エクシヴァルワールド ヒーローズ   作:銀祐

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砕ける悪意、響く凱歌(後編)

魔影宮、魔鎌宮を結ぶ巨大な石回廊に閃光、嵐が舞う…フラガルシオン、ブラスティオン、ダイカイザー、リュウビレイザー、そしてドラグバインとシロングランナーが機神合体したドラグパラディン、バルストームとイクスグランナーが機神合体したバルディバイダー

 

シャオランとサクラのディオズワース2体、ツムギリアのエルドラゴニス、フブキのアシュレギオン、そしてキョウジュのエルドライネビロンにタツマキのアシュライネビロン

 

善戦するも、さらなる強化が施されたシャオラン達のまえにジリジリと押されていた

 

シャオラン「なかなかしぶといものだな、XVGSの勇者たちは誰もがそうだ。しばらく見ぬうちに大きな力をつけ、俺達に牙を向く…しかしユウキ達は今頃ディード様の前では成す術もなく敗れ去るのも時間の問題だ」

 

サクラ「他の連中もそうだけど今頃、死んでるんじゃない?」

 

モロハ「ふざけるな!ユウキが負けるはずがない!!」

 

トウマ「アスカとマルス達が?…そんな簡単にくたばるかよ!お前らが思ってる以上にマルスとアスカは強いんだよ、ユウキや俺たちよりもな!!」

 

シャオラン、サクラに反論するモロハとトウマ、アスカ、マルスはいかなる敵にも屈しない、傷つこうが立ち向かう姿を間近で見ていた、故に憧れと目指すべき強さを見ていたからだ。その時、空間投影されたディードの姿が空に浮かび上がる

 

ディード(真)『聞くがいい、我等オレイワルドスに仇なした愚かなレジスタンス共よ。我はディード、偉大なる全知全能神ムゲンザーク様、四天女神様に選ばれた神人類である…たった今我に刃向かおうとした愚か者がどうなったのかお見せしよう』

 

モニターからはディードの天動皇陣に成す術なく破壊されたダイユーシャの姿。火花をちらしながら大の字に倒れ至るところから爆発を起こす姿があった

 

モロハ「ダイユーシャ…まさかユウキ達が!?」

 

サツキ「そんな…!」

 

アリサ「嘘だろ…!?」

 

トウマ「何でこんな事になったんだよ!?」

 

ディード(真)『バルゼリクスとエンヴィリオはよくやってくれた。我に刃向かう愚かなハイレガシロードとあの忌まわしき王族を道連れにな……クククッ』

 

レガシードル全土に対しダイユーシャの無様で惨めたらしい姿を流し嗤うディード…それは各地で抵抗運動を続けるレジスタンスの心を揺さぶるには充分だ…

 

シャオラン「お前達XVGSは誰もがそうだった、自分達が善悪両面を持つ不完全な人間でありながら自分を見失わず成長する事で強くなる…しかし俺達はそう言った人間とは違う!」

 

サクラ「多くの人々に見守られ、愛されることや一生懸命に頑張る私達の前には悲しい過去や辛い思い出など無力に等しい、だからこそ私達はオレイワルドスによって負の感情による歪みや暴走のない、みんなに愛される世の中が必要不可欠なのよ!」

 

諦めかけてたモロハ達に対し、シャオラン達はまるでオレイワルドスの管理と言う名の支配こそが負の感情による歪みや暴走のない聖人君主による皆が愛される世の中こそが全てだと思い上がっていたが、フラガルシオンとブラスティオンはベレストライフルの銃撃でシャオランとサクラのディオズワースに命中し、モロハとトウマがある言葉を言い放つ

 

シャオラン/サクラ「何!?」

 

モロハ「見損なったぜ……そんなのはお前達のエゴそのものだ!!」

 

トウマ「そんな人達は世界中にいるんだ!そんな独りよがりの願いなんてゴメンだ!!」

 

モロハとトウマの言葉を否定するシャオランとサクラをよそに、ダイカイザーとリュウビレイザーがエルドライネビロンとアシュライネビロン相手に剣を交えていた

 

キョウジュ「絶望的な状況下で悪足掻きをするとは血迷ったか!?」

 

タクヤ「そんなわけあるか!俺達はどんな状況でも決して諦めないんだよ!!」

 

タツマキ「どこまでもおめでたい奴らめ!そうまでして善悪両面を持つ不完全な人間のままでいいと思っているのか!?」

 

ナガラ「何度も過ちを繰り返すのも人間だ!その過ちの中で正しい答えを見つけるのはお前たちのいう不完全な人間だからこそできるんだ!」

 

更にツムギリアのエルドラゴニスとフブキのアシュレギオンに立ち向かうドラグパラディンとバルディバイダーはそれぞれの専用武器である剣で追撃し、対するエルドラゴニスはガエンランサー、アシュレギオンはレギオンセイバーがぶつかり火花を散る

 

ツムギリア「オレイワルドスは私達の理想を実現する事が出来るありがたい存在だよ!あなた達も私達に降伏して共に理想を追う方が良いと思いたいね!」

 

ゼンイツ「俺達から見ればアンタ達は自分の都合の良い理想のために現実から目をそらしてるだけだ!!」

 

フブキ「それがどうしたと言うの!?私達は才能や人脈など何もかもが恵まれた者が愛されるためなら必要な犠牲は付き物よ!」

 

シグレン「…ディード、いやオレイワルドスのやる事が常に正しいなんて、どうしても思えないんだ…だからこの場にいない彼等は戦っているんだ!」

 

絶望的な状況に屈する事なく戦っているのは彼等だけではなかった。レガシードル各地ではレジスタンス達も最後まで諦める事なく辺境伯軍ことオレイワルドスに抗い続けていた

 

レガシードル南西部…ディード辺境伯領

 

レジスタンス兵A「辺境伯軍め!これ以上お前たちの好きにさせてたまるか!」

 

レジスタンス兵B「も、もう少しだ!ここを抜けれ…ば……」

 

レジスタンス兵A「ア、アンナ!…っ、くそが!」

 

ドラムローバのビームがカノーネのコックピットを貫き、パイロットを原子のチリに変え爆発、叫ぶも応えない……レガシードルを開放し平和な世界を夢見ていた少女の命が消えた

 

レジスタンス兵C「立ち止まるな!」

 

レジスタンス兵D「わかってる!!」

 

レジスタンス隊長「この戦いに勝利しなければレガシードルに本当の平和が来ない、この日の為に死んでしまった同胞だけではなく今辺境伯と戦う彼等に申し訳が立たない、何としてもやり遂げるんだ!!」

 

各地のレジスタンス兵達のビクティム、カノーネが辺境伯軍のドラムローバやビアレイザーを迎え撃つ…その頃、シャオランとサクラのディオズワースはメガヴァリスライフルでフラガルシオンとブラスティオンを攻撃するがベレストライフルで応戦するフラガルシオンとブラスティオンはここで立ち止まる事無く立ち向かっていく

 

シャオラン「おのれ!」

 

サクラ「これ以上勝手な真似はさせないわ!!」

 

するとシャオランとサクラのディオズワース2体がソードブレイカーを駆使してフラガルシオンとブラスティオンを追撃する。フラガルシオンとブラスティオンは何とか撃ち落とそうとするが予測不能な動きをするソードブレイカーに悪戦苦闘、次々にビームが装甲を穿ち貫き、機体はおろかコックピットにも深刻なダメージが伝播した

 

モロハ/トウマ「うわああああ!!」

 

サツキ/シズノ/アリサ/コトナ「きゃああああ!!」

 

サクラ「哀れなXVGSめ…まだ戦うの?負けは確定でしょ?」

 

シャオラン「まだ、抵抗するのか!!」

 

満身創痍になっても最後の力を振り絞って立ち上がるフラガルシオン、ブラスティオン…どう足搔いても絶望的な状況下でも諦める事なく立ち上がる

 

トウマ「まだだ!」

 

アリサ「その通りだ…あたし達は最後まで諦めない!」

 

コトナ「どう足掻いても絶望何かに屈したりしないわ!」

 

モロハ「俺たちXVGSは大事なものを奪われ、全てを失った者達にとって最後の希望として諦める訳にはいかないんだ!!」

 

サツキ「どんなに悲しかったり辛かったりする程闇を抱えて生きてるのなら光を見出だして行くのも人間というものよ!」

 

シズノ(…だからこそ私達はそれらを守るためにあなた達と戦います!レガシードルに生きる人々の為に…絶対に希望を捨てない!)

 

シズノの胸に秘めた想い…それに呼応し腕輪が輝いた…次の瞬間、不思議な場所に浮かんでいた…“無数の泡が集まる塊”が幾つも浮かび、よく見れば泡の一つ一つに宇宙、いや数千、数億もの次元が視えた

 

シズノ「ここは一体…?」

 

黒きモノ“ᛉᛖᛏᚢᛒôᛗᛁᛏᛁᚱᚢᚾᚨᚲᚨ, ᚲᛁᛒôᛟᛗᚢᚾᛖᚾᛁᛞᚨᚱᛖᚲᚨᛟᛁᛏᚢᚲᚢᛋᛁᛗᛁᛋᛁᚾᛉᚢᚱᚢᛉᛁᚨᛁᛗᛟᛏᛁᛋᛁᛗᛟᚾᛟ”

 

シズノ「く、黒きモノ…」

 

黒衣に見を包みフワリと現れた“黒きモノ”は赤金に輝く瞳をシズノに向け語りかけた

 

黒きモノ“ᛞᚨᛁᛁᛏᛁᚾᛟᚲᚨᛋᛖᛟᛁᛗᚨᛏᛟᚲᛁᚺᚨᚾᚨᛏᛁ, ᛉᛖᛏᚢᛒôᚲᚢᛞᚨᚲᛁᛋᛁᛏᚨᚷᛖᚾ'ᚢᛏᚣûᚾᛟᚺᚨᛉᛁᛗᚨᚱᛁᛏôᚹᚨᚱᛁᛟᛗᛁᛏᛁᛒᛁᚲᚢᛏᛁᚲᚨᚱᚨ”

 

シズノ(…え?頭に)

 

難解な言語…しかし頭に響いた声で理解した…自身の左手首に宿ったブレスレットが輝き、まばゆい光は無数の泡の一つに向け飛び去り、形を変えていく

 

サツキ「モロハ、シズノがコックピットからいなくなってるわ!」

 

モロハ「何!?…あ、あれは!?」

 

−ピィィィィィィ!−

 

空を割り現れたのはフェニックス…マグナカイザー、オーディアンと似通っている…しかしあたりに満ちるエネルギーはフラガルシオンを始めとしたブレイブマシンのアナライズ機能をまたたく間に破壊し、ふわりと大空に翼を広げ舞う機神?…その装神聖域に浮かぶシズノの衣服は弾け飛び、色様々な絹反物が走り巻き付いていく…動きやすくミニスカート似もにた赤袴、黒のオーバーニーソックス、白字の振り袖、鳳凰を象る簪を髪に指した装神聖衣姿のシズノはゆっくりとシャオラン等を視た

 

シズノ(え…?確かフラガルシオンのコクピットにいたはず…でも)

 

キョウジュ「何なんだあれは!?」

 

タツマキ「機神の一種なのか!?」

 

シャオラン「どうせ無駄な足掻だ…!全員、一斉攻撃だ!!」

 

シャオラン達は現れた“機神”に一斉攻撃を仕掛ける…ミサイル、ビーム、ソードブレイカーが迫る中、蒼翠の瞳に光が宿り大きく翼が開いた…極彩色の羽の1枚1枚には多元平行宇宙が封じ込められたかのような輝きを纏わせ羽ばたいた

 

シャオラン/キョウジュ/タツマキ「な!?うぐああああああ!!!」

 

サクラ/ツムギリア/フブキ「きゃああああああ!!!」

 

未知の光を纏った嵐はソードブレイカー、ミサイル、ビームを飲み込んだ瞬間、“時を巻き戻す”様に跡形もなく消える様に呆気に取られたシャオラン達も巻き込まれ魔宮の空にを割り砕きながら彼方へ弾き飛ばされ消えた

 

常識外れ、いや規格外の力にモロハ達は固唾を呑む中、聞き覚えのある声が響いた

 

シズノ“皆さん……大丈夫ですか?”

 

モロハ「その声…シズノか!?」

 

サツキ「一体何がどうなっちゃってんの!?シズノが機神に乗っているなんて…」

 

シズノ“私にもよくわからないんです…………”

 

マシロ「でも、ありがとうシズノちゃん」

 

チサキ「何はともあれ、シャオラン達を撃退して良かったわ」

 

タクヤ「けど俺達の機体はボロボロだけどな…」

 

トウマ「ユウキ達が心配なのにこの様かよ…!」

 

シャオラン達との戦いでフラガルシオンを始めとした機体が満身創痍である事から悔しがるが唯一動けるのはシズノの新たな力“機神”だけだ

 

シズノ“(…お願い、私に力を貸してくれる?)”

 

???『ピィィ−!』

 

シズノに応えるように機神の翼が開かれた赤、蒼、金の羽根が舞いながら光に変わり魔宮の空へ高く登り、3つの光となり飛び去っていく

 

アリサ「一体どうなってんだよ!?」

 

コトナ「3つに別れた!?」

 

ゼンイツ「その内の2つは魔影宮と魔鎌宮に向かっていくぞ!」

 

シグレン「一体何が起こるんだ…?」

 

――――――――

 

―――――

 

―――

 

ディード(真)「最早お前達など我の相手にならない…この世から消し去ってくれる!!天動皇じ…ムっ!」

 

戦闘不能ダイユーシャにとどめの刺すべく手を振り上げた時、空が軋んだ…ガラスが砕けるように現れた光がダイユーシャ、ディードの間に割り込み立ちはだかる

 

ディード(真)「これは一体…!?」

 

それだけではなく、空間に大きな揺らぎだし、魔皇宮が震えだした…不可侵の結界を幾重にも敷いた次元の壁を破壊しながら現れたモノに目を見開いた。バルゼリクス、エンヴィリオとの戦いで消息を絶ったマグナカイザー、オーディアン、ソルディバリオンだった

 

アスカ/マグナカイザー“ここは…魔皇宮なのか…?”

 

アマネ“そのようです”

 

マルス/オーディアン“僕達は確かエンヴィリオによって道連れにされたはず…”

 

マリエラ“一体何がどうなってんの!?”

 

レキウス「そんな事よりも目の前にいるのはまさか…!」

 

ミホノカ「姿は違っても紛れもなく辺境伯ディードですね」

 

ディード(真)「ふふ、貴様らが戻ってきても一足遅かったな、先程我と戦っていた愚かな後付設定を加えるだけの機動兵器以下のダイユーシャは手傷すら与えれずこの様だ」

 

ディードはアスカ達に見せつけるように倒れ伏すダイユーシャを見て嘲笑う…

 

アスカ/マグナカイザー“………”

 

アマネ“ディード、ユウキさん達はまだ倒れたわけではありません…”

 

ディード(真)「ほう、コレを見て冗談を言えるとはな…」

 

マルス/オーディアン“…陛下、離脱を”

 

レキウス『君たち二人じゃ…』

 

マルス/オーディアン“……こう言えば納得しますか…“陛下は足手まといです”…そんな状態で戦われると迷惑です”

 

辛辣な答えにレキウス、ミホノカは黙り込む…ソルディバリオンの状態は指摘した通りに最悪だ…マルスの判断は正しいが、やや隔たりと棘を感じたマリエラは頭を押さえた。“久し振りにマルスがキレている”と…

 

マリエラ“(あっちゃ〜かなりきてるわね。ま、正直、陛下の機体はズタボロの戦力外だし)ユウキ達の事なら安心、心配無用ノ介〜アタシ達がいるしね”

 

レキウス「わかってる、奴に対抗できるのは君達において他ならないよ…必ず皆と共にくる」

 

マグナカイザー、オーディアンは傷つき倒れたダイユーシャを庇うようにディードと相対する…アスカは徐にダイユーシャに通信を繋いだ

 

アスカ/マグナカイザー“…いつまで寝てるつもりだ…”

 

淡々と火花散るダイユーシャのコックピット、傷だらけで瞳から光を喪ったユウキにアスカの声が木霊する

 

アスカ/マグナカイザー“生きてるならば戦え……”

 

ピクっと指が動く、瞳に光が戻りはじめた…

 

アスカ/マグナカイザー“…死なない限り負けじゃない…生きてるなら戦え…立って戦え…”

 

それだけいうと背を向けたマグナカイザー…火花散るコックピットで痛みに耐えながら意識を取り戻したユウキ…ティアナ、ヒマリもだ。アスカの言葉は闘志を再び燃え上がらせるのに充分なもの…戦うモノに優しさや同情の言葉はいらない

 

ユウキ「…く、まだ、戦える…僕は!」

 

ティアナ「わ、私もです…」

 

ヒマリ「アスカ君、マルス君?無事だったんだね」

 

アスカ/マグナカイザー“……早く立て直せ、マルス”

 

マルス/オーディアン“わかった。あ、マリエラもいい?”

 

マリエラ“はいはい、頼ってくれるマルスのそういうとこ大好きよ♡”

 

マルス/オーディアン“…と、とにかく行くよ…アマネさんはそのままで” 

 

まともに戦う事すらできないダイユーシャの現状にアスカやマルスに任せるしかないと判断したユウキはすぐにダメージチェック。機体の正常を示す部分、更には操縦系、火器管制システムがすべてダウンしてる。ヒマリ、ティアナは再起動を試みる中、マグナカイザー、オーディアンから降りたマルス、アスカ、マリエラがディードの前にふわりと降り立つ

 

ディード(真)「機神から降りるとは…まさか生身ならば勝てると?」

 

アスカ「……」

 

マルス「…さあね…でも試してみようか?」

 

マリエラ「ええ〜本気で言ってるの二人共〜!?」

 

装神聖衣を纏うアスカはバスターソード、マルスはバルムンク、ガントレット“”ノヴァを構える姿に、ディードは天魔皇陣テンマオウジンの構えを取る

 

ディード(真)「それは面白い、ならその身で受け絶望するが良い…」

 

不敵な笑みを向けるディード…ダイユーシャを歯牙にかけぬほどの強さを内包した構え…ソレをマグナカイザーに残るアマネは静かに見ながら、ようやくダイユーシャの通信機能が回復し話に耳を傾けていた

 

アマネ“あの技の前にあなた方は負けた?”

 

ユウキ「はい、僕達は奴の天魔皇陣テンマオウジンによって打ちのめされたんです。アスカ達にこの事を…」

 

アマネ“(負けた理由は他にもありますが今のユウキさんに言っても無駄でしょう…3歩歩けば忘れるのは目に見えてますから)…それは私が判断します。今はユウキさん、ヒマリさん、ティアナさんはダイユーシャの再起動を優先で…”

 

ユウキ「…わかりました」

 

その申し出を必要ないと切り捨てたアマネに不承不承に従うユウキ一方でヒマリ、ティアナは何かを摑もうとしていると気づいた…同じ女だからこそ気づけたのだ。“ユウキに失望、諦観を覚える”も今は優先することを理解しながら、ディードとの戦いを注視した

 

アスカ「……」

 

マルス「ハアッ!!」

 

先に仕掛けたのはアスカ…、地を蹴り踏み込みと同時に横薙ぎに切り払う…が、左腕で受け止められ、死角からマルスが何度も振るい打ちつけるようにバルムンクによる光速斬撃は、微かにいや必要最低限の動きで見極められ防がれた

 

マリエラ「は〜い♪ゆ・だ・ん・た・い・て・き!お釣りはいらないからね!!」

 

魔皇宮の柱を蹴りながら飛翔と共にマリエラの蹴り…いや一秒間に数挑発の蹴打、影すらも残さぬ“無影脚”が顔面を蹴り抜いた。いや足首が掴まれている

 

ディード(真)「ふふ…あそこにいるスクラップよりやる…返礼かわりだ」

 

天動皇技“参ノ型”玄武激真乱槍

 

マリエラを投げると同時に脚が深々と大地を踏み砕き、激しく揺れだし地を突き破り岩塊が捲れ上がりマルス、マリエラ、アスカ諸共飲み込み爆ぜ散る…三人がかり阿吽の如く見事なまで紡がれた連携を歯牙にかけぬ姿にユウキは微かに震えた

 

マリエラ「ったあ〜もう、女のコに優しく出来ないの!?」

 

マルス「マリエラ、大丈夫?」

 

アスカ「………いちゃつくのは後だ…」

 

ディード「凌いだか…褒めてやろう…」

 

軽く咳き込みながら立つマリエラを案ずるマルス、警戒を緩めないアスカにディードは感嘆の眼差しを向ける…三人があれ程の攻撃を受け無事な理由は一つ“装神聖衣”だ。機神を動かす所謂“身に纏う操縦桿”だが、装者の精神感応により防御力と攻撃力を無尽蔵に上げていく…遥か昔、レガシードルに来訪した《黒きモノ》が自らが生み出した“原初機神”にのみ搭載した。ダイユーシャをズタボロにするディードを前にし3人が無事なのはコレだったのだ

 

ディード(真)「来ぬか?なら行かせてもら…」

 

アスカ「……やってみろ…」

 

ディード「なに?」

 

アスカ「……アイツラに余裕で勝てたのに、俺たちを倒せないのは本気、いやマルス、マリエラ、そしてオレよりお前が弱いからだ…強さを示し見せつけ反抗の意思を折ろうとした…すべてが無駄だ」

 

ディード「何を抜かすと思えば…」

 

アスカ「お前の主ムゲンザークは“どこぞの脳味噌筋肉最強(自称(笑))覇王、唆すだけ言葉に詰まり反論できなければお決まりの目から殺気を浴びせ逃げるだけしか能が無い奸臣”と同じぐらいに弱い。その証拠に与えられた力“天魔皇陣”で倒せないのが証だ……違うと言うならばな俺たちを殺してみろ」

 

冷ややかな声を浴びせるアスカ、ディードの周りが軋み始めた…先程までの余裕は消え、明らかな殺意が溢れた瞬間姿が消えた

 

ディード「…望み通り、死を与えよう……」

 

アスカ「っ!」

 

眼前に現れたディード…天動皇技“壱ノ型”麒麟”で間合いを詰めたと気づくアスカ、マルス、マリエラは見たのは蒼き龍…怒りに身を任せ迫る姿だ

 

天動皇技“四ノ型”蒼龍百覇”

 

アスカ、マルス、マリエラに数千もの蒼き邪龍が迫り牙、爪が切り裂くなかで、ディードの全身から燐気が溢れ形をなす…猛々しくも白い毛並みを持つ白虎が戯れながら牙をむき出し地をかけ稲妻を纏いながら3人を捉え穿ち抜いた

 

天動皇技“五ノ型”雷虎白雷牙”

 

蒼き邪龍、稲妻纏う白虎の爪、牙が体を穿つ抜いていく…装神聖衣が砕け亀裂を走らせながら三人はそのまま大地に落ちた。機体の再起動を試みるユウキ、ティアナ、ヒマリは身を震わせた…自分たちがダイユーシャで受けた技をマルス、アスカ、マリエラは機神から降りて生身で戦い受けたのだから

 

ユウキ「マルス、アスカ、マリエラさん…そ、そんな」

 

ヒマリ「ティアナちゃん、まだ再起動できないの!」

 

ティアナ「あと少しです、再起動完了…助けに」

 

アマネ“待ちなさい”

 

再起動したダイユーシャをマグナカイザーに乗るアマネが止めた

 

ヒマリ「なんで止めるんですか!マルス君、アスカ君、マリエラさんがこのままじゃ…」

 

ティアナ「だからって…あんなになってるの見てるでしょう!?助けないと!」

 

ユウキ「まさか、3人を見殺しにする気じゃ」

 

アマネ“……まだ終わってません…”

 

凛とした佇まいと共に目を向けた先には、ひび割れ砕けた装神聖衣姿のマルス、マリエラ、アスカが膝をつくこと無く立つ姿…血が聖衣を滴り落ち、顔や肌が見えるところは切り傷、痣だらけだ

 

ディード「っ!」

 

アスカ「何を驚いている。オレたちは生きてるぞ?」

 

マルス「そうだね。本当に神様なのかな?ムゲンザーク(紙様)はさ…」

 

マリエラ「厨二病拗らせた自称ノーキング、目から殺気な借り物と同類じゃない?違うかしら〜どうなの?そこのところお姉さんは聞きたいかも♪」

 

ブチッ!何かが切れる音と共にディードの目が見開かれた

 

ディード「一度ならず二度もムゲンザーク様を侮辱するとは、ならば死ね!」

 

自身にとって忠誠を誓うべき神に対する侮辱に業を煮やしたディードは天動皇技を全て駆使してアスカ達を葬ろうとしていた

 

“壱の型”麒麟”と共に振るわれた手刀、“弐の型”朱雀天翔刃“の灼刃、更に参ノ型”玄武激真乱槍…全周囲から迫る灼刃に斬り裂かれ、穿たれていく中で血に塗れながらもアスカが空を駆け抜け斬撃、巨岩槍を足場代わりに突き進み眼前に現れた

 

ディード「何!?」

 

血に染まる朱鳥の少年…アスカのバスターソードが頭を捉えたが、首をひねり躱しながら右拳でアスカの胴を捉え殴るディードは見た…底冷えするような爛々とした目に射すくめられた“強い意志の光”を湛えた瞳に身を震わせながら、四ノ型を至近距離で撃とうと構えた

 

アスカ「…マルス、マリエラ…任せる」

 

マルス「…わかった」

 

血を吐きながらも響いた声と共に左右に現れた影…マルス、マリエラの姿に目を見開く…バルムンクを迷わず構え抜くと光が幾重にも疾走りディードの左半身を捉え斬り裂く…まさに数多の次元を宿した聖剣の如く

 

“聖剣抜刀“EXCALIBUR”

 

ディード「ぐあっ!?」

 

マリエラ「まだまだいくわよ〜!」

 

マリエラの手甲“機神召喚甲ノヴァ”の装甲が開きエネルギーが荒れ狂う…ソレをまとめチャイナドレス風の装神星衣を軋ませ破かれながら拳を振り抜いた…其れはすべての次元を砕き無に返す如き数億発の拳がディードを捉えた

 

銀河破砕拳“EXCEED”

 

アスカが作った隙…0.0000000000000000000000000001秒の隙はユウキらの目には捉えられない…超越者のみが到達出来る域だから何が起きてるかわからない。が、アマネははっきりと捉えドラグナを広げた

 

アマネ“ユウキさん、ディードの左半身を狙いなさい!”

 

ユウキ「わかりました、必殺閃光!デフュージョンブラスター!!!」

 

再起動したダイユーシャに迷わず砲撃を指示する事でデフュージョンブラスターを放った

 

ディード「ぐわァァァァァァァァ!!!」

 

アマネ“(あのとき、アスカが挑発した理由は一つ。ディードの天動皇陣、壱ノ型〜伍丿型は確かに凄まじいものでした…でも、どんな完璧な技でも必ず弱点はあるのです…あんな軽い挑発に乗せられ全てを見せた貴方の敗因はそれです……)”

 

アスカ(…全てを受けてわかった…やつの技、特に参ノ型から四ノ型に繋いだとき、左半身が僅かに下がる…)

 

マルス(だからアスカはディードを挑発した…ムゲンザークを神と崇めるぐらい、授かった技を侮辱されたらキレるのは間違いなしだし…)

 

マリエラ(ま、あとはもう一度受ける必要があるのはね、流石に…んでアスカのソレに気づいたアマネも凄いわ…ドンピシャなタイミングでダイユーシャに撃たせたんだから…)

 

ユウキ「ようやくディードに一矢報いる事が出来たけど……く、排熱が」

 

ダイユーシャのデフュージョンブラスターが上手く直撃したのは言うまでもないが普通なら跡形もなく消し飛んだはずだと誰もが感じた

 

ディード「ぐ…この我が貴様らなどに…!」

 

左半身を消し炭にされたディードが憤怒の形相でダイユーシャ達の目の前に浮遊している

 

マリエラ「あらら……やばいわねコレ?」

 

マルス「もう、貴方に天魔皇陣は二度と使えない…」

 

アスカ「……」

 

左半身を消し炭にされ、天魔皇陣を破られたディード…もうに勝ち目はないとわかったのに未だに戦意は消えないことに警戒をあらわにする

 

ディード「ムゲンザーク様に選ばれた完全にして完璧に等しき神人類たる我が貴様らに追い詰められるとは何たる屈辱以外他ならぬ…オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

雄叫びを上げるディードの身体が膨んでいく。生身の身体は鋼よりも硬く鋭さを増しながら全長は50メートルという超魔機神を上回る巨体へ変貌、邪竜の翼や尻尾、邪神の頭を合わさった姿はまさにディードの信ずる神“ムゲンザーク”こそ全てだと現してるかのようだ

 

天魔皇ディード!業臨!!

 

ヒマリ「ディードがまた変身した!?」

 

ティアナ「あれが最後の手段という事ですね…」

 

ユウキ「デフュージョンブラスターの反動で動けなくなった僕達なんだけどこのままじゃ…」

 

モニター越しで悪辣な神のような姿をしたディードを見たユウキ達は先程放ったデフュージョンブラスターの反動でダイユーシャが動けない…

 

アマネ“最後の手を隠してましたか……アスカ、マルス、マリエラ”

 

アスカ「…ああ」

 

マルス「うん」

 

マリエラ「さあ、サクサクやりましょ…」

 

アスカはマグナカイザー、マルスとマリエラはオーディアンに乗り込み、天魔皇ディードと対峙する

 

天魔皇ディード「我がこの姿になった以上貴様らに勝ち目はない…」

 

マルス/オーディアン“それもムゲンザークの与えた力の一つなのかな?”

 

オーディアンが剣を向けながら天魔皇ディードを睨む

 

天魔皇ディード「そうだとしてもこれから我に刃向かい、逆らう貴様らを八つ裂きにして抹殺する事になるからな…!」

 

アスカ/マグナカイザー“……ならその前にお前を倒せば良いと言う訳だ”

 

こんな状況でも冷静にアスカのマグナカイザーは天魔皇ディードを眺めてみた。その直後、天魔皇ディードは両腕から放つ波動弾をマグナカイザーとオーディアンに向けて攻撃した。その攻撃を回避した後、マグナカイザーのバスターソードとオーディアンの大剣が左右から加速し天魔皇ディードに迫る

 

天魔皇ディード「愚かな…」

 

すると天魔皇ディードは両腕を手刀にし、大剣のように変化してマグナカイザーとオーディアンの斬撃を受け止め、薙ぎ払い一つで吹っ飛ばした

 

アマネ“…アスカ…私が”

 

アスカ/マグナカイザー“わかった…”

 

アマネの言葉にアスカは頷く…マグナカイザーバスターソードを砲撃モードへ変形、同時に天魔皇ディードに向けて砲撃を放った

 

天魔皇ディード「無駄な事だ」

 

爆炎の流れから無傷の天魔皇ディードが現れ、左腕をかざし放つ強力な雷撃がマグナカイザーの身体を流れ暴れまわる

 

アスカ/マグナカイザー“ぐ、ぐう!!”

 

アマネ“きゃああああああああ!!”

 

天魔皇ディード「さぁすべてを受け入るがいい!目の前の現実に絶望し、己の不幸を呪い、我が願いの礎となれ!!」

 

マリエラ“それは願いじゃなくてアンタの自己満足でしょう!?”

 

マルス/オーディアン“…その言葉は現実から逃げてるだけだ”

 

二振りの大剣による高速斬撃で攻めるオーディアン。天魔皇ディードは大剣のような両腕の手刀で太刀筋を見切ったかのように弾き返す

 

天魔皇ディード「その程度の攻撃でこの我を倒せるなど片腹痛いわ!」

 

天魔皇ディードは右腕の巨大な爪でオーディアンを虐げる

 

マルス/オーディアン“うわああああ!!”

 

マリエラ“きゃああああ!!”

 

ダイユーシャのコクピット内にあるモニターでマグナカイザーとオーディアンが絶え間なく攻撃する天魔皇ディードに対し、攻撃を避け、防ぎきるのが精一杯な状況を見据えていた

 

ティアナ「マグナカイザーとオーディアンが追い詰められるなんて…!」

 

ヒマリ「ユウ君、ダイユーシャはまだ動かないの!?」

 

ユウキ「まだ冷却が終わってないんだ、それに今の状況ではどうする事も…」

 

再起動を終え、やっと動けるようになっても今持っている武装すらないダイユーシャでは無力に等しく、諦めかけていたその時だった

 

再び3つの光が現れダイユーシャ、マグナカイザー、オーディアンを包み込んだ

 

天魔皇ディード「な…何だこの光は…!?」

 

そして3つの内二つはマグナカイザーの右腕に光り輝く巨大な槍、オーディアンの左腕に巨大な弓矢が顕現している

 

アスカ/マグナカイザー“これは一体…?”

 

マルス/オーディアン“…?力が溢れ出してくる…コレは!?”

 

最後の一つはダイユーシャの目の前で巨大な剣となる。そしてその剣が放つ輝きによってダイユーシャは再び動き出した

 

ヒマリ「ダイユーシャがようやく動き出した!」

 

ティアナ「でも…エネルギー値が計測値を振り切って…ダイユーシャが持たない!!」

 

ティアナ、ヒマリが必死にダメージコントロールを行いながら悲鳴をあげる。何処からともなく現れた3つの光…武具の正体はシズノの機神獣から別れたモノだと気づく由もない

 

天魔皇ディード「このような奇跡、我が認めるものか!!貴様ら不完全な人間がどう足掻こうとしても神こそが全てである我の前では一生無理なはずだ!!一瞬にして葬り去ってくれるわ!!」

 

逆上した天魔皇ディードはストナーサンシャインの如く強大なエネルギーの塊をぶつける最終奥義、荒神を放った。ダイユーシャ、マグナカイザー、オーディアンを魔宮ごと崩壊しかねない程の威力を誇る強大なエネルギーに飲み込まれたものの、なぜか3つの武具の力に生み出されたバリアに防がれた

 

天魔皇ディード「バカな!?我の強大なる力の前には成す術などないはず…!!」

 

アマネ“…辺境伯ディード、ここまでのようですね”

 

アスカ/マグナカイザー“勿論そのつもりだ”

 

マリエラ“何が起きたかわかんないけど。最後まで気を抜かないでね”

 

マルス/オーディアン“ユウキ君、ヒマリさん、ティアナさん、もう少しだけいいかな?”

 

ユウキ「当然だよ、僕達はディードを倒すためにここまで来たんだ」

 

ヒマリ「絶対に負けられないよね…」

 

ティアナ「そうですよ、私達は最後までやり遂げるんですから」

 

3つの武具を装備したダイユーシャ、マグナカイザー、オーディアンは天魔皇ディードとの最後の勝負に挑むことになった

 

天魔皇ディード「世迷言をほざくなァァァァ!!!」

 

逆上した天魔皇ディードは両腕から放つ波動弾と雷撃を仕掛けた。それらを3つの武具が齎すバリアによって防ぎダイユーシャ達の反撃が始まる

 

マルス/オーディアン“……マリエラ、僕にあわせて…”

 

マリエラ“はいはい…じゃあ行くわよ…初めてだけどぶっつけ本番、い・く・わ・よ!”

 

巨大な弓を装備したオーディアンの双眸が輝く。天魔皇ディードに狙いを定めるのではなく空へ向け光の弦を引き絞る中現れたのは獅子と鳳凰を模した巨大な弓。そのつがえだ光の矢に“全て”が集まり皇咒丿華が咲き誇ると力が増し遂に限界を迎えた光が空を穿つ…そして舞い降りたのは数億の獅子、鳳凰が矢に変じディードを撃ち貫いていく

 

−ᛋᚢᛒᛖᛏᛖᚾᛟᛋᛖᚲᚨᛁᚾᛟᚺᚨᛃᛁᛗᚨᚱᛁᛏᛟᚹᚨᚱᛁᛏᛋᚢᚲᚨᛋᚨᛞᛟᚱᛁᛋᚺᛁ“ᚲᚢᚱᛟᚲᛁᛗᛟᚾᛟ”ᚾᛟᛋᚺᛁᛋᚺᛁ, ᚺᛟᚾᛟᚣᚨ−

 

天魔皇ディード「ぐ…おのれェェェ!!」

 

身体を喰われ、穿たれたディードは怒りを顕にするが、オーディアンと入れ替わるように巨大な槍を装備したマグナカイザーが迫る

 

アスカ/マグナカイザー“…アマネ、やるぞ”

 

アマネ“…問題はありません…だから全てをこの一撃に”

 

紙一重で躱していくマグナカイザーが手にした槍が震え、表面がひび割れ、剥がれ落ち弾け見えたのは白亜に輝く一角獣の真紅角を想わせる刃、蒼き鬣と翼を持つ巨大な槍。翼と鬣が放射状にガシャンと広がり、中央部に埋め込まれた宝玉“皇咒”から光が溢れ出し辺りが太陽が現れたかのように輝きアスカ、アマネは胸の内から湧き上がる“力ある言葉”を紡ぎ大きく振りぶる!

 

ᛋᚢᛒᛖᛏᛖᚾᛟᛋᛖᚲᚨᛁᚾᛟᚺᚨᛃᛁᛗᚨᚱᛁᛏᛟᚹᚨᚱᛁᛏᛋᚢᚲᚨᛋᚨᛞᛟᚱᛁᛋᚺᛁ“ᚲᚢᚱᛟᚲᛁᛗᛟᚾᛟ”ᚾᛟᛋᚺᛁᛋᚺᛁ, ᚺᛟᚾᛟᚣᚨ!

 

大地を刳りながら突貫するマグナカイザー…その姿は金色の翼を持つ大天使。その手にした槍が天魔皇ディードを深々と穿ち、撫で切る度に雄叫びを上げるディード…全ての悪を屠る太陽神そのものにマグナカイザーの槍はすべてを穿ち貫いた

 

天魔皇ディード「ぬがああああああ!!貴様ら許さんぞォォ!!!」

 

憎悪以外の感情しかない怪物の如く荒れ狂うが先ほどのダメージで動きが鈍っていた天魔皇ディードは見る…全身から火花をちらし、関節部は軋ませながら迫るムゲンザークに仇なし屠った機神以下の屑鉄を

 

マルス/オーディアン“ユウキ君、いけ”

 

アスカ/マグナカイザー“…任せる”

 

ユウキ「わかってる…この戦いに終止符を打つ!!」

 

満身創痍のダイユーシャ…機体は悲鳴を上げコックピットは至るところから爆発を繰り返す中、ユウキ、ヒマリ、ティアナは歯を食いしばり操縦桿を握る。すべてはこの一撃に掛けるべく、光に包まれた大剣の表面が弾け見えたのは極彩色の水晶にも似た巨大な両手剣を振りかぶり貫くよう前へ突いた!剣先から生まれた雷光を纏う嵐が天魔皇ディードを捉えた

 

天魔皇ディード「ぐ…動けん!!」

 

ユウキ「これで終わりだ!!」

 

ひび割れていく装甲、火柱を吹きながら地を蹴り踏み込みと同時に身動きすら取れない天魔皇ディードへその刃が振り抜いた…まさに一閃

 

天魔皇ディード「バカなァァァァ…お許しをムゲンザーク様ああああああああ!!!!」

 

断末魔を上げながらムゲンザークへの謝罪と共に斬撃から生まれた“無数の手”にしがみつかれ引き裂かれ暗闇に飲まれ消え去り、残されたのは虚無そのものだ…辺境伯、天魔皇ディードはこの世ならざるモノらと共に消え去った

 

ユウキ「終わったんだよね…?」

 

アスカ/マグナカイザー“ああ、そうだ…”

 

マルス/オーディアン“……ディードを倒したんだ…”

 

ティアナ「お父様…お母様…私、やりましたよ…」

 

ヒマリ「本当に…良かった…き、きゃあ!?ダイユーシャが!?」

 

手にした槍、弓、最期に大剣が光へ変わり空へ上がり消え去るとダイユーシャの全身から爆発、装甲が崩れ砕け散り内部フレームがあらわになり倒れそうになるも、マグナカイザーとオーディアンが肩を貸したたせる。しかし連戦につぐ連戦、身体にもダメージを重ねたユウキらの緊張の糸が途切れたのが原因だ

 

ユウキ「……アスカ、マルス、アマネさん、マリエラさん、…あ、ありが…」

 

マグナカイザー/アスカ“…今は休め…”

 

アマネ“……マリエラ、ユウキさん達を後方に…まだ警戒を”

 

マリエラ“はいはい、まだやること山盛りだしね…ま、よく頑張ったわね…”

 

アスカの労うような声を最期に意識が薄れていくユウキ達はディード打倒と同時にレガシードル全土から次々と勝鬨の声が木霊するのを聞きながら気を失った

 

こうして、大規模反抗作戦“オペレーション・トリニティ”は成功した。辺境伯ディードの死によって軍は壊滅し、レガシードルは本当の意味で自由と平和を取り戻した

 

 




次回予告
ディードは斃れ、レガシードルは解放された

荒廃した国土、疲弊した人々は慰霊祭で亡き人の魂を新たな生命として還ることを想う

未知の力に耐えきれず大破したダイユーシャ、XGVSは暫定政府との会合を重ねる

エクシヴァルワールド ヒーローズ
結ばれた絆、そして旅立つ者

繋いだモノを携える者、レガシードルの翼は新たな道を往く
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