その後、特に意味もなく居座ったままの清隆と雑談に移行していると、『綾小路グループ』とかいう珍妙な人物達が部室にいきなり乱入してきた。
「きよぽ~ん。もう来てる~?」
「おい波瑠加! ノックもなしに入るな」
「え~? 別にいいじゃない」
「……左京、連れが失礼した」
体育祭後のペーパーシャッフルという特別試験の勉強会で意気投合したとかで、彼らは結成したらしい。
メンバーは清隆に、長谷部さん、三宅、幸村。それにここにはいない愛里がペーパーシャッフル後に加わり、Dクラスの5人。
僕もそんなに事情は知らないが、櫛田が所属クラスで浮いていた愛里に頼む形で勧め、清隆が入っていたコネも使って混ざったっぽい。
結果、今では愛里は天文部グループ、綾小路グループ、バイト、アイドル系統の仕事、守矢神社関係と、何気に友達が増えて忙しくも楽しそうにしている。
そう、相性が良かったのか年末の頃、愛里は彼らと友達になったのだ。
ちなみに、その頃には付き合っていた僕は勿論、早苗など天文部の者達は嬉しそうに報告する愛里にテンションが上がり、つい冬休み前に宴会を開催してしまった。名前を聞いても愛里と清隆以外は知らない奴ばかりだったが、洞察力の高い愛里が仲良くなれたなら変な奴はいないだろう。
早苗だけは会える機会が減って寂しさを感じたのか、ちょこちょこ向こうに顔を出すこともあったようで、いつの間にか長谷部さんと毒舌を交わす仲にまで発展していた。清隆以外は嫌ってるわけじゃなさそうだが、向こうのまとめ役の胃が心配である。
尤も、僕との仲もお世辞にも良いとはいえない。主に長谷部さんと。
なぜなら、長谷部さんもまた美人系愉快犯のイロモノだからだ。心臓に悪いからかいを会話に混ぜてくるので、対抗するには口八丁を必要とする。一応、普通の会話になることもあるのだが。
「一之瀬さんっていつも綺麗事ばかりなのがちょっと、ね」
「それな。でもまぁ……綺麗事なのは別にいいんじゃね? 僕も肌には合わないけど、汚いよりはずっといい。仲間としては肩身が狭くなるからもうちょっと聖人っぽさを抑えてほしいけども」
とか。
「実は私、顔や容姿は良いって言われるのよね~」
「頭、性格、モラル、思考回路等などが終わってるんだね。かわいそう」
「そこまで言う!? 流石に面と向かって言われたことないから!」
「ほう。楽しい助言になった?」
「なるわけないよねっ! イラッときたわ!」
「それは良かったね♪」
「……クソ野郎だよね、あんた」
とか、これまでの例を挙げるならこんな感じ。……こっちはちょっと普通と違ったかもしれない。
また先日のテスト明けでも、ゴミ出しの時のゴミ袋がティッシュで溢れてたのをたまたま見られて「おやおや~? お盛んねぇ~」と煽ってきたこともある。
あの生き地獄から逃れるために僕は「かっ、花粉症だから! 愛里は関係ないから!」と力強く華麗な誤魔化しをする羽目になった。
……花粉症の時期には少し早かったし、長谷部さんが気まずそうに沈黙したあたり僅かに勘づかれた可能性はある。今思うと風邪気味ということにしとけば良かった。
「きよぽんと『はぐりん』って仲良いよねー。もしかしてそういう仲? 浮気?」
そして今回もまた……。
「んなわけないだろ。僕をアルティメット変態の清隆とそういう仲だと疑うなんてどうかしてる。頭、大丈夫?」
「おぉい! オレをお前達の争いに巻き込むな!」
「きよぽんが変態かは置いといて───」
「置いとくんじゃない波瑠加! 戻せ!」
「───置いといて、失礼だねー。愛里と喧嘩しても助けてあげないよ?」
「ふん。余計なお世話だ。万が一そうなっても、自力でなんとかするさ。お一人様で非モテ?な長谷部さんには、男女の機微なんかわからないだろうけどな」
「ふ、ふふっ。言うねー、ホント……。いつも嵐のど真ん中でフッツーに過ごしてるだけあるわ」
「スルーか! またかよ畜生っ!!」
「清隆……ドンマイ」
売り言葉に買い言葉を自分で言っといてなんだけど、自分で言ってたように長谷部さんはあまり非モテじゃなさそうな外見だがな。
とまぁ、このような言い争いになる場合も多々。
元からの性格か、早苗の影響でも受けたのか、はたまた愛里の彼氏が僕なのを認めたくないのか、挨拶代わりに毒舌の投げ合いになったりする。
特に僕に対しては、初対面の頃以外は妙なあだ名で呼んできて、時々は愛里まで呼んでくるようになっていた。あだ名の由来は長谷部さん曰く、はぐれメタルなんだから、とのことだ。
ここからわかるとおり、失礼なのは圧倒的に長谷部さんの方である。礼には礼を、失礼には失礼を返すのは当然だろう。ゆえに愛里や早苗がいないところで遭遇すると大抵こうなる。
そしている時は何故か清隆が三宅か幸村に励まされるまでが、彼女達と邂逅してからのテンプレである。
「三宅、幸村も。友達は選んだ方がいいよ? こういうのに取り憑かれるとマジで面倒だから」
だから清隆へ励ましの言葉をかけていた三宅と幸村に、僕は心からの忠告を送っておく。
「ああ、それはもう諦めてる。波瑠加はこういう奴だからな」
「……こう見えて良いところもあるぞ。真面目な時は真面目に勉強にも取り組むからな」
三宅と幸村は、ノリよくふざけて「うらめしや~」ってやってる長谷部さんを見ながら、そう宣った。
「ああ、そうかもな。ガワが美人ではあるし、性格難させどうにか誤魔化せたら…いってぇえええっ!!」
「───ひっぱたくよ?」
「ビンタしてから言うなよ長谷部さん! 親父にはまだぶたれたことないのに!」
「父親が死ななかった世界線のア○ロかよ……。だけど、結構前に少なくとも須藤には殴られてたよなコイツ」
「このっ、じゃんけんのチョキ至上主義っぽい見た目しやがって!」
「どんな見た目だ、それ」
思ったまませめてもの助言を送っていると、謎に長谷部さんからビンタされた。
これだから、拗らせたイロモノは! これだよ、これ! これこそが性格難だ! って知らしめてやるか? やろう。
「見たかお前ら!? このイロモノの愉快犯的な性格難を!」
「承知の上で友達やってる。もはや手遅れなんだよ……」
「というか、左京は『あの』東風谷や高円寺とも友達なんだろ? 俺達のことを言えないどころか、完全に上位互換じゃないか」
考えてみたらそうか。高円寺はともかく、早苗と比べたら長谷部さんはヘビとカエルかもしれない。攻撃力が低いぶんだけ……。
少し思い直した僕は、最後の手段を提示してみた。
「お、おぉう。それは御愁傷様。でも、お祓いなら早苗んとこの神社でやってたはずだし、よかったら紹介しようか? 怨霊とかにも効果はあるはずだ。清隆以外ならやってくれると思う」
「オレ以外……」
「怨霊って私のこと!? はぐりん、驚くほど失礼!! というか、そっちこそ余計なお世話! ゆきむーもそうだけど、私とみやっちはこの学校では一番長い付き合いだからね!? 以心伝心の仲っていうの?」
「君がそう思うならそうなんだろうな。君の中では」
「私を痛い子みたいに見てくる!? とゆーか、そもそもサナエちゃんのお祓いって大丈夫なの!?」
直前まで、ひゅ~どろどろどろ、と続けていた長谷部さんがお祓いされるのはたまらんと言い返してくる。やっぱり怨霊じゃないか。
長谷部さんは心外といった表情だが、僕は早苗でよく知っているのだ。本格的に怨霊化してからでは遅い。自覚なさそうだから、僕も目を付けられないように軽い反撃程度で自重しておくのが無難だろう。
ただまぁ、早苗は技能としては習得してると思うけど、長谷部さんを祓うとか言ったら拳が飛んでくると確信してる。誰が対象かは早苗の気分次第かもだが。
だから、僕が行かなくてすむように一応の注意も言っておこう。
「もちろん大丈夫だ。前に聞いた早苗のお祓いは、悪い子は是非真似してください、ってヤツだった」
「もしかしてサナエちゃんに悪い子を殲滅させようとしてる? つまり、あわよくば私をけしかけ……」
「あっ……よ、良い子は真似しないでください」
「手遅れだよ? 言い間違えにしても酷すぎるのはバレバレだよ?」
「ひ、ひゅ~…ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~」
「誤魔化しが雑っ! 口笛吹けてないし!」
そしたら、ちょっと素で間違えた。
そして、ぐぅの音も出せないツッコミをされてしまったものの、なかったことにできそうだったから、なにやら興奮気味になった勘のいい長谷部さんは知らんぷり……するのもなんだから、逆ギレしておいた。
「くっ、この長谷部さんが! 久しぶりにキレちまったぜ!」
「え、いきなりなに!?」
「だが、それはいいから猫と遊びに行こう。最近校門付近に来ていることがある」
「めっちゃ脈絡のないな切り替わりと思いのほか可愛いキレ方で私困惑」
「波瑠加、もう自然に左京にツッコんでるぞお前……」
「……はぁ。またこれか。なんでこう左京の周りは、こうも変な事ばかりに起こるんだ」
僕は代わりに綾小路グループの未来を、部室にまだ置いてある御神体に向けて適当に祈っておいた。
ちなみに、彼らのグループ名を冠されている清隆は、三宅と幸村からポンと肩を叩かれていた。
微妙に変な雰囲気になったが、この面子の中ではあまり話したことのない幸村が咳払いしつつ、質問してきた。
「コ、コホン。あー、左京? 少し聞きたいことがあるんだがいいか?」
「幸村が? 別に答えられることならいいけど」
特段僕の隠し事も今はないし。
「次の試験で当たることになっただろ、俺達」
「ん、そうだな。よろしく頼む」
「よろしくって……。そ、それでだ。お前はAクラスに思い入れがない、という噂を聞いた。それは本当か?」
それ、噂っていうか、清隆か、ないと思うけど愛里じゃね? でなければ、うちのクラスの誰か。
てか、アレか。スパイか寝返り、裏切り系統の話か。月城さんや清隆との話の後だからか、このストレートさがやけに微笑ましく感じる。
幸村も頭はともかく、こういうのに向いてない1人なんだろう。焦りや罪悪感すら薄っすら見せているのは人が良すぎる。
「うん、あってる。進路は基本的に学校に頼りたくない」
「まぁ、夢月はそう言うよな」
「はぁっ!? じゃあなんでこの学校に来たの?」
横から清隆と長谷部さんが口を挟んできた。
「え、占いの結果だけど? あー、それと生活費無料ってのも少し」
「う、占い? そんな適当な……」
幸村が僕の答えに少し動揺してるが、三宅は頷いてたりする。やっぱそういう奴もいるよな。
「いやいや、僕もあんまり信じてなかったけど、案外馬鹿にできなかったぞ。しかもその占い師の息子と出会う奇跡まで起きた」
「それってもしかして二三矢か? 時々、干支がどうとか言ってるし、年始にも何かやってたが」
「正解。あいつ自身も本職の手伝いができるくらいには覚えがあるらしいな」
その占いに乗った結果、なんかイロモノばかりの周囲に囲まれてる現在なのだが。まぁ、本当に悪い結果じゃない。実は最初から諦めてた彼女までできたし。
「……それなら次の試験で手心を加えてもらう…もしくは指し手の情報を流すことは可能か? もし可能なら、どの程度の対価が必要だ?」
「啓誠!! それは流石に駄目だr」
ん? 啓誠? 幸村のことか? でも下の名前ってこんなだっけ? まいっか。
「手心は無理だけど、指し手を教えるだけならタダでいいよ」
「は、はぁっ!!? さ、左京…お前は」
「……へぇ。じゃあ誰なの?」
なんか野郎は清隆以外慌てたりしてるけど、長谷部さんは冷静だな。なかなか肝の据わったものだ。
しかし次の一言で、静寂が訪れた。
「僕」
幸村がストレートに言ってきたのは清隆の入れ知恵か誘導だろ。裏で動くのを趣味にしてるような奴だし。なら、こうした方が楽しい。無駄な秘密は剥いでおくに限る。
「やはりな。Aクラスのポイント残高予測から考えても、お前になるとは予想していた」
「白々しい。清隆が来てすぐの会話でわかってたことだろうが」
「たしかに確率は高いと見ていたが、確定はしてなかったんだ」
「そんで今、確定させたと。いつも回りくどいことしやがって」
「すまんな。だが、普通はそう開けっ広げに言わないものだぞ?」
「ふっ、干支試験でも体育祭でもペーパーシャッフルでもやったことだ。もはや定番で日常感まである」
「威張れたことじゃないだろ」
こう言えば、体育祭…いや無人島での経験をもって導き出した僕の真意が清隆ならわかるだろう。
「僕もこの1年で学んだんだ。隠しても意味がないってな。制度なんかくそ食らえだ。足を掬おうとしてくる奴を返り討ちにしてやるよ」
「……お前がそれを言うと妙に説得力があるな」
普段は死んでもやりたくないから一之瀬リーダー万歳なスタンスだが、イベント事や緊急時のリーダー、またの名を餌───これらが信じられないほど『楽』な役割だということに!
責任と結果さえ伴うよう整えれば、連携もいらず好き勝手にしてもいいことに!
クラスの会議で、一之瀬への言葉と約束を自分の行動で示せる好機(退学しそうになった仲間=今回でいえば僕を見捨てないと信じてる、的な?)だということに!
万が一、億が一、裏切られても僕が退学になるだけというお得さ!
退学になっても愛里含む友達連中に会えなくなる点以外、良いことずくめ!
これらの答えに僕は到達してしまったのである。
指し手に退学リスクがあるのを再確認してみんなが及び腰になった瞬間、そりゃ他にいないんなら僕が名乗りを上げるよね!
様々な点から怠け者には最適な役割である。
なにより。
「───だが、面白い。オレもそろそろ本気で勝ち星を挙げさせてもらうとするか」
そう。つまり、おおっぴらにサボることだって可能とす───えっ!?
「あらゆる創意工夫をもって苦悩しろ。オレに投げまくったモノをこの機会に返してやる。そして念には念を入れて1週間、オレの全霊をもって堀北を鍛え上げてやろう」
…………何が??? なんか致命的な勘違い(清隆の意図的)が起きた気がする。
「お前も好きに足掻け、夢月。あるいはこの身に届くかもしれない」
あれ、おかしいな。異次元転移した感覚も、それっぽい機械や魔法発動もないんだが。
清隆が別人みたく…稀に見せるラスボスモードになってんだけど。
「さあ懺悔の時間だ。よくやってくれたよ、左京夢月」
てか、目の前のコイツ誰? どこぞの鬼畜神父みたいなこと言ってきてる。ネタ?
「もっとお前の出来が悪ければ、こうはならなかったかもしれないが……それもここまでだ。確信がある。
夢月の導きは、オレの長年の問いに答えを出すだろう」
なに言ってんだコイツ。
「喜べ夢月。今わかった。オレの願いはようやく叶う」
それか……可哀想に。ストレスが限界突破したか。
今度の春休み、気晴らしにどこか旅行にでも連れてってやるか。できるかわからないが。
「……………………ふむ。ふむふむ。わかった(わかってない)。しばし待たれよ。えーと、どこでもドアってどこだっけ? もしもボックスでも可。それかタイムマシン? さくらえも~ん、助けてよ~」
「独特な混乱の仕方だなぁおい。まぁ…なあ?」
「一種の現実逃避なんだろう。気持ちはわからないでもない」
「というか、きよぽんとはぐりん、こんなになっちゃってどうする?」
「「……知るか」」
「……それに私、きよぽんがこんな楽しそうな笑顔になってるの初めて見たんだけど……ちょっと悔しい」
僕含めた部室にいる者ほとんどがドン引きしている。
変なスイッチが入ってノリノリのアクセル全開で景気良くの黒歴史を製造していく清隆。
あ、これ夢だわ。僕のび太くん。と思い込もうとして失敗する僕。
人生に不具合を発見したかのような雰囲気の綾小路グループ3名。
……どうすんだよ、この空気。
「ははは。ふはははっ! はぁーはっはっは!! 何故だかとても良い気分だ! まるで全てのしがらみから解放された心地! 悪くない! 悪くないぞ!
───これが自由というやつか、素晴らしい!!!」
コイツ……! 僕が混乱してるのに、いつまでも調子こきやがって。言い返してやる。
「ふ、ふん。クラスの地力ならばこちらが有利なのは明白。それに僕の全力を見切ったつもりか清隆? それは間違いだ。なぜなら僕にはまだ隠していない力を半分残している」
「……なに? これまでの左京が半分の力だと?」
「ふっふっふ、残りの力は他力―――他人の助力だ」
「自分の力を勘定に入れろよ! なに人に頼ってんだ!?」
しかし幸村と三宅の横入りにより、僕の秘密のベールはあっさり剥がされた。しかもこの場における紅一点からの心を抉る追撃に、内心わけわからなくなった。
「ダッサ! はぐりん、それは流石にダサすぎるよ!!」
「うっ、や、やっぱり? え、えぇい! もうヤケクソだ!
───ようこそ実力至上主義の世界へ!!! もう一度お前をぶっ倒してやるわ! 僕以外が!!」
「いいだろう。かかってくるがいい。オレも全力で迎え撃ってやろうじゃないか。はぁ~はっはっは!!」
「はぐりんにきよぽんまで乗った!? でもはぐりんは一気に顔真っ赤になったよ大丈夫!?」
ヤベェ。素で言い放つには恥ずかしすぎた……!
清隆、もしかして無敵か? なんでこんな恥ずかしげもなく黒歴史を作れるんだよ。長谷部さんにツッコまれるまでもなく、顔が赤くなったのを完璧に自覚したわ。
そろそろ春になろうかという学年末試験前のこの日、僕達は1人がいきなり始めた青年の主張によって、しばらく大混乱に陥った。ただ幸いにも僕はコレを何度か体験してたので、すぐに自分を取り戻したのは元は大人としての意地である。
そして事が起こった更に数分後、我に返ってあまりの羞恥心により膝を折って崩れ落ちた青年。その青年を4人の生暖かな視線が見守っていたことは言うまでもないだろう。
勝ち馬に乗ってきた長谷部さんとアイコンタクトして一時的な共闘契約を結び、僕が彼女とともに清隆へ追い討ちをかけたのもまた言うまでもない。当然、僕の黒歴史もまとめて清隆に押し付けようという算段である。
そう、そのためならば───限界を越えた先にある限界の向こう側まで弄り尽くしてやろう、と。
それにしても、流石は愉快犯と見込んだ長谷部さんだ。
未来に襲い来る自身の恥に身悶える清隆が可哀想だと思わないのか? 我らの良心である愛里がいないとはいえ、愉しげに弄ってるから思わないんだろうな。汚い。汚いぞ、長谷部さん……ヨシッ! あとは君に任せた(責任転嫁)。
イイ笑顔で『きよぽん』を弄り尽くす長谷部さん。と、彼女にドン引きしている三宅と幸村の横に移動して僕も共にドン引きした感じを出しつつ、傍観者ムーブを決めこむことにした。
ま、結果的に清々しい気分になれたし、今回は全てを水に流そう。