサクラは乗機すら失うとは…!!」

 

シャオラン「申し訳ございませんバルゼリクス様」

 

サクラ「流石の私達ではあのような機神ですら歯が立ちませんものでして…」

 

バルゼリクス「言い訳はいい!!最早お前達など宛にならん!!即刻ここから立ち去れ!!」

 

シャオラン達の不甲斐なさに業を煮やした事でバルゼリクスから追放されそうになるがそこへディードがその追放に待ったをかける

 

ディード「待てバルゼリクス、まだシャオラン達にはやるべき事をしなければならない」

 

バルゼリクス「しかしディード様…」

 

ディード「乗機を失った以上二人にはレプラディンやライネビロンに続く我が軍の新型機を与えるとしよう…大破した2体のデュラクローズを元にして奴等との決戦に間に合わせるようにな…」

 

バルゼリクス「…わかりました。どうやらディード様に救われたそうだな…しかし今度という今度はあの機神と一切戦う事を禁ずる、その事を忘れるな」

 

ディードに言われたバルゼリクスはシャオラン達の戦力外通告を取り消す事にし、その場を下がる事にした。その様子を見たエンヴィリオはこう言い始める

 

エンヴィリオ「バルが怒るのも無理がないよね~。シャオラン君達は一度ならず二度までも返り討ちに遭うのは一体何がしたかったのでしょうか?」

 

ディード「あの機神に何やら脅威を感じるのは言うまでもない…それにシャオラン達が無理強いをしてしまう程無茶をするとはな…」

 

エンヴィリオ「でも無茶すると危険なのはわかってますけどね…彼等はまだ原石、磨き続けなければならない、ムゲンザーク様によって選ばれた英雄は人間を超えた存在でなければなりませんので…」

 

ディード「その通りだ…こうある事を予想して開発したあの機体にはシャオランとサクラ、そしてガクルスにも使わせておかなければならないからな…」

 

エンヴィリオ「ついに彼の出番という訳ですか…楽しみですね…」

 

ディード「ああ、奴等がどこまで我に抗い逆らうのか楽しみだ…」

 

迫る大規模反抗作戦に対し辺境伯軍は総力を挙げてレジスタンスに挑むつもりだった。ようやくレジスタンスと協力する事が出来たユウキ達は果たしてレガシードルを辺境伯軍から取り戻す事が出来るのだろうか…?

 

 




次回予告
レジスタンス、XVGS共同による大規模反抗作戦“オペレーション・トリニティ”が遂に始まる

レガシードル王家最後の王統“レキウス”の号令と共に三部隊に分け進軍する

立ちはだかるは“一度の裏切りで力に溺れた幼稚な騎士崩れのガクルス”

力こそ絶対と信じる幼稚な騎士崩れガクルスの猛攻にアマネがとった策とは…

エクシヴァルワールド ヒーローズ
ガクルス散華

団結した彼らに敵うもの無し…
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