ようキャ   作:麿は星

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 今回は『前夜』の続きです。未読なら先に前話を読むことをオススメします。

 ようやくプロローグ『0、始まり』に繋がったので、次回更新時までに現プロローグを『104、始まり』として(できたら)移動します。



103、主人公

 

 一之瀬帆波。

 僕の所属する1年Bクラスの学級委員長でクラスリーダー。

 校内でも有数の陽キャであり、自然と場の中心に立っていることが多い逸材。更には優れた能力バランスとお人好しレベルカンストの優しさと包容力を併せ持つ化け物でもある。

 

 しかして、その実態は―――ドMの変態である。

 おそらく容赦なく罵声を浴びせて奮い立たせたことで、ついに開いたのだろう。

 貶されて喜ぶ新境地を……!

 

 こんな変態でも、恋人を作ろうと思えばすぐ作れる容姿や性格、スペックにカリスマまで最低4物も持っているという事実。

 僕は今、世界は不条理に満ちていると嘆きたい気分だ。

 こんな世の中でいいのかぁー! と。

 

「ぷはぁっ! ふぅ、ふぅ」

 

 内心苦悩し、妬んでいる間に、笑い涙を拭った一之瀬は差し出したお茶を一気飲みして、笑いの波と笑い転げていたせいで荒い呼吸を落ち着けた。

 

「うっわ。吐息エロッ!」

「……なんでそういう事言うかなー、左京君は」

「癖になってんだ、隙を見逃さず八つ当たりするの」

 

 だから僕が八つ当たり気味の嫌がらせをするのは、正当なる権利である。それに水筒を渡したのは僕とはいえ、全部飲み干した一之瀬にも非はあるはずだ。

 

「でもエッチなのはダメだけど……久しぶりに心から笑った気がする。なんだろう? 今の私、すごくスッキリしてるの。これは左京君のおかげだし、広い心で見逃してあげよう。……なんてね。にゃはは」

 

 それなのに彼女はスッキリとした笑顔を僕に向け……え? なんでこんな清々しい雰囲気になってんの? さっきのは流石に冗談だよ? 煽られ。踏まれて。ダメ押しのセクハラまでされて。直後にその相手へ笑顔を向けるとか、一之瀬の精神構造はどうなってるんだ?

 

 更には夜なのに十全に放たれる光属性の見えない波動から聖女たる所以を知った僕は、ダメージを受けた気分になった。

 これは一刻も早く、聖なる力を抑え込まねば!

 それには―――。

 

「ぐ、ぐああああっ! はぁ、はぁ。い、一之瀬よ。よくぞ僕を倒した」

「急にどうし……というか、倒した?」

「しかし光ある限り闇もまたある。僕には見えるのだ。再び闇から何者かが…早苗という問題児が現れよう」

「あ、これってドラゴンな国民的ゲームの……」

 

 かの大魔王に肖るのが無難だろう。

 早苗や櫛田に比肩してくるなら、これくらいやらないと効果が薄いかもしれない。

 てか、これも知ってるのかよ。ジェネレーションギャップはどこいった。

 

「だがその時お前は、別の問題にかかりきりになって手が離せまい。それが何かは見えないがな。わははは…ぐふっ」

「何か見えないのはね? きっとそれが左京君本人だからだよ。だって私にははっきり見えるもの、その未来」

「あの……ネタに僕をぶっこむのやめてもらっていい? なんか本当にそんなことになる気がしてくるじゃないか。どうせなら早苗に盛れよ」

「何を今更。ほぼ確実に起こる未来だと私は思ってるよ」

「……」

 

 ふぅ、危なかった。ゾ○マ様のお言葉を借りなければ即死だった。偏見にまみれた返しはされたが、これくらいなら問題ない。

 やはり闇! 闇こそ全てを解決してくれる。

 光が溢れるような清々しい雰囲気の一之瀬さえ中和して、呆れた感を出してくれたのだ。早苗への誘導は失敗したが、許容範囲である。

 

 一方、そんな一之瀬のドM疑惑がより濃厚になってきて、本気で開けちゃイケナイ扉を開いちゃったかと違う心配が湧いてるわけだが。そして、もはやどうしようもないわけだが。

 まぁ、僕の対女子スキルでは達成見込みの低い用件───女子を通常状態に近づける―――を実行するまでもなく、なんか勝手に立ち直った?のはよかったけども。

 

「何はともあれ、左京君。今夜は元気づけてくれてありがとう。お礼に私にできることだったら力になるから、遠慮なく“何でも”言ってね」

「マジで!? じゃあ遠慮なく。ひゃっほ~い!」

 

 何でも。

 一之瀬のような美少女から飛び出すと、素晴らしい言葉である。

 言ったばかりなのに、またしてもつけ込む隙を与えてきやがったので、追加でもう一手。わざと歓声を上げて反応し、今度は慎重にラインを越えないよう『馬鹿な真似』を実行に移してみた。

 

「ひ~っさつ・パイタッチ!」

 

 具体的には、正面から隙だらけな―――高1のくせして豊満すぎる一之瀬の母性の象徴を揉みしだいた!

 

 それにしても懲りずに隙を晒す奴である。リスクはあるが僕が役得と泥を被るから、直接痛い目見ることでいい加減学習してほしいものだ。

 

「え―――あっ」

 

 唖然とした顔を観察しながら、高校生離れした乳を揉む。

 身体は大人顔負けだけど内面は子供っぽい一之瀬に、精神的な痛い目を体験させつつ、肉体的には痛くしないよう力加減に注意すると……このくらいが妥当かな。正直、役得よりもすごく気疲れするが、直接行動じゃないと証拠にならない。

 

 ひと揉み、ふた揉み、さん揉み。

 そのまま、ふ~む。いい乳だ。三ツ星は確定だな! と口に出そうとしたその時。

 

「は───んっ! ~~~っ!」

「ないすそばっとぉ!!」

 

 どこかエロく聞こえる吐息を零して我に返った一之瀬のローリング・ソバットが、ようやく僕を弾き飛ばしてくれた。

 

「…………左京君。何の真似かな」

 

 倒れ込んだ僕の前に仁王立ちする一之瀬の発する言葉は、問いかけではあっても疑問形に聞こえない。迫力はなくとも、相当お怒りのようだ。

 これだけやったのだ。その表情には怒りに加えて、敵意や恐怖、元を取ってやるといった負の感情が浮かんで……ない? は? 怒りが要因だろう。少しだけ顔は紅潮してるが、なんか痛い目に遭ったって感じじゃない。どうなってるんだ?

 

 早苗や櫛田ならもっとこう、ここぞとばかりに責め立て───いや待て! 変態確定とは言っても聖女である事に変わりはない。そもそもあの邪悪らと同列視する判断が間違いだった? 

 思い至った推測に、アイツらと違って付き合いが薄い女子にするべき戦術ではなかったかと、僕は悔いる気分になった。

 

 しかし、後悔したり呆然となってる場合ではない。ここでこの愚行を止めては、リスクを払ってやったこと全てが御破算だ。押し切れ、僕!

 だから、ことごとく想定を外してくる一之瀬の反応に内心混乱しながらも、なんとか用意しておいた…これだけは曇りのない感謝を僕は伝えられた。

 

「自信を持て、一之瀬。蹴りは慣れない感じのへっぴり腰だったが、素晴らしく良い乳だった。お前の力…いや、乳は確かに僕の力となってくれた。ありがとう……本当にありがとう! 今夜は良い夢が見れそうだ」

「こ、この人。感謝してるだけ? あんな……え、本当にどういうつもりだったの? ダメ…全然わからない。通訳はどこ?」

 

 あえて立ち上がらずに勢いに力を乗せて感謝『のみ』を伝えると、気勢を削がれたように困惑してしまう一之瀬。ここは普通、もっと怒りを滾らせ、アドを取りに来る場面だろうに。

 また性別は違うが、四方や清隆、高円寺あたりなら、正確に真意を見抜いた上で流されず自分を通してくるはずだ。なら、一之瀬もすぐ気づかなくても大丈夫だろう、多分。

 

 しかしまたしても問題は現在である。普段の雰囲気に戻ったのはいいが、あまりのチョロさと素直さ。

 

───一之瀬ぇ……なんて雰囲気に流されやすい娘!

 

 これには流石に心配が再燃しだしたので、忠告と警告のセットを届け、軌道修正を促しておく。

 

「でもこれに懲りたら、男に何でもとか言っちゃダメだぞ? 次に言ったら、マジでそのエロい乳に顔埋めてやるからな?」

「あ、これ違うな。新種のセクハラ……セクハラ!? 左京君! エッチなのはダメだって、さっき言ったばかりでしょ!? そのうち、あなたって本当に最低の屑だわ! とかって言われちゃうよ!?」

「いや、なんで一之瀬がそのネタ知ってんだよ。やっぱりムッツリじゃないか」

 

 試しに方向を変えて、椎名からラーニングした言葉の急所突きを繰り出すと、リアルではあまり聞かないぐうの音とともに、真っ赤になって早口で捲し立ててきた。

 この部分的にポンコツなのは、もうホントに駄目かもわからんね。

 

「ぐ、ぐぬぅ…………と、ともかくっ!! あんまり私以外にはそういうことしないように! 当然だけどこの学校は特に厳しいんだからね!? 今度こそ退学になっちゃうからね!?」

「誤魔化したな。ふっ、お可愛いこと」

「お、おお、お休みなさい!!!」

 

 そして高1女子のくせに、エ○ゲ知識かそれに準じる知識を持つことを暴かれた一之瀬は、真っ赤な顔のまま就寝の挨拶を投げつけ走り去っていった。勿論、大っぴらにされたら致命傷なはずだった僕の痴漢行為は、一之瀬自らがセクハラへと置き換え、少なくともこの場では水に流された。

 

 マジでか……。色々と負担をかけた分の借りを返すつもりで、気分転換と彼女の選択肢を増やそうと、一之瀬のヘイトを僕に向ける策まで呑み込まれてしまうとは。彼女の善性の強さと種類を見誤っていたのかもしれない。

……ま、まぁ想定外だらけだったが、なにはともあれ僕の誤魔化しは完了である。そういうことにしておこう。

 

 ふっ。他愛もない。経験値が足りていないな。動揺しすぎだ。レベルを上げて出直して来い。

 その暁には、四方と愛里と早苗と高円寺と清隆に丸投げする準備をして待っていてやろう。一之瀬が上り詰めた遥か下の場所でな。

 って、嘯いとけば読めなかった流れの誤魔化しにはなるかな。

 

 ついでに、さっきの乳揉み場面の録画も……よし。僕の顔と行為はバッチリ。一之瀬は暗さもあって髪色も不明瞭で特定困難。完璧だ。

 後で「この動画を使えば、一之瀬にリスクなく僕・左京夢月に打撃を与えられるよ。効果的に使ってね」って文章を添えて、一之瀬に送っておこう。

 

 櫛田式の応用だからどこまで使えるかは一之瀬次第だけど、これを渡しとけば少なくとも僕が一之瀬を信用している事は伝わるだろう。

 この痴漢行為で今度こそ好感度が下がりきり、これから警戒されるだろう僕からの信用などいらないとは思うが、証拠付きの信用が彼女の気負いを減少させてくれたらベスト。完全に察する事ができなくて、マイナスな結果だけ残ってもベター、ということにしておく。とりあえず、現時点の僕ができる手は打ったことで満足した。

 

 ただ自分で言うのもなんだが、惜しむらくは乳を揉む僕の表情が真顔であまりスケベっぽくない点。

 行為のみで警戒させることに集中しすぎて、「げへへ」笑いや某男女平等にドロップキックする鬼畜男っぽい恐怖心や嫌悪を催す言葉や態度にまで頭が回っていなかったせいだ。一之瀬の妙な反応はこれを見抜いていた可能性がある。

 天然マッドメイトである清隆の域に到達するのは、僕には難しかったのかもしれない。

 

 しかし結局、ここ数日の一之瀬の様子が変だったのと、普段通りっぽく戻ったのは何が要因なんだったんだ。考えられるのは───あ、女子特有の月イチで不安定になる生理現象か?

 今更思い至っても遅いが、つまり僕はそんな状態の女子を踏みつけ、乳を揉み、色々誤魔化して帰したゲス野郎ということになる……?

…………考えないように。いや、忘れてしまおう。早苗か高円寺に露見したら、また空を飛ぶ可能性が生まれてしまう。触らぬ神に祟りなしである。

 

 

 

 

 

 

 一之瀬が去り、首尾を確認してから思考を切り替え、僕は反対側にある建物の陰に視線を向けて声をかけた。もう一つの予感があった為だ。

 

「なんとなくここに来ると思ってたよ、四方」

「……やっぱり気づいてたか。なんで気づいた?」

「勘」

 

 一之瀬を踏んでる時に、野生の四方がいる気がした。

 言った通りそれは勘としか言えないもので確信染みたものではあったが、僕の感覚と直感はやはり間違ってなかった。

 というかいないと思ってたら、いくら最悪嫌われてもいいと思ってる一之瀬相手でも、精神的ブレーキなしに二人きりであんな真似まではしない。

 それに信用していると伝える為に一之瀬側から僕の弱点を作らせても、他にそれを知る奴がいなければ意味が薄れてしまう。

 

「勘って、お前なぁ。そればっかりじゃないか。これまでからすると本当にそうなんだろうけどさ」

「しょうがないね。そうとしか言えないし」

「俺がいることに気づいた上でアレか?」

「というか、四方がいたからこそ、だな」

 

 そしてその立会人には『主人公』属性を持つ四方がうってつけだった。

 ああ、キャットルーキー関係のという意味の主人公じゃなくて、何らかの物語を作りそうな奴という意味の主人公である。個人的には、愛里や戸塚にも似たような属性を感じている。

 ちなみに、他にヒロイン属性やボス属性などを感じてる奴らもいるが割愛。ヒロイン属性は橘書記だけだからともかく、僕の主観でボス属性持ちは妙に数が多いからだ。

 

「……まぁ、それはいい。本当は良くないけど、それは一旦置いておく」

「置いておくまでもなく、持ってっていいよー」

「ふざけるな。夢月に話があるんだ」

「話?」

 

 四方の珍しく真面目な雰囲気を見て茶化すのはやめ、きちんと聞く事にする。

 

「一之瀬から聞いた。体育祭で俺にインターバルを充分に取らせれば、東風谷や柴田と合わせてトップ3独占も可能かも、だって?」

「ああ、うん。利用したみたいで一之瀬には悪いが、この協力をしてもらう為に前段階の小細工と焚き付けを少々」

「お前の目的は結局なんなんだ? なんとなく予想はできるが、夢月の口から聞きたい」

「直近の目的なら四方、お前だよ」

 

 今回は真剣みたいなので、しっかり目を合わせつつ、手を打ったことを認める。

 もう変更できないし、バラしても問題ないだろう。

 伝えたいことはシンプルにストレート一本でいこう。

 

「―――トップだ。僕を使い潰すつもりでやっていい。さっきの一之瀬含めてマックスベットしておいた」

 

 一之瀬が不調だと、全体のバックアップが不充分になるからな。慣れない真似とリスクを払ってでも、僕にできることはする。

 

「……っ! 夢月、お前」

「僕にはできれば見てみたいモノがあるんだ。強制はしないけど、その為なら全力で手を回す」

「なんでそこまで……」

 

 それにしても、なんでそんな質問なんだ?

 さっきの痴漢行為か、ここ数日の早苗と一之瀬以外の暴走を止めてくれてた件を言及されると思ってたんだが。それなら普通に返礼ってことで済ませられたのに。

 てか、今はまだ片鱗程度だけど、キャットルーキーを除いてもスターの輝きを感じるんだから、友達のそれをより輝かせたい&曇らせたくないのは言うまでもなく当たり前だろう。

 

「あん? なんでって」

 

 一之瀬とは逆に、重要部分『しか』わかってない可能性が出てきた四方の問いかけ。

 まぁ当然といえば当然かもしれない。材料がない状態では、いかに四方といえども正答まで導き出せない。

 

 だけど、未来がこうなるかもしれないなんてのは誰も信じられないし、僕だってわからない。理屈も合理もなく、きっと理解すらもできないだろう。

 それなら、某ゲームの聖人・サミュエルの言葉を借りて、現時点で言えることだけでも本音で明かす。

 

「四方以外に賭けても勝てない……だろ?」

 

 だが、そのまま言うのは流石に恥ずかしい。

 続きは僕が思った言葉に即席フィルターを通して、それなりに納得ができるように変換して伝える。

 

「天才達が跳梁跋扈する中、本来なら僕では勝ち目は薄い。なら、その力がある奴の場を整えるのが最適解の一つだろう。んで、これが僕が自分で決めた目的と役割だ。

 お前ならできると信じてるぜ、相棒」

 

 友達や、まだいないかもしれないがファンを助けるためなら全力を出してくれる奴なのは、これまでの付き合いでわかっている。飄々として見えて四方は情に厚い男なのだ。

 内実が力押しだろうと、本気で助けを求めればきっと助けてはくれるだろう。

 

「…………はぁ。いつも勝手で調子良いこと言いやがって。終わったらお前の隠してることを聞かせてもらうからな。逃げるなよ?」

「逃げないさ。僕が好きでやってることだしな」

「好きで……か」

「おう。だからもう隠す気はないよ。体育祭が明日の金曜だし、休養に1日空けて日曜に関係者を集める。そん時に、そのへんも全部話すからそれまで待っててくれ」

 

 元々そのつもりで、青娥さんに頼んで喫茶・芳香に時間と場所を確保しており、四方以外の愛里と早苗、高円寺、鬼龍院先輩に声をかけてある。来る来ないは自由だけど、最低でも四方と愛里には話しておくのが筋だろう。

 

 余談だが確実に長くなる話なので、邪魔が入らず、喉も潤せ、腹も満たせる条件を揃えるのは面倒だった。灯台もと暗しというべきか、バイト先に全て揃ってるのに気づくまでだったが。

 ついでに来週の月曜は体育の日で祝日だから、宴会して全員潰れてもOK。好都合な三連休である。

 

「ほう。

……ところで、こんなところで夢月が一之瀬を踏んづけて高笑いしてる動画が撮れてしまったんだが、どう使うのがいいと思う?」

「逃げないって言ってんだろ! 恐ろしいブツを作り出すな!」

「あっはっはっは! お前が言うなよ。ははっ」

「笑ってんじゃねぇ!」

 

 これまではぐらかし続けてきた因果が巡ってきたのか、なかなかトリッキーな札まで使われて念押しされてしまったけども。

 まぁ、お互い様ではある。

 明日の体育祭で僕が『したい』ことにもひと区切り付くまで、はぐらかすしかないのだから。

 

 人事を尽くして天命を待つ。

 そんな心境になりながら冗談を言い合っている僕と四方を、一之瀬が来るまで魅入っていた月と……話していた小さな神様が静かに見下ろしていた。

 





 櫛田式。
 原作1巻の裏櫛田バレでの一件のこと。ようキャでは、その場に左京と早苗がいた(『一心不乱』参照)のでいくらか変化していて、左京もそれなりに事情を知っている。
 ちなみにキャットルーキーでも、四方とそのヒロイン・三崎辰子がこれと似たような事を繰り広げてたり。こっちには裏はないけども。
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