エクシヴァルワールド ヒーローズ   作:銀祐

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デザストロイア編
鉄血の世界


エクシヴァルワールドの東。数千kmの海をはさみ存在するに大陸デザストロイア

 

XVGSによってギャラルホルンは解体され、抑止力が無くなった場合、コロニーおよび商船航路での海賊による略奪行為が加速、地上でも同様の行為が多数発生。アーブラウ、オセアニア、SAU,アフリカユニオンら4大経済圏内で散発的なテロが勃発

 

ギャラルホルンを壊滅、統治システムすら破却した責任を取るべくXVGSは祐誠達をデザストロイアに派遣。祐誠のニルヴァーナ、総悟のバハムディア、リョウマのカイゼルグレン、ヒュウガのカイゼルシアン、コウタのノブナガラティンがテロリスト集団に立ち向かう事になったが焼け石に水だった

 

宇宙でもコロニー間における治安悪化、海賊による略奪。地上でも散発的な暴動、紛争が相次いでいる一ヶ月間、宇宙にあるコロニーで勃発する海賊討伐、地上に降りれば紛争への介入、ヒューマン・デブリ売買組織摘発…もはやデザストロイアは無法地帯と成り果てていた

 

【キャンプ用ドローンキャリア】

 

「難民キャンプにテロリストらしき者が潜んでる?」

 

「そう、テロリストたちが難民キャンプに紛れ込んでMSを持ち出しているらしい」

 

「その情報が本当なら間違いなくデザストロイアの戦乱は増すばかりになるわ。戦渦に巻き込まれた者は数知れずになるけど…」

 

「この一ヶ月間私達は来る日も来る日も混乱する4大経済圏の治安維持のために行動し、ギャラルホルンに替わる抑止力を探し続けたけど…」

 

「有力な情報すらないのが現状ね…」

 

「アーブラウ、オセアニア、SAU,アフリカユニオン内でギャラルホルンに代わる新組織の主権を移行するためにはどうしたら…」

 

自分達がデザストロイアに着いてから一ヶ月、とある情報が何なのか問いかける総司に対して祐誠は難民キャンプにテロリストが潜んでいてMS?が運び込まれた情報を答えた後、ギャラルホルンに代わる新組織を模索しながら治安維持を続いていた事を説明する蘭穂と香澄だが結那と彩璃は有力な情報すらない現状に憂う

 

「元はと言えば俺達がまいた種だよな…ギャラルホルンがオレイワルドスのイエスマン組織である事からラスタル達を叩きのめした後、鉄血世界が大変な事になってしまって…」

 

「その責任を取るために私達は鉄血世界であるデザストロイアの治安を維持するために奮闘してますね…」

 

「何にせよこの世界の治安維持のためには私達が頑張るしか他に方法はありません。一刻も早くギャラルホルンに代わる新組織を見出しましょう!」

 

嘗てXVGSがオレイワルドスのイエスマン組織と化したギャラルホルンを潰した事を負い目に思ったコウタが言った後、治安維持に奮闘する事を語るミリヤと一日でも早くデザストロイアの抑止力となる組織の設立のために頑張ろうとするカレン

 

「今思えばデザストロイア中を奮闘したりする俺達を見て理解してくれる者がいたらなぁ…ギャラルホルンが御都合主義を連発しなければ鉄華団は勝てたのに…」

 

「その鉄華団やギャラルホルンすらいない鉄血世界で俺達XVGSが治安維持のために頑張ってるんだ、そうこうしている間にもオレイワルドスは俺達を貶めるような方法を考えている」

 

鉄華団が全滅しギャラルホルンが勝つという事がどうも気に食わないヒュウガに対し、リョウマはそれらがいなくなった事で自分達が治安維持に奮闘している事を言いながらオレイワルドスが自分達をどのように貶めるか懸念する

 

「そのオレイワルドスの事なんですがレガシードルを支配する辺境伯ディードの方はユウキさん達に任せてますわね…もし私達の前にその同類が現れたらどうしましょうか…」

 

「そういうのが現れたら流石の私達ではどうすることもできないよね…」

 

「オレイワルドスがギャラルホルンより高位の存在なのはわかるけどそのような存在から人々を守るために戦うのが私達XVGSなのは言うまでもないわ」

 

「そうと分かれば私達は私達の役割を成し遂げましょう。祐誠、その難民キャンプの位置は把握できたのかしら?」

 

カナエデとハルカは辺境伯ディードと同類の存在が強大である事を知りつつもレオナはオレイワルドスから人々を守るために戦うのが自分達である事に他ならないと答える。その一方でルイジアは自分達の役割を成し遂げるべく、祐誠に対し難民キャンプの位置を把握できたのかを問う

 

「その場所なら既に特定している。行こう皆、一日でも早くギャラルホルンの替わりになる組織を見つけ出し、デザストロイアの治安を守るためにも僕達は立ち止まらずに進まなければならないんだ」

 

そう言った祐誠の言葉に賛同した仲間たち。キャンプ用ドローンキャリアが浮上した。難民キャンプに着くとテロリストの目的を探るため、祐誠、リョウマ、ヒュウガの三人はキャンプに向け歩を勧めた

 

「しかしこんな所にテロリストが潜んでるなんて何がしたかったんだよ?」

 

「わからないがこの難民キャンプに潜んでいるのは確かな気がするな。奴等が何をしでかすのか…」

 

身を隠すべく、私服姿で散策しながらリョウマとヒュウガは何やら不穏な気がすると思うように呟いた

 

「ん?あれはもしかして…」

 

そう言った祐誠はテロリストらしき人物が何やら怪しい行動を伺っていた様子を見据えていた

 

「祐誠、何か見つかったのか」

 

「何やら怪しげな雰囲気をしているらしいな…どうする?」

 

「そりゃもう追ってみるしかないだろう」

 

リョウマが祐誠に話しかけると、祐誠は怪しい行動を伺ったテロリストらしき人物をどうするか考えた所、ヒュウガの言う通り追ってみる事にした

 

難民キャンプにある秘密裏の場所、先程の人物は想定通りテロリスト達が通信を使って何者かと交渉しているらしい

 

「それでは約束通りあの新型を我々に譲ってくれるんだな!?」

 

『ああ、勿論だ』

 

「しかし、本当にいいのか?あんな大きな場所を我々のものにできるなんて夢みたいだ!!」

 

『その代わり条件がある』

 

「条件?」

 

『そう、お前達はこれから我々オレイワルドスの為に働いてもらう』

 

「オレイワルドスだと?何だそれは?」

 

『我々が所属する組織だ。訳あって今はまだ表に出ないがいずれ知る事になる。我々と共に来れば衣食住の件を与えてやろう』

 

「分かった。それで構わない」

 

『交渉成立だ』

 

その一部始終を陰から見ていた祐誠達は秘匿通信を使ってキャンプ用ドローンキャリアに待機していた仲間たちに伝えていた

 

『テロリスト達はオレイワルドスに与してたそうだね』

 

「ああ、奴等が新型兵器の提供や資金援助と同時に自分達のために働く兵士として取り込もうとしていたんだ」

 

『取り合えず万が一のためにブレイブマシンで対応するべく準備しといたわ。感づかれそうになったらすぐさまこの場から離れて頂戴』

 

「了解した。二人とも、奴等に感づかれた時この場から離れて皆の所に戻ろう」

 

「オレイワルドスはデザストロイア中のテロリスト達を集めて何をするつもりだ?」

 

「それよりも祐誠、兄さん、早い所ここから離れないと感づかれてしまうぞ」

 

「初めからそのつもりさ。急いで皆の所へ戻ろう」

 

香澄と蘭穂との通信を切る祐誠、ヒュウガ、リョウマは気配を消しテロリストが潜む場所から離れた

 

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祐誠達がキャンプ用ドローンキャリアに戻ったその時、難民キャンプ周辺に10体の怪獣にもにたMS(?)が出現した。外見はガンダムAGEのヴェイガンが用いる恐竜型MSダナジンを元にし、両腕に巨大な爪、脚部と背部はダンボール戦機のキラードロイド・ワイバーンを合わさっている…口蓋部が開きビームの雨が難民キャンプ、逃げ惑う人々へ容赦なく降り注ぎ灼いていく

 

「ぎあっ…!」

 

「ひ、ヒイヤ!?」

 

暴れまわる10体のMSを迎撃するべくニルヴァーナ(祐誠)、バハムディア(総司)、カイゼルグレン(リョウマ)、カイゼルシアン(ヒュウガ)、ノブナガラティン(コウタ)がハンガーからリフトアップされ姿を見せた

 

「射撃武器は難民キャンプが近くにあるから周囲の被害があえて少ない近接武器で戦った方が良いと思うよ」

 

「わかった、行くぞ皆!!」

 

今回は難民キャンプが近くにある事から周囲の被害があえて少ない近接武器の方が良いと香澄の言葉通りに祐誠は仲間たちに号令をかけ5体のブレイブマシンで10体のMSに立ち向かった

 

ニルヴァーナを始めとした5体のブレイブマシンは今回装備した武器でダナジーゲンを迎撃するが謎のMS?は振り返りざまに両腕エナジークローで5体のブレイブマシンを攻撃、弾き飛ばした

 

「こいつら今までのとは違うぞ!」

 

「かつて僕達が戦ったグラドニアスと同じか…!?」

 

ノブナガラティンのコウタとニルヴァーナの祐誠はそう言いながら嘗て自分達がギャラルホルンと戦った時に現れたオレイワルドスの特殊機動兵器であるグラドニアスと同じような気がした一方、バハムディア、カイゼルグレン、カイゼルシアンも今まで戦ったテロリストたちの機体とは違って防戦一方だった

 

「オレイワルドスの奴等、こんなえげつない物まで作るなんて一体何を考えているんだ!?」

 

「わからないがデザストロイアまで来て何か良からぬ事を企んでいるに違いない!」

 

「そのためにも俺達がオレイワルドスの野望を打ち砕いてやるぜ!」

 

総司とリョウマとヒュウガが言った後、バハムディア、カイゼルグレン、カイゼルシアンは3体の謎のMSに連続攻撃を仕掛ける。まずはバハムディアが剣と盾を織り交ぜた連撃で謎のMSの一体をねじ伏せ、必殺の斬撃で一体目の謎のMSの頸を撥ねた。跳ねた首はそのまま轟音と共に落ち断ち切らた部分からは血が吹き出し空を赤く染め虹が生まれた

 

カイゼルグレンとカイゼルシアンも続けて少しのスキに差し込める素早い連撃が決まり、激昂斬の如く強力な一撃が決まる…が撃ち抜かれた二体の胴体から赤い血しぶきが吹き出し難民たちに降り注ぐ…

 

〘…!?〙

 

ニルヴァーナとノブナガラティンが謎のMS二体を同時に追い込ませていた。初めは防戦一方だが後に隙を伺えた所で反撃の狼煙を上げながら行動していた。ニルヴァーナの双剣とノブナガラティンの太刀による連撃が見事に決まるが他の機体と同じで血を撒き散らしながら機能停止した

 

〘………〙

 

5体のブレイブマシンを他所に残った謎のMSが両腕を向けた先、難民キャンプに向けてビーム弾を撃ち込んだ

 

「祐誠くん、難民キャンプが!!」

 

「しまった!奴等の狙いは僕達が一体に気を取られてがら空きになった難民キャンプを襲撃する事か!!」

 

香澄がそう言った後、祐誠は自分達が敵一体に気を取られてで残りの敵を疎かにしてしまった。謎のMSによって襲撃され、溢れ出た光景を見て祐誠達は業を煮やすかのように怒りを覚える

 

「これ以上好きにさせてたまるか!!」

 

「いい加減にしろよこの野郎!!」

 

怒り心頭になった祐誠のニルヴァーナとコウタのノブナガラティンは機能停止し夥しい血を流し続けるMS二体を持ち上げるや、難民キャンプに向けて攻撃するMS?に向けて投げ飛ばした。直撃を受けふらついた二体へ、ノブナガラティンが太刀で纏めて切り伏せて機能停止させ、ニルヴァーナが双剣の素早い斬撃で発砲した両腕を切り落とした後、一刀両断で2体同時に機能停止させ、残る一体も一本の剣を投げて頭部に直撃した後横一文字に斬りすてた

 

〘−−−−−!〙

 

泣き別れに上半身を切り飛ばされ血を撒き散らすMS、その返り血を浴びるブレイブマシンは修羅にも見えた

 

「とりあえず終わったか…まさか俺達を一体に集中させたところで残りは手薄になった所で集中攻撃とはどこまで悪辣なんだ?」

 

「わかりませんがきっと私達がデザストロイアに着いた事を知ってこのような手段を選んでしまったのは言うまでもありませんわね」

 

「それにしてもこいつ本当にMSなのか気になるがブレイブマシンと対等になる性能を持ち合わせているな…」

 

「幸いパイロットは乗っていなかったけど何故このような事になってしまったのか気になるわね…」

 

「そのMSが何なのか内部構造を調べて見よう」

 

そう言ったリョウマとカナエデ、ヒュウガとルイジア、そして祐誠はオレイワルドスがテロリスト達を引き入れた理由、現れた謎のMSは恐らく自動操縦で、ブレイブマシンと互角の性能を持ち合わせていたのか気になった…謎のMSの内部構造をスキャンし目を見開いた

 

「…これは!?」

 

「嘘だろ…!?」

 

「何という事だ…!」

 

「こんなのってありかよ!?」

 

「酷過ぎる…!」

 

祐誠と総司、リョウマとヒュウガ、そしてコウタが余りにも信じがたいものを見てしまい絶句する謎のMSの内部構造、生体融合した人、いや子供が生体ユニットに使われていた…むき出しになったコックピットから見えたのは血の涙を流しながら息絶えた子供の事切れた顔だった

 

「お、オレイワルドスは一体人間を何だと思っているんですか!?」

 

「こんな酷過ぎた所業を平気で行うなんて…う、うゥ…」

 

カレンとミリヤが震えながら吐いた。自分たちは取り返しのつかないことをしたと…その時、朱に塗れたブレイブマシンにゴツンと物音がして来た。祐誠達がモニターで見るとそこには難民キャンプの生き残りが石礫を投げてきた。血塗れになり事切れた赤子を抱く女性、焼け爛れた亡骸をだき怒りの眼差しを向けるなどまるで祐誠達がテロリスト達と同類だと言わんばかりに

 

「この疫病神共め!!」

 

「テロリスト達と同類の連中は消え失せろ!!」

 

「俺達の日常を返せ!!」

 

「私の子も返しなさい!!」

 

「出てけ人殺し!!」

 

難民たちの怒りが5体のブレイブマシンに乗っている祐誠達に向けられた…夕日が難民キャンプを赤く染め上げていく中、祐誠らは何も応えず離れるしかできなかった

 

//////////

 

/////

 

///

 

眼科に広がる蒼き水を湛えたグランストライア、デザストロイア、他大陸…衛星軌道にあるギャラルホルンが保有していた宇宙ステーション“グライムヘイズ”、広がる宇宙に浮かぶ歪なまでに砕けた無惨な姿を晒すのは約300年前、“厄際戦”での激戦地となった月だ

 

砕けた月の地には、ランチ(小型艇)が数隻見え、ギャラルホルンのパイロットスーツから無骨な宇宙服姿に見を包んだ一団。その中に漆黒に染めあげたパイロットスーツ姿の小柄な人物のバイザーに通信が入る

 

《CEO、アナタの予想通り鉱脈鉱床が確認されました。コレならば》

 

《…そうか…アドモス、モンターク、テイワズ、タントテンポに繋ぎ》

 

《はっ!》

 

抑揚の無い声に応えたのを見てCEOと呼ばれた彼はルナドロップを目にした時だ

 

《マス…“CEO”、おもしろきものを見つけましたわ》

 

甘く引き寄せ等るような声に、目を細めランドバーニアを吹かし向かう。白い宇宙服に見を包む女性の隣に立ち見た

 

『おどろかれましたか?これはもはや運命ですわ…』

 

『………』

 

赤金に輝く瞳が捉えたのは刳りぬかれたような巨大なクレーターに無様な姿を晒す数百体のMAの残骸、それに鎮座する濃紺に朱が目立つMS

 

『……ガンダム・フレーム……』

 

ソロモン72柱の悪魔の名を冠し、天使の名を持つMAを駆逐し厄祭戦を終わらせたガンダムフレームの一体を目にし言葉が漏れた

 

『CEO、デザストロイアからの緊急通信です…XVGSが……難民キャンプで』

 

『………わかった…ガンダムフレームを回収、オレは地上に降りる…』

 

『はい、全てはあなた様のおおせのままに』

 

背を向けランチに駆け出すCEO…赤金の瞳がバイザー越しに映り、シャトルがデザストロイアへ向け飛翔した

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