エクシヴァルワールド ヒーローズ   作:銀祐

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レガシードル編のエピローグです


結ばれた絆、そして旅立つ者

レジスタンス本部 医療施設

大規模反抗作戦“オペレーション・トリニティ”の成功とディード率いる辺境伯軍の壊滅から翌日、激戦の末ダイユーシャを大破してしまい気を失ったユウキ、ティアナ、ヒマリの三人が目を覚ます

 

ユウキ「……ここは?」

 

 

モロハ「やっと気が付いたか」

 

トウマ「話はアスカ達から聞いたぜ、ディードとの戦いでダイユーシャが大破されても最後まで諦めず決着をつけたそうだな」

 

ユウキ「…僕達の力だけじゃなくアスカやマルス、アマネさんにマリエラさん、レジスタンスのみんながいなければ負けてたよ…」

 

ティアナ「お父様とお母様の仇であるディードを倒してもまだムゲンザークと四天女神が残っています…」

 

 

眠ってる間の事を伝えるモロハ…ユウキは体を起こし耳を傾けている。アリサが口を開いた

 

 

 

 

アリサ「これから慰霊祭を行うそうだからお前らが目覚めたらすぐに仕度しろとレキウスさんが言ってたぞ」

 

チサキ「この件については慰霊祭を終えてからにしましょう」

 

ヒマリ「…そうだよね、レガシードルに平和が戻っても戦いの疲れを癒さないとね」

 

レガシードル全土で行われた辺境伯軍との戦いを終えてもやるべき事があった。それはこの戦いで巻き込まれて亡くなった人々や志半ばで戦死したレジスタンスへの慰霊祭で荒廃した王都が式場となる。レガシードル各地とのリアルタイム通信映像を空に投影する事で式場の様子を見る事が可能となり、参加者たちは戦火に巻き込まれた亡き人々、戦死したレジスタンスを模した紙燈籠を無言で黙祷し、空へ飛ばしていく

 

サツキ「これで燈籠はほとんど飛ばし終わったみたいね」

 

ホリア「皆に燈籠を作って頂いて、仲間たちも喜んでると思うわ」

 

フェイル「燈籠の灯りがひとつひとつ重なって凄く綺麗だけど…」

 

シズノ「同時に儚さを感じます……まるで人の命の輝きのようですね……」

 

モロハ「そうだな…」

 

ゼンイツ「平和になったレガシードルで新たな生命として還るんだな」

 

シグレン「…次に生まれてくる時は平和なレガシードルだ…」

 

上空に舞う紙燈籠を眺めながら辺境伯ディードにより多くの人々が命を散らした…潜入捜査で傭兵を演じた虐殺に加担したユウキ達も例外ではなかった

 

ユウキ「僕達がレガシードルで起きた出来事は忘れない…潜入捜査で虐殺に加担してしまった事や償う為に証を打ち立てた事、そして未来を託すために、レアさんを始めとしたレジスタンスの皆…」

 

ティアナ「…亡くなった人々は長い時間をかけてまた、レガシードルの地に還るんですね…」

 

ヒマリ「その事を私達は忘れない。オレイワルドスのやり方は、あんな惨劇を繰り返さないために…」

 

レガシードルにおける出来事を実感した事で自分達にとって都合の良い管理と言う名の支配のために理不尽や不幸で苦しむ人々の悲しみを見て楽しむオレイワルドスを必ず倒すと決意しながら光を見送った。二度とこんな悲劇を繰り返さないと胸に秘めて

 

 

 

 

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ユウキ「ダイユーシャの修理が不可能…?」

 

レジスタンスメカニックチーフ「ああ、わりいが俺達ではコイツをどうする事は出来ねぇな。ま、こいつを見てみろよ」

 

 

 

クイッと手渡した端末にはダイユーシャの内部構造…簡易表示されてるが全身のダメージは赤く点滅してる…ハンガーに固定され砕け散った両腕、亀裂が入り今にも崩れそうな痛々しい姿を晒すダイユーシャを前にしてチーフは頭をかいた

 

 

「原因は辺境伯との激戦もあるが、その後は得体の知れねぇ武器がとどめを刺したんだろうな……内部フレーム、駆動系はすべてオシャカ、逆流したエネルギーで動力もパア。コイツは最初から作り直した方がマシだなこりゃよお〜」

 

 

ヒマリ「そんな…」

 

ティアナ「ディードを倒した事で役目を終えたという訳ですか…」

 

 

チーフ「勘違いするな嬢ちゃん!」

 

 

声を張り上げるチーフにティアナは身をすくんだ…

 

 

 

 

チーフ「…壊れたら役目を終えた?んなこと言ったらコイツラは浮かばれねえだろうが!!そんな安っぽい慰めは要らねえんだよ、今まで嬢ちゃんらと戦い守ってきたのに酷いだろうが!違うか!」

 

 

 

 

ティアナ「だ、だって、壊れたんなら」

 

 

 

チーフ「壊れたから、だってもくそもあるかよ!!なあ嬢ちゃんの今の言葉はコイツを侮辱してることと変わらねえんだよ!わかるか嬢ちゃん!!」

 

 

怒気を孕んだ目と声を向けるチーフの剣幕にユウキは愚かヒマリも言い返せない…他の整備班が向ける視線にティアナは顔をうつむかせた

 

チーフ「…まだ使えるパーツはある…約目を終えたなんて寂しいこと言うなよ……他のブレイブマシンはまだマシだ…今ある資材で仕上げてやるよ…聞いたな野郎ども!」

 

 

 

メカニック「「「「おう!」」」」

 

 

 

 

蜘蛛が散るように各ブレイブマシンの整備へ向かう面々…ティアナをヒマリに任せユウキはチーフに近づいた

 

 

ユウキ「あ、あのチーフ…マグナカイザー、オーディアンは何処に?」 

 

 

 

チーフ「ん?ああマグナカイザー、オーディアンなら“機神帝ノ城”だ」

 

 

 

ユウキ「“機神ノ城”?」

 

 

チーフ「あ!?ま、坊主にはいいか……機神ノ城ってのは此処とは違う世界にある“機神が還り受けた傷を癒やし戦いに備える城”だ…レガシードルに古くから伝わるな…アスカ、マルス、マリエラ、アマネの使う機神は武具で召喚されるまではソコに居る…らしい」

 

 

 

ユウキ「らしい?」

 

 

 

チーフ「実際に見たやつはいないしな。コレはお伽噺にあるぐらいレガシードルにつたわってるんだ…だがな数百年前にそこに行ったっていう機神使いもいたらしい……ま、何故か口を噤んでそのまま歳取って墓に入るまで誰にも話さすじまいだったってな…一度でいいから行ってみたいな〜機神なんて俺らじゃ直せないしな…、ソコ.アクチュエータはビクティムから流用だ。ケーブルは第3から108を経由し繋げ!」

 

 

ユウキに答えながら指示を飛ばしていくチーフ。機神が傷を癒やす城“機神ノ城”はもしかしたら“黒き者”が残した遺産じゃないかと思いながら、傷ついたダイユーシャを見上げでいた

 

 

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ナガラ「ダメだ…どう調べても武具自体が強大過ぎて解析不能だ…」

 

リシア「まさに私達の知らない未知の技術だな…」

 

 

大小様々なケーブルかが断線し、モニターから煙が上がる中、ガシガシと頭を押さえるモロハ。今、辺境伯軍の決戦で顕現したシズノの機神召喚輪具の調査をしていたのだが、調べようとスキャンを始めた瞬間、何回もシステムダウン、輪具自体から発する波動が強大過ぎ、用意した全ての機材が破壊されてしまった現状に皆は頭を抱えた

 

 

ルキナ「マグナカイザーやオーディアンといったハイレガシロードは無事でしたけど、機神が産んだ武器に耐え切れず大破したのも言うまでもありませんね…」

 

アリサ「あの時、あたし達の危機を救ったのは言うまでもなくシズノだったよな…」

 

モロハ「シズノ、試しに機神を召喚してみたらどうだ?」

 

シズノ「私が機神を……?」

 

大規模反抗作戦でシャオランとサクラ達を撃退し勝利に貢献できたのはシズノが機神を召喚した事に他ならないとモロハは考えた

 

サツキ「あの機神に乗ってたのシズノなら召喚出来るんじゃ?」

 

コトナ「あたし達も是非見たいわ、シズノの機神」

 

シズノ「わかりました。試しに召喚して見せます……」

 

仲間たちの期待に応えたシズノは機神召喚輪具を左手首に装着し、レジスタンス本部の外で仲間たちの前で左腕を天に翳した

 

シズノ(お願い……私に力を貸して……)

 

そう思いながらシズノは今着ていた衣服が弾け飛びモロハ、トウマ、タクヤがガン見した瞬間、サツキらは動いた…

 

 

 

サツキ/アリサ/リシア/チサキ「「「「男どもは見るな!!」」」」

 

 

タクヤ/トウマ/モロハ/ナガラ「「「「ぐお〜〜!目が、目がああああああああああああああああっ!!」」」

 

 

 

タクヤ、トウマ、モロハ、ナガラの眼球へ指を突き刺す。地面に目を抑えのたうち回る中、膝上150ぐらいの赤袴、太ももを黒のオーバーニーソックスが包まれ、白字の振り袖姿のシズノがフワリと舞うように袖を振るうが…一向に機神は現れない

 

サツキ「あれ…?衣装だけ…?」

 

マシロ「一体どうなっちゃってるの?」

 

チサキ「アスカ達のようにはうまくいかなかったのかしら?」

 

シズノ「申し訳ございません……(あの時召喚したのは一体何だったんでしょうか……?)」

 

タクヤ「俺達を救ったあの機神は一体どうやって姿を現したのか、それすらも分からなくなってしまったな…」

 

トウマ「あの時の戦いでシズノがあの機神を召喚できたのは何かあるんじゃないか?…」

 

モロハ「何か条件があるんだろうな……アスカ達に聞いてみればなにか分かるかもしれないな」

 

大規模反抗作戦の時に顕現した機神…何故、召喚出来たのか…謎が深まるばかりのモロハ達は新たな課題としてその謎を解明するにはアスカ達に聞いたほうが近道になる。そう判断した

 

 

余談だが、装神聖衣を解く時もチサキらにモロハらは目潰しをくらった

 

 

旧レガシードル王都“同レガシードル暫定政府議会”

 

 

 

 

コンラッド「辺境伯ディードの打倒を果たして間もないが、君達は何が目的でレガシードルに来たのか理由を聞かせてもらおうか」

 

ユウキ「実は僕達、レジスタンスの皆と同盟を結びに来たんです。僕達がグランドストライアという世界から来たのは他でもありませんが今のままではこれから先強大になっていくオレイワルドスに対処するためにはどうしてもあなた達の協力が必要なんです」

 

グエンダル「同盟か…ではお前達に問いたい事がある、お前達が辺境伯の居城に潜入した件についてだが我同胞たちの虐殺に加担した事は忘れてないだろうな?」

 

 

 

辺境伯軍打倒後のレジスタンスはレガシードルを復興するべく暫定政府の樹立を宣言、そして共に戦った功績があるユウキ達と交渉する事になる。暫定政府はコンラッド、グエンダル、マトグリフ、ルーファス、カトリック、エルンストら民間からの有識者、政治、経済、法に精通した6人とレキウスの身内であるゼンイツ、ホリア、シグレン、フェイルも含まれていた

 

 

ティアナ「私達がディードの虐殺の加担に利用されてしまった責任はあります。そのために私達は行動で示しました、レジスタンスの誰もが自由と平和、そしてより良い未来に繋ぐために戦っている事も」

 

ヒマリ「私達がレガシードルに来た目的はレジスタンスの皆さんと同盟を結ぶために…」

 

マトグリフ「ふむ、同盟か…そうしたいがやるべき事が山積みでな…」

 

ユウキ「やるべき事?」

 

エルンスト「今回の戦いで俺達レジスタンスは勝利した、しかしただ勝利しただけで終わりではないのです」

 

ヒマリ「わかります。この戦いで戦死してしまったレジスタンスの皆が平和になったレガシードルの地に還る帰る事を…」

 

ルーファス「何を勘違いしてるのかね…ココで話すのは慰霊祭のことでない…何を見て、この場に来たのかを理解してないよう見受けるが?」

 

冷ややかな眼差し…いや微かに瞳を光らせ冷徹にヒマリの間違いを切り捨てたのはレガシードルレジスタンス軍将ルーファスに心臓を鷲掴みされたように見をこわばらせた

 

カトリック「ルーファス卿、彼女はこのような場は初めてなのです余り問い詰めるのは酷でしょう……さて、わかりやすく言いますと、この戦いでレガシードルは戦火に見舞われ荒れ果ててます。どのような状況に置かれてるかは理解されてますね…」

 

ティアナ「…あ!?」

 

 

赤髪の青年の言葉をようやく理解したティアナ、ユウキ。さらに会話は続く

 

 

コンラッド「大規模反抗作戦で勝利した。だがレガシードルを建て直す時間を必要なのだ…多くの官吏もディード一派による粛清により喪われたに等しいのだ…政を動かすにも必要な人材がね」

 

 

 

レガシードル暫定政府のやるべき事は言うまでもなく辺境伯軍との戦いで荒廃してしまった国土の復興に費やさなければならないのだ。解放に沸き立つも先ずは国力回復が最優先とされるなか、協定を結ぶ時間なんてない。遠回しに告げられている事にユウキは気づいてもない。気づいてるのはレキウスだけだ

 

エルンスト「アマネ戦術師、ゼンイツ達からお前達の行動をすべて把握した。本部に来てから大規模反抗作戦まで一か月間、監視下で独断専行せずに作戦に従事し勝利したのは認める…しかし、現状での同盟は極めて難しいのは君達でも理解できるはずだ」

 

確かに大規模反抗作戦での辺境伯軍との決戦ではレジスタンスが勝利した…辺境伯ディードの独裁による爪痕はまだ残っている。さらなる追い打ちがユウキらに投げかけられた

 

 

 

ルーファス「貴官らは我が国との交渉に赴いたのならば、神聖グランストライア王国から委任状を携えて来てるはず。それを提示しないのは何故かね?」

 

 

ユウキ「い、委任状は…その…」

 

 

慌てふためき視線を泳がせるユウキはヒマリ、ティアナに助けを求める…が二人にはどうすることもできないのがわかってない。政治的交渉に置いて一番大事なモノ“委任状”を携えず同盟を結びに来るのは背信行為かつ、グランストライアへの不信感を抱かせるモノだ

 

コンラッド「どうしたかね?…その事を知らずに来たと言うのではあるまいな」

 

 

 

ユウキ「…申し訳ございません、僕達がディードを打倒する事に精一杯な上、委任状を持ち合わせていませんでした…」

 

 

 

心柔らかな声色に秘められた刃を突きつけらたようにふらつくのを耐えきれずユウキはついに観念した。自分達がレガシードルに来てたのは言うまでもなく辺境伯ディードを討つことにしか考えがなかった事を認めた…ルーファス、エルンストからの視線が厳しいものとなる

 

 

コンラッド「そうか……コレも若さゆえの過ちかなら仕方ないのだな」

 

 

カトリック「ルーファス卿、エルンスト卿、コンラッド卿、あまり責めては酷でしょう。私達はこれからをどうするかの話し合いをしてるのですから話がそれてはいけません。この場で見聞きしたことは学びの場とかわりません」

 

 

 

 

エルンスト「カトリック、ココは学院じゃない…まあ、話がそれたのは事実だな」

 

 

ルーファス「ですな…彼らの功績を差し引いても辺境伯打倒に貢献した事実は覆せません…然しながら現段階に置いて正式な手続きを踏まえた同盟締結は難し…」

 

 

 

マトグリフ「ルーファス卿、仮の同盟締結なら可能だ」

 

 

ルーファス「仮?」

 

 

 

 

マトグリフ「…あくまで仮の同盟協定だけだ…正式な親書および締結にはコチラが安定してからとなるが。交渉官および外交官をを神聖グランストライア王国に常駐させ機を見てからとなるがな」

 

 

 

グエンダル「むろん、君たち側からの外交官常駐させる事もだ…互いの情勢、対オレイドワルス戦略的提携の下地作りとして協力もだ」

 

 

 

エルンスト「…レガシードルが完全復興し、神聖グランストライア王国との合議に基づき正式な同盟を締結する…口約束とならないように血判と親書を預けよう。陛下もよろしいですな」

 

 

レキウス「…レガシードル第一皇位継承者として認めよう」

 

 

 

ユウキ「あ、ありがとうございます」

 

 

 

ルーファス、コンラッド、エルンスト、グエンダル、マトグリフ、レキウスが人差し指にスッと刃を当て自身の名の下に血判を押していき、赤い蝋で封をされた書簡を手渡されたユウキ、レガシードルとの同盟、仮締結され復興が終わり次第正式な同盟を結ぶことが約束された瞬間だった

 

 

レガシードル五大公が席を離れようとした時だ、レキウスが手で制したのは

 

 

 

レキウス「この場にいる五大公に聞いてほしいことがある…先の戦いである事実をしった…私には弟がいる」

 

 

ミホノカ、ゼンイツらがざわめく中、マルスの肩がピクリと動く。レキウスはゆっくりと声を向けた

 

 

 

レキウス「レジスタンス実働部隊、機神オーディアン装者…マルス・レディーレ、私の弟として王家に迎え入れたい!」

 

 

レキウスの声が議場に木霊する…しかし五大公は僅かに顔色が曇る…様々な意味が込められた眼差しを向けるエルンスト、カトリック、コンラッド。それに対してルーファス、マトグリフはマルスへ品定めするような視線を向けていた

 

 

 

マルス「………」

 

 

マリエラ「マ、マルス!?まって!(あのバカ陛下!こんな場所で言う普通!!)」

 

レキウスに背を向けると、ツカツカと出口へあるき出した…まるでこの場にいるのはウンザリだと言わんばかりにも取れる。呼び止めるマリエラは追いかけ、アスカ、アマネは軽く一礼し離れていく

 

 

レキウス「な、なんでだ?…私はただ」

 

 

 

ミホノカ「……まだ時間が必要なんです…焦らないでレキウス」

 

 

 

レキウス「そうだよね…それよりも王族である僕がしっかりしないと!」

 

 

 

ミホノカ「そのためには私達も手伝いま…」

 

 

ルーファス「陛下、媛、お話のところ申し訳ありません、一つ進言したきことがありましてよろしいでしょうか?」

 

 

落胆しても自分が王族である事を自覚したレキウス、ミホノカの背後に現れたルーファス…異様な光を湛えた瞳を向け告げた言葉に二人は目を見開いた

 

レキウス「本気で、言ってるのか君は!?私に…」

 

 

ルーファス「はい、弟君マルス・レディーレを殺すことを進言したのです。王家の血を引くのは第一位継承権を持つレキウス陛下だけで充分事足ります…第二位継承権を持つ弟君、No.2は不要。この場にいる面々の誰か彼を擁立すれば遠からず争いの火種となりましょう」

 

 

ミホノカ「ルーファス卿、でも彼はレキウスの…肉親ですよ?」

 

 

ルーファス「かつて陛下の母君は災いの種を摘み取るために動いた…レガシードル王家の存続の危機と見たのは正しい判断です…肉親であろうと禍根となるならば、平和を願うならば弟君の暗殺を進言します」

 

 

 

怜悧な言葉に震えが止まらないレキウス、ミホノカ…ルーファスの目がジッと見据えている

 

 

ルーファス「王族の責務、レガシードルの平和のために弟君は必要な犠牲となるのてす…この国を想うならば肉親の情は捨てることですな。では」

 

 

臣下の礼を取り二人からあるき去った…レキウス、ミホノカはルーファスの冷徹かつ正論になに一つ言い返せなかった

 

 

レガシードル暫定政府、同居留地

 

 

 

モロハ「そうか…国土が完全に復興するまでしばらく仮の協定を結ぶ事になったのか」

 

 

 

ユウキ「そうなんだ。あの時僕達を救った機神を召喚したのはシズノなのはわかった気がするけど…」

 

 

 

ティアナ「一体どうやって召喚したのか分からない事ばかりですね…」

 

 

 

ヒマリ「その謎を解明するのが今後の課題という訳ね」

 

 

 

シズノ「はい…試しに私がよびかけても、何故か服だけか変わるだけで……」

 

 

 

アリサ「グランストライアに帰ればわかるかも。それもダイユーシャの件もだけどあたし達の機体もボロボロに近くなって来そうだな」

 

 

 

トウマ「グランストライアに帰還してこの事を色々と話さないとこれから先の事が大変になるからな…」

 

 

 

レガシードル暫定政府、五大大公からの書簡を手にしながら応えたユウキは話し合いの内容を告げ、モロハらからもシズノが手にした機神についての意見を交わしながら夜は老けていく

 

 

 

ユウキ「気になったんだけど、モロハ達の首に掛かってるの何?」

 

 

 

モロハ「聞かないでくれ…」

 

 

首に架けられたプラカードには“私は女の子の裸を見て喜ぶ変態です”と大きく書かれていた。それから3日が過ぎ、ディード打倒及びレガシードル解放の件を報告した事でレガシードルからグランストレーガーが自分達の世界であるグランストライアへと帰還する事になった。レキウス、五大大公が並ぶ中ブレイブマシン積み込み作業が終わり、乗り込むと同時にグランストレーガーはゆっくりと浮かぶ

 

 

レキウス「……レガシードルを解放した友に敬礼!!」

 

 

 

 

凛とした声と共に五大大公、レジスタンスメンバーも一斉に敬礼。その姿を目にしユウキらも敬礼で返してすぐに超空間へ入った

 

 

ユウキ「長かったな…次に会うときは同盟締結会合…」

 

 

???「ま、意外と早いかもね」

 

 

 

ユウキ「え?なんで君が!?」

 

 

 

振り返るユウキが見たのは共に戦いレガシードルの仲間で機神の使い手“マルス・レディーレ”が柔らかな笑みを浮かべる姿に声が上ずり、それを聞いて駆けつけたモロハらも口をあんぐりと開けてる

 

 

 

マリエラ「マ〜ル〜ス〜いきなり現れたら驚くでしょ!」

 

 

 

シズノ「マリエラさんまで?」

 

 

 

マリエラ「ん〜なんと言うか…えと…その…お願い!何も聞かずにグランストライアに連れてって!!」

 

 

 

手を合わせ頼み込むマリエラに誰もが驚いた

 

 

【オレイワルドス本拠地ムゲンパレス】

 

オレイワルドスの覇界神王ムゲンザークと四天女神であるナノフレア、ツバサルド、エスタリカ、ギアラクスはディードの戦死とレガシードルが解放された事を知り、辛酸を味わっていた

 

 

ムゲンザーク「ディードが倒された上でレガシードルが解放されてしまうなんて想定外だ!!」

 

 

ナノフレア「落ち着いて下さいムゲンザーク様、ディード率いる辺境伯軍の壊滅はまだしもに私達に対し歯向かう輩の散髪的抵抗運動がなくなるも、各世界においた前線基地が悉く壊滅しています」

 

 

エスタリカ「今その映像を送りますので見ていてください」

 

 

そう言ったエスタリカは用意していたホロスフィアで自分達オレイワルドスが各世界においた前線基地の一つが壊滅した映像を映し出す。それは何と黒と赤の装甲にツインアイにブレードアンテナ、長く伸びた尻尾を持つ機体、つまり漆黒の機神によるものである

 

 

ムゲンザーク「ガンダムだと!?確かデザストロイアにおける厄祭戦で活躍したあの悪魔の機体だったはず…まさかあのガンダムが俺達の前線基地を悉く潰していたと言うのか?」

 

 

ギアラクス「確かにガンダムですけどあれはどう見てもガンダムに非ずと言うものでしょうね…以前シャオラン達クロウメサイアの選抜メンバーにそのガンダムを搭乗者ごと捕獲しろと命じておりましたが…」

 

 

ツバサルド「何の戦果もなくディード達のために戦っても結局は失敗続きか…嘗て負の感情や信じる事も出来ず誰からも理解や賛同得られなかった歪みや暴走に対しては否定的で大事なものを奪われ悪に堕とされた被害者に失望した事から手を差し伸べていたものを…」

 

 

シャオラン達クロウメサイアが自分達に与したのは他でもなく何かしらの理宇人や不幸による怒りや憎しみ、苦しみや悲しみ、世界を信じることが出来ず、誰からも賛同や理解を得られないまま抱えていた歪みと暴走をする人間を虐げて屈服すればそうでない人間達は自分たちの事を愛されるという事であった

 

 

ムゲンザーク「クロウメサイアが皆から愛されたいが故に俺達に与した事で俺達の目的である多元世界に冠と言う名の支配で秩序を齎す事こそが無償の愛である事を信じ、理解している…彼等の一生懸命さを俺達の為に役立ってくれるのは非常にありがたい事だ」

 

 

ナノフレア「その事ですがもしクロウメサイアが失敗を続けた時にはどうすれば…」

 

 

ムゲンザーク「その事については分かっている、奴等がもし最終的に失敗したらその時は切り捨てるまでだ。俺達オレイワルドスに善悪両面を持つ不器用で不完全な存在は不要だからな…そのためには才能や人脈など何もかもが恵まれ、愛されるべき存在にして人々を幸福に導くことができる聖人君主こそが人間のあるべき姿に他ならない…四天女神達よ、次なる手は考えているな?」

 

 

エスタリカ「勿論ですムゲンザーク様。あの規格外ガンダムの事ですがいずれ私達にとって最大の脅威になるのかもしれません、この場合はどうしたらいいのでしょうか?」

 

 

ムゲンザーク「決まっているだろう、あの黒い機神と言う名のガンダムが俺達の管理と言う名の支配による秩序を妨げるのなら容赦はせん…それにXVGSとやらの件はクロウメサイアに任せるまでだ…」

 

 

ムゲンザークと四天女神率いるオレイワルドスが望む聖人君主の存在である神人類を中心とした多元世界に管理と言う名の支配で秩序を脅かす黒い機神と言う名のガンダムの存在を警戒する事になった

 

しかし彼らは知らない

 

 

 

黒い機神…このガンダムは“厄祭戦とは全く関係の無い代物だと言うことに気づいていない

 

 

神であろうとも手を出してはならない禁忌の力を搭乗者と共に秘めてるのだから

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