グランストライアの主要施設の一つであるエリュシオン基地では迎撃部隊である量産型ブレイブマシン、クィンク・ラーダが大量配備していた。ギンユウ達からの知らせを受けクロウメサイア軍が来るのを待ち構ていた迎撃部隊。そのセンサーに反応を示すアラートを耳にし見えたものに唖然となり顔が青ざめていく
最大望遠でモニターに映る超巨大隕石.最大直径30キロを超える超質量岩塊が摩擦熱に焼かれ落ちてくるのだ核ミサイル300万発分,TNT火薬で60000メガトン以上にものぼり,直撃したら直径500kmのクレータしか残らない。グランストライアは文字通り消滅する
「げ、迎撃ミサイル、ビームを撃てええ!!」
「情報が全然違うだろうが!ギンユウのクソ野郎は何やってんだ!」
「こ、こんなの防げるのかよ」
悲壮感と共に迎撃部隊は次々と飛翔、ミサイル、ビーム・カノンを天を揺らし迫る超巨大隕石めがけ撃つ…表面に着弾と共に砕けるも効果は少ない、焼け石に水だった
『本部!これ以上は止められない!!市民の避難勧告を!』
『増援を、数が足りない!!早くしてくれえええ!!』
悲痛な隊長らの叫び、増援要請を求める通信がコマンダールームに溢れかえる中ギンユウは歯ぎしりした。クロウメサイアがこのような作戦を取るとは予想すらしていない、いや何時もの力押しで来るとばかりたかを括り舐めきっていたからだ…離れたエリシュオン基地に落ちてもグランストライアは文字通り消え去る。市民の逃げ場所、時間すら無い…
「く、落下までの時間は…な!?」
絞り出した声が驚きに染まる…灼熱に彩られた超巨大隕石があっけなく砕けたのだ。コマンダールームのオペレータースタッフは愚か現地で迎撃に当たる部隊は呆気にとられた瞬間、無数の閃光がクィンク・ラーダを貫き火の玉に変え、砕けた破片が潰しグランストライアへ降り注ぎ、首都近郊にある軍需施設、工廠、豊かな実りを讃えた穀倉地帯、山間部、通信施設を容赦なく砕き瓦礫の山に変えていく
「こ、コレは隕石の動きじゃない……まさか!-----------」
隕石が取るべき軌道でないことに気づいた迎撃部隊長はコックピットを撃ち抜かれ原子のチリに変え爆散し落ちていく…
「なんて奴だ…これだけの数で…隕石を囮にして」
『う、うん……ソレに破砕した軌道落着点まで予測して…』
シャオラン、サクラのディオズワースのビームソードがクィンク・ラーダ3体を撫で斬りながら冷や汗を流した…隕石を破壊したコトで粉塵が舞い、視界とセンサー及び通信施設破壊により目と耳を奪われ混乱した迎撃部隊は絶好の獲物。たとえ攻撃を避けてもいまだ降る岩塊に押しつぶされるだけだ
『認めてやるよ……レクス・シュバイン』
悪態を吐きながらタツマキが自身の機体を上回る岩塊を殴り飛ばしながら目を向けた先には2つの人影…黒尽くめのフルフェイスヘルメットの少年は赤い布をたびなかせた槍、軍服姿のプラチナブロンドに赤いメッシュが目立つ少女は黒地に虎の彫刻をあしらったギターを手にしかまえた
『…来い“絶✝影”』
「派手に行くわよ…来なさい“哭雷虎”」
赤布をらせん状にまきつかせるように加速、嵐がいくつも生まれ、かき鳴らしたギターの弦から黒雷が轟音と共に空を震わせ顕現するは灰色に装甲を隠すように赤い布を風に揺らめかせる細身の機体が空を舞い降り立つのは黒地に怒りを思わせる黒雷を撒き散らし唸る金の装飾に彩られた虎型のロボにクィンク・ラーダのパイロットが乾いた声を上げた
「あ、あれはレガシードルに向ったユウキさんたちと一緒にたたかった機神、機神獣なのか!?」
『……』
灰色に赤が目立つ機神…装神空間に浮かぶレクスは無言で、目の高速で突っ込んでいく…その後背部、首元から機体を覆うマフラーに似た布を左腕に巻きつくと刃へ変わり、その胴を薙ぎ払い、穿ち、袈裟斬りクィンク・ラーダ3体を葬る
「く、来るなあああ!!」
情けすら無い冷徹な刃に斬り伏せる機神への恐怖を露わにし狂乱しながら砲撃する多数のクィンク・ラーダが取り囲みながらライフルやランチャーで機神を捉えた…しかし黒い雷撃いや極太の雷光がクィンク・ラーダを飲み込み焼き尽くされ次々と爆散した次々と大破されていく
「その程度で私達を止めるつもり…?笑わせないでよね!!」
虎型機神獣…哭雷虎。装神空間に浮かぶフリュシュネーに応えるように数千もの極雷光が刃のように降り注ぎ灼き尽くしていく。シャオランとサクラのディオズワースは自分達に怒りを向けるクィンク・ラーダの軍勢と対峙する
「XVGSの愚か者に思い知らさねばならないとな…やっている事自体が時間の無駄だという事を!!」
「あなた達は結局自分たちは正しい、何をしても悪くない、勝てば正義、負ければ悪という思想で動かしている。その事を身を持って思い知りなさい!!」
『く、撤退だ…残存部隊に信号弾を!!』
「逃がすかよ!」
そう言いながらシャオランとサクラのディオズワースはハイパーメガブレイドとメガヴァリスライフルを構えトリガーをひこうとする…分厚い朱槍刃…グングニルをコックピットに突きつける絶✝影と接触回線が開いた
『…やめろ』
「なぜ止める!ココで勝てば…ムゲンザーク様に」
『……ここがドコかわかってるな』
絶✝影とディオワーズ…レクスとシャオラン。一触即発の空気にタツマキらも固唾を呑む
『はいはい、喧嘩はそこまでにしたら?…私達がいるのはドコ?敵地のど真ん中、この作戦目的を忘れたのボウヤ?残りたければ好きにしたら?』
「…っ!……わかった。サクラ、帰還するぞ」
『OK、シャオラン』
しぶしぶ従いシャオランら上空に待機してる戦艦へ転移し、絶✝影と哭雷虎が残る…眼下に広がるグランストライアの惨状を無言でみるレクスにフリュシューネが声をかけた
『レクス、どうしたの』
「なんでもない…帰るぞリュー」
ぶっきらぼうに返し、光と共にシャララン等の艦へ帰投した
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XVGSコマンダールームでは、エリュシオン基地に向かった迎撃部隊がクロウメサイアによって惨敗し、基地が壊滅されたという悪報を知ったギンユウはまるで業を煮やしたかのように頭を抱えながら悔やんでいた
「何という事だ!!まさかクロウメサイアがあんな手を…一体俺達はこれからどうなるんだ!?」
「落ち着くんだギンユウ、確かにアレは今の俺達には手に負えないそうだ。しかも向こうのほうが一枚上手だったのも無理はない…」
取り乱すギンユウに対しリュウジが落ち着かせるも自己保身と言わんばかりの態度に呆れ果てるも頭を切り替えた。現在、グランストライア全土に降り注いだ大小様々な隕石による一次被害、二次被害の報告が蜂の巣を続いたように届き対応に回るオペレータースタッフも同じだろう…自分達XVGSが余りにも力不足と言うか自分たちは正しい、何をしても悪くない、勝てば正義、負ければ悪…だからこそあんな監獄都市を作り、逆らえば断じて連座まったなし。良識ある人間の声を聞かず、他世界にちょっかいを出してるだけというどこぞ時空管理局とてんで変わらない妄執に囚われていた事を思い知らされていた
「今までの私達、どうかしてた気がするわ…奴等に対抗出来る術を持っている事自体が裏目に出てしまい、今回のような悲劇を招いてしまった…」
「無理もないだろう。私達のような英雄的に秀でた才を持つ人物が信頼を寄せていれば安泰だと思ってしまうのも…しかし上には上がいると言うのもまた事実、容易に出来る事ではない」
「しかし失態は言うまでもなくグランストライア全体における私達への信用を堕としめ、修正困難の深刻な状況になってしまったわ」
「こうなってしまった以上、私達はどうする事も出来ないと言うの…!?」
スミアとチハヤ、ヒイロとナズサは最早自分達がグランストライアにいられると人々の迷惑になると誰もがそう思いながら途方に暮れていた
あまりにも履き違えた結論はやがて自身の首を絞めると誰も気づく者はいなかった
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その頃、デザストロイアでは祐誠、総司、リョウマ、ヒュウガ、コウタの5人は生体兵器に苦戦を強いられても果敢に攻めていく
「気を付けろ皆!!奴が何かしでかすぞ!!」
祐誠がそう言った後、生体兵器はビームやミサイルで攻撃するが、悉く回避する
「これ以上奴の好きにはさせないぞ!!ヒュウガ!!」
「OK兄さん!!」
そう言ったリョウマとヒュウガはブラスティアソルド(双剣)で生体兵器の部位のであるビーム発生機関、ミサイル発射口を攻撃し続ける
「次は俺達が足止めする!!」
「最後は任せたぞ祐誠!!」
そう言いながら総司とコウタはGクリスタルソード(太刀)を駆使して生体兵器の両足を斬る
そこへ祐誠がグレスガンソルド(銃剣)に盾と合体する事で巨大なエネルギーブレードを生成する。そしてその斬撃が動けなくなった生体兵器を一刀両断、同時に爆散する
「一時はどうなるかと思ったがこれで難民たちは守られたそうだ…」
これにより生体兵器の脅威から難民を守った事を祐誠達は急いで香澄達の所へ戻った。しかしこの後は誰もが予想しなかった、先程倒した生体兵器が一体何なのか悲劇の序章に過ぎなかった事を……
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一方その頃、別の拠点ではオレイワルドスの3人組がモニターで祐誠達が生体兵器を倒した様子を見ていた
「愚かな…」
「見た目だけで敵と決めつけるか、脳みそがおめでたいな」
「そろそろ頃合いさ…まだまだ楽しみは続くんだからね」
…勝利に酔う祐誠らを狂言回しの猿を見るようにつぶやいた
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その頃、香澄達の所へ戻った祐誠達はオレイワルドスが生体兵器を用いた事を彼女たちに話した
「オレイワルドスが恐ろしい生体兵器を持ち入るなんて思いもしなかったけど、幸い難民たちから遠ざけて倒したのは良かったかもしれないね」
「一体あの兵器は何処から来たのか不思議な気がするわ…」
「妙な事になると思うけど…それよりも難民たちの方は?」
香澄と蘭穂が言った後、祐誠はキャンプにいる難民たちの事が心配になる
「今のところは異常ないわ、それよりも何か様子がおかしい…」
「おかしいって何がだよ?」
「難民たちの事ですわ。私達がここへ来たのはテロリストが潜んでいた時以来ですし、あの後ヴィンゴールフでの異端審問やサンジェルマンの私有地で過ごしていた時からおかしな雰囲気がしてました」
「おかしな雰囲気か…再び訪れて来たのは哨戒任務のためだが今の所異常なしに見えた矢先にあの生体兵器が出現、その後撃破して今に至る…」
難民たちの様子を見て異常なしに見えるが様子がおかしいと思うルイジアとそれが何なのか気になるヒュウガ、自分達が難民キャンプに来ていたのはテロリストが潜んでいた時から時間を掛けた所でおかしな雰囲気がしてきた事を実感するカナエデ、そして今回の哨戒任務に再び訪れた事から先程の生体兵器を倒した事まで思い返すリョウマ
「……まさかオレイワルドスは僕達がここへ来ることを知って何かを仕掛けたんじゃないのか?そうだとしたら…」
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
「今の悲鳴は…!?」
「しまった!!難民キャンプに異常がないと見えたのは罠だったのか!!」
何かおかしいと思う祐誠だがその時、難民キャンプから悲鳴が響いた。その悲鳴を聞いた香澄と祐誠が言った後、仲間たちと共に難民キャンプに向かい目にしたのは、倒したはずの生体人型兵器が姿を現していた
「あれって俺達が倒した生体兵器じゃないか!!何がどうなってるんだよ!?」
「それだけじゃない…周りをよく見るんだ!!目の前にいる奴だけじゃないぞ!!」
リョウマとヒュウガが言った後、目の前にいる個体だけではなく難民たちが自らの意思とは関係なく、人間だった面影がない位に生体人型兵器へと成り果てていく
「それじゃあ僕達が戦ったのは他でもなく難民の成れの果て…!?だとしたら僕達はとんでもない事をしてしまったのか…!?」
このようなおぞましい光景を見ていた祐誠は酷く動揺していた。何故ならそれは自分達が倒したのが言うまでもなく元は人間、つまり難民であることを知っていたからだ。彼だけではない、他の仲間たちも酷く動揺している
「まさか祐誠くん達が戦った生体兵器の正体が私達が守ろうとした難民だったなんて…こんなの酷過ぎるよ……私達は一体何のために守ったの…?何のために戦ったの……!?」
「しっかりして香澄!!」
「もう嫌…私達戦いたくない…戦うなんて出来ない…キャンプに訪れた私達がいるから難民たちが不幸な目に遭っていくわ…!!」
「レオナまで…こんな時に限って甘ったれてる場合じゃないわ!!私達はまだ怪物化していない難民たちを安全な所へ避難しないと…!!」
「そんな事言われても…!!」
自分達が何をしても無駄な事だと実感しながら泣き言を言う香澄に対して声をかける蘭穂、自分達がいるから難民たちが不幸な目に遭っていく事から戦えなくなったレオナに叱咤するルイジアは自分達にまだやるべき事があると言うがハルカが弱気になって言い返す
「いかん…!俺達が戦った生体兵器の正体が難民である事から戦意を失いつつある!」
「こうなったら私達で難民たちと一緒に戦意を失った仲間たちを安全な所へ避難しましょう!!」
「今の私達に出来る事はそれしかありません!!」
仲間たちの動揺を見たコウタはこのままでは全員やられてしまう事を懸念する。しかしこのままではいけないと決起するカレンとミリヤは自分達にはまだやるべき事があるという訳で戦意を喪失した仲間たちや難民たちの安全を最優先するべくゲイレールやモビルワーカーを使って安全地帯を作ったが…
『ガアルアアアアアアア!』
避難した難民の一人が生体兵器へ変貌し、逃げ惑う一人を切り裂いた
「何!?まさかこっちにもいると言うのか!?」
「いえ、アレをよく見て下さい!!」
余りに想定外の事を目のあたりにするリョウマが言った後、カナエデが目のあたりにしたのは切り裂いた一人が生体兵器に変貌していく光景だった。リョウマ達は2体の生体兵器を追い出した後、徹底抗戦をする
「一難去ってまた一難かよ!!これじゃあミイラ取りがミイラになっちまう状況だ!!」
「戦意を失った彼等を守るのも手一杯になりかねないわ。どうすれば…」
「しっかりしなさい祐誠!皆!私達が何とかしないと皆死んでしまうわよ!!」
状況が悪化している事を悔やむヒュウガとまだ動ける自分達では対処しきれないと言うルイジア、蘭穂は祐誠達を立ち直らせるべく説得を試みた
「皆が死ぬのは嫌なのは分かるけど…相手は難民、元は人間だからと言って戦うなんて出来ないよ…」
「私達が戦っても結局不幸になってしまうんでしょ?無理だよ…!」
先程のショックが大きかったせいか完全に戦意を失ってしまった祐誠と香澄はどうする事も出来ない状態に陥ってしまった以上、無力に等しかった。それだけではなくレオナやハルカも同じ状態である
「くそっ!!僕達だけではどうする事も出来ないのか!?」
「今思えば私達だけでは荷が重すぎるという事が痛い程分かった気がするわ…」
「だからと言ってこのまま諦めていいとは思わないよ!だけど相手が人間の成れの果てだとしても一体どうすれば…」
総悟、結那、彩璃がそう言ったように、自分達だけではどうする事も出来ない、このまま諦めていいとは思わない、しかし相手は人間。どうする事も出来ない
「…見ていられませんね」
「そうですね」
難民に紛れながら現れたのは豊かな体つきを尼僧衣に身を包みかくし、柔らかかつ妖艶な笑みを向ける女性、病的にまで白い肌、くすんだ金髪にメガネを掛け黒いセーラー服にマフラーを揺らす少女二人。
「あなた達は…?」
「今はそのような事を話す暇などありません…エッちゃん」
「……わかった」
リョウマに返すキアラ。エッちゃんに襲い来る生体兵器と化した難民を背を向けたまま黒い刀身の刃で切り飛ばした
「な…何をやってるんですか!?」
「あの生体兵器は何の罪のない普通の人々なんですよ!!」
カナエデとルイジアの言葉を無視するキアラは無手、エッちゃんは剣で難民の成れの果てである生体兵器の群れを余りにも残酷かつ凄惨に屠っていく
「何て酷い事を……」
「こんな惨たらしい事を平気で行う何て…」
「彼等は好きでこんな事を望んでるわけではないのに…」
まるで冷酷無比な所業をこなす暗殺者の如く、生体兵器が難民の成れの果てであったとしても無条件で殺戮するキアラとエッちゃんの姿を見て彩璃と結那、そして蘭穂は戦慄する。そこへ祐誠が二人を止めようとするべく講義をする
「あなた達が一体何をしたのか分かってるんですか!?あの人たちは元は人間だったんですよ!!僕達とは何の替わりもない人間を何だと思ってるんですか!?」
「今まであなた方はやってましたわよね、人殺しを。今の言は矛盾極まりますわ」
「綺麗事だけたくさん並べるだけのXVGSじゃ平和は来ない………烏合そのもの」
キアラとエッちゃんの言葉によって祐誠達は言い返す事など出来なかった。その後二人によって大半の生体兵器は討伐されていく最中、嘗てヴィンゴールフの審問会にいた片目に眼帯をし火傷が目立つ少年がふらりと蹌踉めきながら膝を付き身震いした
「お前はあの時の少年…今まですまなかった、俺達のせいでこんな事になってしまっ…」
「触んなクソ野郎が!んなの聞きたくねえんだよ!!!」
「…!?」
拒絶ぬ言葉をあびせた少年にヒュウガは驚愕する。少年が覆った布がモコモコと膨れ上がり半ば獣化している
「アンタラが来なければ…コンナコトニ…い、イヤだオレは、オレはニンゲンだぁアぁぁアぁ!」
“目覚めなさい、私のゾアティック…さあ、憎いでしょ綺麗事ばかり並べて、不利になれば自己養護するしかできないXVGS。彼らが来なければアナタの家族は死ななかったのよ?さあ、力に身を委ねなさい?オレイドワルス様の下僕にな”
『い、いやだぁ!コイツラと同類になる!い、イヤダアアアアア!』
甘く蠱惑的な思念に人であろうと必死に抗い叫ぶ少年…ヒュウガの端末が何かを感知する…地響きが鳴りながら砕け現れたのは先の難民キャンプを襲撃したMA。装甲が開き獣化し続ける難民、逃げまわる大半の難民たちを取り込み、最後に少年を触手で絡め取り装甲内に入れ閉じ、ドロドロとした体表が鎧化、巨大な恐竜型生体兵器へ姿に変え雄叫びをあげだ
「あれだけの難民を取り込んで巨大化するとは…!!」
「ちくしょう…!!結局俺達は何をやってもダメなのかよ…!?」
余りにもおぞましい光景を見て絶句するリョウマと自分達の力不足や不甲斐なさを悔やむヒュウガ。そこへコウタと総悟は二人に対してこう言い放つ
「リョウマ、ヒュウガ、ゲイレールで応戦するんだ!!」
「最悪な状況を打破するにはそれしかない!!」
「そうだな…ヒュウガ、行くぞ!!」
「OK兄さん!!」
返答したリョウマとヒュウガはゲイレールに搭乗し、巨大生体兵器に挑んだ。キアラが残りの生体兵器を屠る。リョウマとヒュウガが乗るゲイレールは巨大生体兵器に立ち向かうべく、密かに用意していた武器で攻撃する…アレスが使用禁止を言い渡した武器を構え舌なめずりする。まるで今までの鬱憤を込めた
「せめてもの情けだ…今楽にしてやるぜ!!」
「待てヒュウガ!!」
最初は善戦していた事からヒュウガのゲイレールは近接用のブレードで攻撃しようとした所でリョウマに声を掛けられた所で踏みとどまる。何故なら巨大生体兵器は取り込んだ人々を装甲表面に顔だけ露出させ盾にしていた
「助けてくれぇぇぇぇぇ」
「何でこんな目に逢わなければならないんだぁぁ」
「助けてよ~~~~」
取り込まれた人々の悲痛な叫びが周りにいる者達に響いた。当然戦意喪失した祐誠達を除いた仲間たちも憤慨する
「何て卑劣な真似を…!!取り込まれた人々を盾にするなんて…!!」
「リョウマ、ヒュウガ、何とかならないのか!?」
「何とかならないと言われても…あの時俺のせいでこんな事になってしまったんだ…流石の俺もどうする事なんて出来ないよ…」
「やはりあの時の独善的な行動が原因か…くっ!!」
とても嫌になりそうな状況に業を煮やしがちのコウタと総司は通信を使ってリョウマとヒュウガに伝えた。しかしヒュウガは嘗て自分がブレイブマシンで難民に対する酷い仕打ちをしていた事から対処しづらい状況に置かれていた。それを見かねたリョウマはゲイレールを動かしていくが防戦一方だった。最早これまでなのかと思われたその時、ゲイレールのセンサーが上空から高速熱源反応、赤熱化したカプセルが轟音と共に大地に突き刺さり、弾け飛ぶ
「……」
祐誠達の様子を見て失意を感じたアレスは目の前にいる巨大生体兵器に対してナノラミネートザンバーを構える。それに対し巨大生体兵器は装甲表面に顔だけ露出させ盾にする
「……」
薄暗いコックピット、阿頼耶識システムで繋がったガンダム・ベリアル、アレスの目に届く…が、両椀部ナノラミネートザンバーで装甲に浮かび上がる難民らの顔へ迷わず振り下ろした
「うげええええ…」
「えがああああ…」
深々と突き刺さり難民たちの顔がいくつも潰れ血が噴出、苦悶の叫びが木霊する。待機していた香澄たち女性陣は目を背け耳をふさぐ程の惨劇が始まった
「ああ……くっ!!」
香澄たちが怯えているのを見て祐誠はこのまま黙っていられる訳には行かないと思い、無我夢中でゲイレールに乗り込む。祐誠のゲイレールは巨大生体兵器を蹂躙するガンダム・ベリアルを止めるべくしがみついた
「…離せ」
「止めて下さいアレスさん!あの生体兵器に取り込まれた人たちは何の罪もないんです!あの二人といい、あなたといい、何でこんな酷い事を平気でするんですか!?関係なく巻き込まれて被害に及んだ人たちを何だと思っているんですか!?」
「……彼らを助ける手はあって止めたのか…無いなら引っ込んでろ…人として、今この場で死んだほうがマシだ……」
止めようとする祐誠の問いに対して返答したアレスは祐誠のゲイレールを振りほどく。アレスのガンダム・ベリアルは巨大生体兵器をナノラミネートザンバー一つで蹂躙し続ける。装甲の隙間に手をかけ強引にひっぺはがし、ダインスレイブをうち内部を破裂させ生体パーツが撒き散り、香澄らの前に落ちた
『あ。あっだ…ひぅ』
「い、いやあああああああ…いや、いやあああああああああああああ…」
生体パーツに浮かぶ生首を目にし狂ったように泣き叫ぶ香澄の精神は限界を超え、ルイジア、蘭穂は吐きながらも必死に取り押さえるもベリアルの攻撃は止まない
『が、ガベア』
弾き剝かれた体躯を晒していく様はまるで解体そのもの・あまりにも残酷かつ凄惨な攻撃を受け続けた…噛み付くも両顎わ強引に引きちぎり投げ捨てた
「う、…ううわあ…」
「……」
「や、やめてええええええええええええええ!」
命乞いしてるかわからない半ば獣化しかかった少年の表情、その下には脈打つ心臓が見えた。アレス…いや、ガンダム・ベリアルはナノラミネートザンバーを真っ直ぐ突き入れた…残る人型生体兵器は夢から覚めたように人へ姿を取りもどし倒れた。血が空を赤く染め虹が生まれる。静かに佇み血潮に染まるガンダムベリアルに祐誠は恐怖を抱いた