超音速輸送機“アルバトロス”
「流体フラップ4番ユニット交換、チャフを装填をお願いします」
「ふむ…手の空いてるやつはこっちにきな!!ぼやぼやしてるとしばくよ!!」
アーブラウ、オセアニア、アフリカユニオン、SAU、四大経済圏に潜むオレイドワルス拠点候補の一つアーブラウに向かう輸送機。祐誠らがブレイブビーストマシンの最終チェックをメカニックらと共にカーゴエリアで行う中、ガンダムベリアルにもメカニックが集まる。しかしアレスの姿はない
『ルセディスCEO、アバランチコロニーの航路、歳星との航路、確保できたわよ…』
『こっちもだ。これでお前さんの言ってたプランが実現するわけだ』
「……金星、ラドニッイアコロニーとの連絡が取れ次第だ……」
『ところでよお…あのギャラルホルン解体したヒーローゴッコ共はどうしてる?ケジメつけさせねえとな…指を詰めるだけじゃすまえねぞ?』
『まったくよね…何を考えたら馬鹿やるのかしら…XVGS、グランストライアの馬鹿は』
タントテンポのボス、リアリナ・モルガントン、圏外圏を仕切るテイワズ、マクマード・バリストンが憤るのも無理はない…
あの日、オレイワルドスの傀儡とかしたギャラルホルンがグランストライアに襲撃から始まった、迎え撃つXVGSが何とか勝利した事でその組織は解体され、多くの者が更迭された勝利に喜ぶXVGSはコレが大きな混乱を生むとは思っても無かった、いや考える頭すら無かった
ギャラルホルンという抑止力が無くなり、コロニーおよび商船航路で海賊な跋扈。地上のアーブラウ、オセアニア、SAU,アフリカユニオンでは経済が破綻、ヒューマンデブリ増加、少年兵として阿頼耶識システム施術が施され戦場に送られ消費されていく。難民が溢れ法すらも機能しない
全てはXVGSがオレイワルドスの傀儡と堕ちていたギャラルホルンを解体した事が今の現状を生んだ…
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XVGSの無知蒙昧かつ急激なギャラルホルンの解体によって関連部署は次々と閉鎖。そしてギャラルホルンに所属していた者は全員更迭され、更に治安維持機能までも失われていた。その結果は抑止力を失ったデザストロイアには無法者の楽園と化した
ギャラルホルンが担ってきた航路巡視、海賊取り締まりが無くなり各コロニー間に略奪好意が相次ぐなどの治安悪化、更には地上でも同様の行為が多数発生し、アーブラウ、オセアニア、SAU、アフリカユニオンら4大経済圏内で散発的なテロや政治的衝突及び戦争などが勃発。地上に降りれば紛争への介入、ヒューマンデブリは増加、少年兵として阿頼耶識システム施術後に売却され、戦場に駆り出されるなど深刻な社会問題となっていた。しかしそれらを引き起こした張本人であるXVGSは何一つ手を打たない。が無かっ故ならギャラルホルンは宇宙連邦直属の軍事組織であり、いわば宇宙連邦政府が管理運営する警察組織のようなものだ。それを解体しておきながら治安維持機能を無くした事を黙認したXVGS上層部は一体何を考えているのかと……
解体後に起きたコロニー間の海賊討伐協力が結ばれなかった事により各地で小規模な武力衝突が頻発した。そして、それらの紛争は言うまでもなくテロリスト達にとっては格好の餌食となり、また戦火に巻き込まれて貧困な生活を強いている市民も増加し、多くのヒューマンデブリが売り買いされる時代となってしまった。これを見てXVGSが動かないはずがない……と、思っていたがXVGSは一向に動こうとしない
そんな時に更なる追い打ちを掛けるようにギャラ(貨幣)の価値が無くなり紙くず同然になり、企業の倒産が相次いだことで失業者が続出したせいで暴動や窃盗事件が多発。更には物資の不足や物価の上昇により経済活動の崩壊、学校での義務教育が停止、医療活動の低下と失業者に対する職の斡旋と生活支援は国が主導して行うべき事項だがそれを怠ったため雇用が悪化。社会保障などを受けられない為に生活苦に陥り学校から追い出された義務教育就学児、公的治安維持、医療機関が麻痺するなど深刻な社会問題となった……
XVGSがデザストロイアに来ていたのは他でもなくギャラルホルンを壊滅、統治システムすら破却した責任を取るべくその再建を行う為だったが少数派がデザストロイアの治安を守るためとはいえ焼け石に水でしかない。全く意味がない事は誰の目にも明らかであった。それどころか奴らはギャラルホルンが担っていた航路、海賊取り締まりが無くなって無法地帯になった事を理由に海賊行為を正当化し、無法者達が跋扈するのを黙認していた
XVGSから派兵された近導祐誠の話によればギャラルホルンは彼等が戦わなければならない相手であるオレイワルドス軍のイエスマン組織であり、ご都合主義の限りを尽くすべくグランストライアに侵攻、その結果はXVGSの勝利で主犯格であるラスタル・エリオン、ジュリエッタ・ジュリス、はプリズンアイランドに投獄したという事らしい……
ギャラルホルンを解体した動機は言うまでもなく皆の世界に自由と平和を取り戻すため、仲間たちと共に戦うという独り善がりな愚者極まりない理由だという事が明らかになった
はっきり言わせてもらう…馬鹿の集まりだ
奴等のやっている事はただの自己満足、自分達さえよければそれでいい、弱者を助けて自分は偉いんだぞという自己陶酔に浸りたいだけという事を認識させられた。だがそんなものの為に無関係の人々を巻き込む行為が許されるはずもない……
テロリストたちが難民キャンプに潜んでいた事やオレイワルドスと裏で繋がっていた事、そして謎のMSに生体ユニットが組み込まれた事から難民たちにテロリストと同類扱いする始末…本当に彼ら難民がテロリストと繋がっていたか?答えはNOだ…情報を精査することなく決めつけた
その報復を仕掛けた動機というのも呆れ返った…
難民達があまりにも身勝手かつ大事なものを奪われて全てを失ったから憎悪に囚われ、逆恨みをしてきたのが許せなかった挙句に自分たちは悪くない、悪いのはテロリストを匿う“大事なものを奪われて全てを失ったから憎悪に囚われ、逆恨み……そんな考え方をしている難民達が悪いと決めつけた…
……奴らは自分たちの行いが幼く思慮の無さを自覚していないどころか、自らが正義だと盲信しているこんな連中を野放しにしておけばこの先どうなるのか。解る奴は誰一人いない
曲解した答え…何も学ばない…形だけの理解、形だけの反省、見せかけばかりの態度にオレは失望した
祐誠が言った事はまさに傲慢で強欲、自意識過剰、独善的な考えそのもので、自分たちは正しい、何もかも自分の思い通りにならないと気が済まない、理想と現実が違うからと駄々をこねる子供だ
自分が気に入らない者は容赦なく排除する。どんな理不尽な理由であっても関係ない。自分たちが間違っていても決して認めようとしない
“……自分達は間違った事は言っておらず、間違いを犯したのは周りにいる人間で、それに気付かない愚かな奴等だ……”
と だからあいつらは平気で人を傷付ける事ができる。他人が苦しもうが悲しもうが知った事じゃない、寧ろ苦しめばいいと思っている。痛みを理解できる人間ならばこんな事はできない
オレは裁判の後、祐誠とリョウマ、そしてヒュウガの3人にMSで実弾演習を行う事にした。3人はレギンレイズ、オレは装甲を8割外したグレイズ、そして模擬戦を行った結果はオレの勝利だった。後継機だからと言って性能面の差がありながらが負けた理由に気づかずそれに比べて祐誠達は上辺だけのわかっただけを同じ言葉を繰り返し責任転嫁をしてるだけ、何も解決しない。結局は逃げているだけだと……
祐誠達はオレの命令に従い難民キャンプ護衛、そしてモビルワーカーとゲイレール与えた。与えたモビルワーカーとゲイレールを改造しようとした…バカか?そんな事をすれば時間の無駄だ。なにより難民たちへの不信感を煽り警戒心を顕にすることに気づかずだ
祐誠たちは改造を諦め渋々従った。オレはアーブラウ、オセアニアとのハーフメタル採掘権および加工施設誘致に向けて交渉の為に離れていた矢先に起きた
祐誠たちは難民キャンプで護衛および哨戒任務という与えられた仕事をきちんとこなしていた。その時、難民キャンプの至るところからに様々な昆虫、害獣などの特徴を持ち、内部にビーム発生機関、ミサイルを持つ生体人型兵器が出現した。祐誠達は生体兵器を難民キャンプから遠ざかせるために立ち向かっていく
祐誠達は生体兵器を撃破した後、仲間たちと共に難民たちの様子がおかしいと、難民キャンプに異常がないと見えたのは罠で、倒したはずの生体人型兵器は難民の成れの果てであると気づいた
……キアラからの緊急コールに会談を中断、ガンダムベリアルに増加ブースターをつけ現地について見えたのは半ば獣化した少年を触手で絡め取り装甲内に入れ閉じ、ドロドロとした体表が鎧化、巨大な恐竜型生体兵器。ゲイレールを操りながらも取り込んだ人々を装甲表面に顔だけ露出させ盾にされどうする事も出来ない
コイツラの限界、覚悟が中途半端なモノだとわかった…両椀部ナノラミネートザンバーを振るう…装甲に浮かび上がる難民らの顔へ迷わず振り下ろし断ち切る…取り込まれた以上、元には戻せない…まだ取り込まれてない難民を活かす…そんな中、祐誠の乗るゲイレールが巨大生体兵器を蹂躙する俺を止めようとする
オレは祐誠の制止を振り切り、巨大生体兵器をナノラミネートザンバー一つで蹂躙し続ける。装甲の隙間に手をかけ強引にひっぺはがし、ダインスレイブをゼロ距離で打ち込みを破裂させ生体パーツが撒き散らせていく…コアに取り込まれながらも取り込まれまいと抗う少年が見え、手刀で抉り抜き摘出、難民キャンプ惨劇から帰還した後、ショックから自室に閉じこもっていた者はキアラに任せた。それらを除いた祐誠達を生体兵器の正体が難民であり、まだ生き延びていた難民を守らず戦意を喪失していたことをグランストライア側にも詳細なデサストロイアにおける活動内容を添付し送りつけた
この状況をみて何も成長してないならオレは見捨てる
『ルセディスCEO?』
「……すまない…さて第一次ハーフメタル輸送船団、護衛艦手配はタービンズ、タントテンポに委任する……費用はオレが持とう」
『いいのかボウズ?』
「サンジェルマン支社は宇宙にはまだない……テイワズの輸送部門タービンズは優秀だ。タントテンポには輸送船団、護衛艦への物資、交代要員手配を……これは未来を生む一大事業の試金石になる……」
『おもしれぇな…いいだろう』
『私も構わないわ…アナタならグランストライアより信頼できるし』
輸送機内、カーゴエリア
「改めてみると構造が同じような気がするなぁ…」
「骨格自体が同じだからな。フレームも同じだし、駆動系だって同じだよ」
総司と祐誠はブレイブビーストマシンのコクピット内で機体を動かし確認しながら調整を行う。ブレイブビーストマシンの操縦桿、ペダル、スロットルレバーに戸惑いながら慣れようと試行錯誤していた。自分達はこれからビーストマシンに乗って戦う事になる。デザストロイアにおける混乱を本当の意味で終わらせる為には何としても今までの自分達とは違う事を証明しなければならない
「少し休んだらどうだ?2人とも……今のうちに食事でも取っておこうぜ」
「え、あ、はい……ちょっと緊張していて……」
「僕もです……」
メカニックの一人に言われた祐誠と総司は食事を摂る事にした。用意していたベントを食べながら祐誠はある事を言い出す
「総司、僕は自分の力に溺れていた。自分が強ければ他人を救えると思い込んでいた。それは間違いだった……僕の力は自分を守る為の力であって誰かを助ける事は出来なかった……この世界には本当に救いが必要な人たちがいるって事に……そしてその人達の為に戦いたいと思った……」
「祐誠……僕もそう思ってるよ。今頃グランストライア自体がどうなっているのかわからないけど、これまでが間違った事だとしてもこれからは僕たちだけの道を探し出せると思う……」
祐誠と総司は決意を新たにした
ソレをみるブレイブビーストマシンのコンソールパネルに光が宿る…
“Beast Heart Circuit Release”
淡く赤く輝き示され再びコンソールから光が消えた…コレが意味するものは後に知るだろう
アレス・ルセディスが設計、開発およびテストパイロットを務めた規格外のマシン、ブレイブビーストマシンの力を…