エクシヴァルワールド ヒーローズ   作:銀祐

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死神、影神

辺境伯居城 謁見の間

 

バルゼリクス「ガクルスめ…シャオラン達の忠告を聞かずこのような結果を招くとは…愚かしいにも程がある」

 

エンヴィリオ「気の毒だけど全く持ってそうだよね。ディード様、この場合はどうしましょうか?」

 

ディード「あの幼稚な騎士崩れなど必要ない…それよりも奴等が我々の居城に向かってくる以上分かっておるな…?」

 

バルゼリクス「勿論手は打ってあります。私とエンがいる限り奴等を足止めして見せます」

 

エンヴィリオ「シャオラン君達も手伝ってもらわないといけませんので」

 

ディード「…期待しているぞ」

 

エンヴィリオ、バルぜリクスが頭を垂れ姿が消え、ワイングラスを傾け飲み干した

 

同時刻、レジスタンス移動母艦“リベルタ”同ハンガー

 

ユウキ「っ!?」

 

マルス「なんで配置から離れたのかな?」

 

ユウキ「ごめん…どうしても放って置けなくて…うっ!」

 

マルス「それが、その手前勝手な判断が皆を危険に晒すんだ…」

 

ユウキ「う、ぐ…」

 

胸ぐらを掴み上げるマルスの表情は更に険しい。片腕でユウキの体を完全に浮かし、自重で首が閉まり苦しむのすら気にしてない、モロハ等は助けようと体を掴むが微動だにすらしない

 

マルス「“どうしても放って置けなくて”?……君たちが行けば誰でも助けられる、何でもできるなんて思うのは勝手だ…でもね、その結果作戦が失敗した時にはどう責任を取るのかな?いや考えてもないね、そこらにいる動物が餌を取るのと変わらない…あと先何一つ考えてもないんだ」

 

ユウキ「そ、それは」

 

マルス「…この作戦はレジスタンスが持てる最大最後の一矢…二の矢は打てないんだ…身勝手に動いた結果、ヒマリさんたちが受けた精神的ショックでブレイブマシンはしばらくはまともに動けない、進軍スケジュール、人員も喪われた…」

 

殴られるよりもズシリと重い言葉にユウキ、モロハ、ナガラの3人は応えられない…ヒマリ、シズノ、サツキらは今、マリエラがカウセリングをしている…ブレイブマシンの戦力ダウンは手痛い。コレはすべてユウキ達の身勝手な正義感が招いた結果だ

 

それに気付かされ俯く顔を見てため息を付くと手を離すと床にへたり込んだユウキに背を向けた

 

マルス「次は勝手な事をやらないように…」

 

そう口にしてマルスは歩き去った…今は大規模反抗作戦“オペレーション・トリニティ”の最中。もしこれがキッカケですべてが台無しになることを言われなければ、何もわからないユウキをあえて殴った事をトウマ、モロハは気づいた

 

自分たちより歳が下のマルスに言われて何も言い返せないことが証明しているのだから

 

ユウキ「皆ごめん、こうなってしまったのも僕自身に非があったからだよ…それよりヒマリ達の方は?」

 

ヒマリ「マリエラさんがカウンセリングをしてくれたから大丈夫だよ、それに私達のせいでブレイブマシンの性能が低下しちゃって…」

 

ティアナ「無理もありませんよ。聖なる泉での戦いもそうでしたけどもし一人でも欠けてしまったら性能が低下してしまいますから…」

 

モロハ「俺達がもっとしっかりしておけばこんな事にはならなかったがな…」

 

トウマ「兄さんもそうだけどユウキの場合は仕方がないからな」

 

ユウキ「…っ!?」

 

アリサ「ま、反省はここまで。とりあえずマリエラさんのカウセリングを受けて、とりあえず大丈夫そうだ」

 

トウマの言葉に何も反論できないユウキ、暗い気持ちをわざとらしくアリサが遮っるよう振り払うに声を上げる。チサキ、サツキ、コトナは気丈に振る舞いながらまだシズノは震えているのがわかる

 

シズノ「何とか…でも、あんなの…こんなことがレガシードルで…っ!」

 

サツキ「念押しされちゃったけどね…『自分達も同じ事になる覚悟はしなさい…それができないなら戦場に立つなんてやめて、ヒーローごっこ(メサイアコンプレックス丸出しの自己満足)したいならなおさらね?』…って」

 

コトナ「…それよりもあたし達が今やるべき事が何なのか分かってるのかしら?」

 

ティアナ「大規模反抗作戦“オペレーション・トリニティ”に専念する事…そうですよねユウ君?」

 

ユウキ「わかってる。僕達はいろんな苦難を乗り越えて彼等と共にここまで来た…このレガシードルに平和を取り戻すために頑張ろう!!」

 

マシロ「ここから先は後には退けない激戦になるのかもしれないけど…頑張らなきゃ!」

 

チサキ「…もう、あんな事を繰り返さないためにもね」

 

タクヤ「とりあえず、待機しおこうか…機体のチェックも可能な限りやろう」

 

ユウキ「勿論そのつもりだよ」

 

レジスタンス指揮艦、艦橋中央

 

アマネ「いよいよ王都が近づいて来ましたね…」

 

レキウス「そうですね…それより斥候部隊が心配とは言え勝手な行動をしたユウキ達の件はどうなったんでしょうか?」

 

アマネ「…マルスさんに任せました…これで理解したかは正直、不安です」

 

ドラグナを半分開き手に添えるアマネにレキウスは冷や汗を流した…こういう仕草をするときはアマネが怒っているからだ。レジスタンスに参加してすぐ、彼女を病弱だからと言う理由で機神を取り上げようとした幹部ら率いる部隊との演習を僅か3機で叩き潰した時と同じ空気を纏っていた

 

以来、“アマネを怒らせてはならない”と暗黙の了解が敷かれていたのだ

 

アマネ「マリエラにヒマリさん達を診て貰いましたが、ブレイブマシンは8割以下の力しか出せないと聞き及びました…幸い修正範囲内です」

 

ミホノカ「それはそうですけど辺境伯軍には超魔機神を持つバルゼリクスとエンヴィリオ、それにユウキ君達が戦った6人の英雄達が待ち構えています…この場合はどうしたらいいのでしょうか?」

 

アマネ「超魔機神…問題の6人にたいしては策はあります…陛下、作戦を第二段回へ移行します」

 

ドラグナを軽く閉じ、全艦へ向けてフルオープンで回線が開かれた

 

アマネ『各部隊の皆さん、目的地にして辺境伯軍の拠点であるレガシードル王都に着きました。辺境伯のいる城の周りには数多くの人造機神がいます…敵もおそらく、本気で迎え撃つそうでしょう…辺境伯居城の周辺にある城外都市を開放、市民の避難ヲ優先し戦線を維持し、直接城に突入します。聞き及んでいるかと思いますが辺境伯軍は超魔機神と言う奥の手があります。主力がコレを相手にし降し、辺境伯ディードの打倒が我々の目的であることを忘れずに…これより作戦第二段回を実行します』

 

戦術師であるアマネのフルオープン回線を聞いた前衛部隊、遠距離支援部隊、援護部隊は出撃準備に取り掛かった。勿論ユウキ達もそうである以上ブレイブマシンに乗り込んだ。ダイユーシャのコクピット内でユウキは秘匿通信を使って各メインパイロットに呼びかける

 

ユウキ「この戦いはレガシードルにおける本当の自由と平和がかかっている、何としても勝たなければならない」

 

モロハ『わかってる、これは絶対に負けられない戦いである以上やるしかないな』

 

トウマ『散っていた人々の為にも全力全開で行くぜ!!』

 

タクヤ『総力戦だからな』

 

ナガラ『色々と迷惑かけた分しっかりやらないとな!!』

 

ユウキ「行くぞ皆!!」

 

ダイユーシャを始めとした5体のブレイブマシンを含めたレジスタンスの前衛部隊、遠距離支援部隊、援護部隊は辺境伯居城の周辺にある城外都市を向かった。そこへ待ち受けていたのは言うまでもなく大勢のドラムローバとビアレイザーを率いるレプラディンを小隊長とした辺境伯軍だった。対するレジスタンスはフラガルシオン、ブラスティオン、ゼロを中心とした複数のカノーネがいる遠距離支援部隊が控えている

 

シズノ「標的を確認…モロハ、後は任せます」

 

コトナ「こっちも照準内に入ったわ、トウマ!」

 

モロハ/トウマ「了解!!」

 

アスカ/ゼロ“…射線から離れろ…死にたくなければな”

 

ベレストライフルを装備したフラガルシオンとブラスティオン、そしてゼロのバスターソード“ライフルモード”から放たれた砲撃が辺境伯軍の人造機神部隊に直撃した。しかし辺境伯軍の人造機神部隊は銃や剣で攻撃するがレジスタンスの前衛部隊は援護部隊と共に応戦する

 

ユウキ「でやああああああ!!」

 

ダイユーシャのベレストルカリバーが大勢のドラムローバやビアレイザーを切り伏せた所でオーファンが二振りの大剣でレプラディンを切り捨てる

 

マルス/オーファン“…はぁっ!!”

 

辺境伯軍の剣や銃撃をそれぞれはじき返したり、隙を突かれる前に受け流したりして次々と辺境伯軍の人造機神を撃破する。辺境伯軍はこの時の為に量産していたライネビロンで前衛部隊を攻撃しようとしていた

 

ヒマリ「ユウ君、マルス君、油断しないで!!」

 

ユウキ「えっ!?」

 

マルス/オーファン“…あれは”

 

タクヤ/ナガラ「させるかアアアア!!」

 

ヒマリの警告を受けた時はすでに遅く、背後から大剣を持った3体のライネビロンが振りかざして襲いかかってきた瞬間、すんでのところでダイカイザーとリュウビレイザーが斬撃一つで2体のライネビロンに炸裂し、ノヴァが放ったビームがもう一体のライネビロンを打ち抜いた

 

タクヤ「大丈夫か!?」

 

ユウキ「すまない…!」

 

ナガラ「俺達も人の事言えないけど無茶はしたくないしな!!」

 

マリエラ「本当に私がいないとダメダメなんだからさぁ~」

 

マルス/オーファン“…マリエラ、索敵を!気を抜くな!!”

 

ティアナ「仕切り直しです!!」

 

ダイユーシャ達は再び武器を構えて行動する。大勢のビクティム達も負けじとドラムローバやビアレイザーの軍勢に立ち向かっていた。後から続く遠距離支援部隊は次々と敵を倒しながら進軍していく

 

サツキ「何やら大部隊ばかり出てきてるけどこれって油断大敵じゃないかな?」

 

シズノ「どうやらそうらしいですね…」

 

コトナ「奴等の事だからこの後何かしでかすつもりらしいわよ?」

 

アリサ「そりゃそうだろ、この戦いは安易じゃないんだからな」

 

トウマ「ディードもそうだがあの側近コンビには十分警戒しないとな」

 

モロハ「バルゼリクスにエンヴィリオの事か…」

 

アスカ/ゼロ“…無駄口を叩く暇があるなら迎撃しろ”

 

辺境伯軍の大部隊を次々と一掃していくレジスタンスは瞬く間に城外都市を開放し、王都に向かおうとしたその時、魔導通信を使ったモニターからバルゼリクスとエンヴィリオの姿が映し出されていた

 

ユウキ「バルゼリクスにエンヴィリオ!!」

 

バルゼリクス『遠路はるばるご苦労だったなレジスタンス諸君、使えないゴミクズ共を掃除してくれた礼をしてもらわないとな…』

 

エンヴィリオ『ここから先は君達にとって最大の難関になるんだからね~』

 

ティアナ「最大の難関って…まさか!?」

 

その時、地響きと共に王都が変質し、再構築されていく。前衛部隊、遠距離支援部隊、援護部隊だけではなく移動式指揮艦やホバーカーゴまで巻き込まれていた

 

チサキ「一体何が起こっているのかしら!?」

 

マシロ「わ、解らない……空間変異がめちゃくちゃ!?みんな対ショック姿勢を!!」

 

そして再構築が終えた後、レジスタンス軍の周辺もとい目の前には何故か巨大な宮殿が三つ見え、なんとか着地たとき声が響き渡る

 

エンヴィリオ『驚いたかね?この三つの宮殿は君達レジスタンス軍と僕達辺境伯軍の死闘を彩るに相応しい三魔宮殿だよ。ディード様のいる魔神宮へ行くには僕達のいる魔宮を抜けなければならないからね。如何なる手段すらもってしてもズルは出来ない』

 

バルゼリクス『私のいる魔影宮、エンのいる魔鎌宮で貴様らを待つ…愚かなるレジスタンス共よ、せいぜい最期の時を迎えるのを楽しみにしておくがいい…』

 

そう言った後バルゼリクスとエンヴィリオの声が途絶えた…そこへ戦術師であるアマネのドラグーンとセイバリオン、ドラグバイン、バルストーム、ソルドグランナー、シロングランナー、イクスグランナーが姿を見せた

 

アマネ「ここからは私達も参加します…あの二人が言った通りディードのいる魔神宮へ行くにはバルゼリクスのいる魔影宮とエンヴィリオのいる魔鎌宮を抜けなければなりません。バルゼリクスとエンヴィリオの超魔機神は私達が相手をします」

 

ユウキ「え?でもマグナカイザー、オーディアンだけじゃ…レキウスさん達の機神も一緒に戦えば」

 

装神聖域に浮かぶアマネの言葉に皆が驚く、しかし疑問が浮かんだレキウス等の機神もハイレガシロードじゃないのかと?前回は合体しない状態で善戦するも破れたのをしるからこそだった

 

レキウス「残念だけど僕達の機神はハイレガシロードじゃないんだ。はっきり言うと500年前に生まれたばかりの模倣機神。マグナカイザー、オーディアンは、はるか昔に来訪した“黒きモノ”が自ら産み出したオリジン“原初機神”だ…超魔機神に対抗できるのは原初機神“オリジン”…ハイレガシーロードだけなんだ」

 

悔しいけどね、小さく呟いたレキウスはユウキ達に向き直った

 

レキウス「その途中で君達の言うシャオラン、サクラ、キョウジュ、ツムギリア、タツマキ、フブキらが待ち構えているかもしれない。その時には僕達がそれらの相手にする事になるだろう…」

 

モロハ「つまり俺達の内誰かがディードの所へたどり着くという事でしょうか…」

 

トウマ「せっかくここまで来たんだから最後までやらないとな!!」

 

ユウキ「誰か一人が辿り着いて、必ずディードを倒さないと!!」

 

マルス/オーファン“…うん”

 

アスカ/ゼロ“ああ…”

 

マリエラ「それじゃあ行きましょうか!!」

 

一行は辺境伯軍との決戦の地である三魔宮殿の一つ目、魔影宮が見える…黒みがかった石柱が並ぶ中を警戒し抜けた先には暗闇より深くまとわりつくような闇が生み出したような機神、バルゼリクスの超魔機神バルゾディアックが悠然とたち構える姿

 

バルゼリクス「待っていたぞ、愚かなレジスタンス共よ…」

 

モロハ「まずはバルゼリクスか…!!」

 

サツキ「アンタの事だからここから先に進まなければ倒す事だと言いたいでしょうね!?」

 

バルゼリクス「そうだとしたらどうする…?」

 

タクヤ「やっぱり一筋縄ではいかないらしいな…」

 

ユウキ「一体どうすれば…」

 

アマネ「方法はあります。それは…こういう事です…」

 

そう言った後ドラグーンがマギアナブレスでバルゾディアックに向けて攻撃した

 

バルゼリクス「ぐっ…この程度の攻撃で…な!?」

 

アスカ/ゼロ“…遅い”

 

更にはゼロのバスターソード“ライフルモード”から放たれたビームがバルゾディアックを飲み込む

 

バルゼリクス「ぐああああああああ!!」

 

アスカ/ゼロ“バルゼリクスの相手は俺とアマネがする…”

 

アマネ「皆さんは先へ急いでください」

 

ユウキ「わかりました!」

 

バルゾディアックの相手はゼロとドラグーンに任せ、一行は次なる魔宮へと急いだ。バルゾディアックがゆっくり起き上がると目の前にはゼロとドラグーンのみ

 

バルゼリクス「どうやら私自らの手で貴様らを葬るしかないらしいな…レガシードルの機神、いや原初機神とも言われるその力がどんなものか見せてもらおうではないか!!

 

アマネ「なら、手札を伏せるのは辞めにします…アスカ」

 

アスカ/ゼロ“わかってる…”

 

アスカ/アマネ「融皇合神!!」

 

超音速で寄り添うようにゼロ、ドラグーンと共に舞うと未知のフィールドが形成、巨大な紋章が浮かぶ。火花を散らし胴が割れ左右の竜頭がスライド、両腕、脚が延長し瞬間的に再構築、胸部装甲がフロントアーマーへかわりガラ空きのボディが顕になる…

 

ピィィィィ!

 

バルぜリクス「させるか!」

 

手に無数の黒い球体が集まり黒い波動と共に合体途中のゼロ、ドラグーンへ撃ち放たれ激しく空を揺らし爆発した…

 

バルぜリクス「ふふ、呆気ないモノ…ッ!?」

 

爆炎の向こうから光が見え、咄嗟にグランバルソードを構えたバルゾディアック…激しい衝撃と共に見えたのは極彩色の左右6対の翼、ギリギリと鍔迫合う分厚く巨大なバスターソード…

 

バルゼリクス「マグナカイザーだと!?」

 

マグナカイザー/アスカ“ち、速いな”

 

バルゾディアックが驚き叫ぶ眼前にはハイレガシロード、天翔機帝マグナカイザーの姿…攻撃が当たるより早かったのだ

 

バルゼリクス「私の攻撃を利用して間合いを詰めたか!面白い!!ならば私も本気を出させるとしよう!!」

 

バルゾディアックは専用の大剣グランバルソード、バスターソードを強引に振るい弾き構え、対するマグナカイザーもバスターソードを袈裟に構える

 

アスカ/マグナカイザー“…早く来い”

 

バルゼリクス「調子に乗るな!!」

 

マグナカイザーのバスターソードとバルゾディアックのグランバルソードが激しくぶつかり合い、攻めては防ぐの連続であるがどちらとも互角の戦い。しかし装甲すれすれで掠り傷がついていく

 

バルゼリクス「流石はハイレガシロード…この私と互角の戦いをするとは…だがそれもここまでだ!!この技で貴様らを地獄に逝かせてもらうぞ!!」

 

するとグランバルソードから闇よりも深い黑いエネルギーを放出し、禍々しい異様なオーラを纏っていく。アマネはアスカに語りかける

 

アマネ“アスカ、コチラも…”

 

アスカ/マグナカイザー“…わかった”

 

勝負所である事からマグナカイザーはゼロで使用していたバスターソードに両翼を合体、左右に展開、神氣、マナ、レイライン…全ての超エネルギーを刃に纏わせ突きつけるように構え、切っ先に光が集まり収束していく…

 

バルゼリクス「愚かしくも歪み切った理性と良心と共に消え失せろ!グランバル・デストリンガー!!!」

 

アスカ/マグナカイザー〝天翔剛破!全刧次剣マグナカイザーブレイド・ラグナ!!〟

 

マグナカイザーブレイド・ラグナから放たれた超次元規模の破壊エネルギーとグランバル・デストリンガーから放たれた多様性破滅レベルの精神破壊エネルギーがぶつかり合い、激しい爆発音が轟いていく。爆炎の中から弾き出されたバルゾディアックをマグナカイザーは捉えた

 

アマネ“……今です!!”

 

アスカ/マグナカイザー〝|天翔刧断!全刧次皇剣マグナブレイド・天鱗嶄!!!《テンショウゴウダン!ゼンゴウジオウケンマグナブレイド・テンリンザン》〟

 

全刧次皇剣マグナブレイド・ラグナ、その結晶化した超次元規模破壊エネルギーが刧次物質化した刃を構え飛翔加速、不可思議な文字ととも生まれた衝撃波がバルゾディアックを拘束、身動きすらできない所で赫の光がいくつモノ軌跡を残し数百、いや数千の剣閃が煌めき止む、棒立ちのまま立ち尽くすバルゾディアックに対し、ゆっくりとマグナブレイドを軽く振るうと、数え切れぬほど深々と断ち切られたような傷跡が刻まれていく

 

バルゼリクス「ぐわああああああああ!!!」

 

バルゾディアックの身体にむすう、いや星の煌めくような軌跡が斬撃となり光に飲まれるのを目にしたマグナカイザーの勝利と思ったその時だった…

 

バルゼリクス「…このまま終わらせると思うなああああ!!我等が望んだ世界の秩序を拒む愚か者に恐怖と絶望を与えてやる!!」

 

激昂し、怒りを滾らせたバルゾディアックが自身に屈辱的な仕打ちを与えたマグナカイザーに対して凄惨な一撃を食らわせようとしていた

 

バルゼリクス「これを受けて塵芥となるがいい…!!ゾディアック・グラビトロン!!!」

 

バルゾディアックの胸部装甲に保護された発射口の展開後、シュヴァルツシルト半径が量子サイズの闇より暗い波動を特殊な重力フィールド内部に生成し、マグナカイザーを目標へと発射する

 

アスカ/マグナカイザー“ぐ、!!!”

 

アマネ「きゃああああああああ!!!」

 

ゾディアック・グラビトロンに飲まれたマグナカイザー…闇が装甲を蝕み、亀裂を走らせながら砕いていく。装神聖域にいて装神聖衣“アームドギア”を纏うアスカ、アマネの身体にもダメージが伝わり悶え叫んだ

 

バルゼリクス「フハハハハハ!!ハイレガシロードがいかに協力であっても超魔機神の前では無力に等しいものだな!!信じることが出来ず、誰からも賛同や理解を得られないまま抱えていた歪みと暴走をする人間が下らない良心があった所で救えるどころか生きてる価値などない!!」

 

まるで勝利を確信し高笑いするバルゾディアックはこのままマグナカイザーにトドメを刺そうとゾディアック・グラビトンを再び向ける

 

アマネ“……はあ、はあ…うっ”

 

アスカ/マグナカイザー“…アマネ、DFをすべてオレにまわせ”

 

アマネ“…え?”

 

アマネ“”そんなことしたらアスカ、貴方は!?”

 

マグナカイザー/アスカ”…問題ない、早くしろ”

 

有無を言わせないアスカの声がアマネの意識は過去へ引き戻された…あの日、ディード辺境伯に王都が簒奪されレジスタンスに拾われ血は繋がらずとも泣き虫なアスカとは弟みたいに暮らしながら戦う力を手にするために、身体の弱いながらも優れた戦術眼と作戦立案能力を評価され離れる事になり、数年後に再開した時、アスカは冷酷非情、障害となるなら速やかに排除、命すら捨てる事を厭わない“レジスタンス兵”として完成されていた

 

アスカ『アスカ・セガウル、本日を持ち戦術師アマネ・ハーティ麾下となる…命令を』

 

あまりの変貌にアマネは言葉を喪い、何度も話すも機械的に受け答えをするだけ…途方に暮れたのを救ったのは戦術師にして今は亡きドラグーン装者の言葉だ

 

先代戦術師『アマネ、あの子を信じてあげなさい。いつも貴女が話すアスカ・セガウルは優しい子なんでしょ?いつも話してたわよね『泣き虫で、寂しがり屋、アマお姉ちゃんって甘えてくれ、すごく優しい私の大事なアスカ』って…心を閉ざしたのにも理由があるし無理に聞くのはね』

 

アマネ『ならどうしたらいいんですか?私には…痛っ!?』

 

先代戦術師『信じるの。そして少しずつ心を包み込んであげて…あの子が心を開くまで…彼を誰よりも見てきたアマネならできるわ。あの子の心になってあげなさい』

 

機神召喚扇ドラグナで軽く頭を小突かれ涙目になるアマネを柔らかな笑みと共に諭す先代の言葉。“アスカを信じる”この日から始まった…少しずつ距離感が埋まるも会話は無かった。しかし先代からドラグナーを託されたあの日、初めて合体した時に互いの心が繋がった。ぶっきらぼうな物言いに秘めた“あの頃と変わらない優しさ”を、今放たれた言葉はアマネを心配してのものだと。ダイレクトフィードバックダメージから守るためだと

 

アマネ“だめです!”

 

マグナカイザー/アスカ“……っ!”

 

アマネ”…アスカ。私は大丈夫です…貴方ばかりにこれ以上負わせません…私たちの機神は二人で一人の超機神。今までアスカは守ってくれた、でも…これからは貴方と一緒に分かち合いたいの…アッちゃん。アマお姉ちゃんが一緒に”

 

マグナカイザー/アスカ“…アマネ…”

 

痛覚透過負荷“ダイレクトダメージフィードバック”で赤く染まる装新聖域に浮かぶアスカは静かに頷いく、同事にゾディアック・グラビトロンの闇に飲まれた

 

バルゼリクス「死んだか…ん、何!?」

 

闇の柱の中心から焔、いや光が勢いよく溢れ出し吹き飛ばす様にバルゼリクスは目を見開き叫ぶ中、目にしたのは今にも朽ちようとするマグナカイザー…しかしその双眸に光が走るやいなや、バスターソードに埋め込まれた宝玉、内部に宿り浮かぶ華“”皇咒の華が顕現、またたく間にマグナカイザーを包み込んで華が開く

 

様々な彩りを宿し、すべての次元いや産まれ続ける次元すべてを内包した極彩色の翼を広げ、其身に埋め込まれた大小様々な宝玉は導力すり遥かに凌駕する力が抽出され、全ての次元に生まれる皇たるもの、大いなる力を体現した機神。まるで太陽のような眩しさ、すべての次元を照らす光があった

 

その名は!ソル・マグナカイザー!!

 

 

バルゼリクス「何だその姿は…!?くたばり損ないめが!!今度こそ終わらせてやる!!」

 

バルゾディアックはグランバルソードで攻撃する。しかし僅かに動き剣閃を躱し白羽取り、同時に掴み取る

 

バルゼリクス「バカな…グランバルソードが…バルゾディアックのパワーを上回るだと!?」

 

驚愕するバルぜリクス、そのままソル・マグナカイザーは右ストレートでバルゾディアックの胴へ手を添えた。手甲に埋め込まれた宝玉に不思議な文字が浮かび、勢いよく吹き飛ばされ魔影宮の壁へ叩きつけられた

 

バルゼリクス「がはぁっ!?…おのれ愚か者がぁ!!かくなる上は…!!」

 

めり込んだバルゾディアックを強引にぬけださせ、再度ゾディアック・グラビトロンを放たれた…暗き闇に彩られたそれが迫るも二人…アスカとアマネはゆっくりと目を閉じ、マグナカイザーも手を高々と天にかざした

 

ソル・マグナカイザー“アスカ/アマネ“…”

 

この世界の言葉では無い何かを呟き、ソル・マグナカイザーが手にしたのは全刧次皇剣マグナブレイド・ラグナ…いや明らかに違う力が注がれた圧を増して大きく振り抜かれた光の刃は、バルゾディアックのゾディアック・グラヴィトンを安々と切り捨て霧散させ、魔影宮の壁へ再びめり込み貫かれていく

 

バルゼリクス「ぐわああああああ!!この私が貴様らなどにィィィィ!!」

 

自らの敗北と共に断末魔の叫びをあげた後バルゾディアックは爆散、ソル・マグナカイザーは元の姿に戻った

 

アマネ“…アスカ、この力は一体…?”

 

アスカ/マグナカイザー“わからない…アマネ、今は後を追う…っ!”

 

アマネ“こ、コレは!まさか!!”

 

バルぜリクス“はあ、はあ、貴様らを、我が主ディード辺境伯様の下に行かせるものかああああ!!”

 

全身の装甲が切り裂かれた火花を散らせながらバルゾディアックを操るバルゼリクスがマグナカイザーにしがみつく、振り解こうとするも力が出ない

 

バルゼリクス“わ、私と共に闇に飲まれろおおおお!!”

 

その言葉を最後にバルゾディアック、マグナカイザーの周りに闇が溢れ出し、激しい奔流が荒れ狂い飲み込む…崩壊寸前の魔影宮をも巻き込み闇のエネルギーが空へ向け柱のように溢れつきたった

 

//////////

/////

///

 

ユウキ「アスカやアマネさん、大丈夫だろうか…?」

 

マルス/オーファン“彼等の事なら心配ない…今は先を行くよ”

 

先を行こうと促した、遥か下…魔影宮から闇の柱が空へ穿たれ衝撃波がユウキ等を襲う

 

ユウキ「あ、アレは…まさかアスカとアマネさんは…」

 

???「待っていたぞ!!」

 

ティアナ「その声はまさか…!?」

 

ヒマリ「シャオランね!!」

 

それを遮るように響いた声に振り向いた。ツムギリアのエルドラゴニス、フブキのアシュレギオン、そしてキョウジュのエルドライネビロンにタツマキのアシュライネビロン、そしてシャオランとサクラのディオズワースが先を遮るよう立ちはだかる…

 

モロハ「その機体は確かガクルスが搭乗してたそうだな…!」

 

サクラ「ご名答よ、ディード様の命令であなた達をここから先へは行かせないわ」

 

シャオラン「一度ならず二度までもあの機神に敗北してしまった以上お前達を叩き潰さなければ俺達の気が収まらないからな!!エンヴィリオ様がいる魔鎌宮を通りたければ俺達を倒す事だ!!」

 

ユウキ「よりによってこんな時に…!!一体どうすれば…!?」




次回予告

闇に咽まれた魔影宮を目にし立ち尽くすユウキ等

先への道を塞ぐは神に選ばれし英雄

仲間と別れ着いた魔鎌宮で待ち構えるはエンヴィリオ

不敵な笑みと共に晒された真実がマルス、レキウス、皆の心に波紋を呼ぶ乱した

エクシヴァルワールド ヒーローズ
秘された血脈−神獣ノ輝刃−

歪んだ悪意を噛み砕け!
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