紆余曲折ブレイブビーストマシンを乗りこなす事が出来た祐誠達は久しぶりに仲間と顔合わせし、互いの無事を喜び合うが今はそれどころではない。何故ならアーブラウ、オセアニア、SAU,アフリカユニオンの各エリアにオレイワルドスの拠点を攻略しなければならないからだ
「折角皆と再会できたのにやるべき事があるのは仕方ないよな……」
「俺たちはアレスさんの管理下に置かれている以上従うしかない」
「そういう事だ、僕達はこれから先あるミッションを完遂するまでは自由はない。それにこれは僕らが強くなるチャンスでもあると思うんだ」
ヒュウガとリョウマ、祐誠の順から言えば4つの拠点にいるオレイワルドスを倒すのが今回のミッションの目的であり、その為には4手に分かれなければならない。一行はしばしの休息を取る事にした
「ブレイブビーストマシン、扱いづらかったけどこの出来事で私達にとって一番大事な事を見出せたそうだね」
「今まで私達が乗っていたのはただ与えられた力に振り回されていただけだったのかもしれないわ」
「自分の弱さを認める事で本当の強さを手にする事ができるってことかな?」
「そうかもね、私達は自分達の力に自惚れていた。でもそれは間違っている、だからこそもっと強くなってみせるわ!」
香澄と蘭穂、彩璃と結那は決意を新たにする。続いてはルイジアとカナエデ、ハルカとレオナはある事を言い出す
「今思えばグランストライア自体が何か不穏な動きをしている気がするわ」
「私たちの知らない所で何かが起こっている、そんな予感がしますわね」
「まさか上層部の汚職と賄賂による腐敗政治の闇が私達を突き動かさせたという事かしら?」
「まだ分からないけど、この世界ではどんな理不尽にも屈しない心の強さこそが大事だと学んだから私たちはそれに応えましょう」
そう言った後、総司とコウタ、ミリヤとカレンは今までの自分達が何だったのかと語り合う
「今までの僕達がやっていた事は本当に正しかったんだろうか……?」
「ああ、何が正しいのか分からなくなってきたな……」
「一体グランストライアの上層部は私達に何をしでかそうとするつもりでしょうか…?」
「分かりませんが私たちにとっては良くない事を企んでいるかもしれません。ですから、その時の為にも強くなりたいですね」
祐誠達が語り合った後、休憩時間を終えて一行はブリーフィングルームへ集められた祐誠達にアレスとキアラ、エッちゃんこと謎のヒロインⅩオルタが姿を見せる アレスの説明によれば今回、祐誠達は各エリアに散らばってオレイワルドスの拠点を制圧してもらうとの事である
「忘れていた皆さんにもう一度だけお伝えします。オレイワルドスはアーブラウ、オセアニア、SAU,アフリカユニオンの各エリアに活動拠点があるからして、マスターもこの作戦の指揮戦闘に参加する事になります」
無口で必要最低限の会話しかないアレスの代弁者であるエッちゃんの言葉を聞いた祐誠達だったが、どう考えても嫌な予感しかしない。だが、もう引き返せない。今更逃げる訳にはいかないのだ
「ミッション内容はオレイワルドスの拠点を制圧する事になりますがそれぞれ4つに分かれます。マスターと祐誠さん、総司さんはアーブラウ、リョウマさんとヒュウガさん、コウタさんはアフリカユニオン、そして香澄さんに結那さんにルイジアさん、ハルカさんとカレンさんはオセアニア、そして蘭穂さんに彩璃さんにカナエデさん、レオナさんにミリヤさんはSAU,アフリカユニオンに散ってもらいます」
エッちゃんの話によればブレイブマシン搭乗時のパートナーとは別なメンバーでのチーム編成を告げるようなものだった。その事を聞いたリョウマがアレスに講義をする
「ちょっと待ってください!何故俺たちは彼女たちと別行動なんですか!?いくら何でもこの振り分けはあんまりじゃないでしょうか!?」
アレスのやり方に疑問を抱き始めたのか講義するリョウマに対し、彼の代弁者であるエッちゃんが告げる
「今回のミッションは4つのエリアの拠点を制圧する為のものです。ブレイブマシンの搭乗メンバーは4手に分かれて制圧してもらう必要があります。よって祐誠さん達は4つの拠点にそれぞれ分かれてもらいます」
「だからと言って引き裂くようなことして許されると思ってるんですか!?」
何故リョウマがこのような事に対し不服なのかそれは、自分達のような男主人公とヒロインの繋がりを引き裂く事がどうしても嫌だったからだ。そんな彼に対してエッちゃんがアレスに代わってこう言い返す
「リョウマさんの不満はよく分かりました、ですがこれは決定事項ですので従ってください。仮にもし祐誠さん達が他のエリアで敗北すれば貴方達の命は保証できませんよ?」
「こんな事で納得できると思ったら大間違いだ!!」
業を煮やし、憤慨したリョウマはアレスに殴りかかろうとした。しかしアレスは躱すことなく拳を受け止める。それを見た祐誠達は驚く
「……気は済んだか?」
そう言ったアレスの言葉にリョウマは呆気に取られてしまう
「貴方の気持ちもよく分かります、だがここは堪えてください。今はオレイワルドスの拠点を制圧しなければなりません。それに貴方たちも分かってくれているはずです、今の自分を変えなければ未来はない事を……」
エッちゃんの言葉を聞いたリョウマはハッとする。確かにそうだと彼は思った。今の自分は過去の過ちを反省せず、自分を責める事しかできない。そんな事をしていては何も変わらないし変えられない。それを自覚した時、リョウマの中で何かが変わった気がした
「……分かった、俺は貴方に従う」
「ありがとうございます」
リョウマがそう言うと祐誠達も納得した様子で引き下がる そして祐誠達がそれぞれのエリアへ出撃しようとしたその時、突然キアラがこんな事を言い出した
「皆さんに一つだけ言っておきたいことがあります。この世界は誰かの犠牲によって成り立っていると言う事実を知っておいて下さい。それがどんなに残酷なものであろうと……」
この言葉に祐誠達は困惑するがキアラとエッちゃんは無言のまま静かに立ち去っていく。そして各チームは目的地へ向けて出撃していった その頃、祐誠達はキアラから言われた言葉をずっと考えていた
「……僕、キアラさんの言っていることが何となく分かるかもしれない」
「祐誠……まさか……!」
祐誠の発言に総司が驚いていると、祐誠はこんな事を口にする
「いや、別に情を移したとかそういう訳じゃない。ただキアラさんは僕のことを思ってあんな事を教えてくれたと思うから」
「だといいんだが…まぁ、祐誠の事は信じてるけどね」
祐誠はキアラの忠告に耳を傾け、これからの自分の事について考えるようになった。自分達の行動が本当に正しかったのかは疑問に思っていたが、それでも自分達の信じる道を突き進む事を決意していた。人間は過ちを犯してしまうのは誰でもある事、だからと言って開き直ったり、他人の責任にしたり、自分の都合の良いように解釈するのは良くないと彼らは理解したのである
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一方の香澄に結那、ルイジアにハルカ、そしてカレンはパートナーとの離別を悲しんでいたが彼女達はここで折れるような弱い人間ではなかった
「いつも祐誠くんに蘭穂ちゃんをすがってばかりの私だけどいつまでも甘えてはいられない、だから私はこれから強くなってみせるよ。大切な人を守れるくらいにね」
「その事を聞いて安心したわ。総司や彩璃がいない時こそ私がしっかりしないと駄目な気がするんだから」
「今思えば3人乗り自体がどうもおかしかった気がするわ…私達はいつもリョウマやヒュウガに頼りっぱなしだし、まるでヒロインは何もするなと言わんばかりだったもの」
「考えてみれば今までのブレイブマシンはいつも男性がメインパイロットで女性がサブパイロットだったわね。ビーストマシンに乗ってみたら何もしないのが嫌になったのよね」
「確かにこのまま何もせずにただ守られるだけじゃダメだって事は私も感じたわ。だからリョウマ達に負担をかけないようにサポートできるようになりたいわ。そのためにはやっぱりまずは自分の身は自分で守る力を身につけないとね。それにリョウマ達だけじゃなくて他の皆にも迷惑をかけるのは絶対に嫌なんだから」
「そういう事です!私たちは彼等の足手まといにならないためにもっと強くなる必要があるのです!!」
こうして彼女たちは決意を新たにしてそれぞれブレイブビーストマシンに搭乗し、オセアニアの拠点制圧作戦に向かった。一方の蘭穂に彩璃、カナエデにレオナ、そしてミリヤの方はと言うと……
「今までは祐誠たち男主人公に任せっぱなしなのがいけなかった気がするわ。私たちヒロインはヒロインで出来る事をするべきだと思うの」
「そうだよね。ヒロインは主人公をサポートするのが役目なのにそれを怠っていたのは確かだけど今はもう違う。これからはちゃんとサポートできるように頑張らないと!」
「いつまでも白馬の王子様を待ってるだけじゃ駄目ですわ。これからはちゃんとヒロインとして相応しい行動を取る事が大事なんですもの」
「私達はいつも守られてばかりの弱い存在ではない事を証明しないといけない。その為にもこの拠点制圧作戦で結果を出すしかないわ」
「そうですね。困った事があれば男主人公に頼るなんて以ての外だと思います。だからこそヒロインの本懐を果たす時です」
そして彼女らは自分たちの信じる道を行く為に、そして祐誠達の役に立つためにそれぞれのブレイブビーストマシンに乗り込み、現地へと向かう事になった。それからリョウマとヒュウガ、コウタは……
「今思えば俺たちは一体何のために戦ってたんだろうな……」
「ああ、今までの俺達って何をしていたのか分からなくなってくるぜ……」
「何が正しいのか、何を信じればいいのか、分からない。ただ一つだけ言えるのは過去の俺たちは間違っていると言う事だ」
コウタ、ヒュウガ、リョウマの順に言うと、自分達がデザストロイアに来てから歪んだ正義を信じたせいで人々を理解せず逃げ、事情を知らず、意見を聞かず、話し合いもしないまま一方的に否定し、傷つけてきた。だがリョウマ達はそんな過去の過ちに気づき、反省し、罪と向き合う覚悟を決めた
「俺は今からでもやり直したいと思う、二人もそうだろう?」
「……まぁ、俺もコウタと同じ意見だけどな。兄さんはどう思う?」
「俺は正直よく分からないかな。でも俺たちの行いが間違っていたとしても後悔しない生き方をしていこうとは思っている」
そう言った3人はこれからの事を考えながら現地へ向うのであった。そんな様相を固定されたブレイブビーストマシンの瞳に光がやどり消えた……獣の魂を秘めた力が解き放たれるときは近い