ようキャ   作:麿は星

177 / 198

 前の活動報告に書いたのをやるやる詐欺にする気はなかったんですが、やり残してた事をふと思い出したので久しぶりの更新。
 作中時間は2年生編の序盤あたりです。

 完結して半年以上は経ってるのにアレだけど、せっかく書いたので投稿。少し早い櫛田の誕生日記念みたくなってるといいな。私は特に櫛田推しなわけじゃないけども。



蛇章1、蛇足で後日談的な日常(2年生編1~2巻)
156、悪の華


 

 どうしてこうなった?

 

 2年生に進級してからしばらくは、特に問題なかった。

 新しい教室に来たら、僕と前後の四方や早苗は変わらない配置だったものの、さりげなく席替えが行われてて僕の両隣には一之瀬と柴田が。後ろの四方の両隣に白波と神崎が。前の早苗の両隣に網倉と浜口、そして早苗の前の席に姫野が移動してた異変くらいだ。

……封印陣か包囲網かよ、って内心思ったのは秘密である。

 

「内心? まぁ左京『達』に対する包囲網なのは、まさにその通りなわけだが」

「早くからこうしとくべきだったかもね……」

「にゃはは」

 

……一之瀬はともかく、神崎に網倉。君達はサラッと心を読むんじゃない。

 ともかく席替え自体と、それに天文部、バイトにも問題は少ない。

 新入部員が3名ほど加わって、時期のズレた3人目が入部した少し後に部室へ訪ねてきた南雲や龍園に真顔で「お前、そのうちクーデターでも起こすんじゃねぇだろうな」と、疑問符の付属しない異口同音の冗談を言われた程度。

 勿論、そんなことするわけないだろ、馬鹿なの? って返しておいた。彼らから返事は1発ずつの拳だった。

 

 新入部員の内訳も、まず何を考えてるのか3年生の鬼龍院先輩、それともう1人である石上君がほぼ同時期に。そして新学期最初の特別試験の前、5月に入る直前頃に訪ねてきた宝泉という1年生だ。

 元から部員の僕、愛里、四方、早苗、高円寺を含めてごく普通な者達の集まりである。まぁ、早苗は普通と言うのにアレかもしれないが、最近は落ち着いてきたし何もなければ他人に害はないだろう。そう思っていた時期だった。

 

 ちなみに新入り最後の3人目である宝泉の初対面の印象は、暴力と知性を共存させた体格の良い寝ぼけた熊。

……体験入部の期間をぶっちぎった時期に来たから、冬眠明けに寝坊した熊に見えたのかもしれない。

 それでも、なんというか彼は雰囲気とかオーラ的なナニかが明らかに常人と異なる。ある面では龍園やアルベルトに近く、ただその場にいるだけで人を屈服させそうな迫力があった。

 なので、僕も最初の一手は年上の威厳を意識しつつ、へりくだって挨拶してみた。

 

「ようこそ天文部へ。僕は部長の左京夢月という者だ。君のような強そうな下級生の目に止まりとても光栄だよ」

 

 こんな風に。

 

「……ハッ、てめぇは俺にも屈してねぇだろうが。気色悪くて臭ぇ演技してんじゃねぇよ、センパイ」

「お、マジでやらなくていいん? 話わかるぅ。いやぁ、これって疲れるからよかったよ。これからよろしく~」

「あ? あ、あぁ……???」

 

 尤も、馴れ馴れしくしていいって言われた(意訳)から、即座に切り替えて接近し、フレンドリーに握手する。法泉は陰キャと少し違うっぽいが、なんとなく同類……いや、同種っぽくて気に入ったのだ。

 それにこういう奴には、強引でも物理・精神関係なく初手で距離を詰めるのが仲間に引き入れるためのセオリーだ。だから龍園との初対面をやり直せるならやってみようと妄想してたのを、宝泉の印象に合わせてアレンジしてやった。

 何気に龍園の時はこれができなかったから満足だ。

 

 彼の入部からしばらくは何度かバイオレンス溢れる拳が飛んで来たりもしたが、僕と早苗他数人の人間関係からするとこの程度はどうということもない。スルー可能だ。

 最初は殴ってきてたくせに何故か戸惑ってた宝泉も、僕が気にしないなどについて特に何か主張するわけでもなく、いつからか駄弁る関係に落ち着いた。

 

 あと何気に宝泉は高校生らしからぬ良い趣味を持ってて、盛り上がったこともある。

 何故か普通に部室に来て我が物顔で菓子を貪っていた天沢が、入部届けを書いてた宝泉のオメガ(腕時計)の音がうるさいと難癖を付け、宝泉があしらってたのを見て「天沢は物の価値がわからないお子様だからしかたない。お~よちよち、うるちゃくちてごめんね天沢後輩♪」とフォローしたのがきっかけになったのだろう。

 オマケに更なる追撃で「男の趣味に口を出さないのが良い女。女の世界に割り込まないのが良い男。だから天沢は良い女じゃない」的な持論を展開しつつ、宝泉の言葉にも合わせながら連携し、無意味に撃退したのもあるかもしれない。

 その後、僕の知る時計店などを教えてたら意気投合していたのだ。

 

 天沢は当然怒った雰囲気で反論してたが、はっきり言って気まぐれなコイツは口論において敵ではない。ロジックを崩して誘導してやれば、容易く論破に持ち込める。

 ま、本気で敵対とかしたらこうはいかないかもだが、清隆含むホワイトルーム関係の奴らは、思考に遊びが少ないせいで男のロマン溢れる趣味や馬鹿話系に穴があるのだ。そこを攻めれば難しいことでもない。

 宝泉とは、あと一つちょっとしたこともあったが、僕的に特筆すべきことではないので何かのついででいいだろう。

 

 ただ、なんかそれから宝泉の僕を見る目が変わり……そして引かれてる気もしなくはない。一応は定期的に部室や天体観測に来てくれるし、素直?に入部届けは書いてくれたけども。

 たしかこの時は、たまたま部室にいた四方が何故か頭を抱えていたし、早苗は僕の用事、というか宝泉の手続きが終わった後に、マイペースないつもの自己紹介(勧誘活動)していた。僕に対してじゃないとするなら、これが引かれてた原因か?

 

 まったく。こいつらの奇行にドン引きされて、宝泉が入部を止めるとかなったらどうするんだよ。新人にくらい常識と優しさを持って接して欲しいものだ。

 ともあれ、そんな感じに微妙に時期外れの天文部員となった宝泉和臣である。

 

 話を戻そう。

 一応、他にも体験入部っぽいことをしに栄一郎や七瀬さん、天沢などもいたが、栄一郎と七瀬さんは生徒会入りを希望するとのことで入部は見送りになった。なんでも前から一緒に生徒会活動をしたかったとのこと。

 天沢? 気まぐれに来訪するくせして入部しない奴なんか知らねーよ。

 真面目に言うと、少しの間、最初にほぼ同時に訪れた石上君や鬼龍院先輩をマジマジと観察してた(先輩や同じクラスという石上君は天沢を見ることさえなかった)のと、宝泉がいた時に論破したくらいで、結局コイツは気まぐれに菓子目当ての雑談やらテキトーに駄弁りに来たりするくらいで特筆すべき事は何もない。

 あえて型にはめるなら、椎名や戸塚、清隆、卒業前の堀北学みたいな立ち位置と言えばわかるだろうか。

 

 ああ。清隆といえば、4月の終わりに行われた下級生とペアで受けるテストの特別試験で宝泉と組んだ。両方から雑談の流れでお互いのことについて聞かれたから、僕が関係を繋げてみたのだ。それ以前にも一応接触はしてたみたいだから、影響あったかわからないが。

 でも宝泉は3月頃に月城さんの言ってた2000万の懸賞金が欲しいようで、清隆を退学させようと色々と頑張ってたらしく、わかりやすく繋げたのを喜んだ。

 

 なので、命名決闘を申し込んですぐタイマンで殴りあっていた。

 そう。言うまでもなく、僕の発案と立ち会いである。

 この時は疑り深い清隆がいつまで経っても『安全と思われる』七瀬さんと組んでくれなくて、だったら決闘と契約で縛ってしまえば安全度が上がる、と嘯いて場を取り持ったのだ。南雲が多少の小競り合いは見逃す、みたいな事を言ってきたから、せっかくなので利用してみた。

 

 あ、当然だが、僕は栄一郎と七瀬さんについても何処の『紐付き』かは計算済みで清隆に彼女との交渉を勧めている。

 そもそも栄一郎の父、松雄が僕の作った会社に入社面接できた事実と、月城さんの匂わせを考えればなんとなく全体像は見えてくる。そこまでわかれば答えを導き出すことは可能だろう。

 

 七瀬さんについてあまり知らない僕だから彼女に対しては単純に勘もあるけど、これまでの態度から栄一郎も清隆に思うところがありそうだったので、問題解消の一助になりそうな場を整えようとしただけだ。

 彼らはある意味で清隆のとばっちりで人生歪んでこの学校にいるわけだし、正直言って友好的な感情を持てなくても無理はない。だから、せめて外面だけでもビジネスライクな関係を構築しようとしたのである。

 

 ま、栄一郎はまだしも七瀬さんが無理そうだったから、わかりやすい殴りあいコミュニケーションを希望する宝泉に「勝ったら四の五の言わず清隆退学→懸賞金2000万『円』、負けたら場外乱闘せず清隆とペア試験を『真面目に』受けろ」と次善策を高じたわけだ。

 あまり清隆が負けるビジョンも浮かばなかったが、念のために保険も準備しておいた。当然のように無駄、どころか裏目に出たが。

 

 結果、宝泉は善戦したものの清隆にやられ……この決闘を嗅ぎ付けた早苗が止める間もなく唐突に乱入して、飛び蹴りと連撃により清隆を右腕に骨折?ヒビが入る?憂き目に遇わせ、半ば痛み分けで幕を閉じた。僕と保険を頼んでおいた栄一郎&四方が、早苗にしがみついて振り回される場外乱闘付きで。

 

 僕達は「見ろ、人(僕と四方)がゴミのようだ」とでも言いたげに呆然と僕達を見てた宝泉と負傷した清隆の目の前で、早苗の標的をズラし続けた。そして何度も転がされては立ち上がり、栄一郎や四方とも交代・連携しながらなんとか早苗に冷静さを呼び戻した頃には、疲弊の極みだったのは言うまでもない。

 しかし、危ないところだった。潜在的な恨みつらみを楽観しすぎていた。

 ちなみに、このハチャメチャ乱闘の次の日。決闘した直後のアレを一部始終見てたから縁遠くなるかな、って思ってた宝泉が普通に部室へ来た時は、人生か頭に不具合が起きたんじゃないかと陰ながら心配になった。

 

 うんまぁ……宝泉についてはともあれ。清隆の怪我は、栄一郎ばかりに注意が行ってて『確定』である七瀬さんと他何人かの下手人候補を見落としすぎてた僕の失態である。栄一郎がそこまで恨みつらみを抱いてなさそうだったため、彼と親密な七瀬さんに潜むモノを見逃していた。

 愛里達同年齢の女性陣とは違う意味で、早苗は妙に七瀬さんを可愛がってるのだ。奴が「翼ちゃん」なんてちゃん付けするのは、これまでテンションがおかしい時に愛里相手にする場合くらいだった。

 ゆえに情報を整理して推測すると、早苗にタイマン勝負の情報を渡して、懇願しつつ煽ったとかしたのだろう。動いたのが七瀬さんってのも大きく影響してると思われる。

 なにより相手が清隆じゃなかったらまだしも、ヤれる時にはヤる女だからな、早苗は。

 

 でも流石に怪我させた清隆に申し訳なかったから骨折の埋め合わせができないか聞いたら、今度は3教科(数学・化学・物理)合計点数でペア試験の命名決闘を『僕が』申し込まれてしまった。

 つまり僕とペアになっていた石上君をも巻き込む“デキレース”だ。埋め合わせがそんなんでいいのかとも聞いたが、これでいいとのことでワケわからんまま清隆とテスト勝負をすることに。

 

 清隆への責任と石上君の心意気に応えるべく、僕にしては珍しく本気で数日間もテスト勉強はしたものの、テスト結果は清隆300点に対して僕291点。3教科全て満点というつまらなくも大人気ない結果を出す清隆には、物理以外は最初から勝ち目もなかったようだ。

 僕達それぞれのペアである石上君と宝泉の点数合計や、あるいは全10教科(今回は保健体育抜きだった)の合計点数なら上回ってるものの、肝心の3教科では2敗1分けの敗北を喫したのである。

 

 それと勝負科目が全て理数系だったので、勝負と関係ない早苗にも300点を取られてマウント状態で煽られる屈辱を味わった。

 あまりにイラッときたから「やーい、清隆とお揃いの点数だねっ、早苗君♪ この前もあいつらの決闘に駆け込んできたし、お似合いかー? もうお前ら、結婚したら?」と軽く反撃した。

 

……教室を氷河期のごとき局地的ブリザード(的なナニか)が襲い、放課後の早苗との鍛練はかつてなく熾烈を極めた。

 

 鍛練終了までの間も、教室でも神社までの道中でも僕以外は誰1人として一言も喋らなかった……喋れなかった。早苗も四方も平常ではだいたい明るく優しい気遣いの鬼、一之瀬すらもだ。

 まぁ、僕も途中で返事がないのに気づいて黙ったが。

 でも鍛練後に不機嫌な早苗と飯を食って、そのまま神社で雑魚寝して起きたら彼女は元に戻っていた。

 

 退学した山内じゃないが、早苗の地雷原でタップダンスするとこうなるってことだ。アレを見てたから、一度はあえて地雷を踏み抜いておかないとよりヤバいことになりそうでやったけど、もう二度とやりたくない。

 しかし僕に反省も後悔もない。このクソ緑を調子に乗らせるくらいなら、この程度はいわゆる日常のコラテラルダメージである。

 

 そして更に後日。

 僕は敗北者の罰ゲームで、清隆に1週間の飯奢りを要求された。

 予定調和な結果ではあったが、あの無表情なドヤ顔で遠慮なくスペシャル定食を貪り食う悪辣な男に、早苗よろしく一撃を入れたくなった。

 僕も一因でまだ片腕吊ってる奴にそんなことできないが!

 

 でも結果発表の夜に、部屋に来た愛里に泣きついたら慰めてくれたので…まぁヨシ。彼女の胸に顔を埋めてると、些細なことはどうでもよくなる。

 着実におっぱい好きになるよう調教されてるようで微妙にアレでも、もはや禁欲明けのコレ系から僕は離れられない。

 やめられない、止まらない、Iカップ(どうもサイズアップしたらしい)おっぱいサイコーである。

 それから数日、登下校とバイト以外は自室へ直帰して、その……色々愛里と致したのは言うまでもないだろう。愛里も自発的に僕の部屋へ通ってくるから嫌がってないのが伝わってきて、なおさら止まらなくなるのだ。

 

 余談だが、今回のテスト、みんなが不調だったからか総合成績では学年1位になり、今回に限って何故かボーナス50万円の報酬も出たし、結果オーライである。

 去年の停学時に触りが少し出題されたカッシーニの軌道計算や、カオス理論の気象予測への応用法など結構な難問も混ざってたので、不調というか成績上位の奴でも平均点を80点くらいに調整する試験だったのかもしれない。何の意味があるか知らんけど。

 まぁでも、ホテルやコンドーム代も最近は馬鹿にならなくなってるからな。臨時収入になるナニかなら僕は大歓迎だ。

 

 

 

 あと僕自身はそこまで関係ないものの、この間には2年Dクラスの新リーダー誕生もある。

 そう、見事な悪の華を咲かせた櫛田桔梗だ。

 体育祭の頃から僕や早苗、おそらく別口の共犯者に清隆。これらの人材と本人の努力をもってして、そこそこの期間を費やして影に日向に地道な人気集めを続け、ある程度なら邪悪な地を出しても大丈夫と確信できるほど強固な地盤を築き上げた。

 

 そこへ来て、仕上げの学年末試験だ。

 愛里や長谷部さん達に軽く聞いた話から繋げた推察だが、なんでも新学期になってからというもの、学年末の山内の退学が尾を引いて何故か平田が荒れに荒れており、目に見える『退学の原因』に祭り上げられた堀北さんと険悪なままだったせいもあって、クラス全体の雰囲気が悪く───そこをおそらく清隆の後押し?暗躍?もあって、最終的に櫛田が事態を収拾したという。

 愛里曰く。

 

「いい加減にしてくれないかな。ウザいんだけどあんたら。クラス内の雰囲気悪くしてんのわかってる?

───これ以上続けるなら、本気で私を敵に回すわよ」

 

 と、新学期早々にDクラスの教室で櫛田が言い放ったのが決め手らしい。あくまで決め手であって、そこへ至るまでにも緻密な積み上げがあったのは想像に難くないが。

 なぜなら便宜上櫛田がなるポジションのライバルと僕達で設定した堀北さんは、チェス試験でマイナスの実績を『作らせた』結果、しばらくクラス内では浮き上がれない。

 

 更にあえて堀北さんの失態(櫛田ならさりげなくそう誘導しただろう)で退学者を出すことで、山内を失う代わりにもう1人のリーダーポジションである平田の精神バランスを崩して堀北さんとの争いを誘発。一部を除きDクラス全体に暗くうんざり雰囲気を一時的に蔓延させ、機会を待つ。

 

 最後のトドメに、好機到来と同時に櫛田の怖い部分という手札を開示して綺麗に事態を収める。そして裏でも清隆が細かい部分を調整したはずだ。平田や堀北さんを持ち直すちょっとしたナニかとかも含めてだ。僕との唐突なテスト勝負も少し関係してるかもしれない。

 二虎競食からの自分を対象にした駆虎呑狼の応用かよ。戦国時代や三国志じゃあるまいに誰が絵図を書いた? とはなったが、大まかな流れはおそらくこんな感じだろう。

 

 しかもこれが元は堀北さんを陥れるためだけに打たれた策略だとは、最初から知る僕達以外には想像するのも難しいレベルで改変されている。

 今回の件では清隆が“僕の”駒を演じてくれるって明言してたので、唯一の懸念点だった清隆の裏切りもまずないが……。考えはわからないものの、チェス試験の後に何故か清隆自ら言い出してきたのだ。

 自分への危険な認識を更に限界突破させようとする奇人変人のことは、マジでわからない。

 改めて認めよう───奴は天然のマッドメイトだ。

 

 本来の櫛田からするとかなり手加減した言い方も、清隆の入れ知恵だろう。いきなり全開の真・櫛田を見せるのは、インパクト要素以外はマイナスになる可能性が高いからな。この程度で収められるなら、安全マージンのためにもこっちがいいと僕も思う。

 まぁ、彼女らの言動からすると、一之瀬や龍園のクラスほどとはいかなくとも葛城や坂柳さんのクラスみたいな状態を狙ってたっぽいので、もう少し時間を使えれば櫛田がクラスの大半を掌握するのも難しくないはすだ。

 

 個人的には、堀北さん…というかまだ清隆が何かしそうで微妙に不安なわけだが……。だって実は今回の櫛田のこれも、半分くらい清隆が事態を進めた仕掛け人なんだよな。僕と早苗は櫛田と別のクラスな以上は深く踏み込めないし、櫛田単体だともっと時間がかかったと思う。

 ぶっちゃけ学年末のチェス試験あたりで、早苗や櫛田とコツコツ詰めの策を積み上げてたら「今回は櫛田の手助けを任せろ。だからオレと組んでみないか?(意訳)」って清隆にいきなり言われたのだ。んで、頼んでみたら奴の暗躍を促した成果がヤバすぎるというね。

 

 清隆を嫌ってる早苗には知らせてなかったが、口振りからそれも清隆と早苗には気づかれてそうだったし、宝泉の件には櫛田も絡んでいた可能性もある。

……アイツら、高校生のくせに物騒すぎるだろ。

 早苗に関してもおそらく櫛田の分水嶺だから、大人しく呑み込んでくれたのだろう。と安心してたら、今度は宝泉との決闘直後に乱入だ。マジで焦ったわ。早苗の対清隆な在り方も、始めは小さな嫌悪の降り積もりだったのに、いつしか特大の雪玉みたくなったものだ(遠い目)。

 だから後々まで読んでいくと、櫛田と清隆が決裂する場合にはこれが起爆剤の一つになりかねない気がする。

 

 あいつ、あからさまでこそないけど、時に冗談抜きで自然にサークルクラッシャーの気質っぽいを露にしてくるのが不安になってくる。

 いまだに天文部の正式部員にならないのも、ここを自覚して僕達と本気で敵対しないようにするため、ってわけじゃないだろうな。僕の考えすぎだと思いたいが。

 

 

 

 とまぁ、ここまでは殴り合い程度でトラブルもあまりない平穏な時期(僕の主観では)だったのだが、ペア試験が終わって5月に入ってから何かがおかしい。何かというか、具体的には進級してから隣の席になった一之瀬が、やけにグイグイ話しかけてくるようになった。時には神崎とかも加えてだ。

 話を聞き流しつつ軽く拾ったところ、どうも難問もそこそこ混じるテストで、一之瀬や坂柳さんを抜いて総合1位になったのが不味かったらしい。しかも清隆と勝負して1教科とはいえ満点を取ったのが追い打ちになっている。

 

 清隆なんて僕との勝負科目以外は手を抜いている。証拠に数学と化学は完敗だ。だから僕よりアイツが上。清隆に興味を引かれろ。と手を変え品を変え、清隆に投げ続けて誘導したのに、しょっちゅう追尾されている。

 あと清隆本人や綾小路グループの面々にも……というか、主に幸村に詰められまくった。近頃では不思議と先天性心疾患が完治したらしい坂柳さん(すっとぼけ)まで悪ノリして訪ねてくる。

 

……なんて奴らだ。僕の穏やかな日常を乱すとは、よほど煽られたいらしい。

 よろしい、ならば戦争だ。

 

 だから5月の初旬には早苗と四方、櫛田に頼って、坂柳さんと一之瀬に嫌われる覚悟で櫛田よろしく情報戦を仕掛けてやった。愛里もいる綾小路グループに喧嘩売ることになりかねないので、しぶしぶ幸村は対象から外したが、これが僕・左京夢月の在り方である。

 具体的な坂柳さんへの方策は、保護者枠・神室真澄を加えてSNSや各種掲示板などで大々的にアッピールして子育てコラを広めたり、彼女に子供風な妖怪を匂わせる会話を演出して、徹底した子供扱いを定着させてやった。

 

 葛城を筆頭とした彼女のクラスメイト達が慌てて火消ししなかったら、あと少しで神室さんが親、坂柳さんをお子様扱いにする情報操作が定着しただろう。僕の仲間以外では、何故か坂柳さんの味方なはずの親役に設定した神室さんや戸塚、何処からか現れた龍園が笑いまくって火に油を注いで援護してくれていた。

 いつぞやのように、本人が顔を真っ赤にして僕のクラスへ乗り込んできた、と言えば効果のほどはわかるだろうか。

 

 ただ、一之瀬に関してはそこまでの効果を見込める方策を打てなかった。同じクラスで席も隣になってしまって物理的に距離が近い要素もあり、下手に強い反撃は僕のクラス内の孤立を招く。

 まぁ元々から、一之瀬にも坂柳さんにも、本人以外は笑って済ませられるという隠し条件を最初から考慮していたため、弱いカードをなるべく効果的に使う方針ではあった。だが、これは意外と誰にでも使えるモノではない。

 嘘だけど嘘じゃないよ~ん、わはははっ! で事態収拾するには本人『のみ』対象の特殊な情報が必要だ。それが一之瀬のみに『少しだけ』痛い情報は、櫛田に聞いてもほとんどなかった。

 

 だから、しかたなく『一之瀬は僕・左京夢月が大好きだから付きまとってる』という誤情報で、僕から遠ざけようとした。

 普通の女子なら、好きでもない異性とのこんな情報を流されれば、いくらお人好しレベルがカンストしてる一之瀬であろうと距離を置く。風評被害もさることながら、意中の人がいれば僕に構うどころじゃなくなるはずだろう。そういう読みだ。

 そしたら、驚くほど何の反応も変化もなかったのだ。

 

 まずこの情報や噂を、一之瀬含むクラスメイト達が聞いてないとは思えない。ポンコツな部分はあれど、平時は優秀な上澄みの一角だからな。特に自分対象の情報には、冬から春にかけての一件で些細なモノでも敏感になってておかしくない。

 それなのに、坂柳さんがうちのクラスに乗り込んで来て誤情報が立ち消えになっても、その前後も、進級してから特別試験を経て現在に至るまで、態度やクラス内の雰囲気すら全く変わらない(変えない?)異常。無視してるにしても、これは反応がおかしすぎる。

 

 天文部の緊急戦略会議において、この件については終始無言を貫く愛里(勿論、僕の彼女である愛里には大まかに今回の反撃性情報戦は話してある)を除き、最後までこの異常は部員達を悩ませた。

 まぁ、あるいは高円寺や外部アドバイザーになってくれた櫛田はなんかニヤニヤしてたから事情をわかっていたかもしれないが、教えてくれなかったので関係ない。ちなみに宝泉の入部や決闘、龍園や南雲が訪ねてきて上記の台詞(クーデター云々)を吐いたのも多少前後するがほぼ同時期だ。

 長々としたこの前提の存在を踏まえて改めて言おう。

 

 どうしてこうなった?

 

 情報戦以降、僕の服を度々さりげなく掴んでくる一之瀬帆波がもっか最大の問題である。

 最初に狙われてたのは腕や手だったのだが、気づく端から叩き落としてたら気づきにくい服をそっと掴むようになったのだ。

 ちなみに愛里にこれを知られると、嫉妬しつつ甘えてきてくれたりする。いつもの大抵のことなら受け入れてくれる受け身な愛里もいいが、マーキングするように絞り取ろうと激しくなる愛里はなんか特別感があってとてもいい。

 

 あ、受け入れてくれるといっても、AVとかでままあるバックで両腕を掴んでパコパコする、みたいな愛里の負担になるようなプレイは勿論避けている。乳揺れを楽しむだけに、彼女の腕を痛めるリスクを犯すつもりは全くない。『俺』の頃に風呂屋の休憩室で隣り合ったAV嬢から聞いたのだが、あれって結構痛いらしいからな。他にも調べたダメージが出そうなプレイ共々、なるべく気をつけている。

 ともあれ、愛里との夜が楽しみになったわけだが、それはまた別の話である。

 

 ただ、情報戦の結果を踏まえてこれだと、一之瀬にマジで好かれてんじゃね? と思えなくはないものの、そんなはずがない。

 なぜなら、時々は監視役が四方や神崎になったりするし、少し前にたまたま見えた彼女の鞄の中身に首輪?チョーカー?があった。怪しげな眼差しで観察されてる気配を感知したこともある。逃げようとしてた僕の腰に絡み付き拘束しようとする一之瀬に対し、早苗が珍しく競争心と共感みたいな興味を半々くらいの割合で向けていたことさえある。

 仮に本当に恋愛とやらな意味で僕を好きなら、愛里との付き合い関係の事情を除いても、こんな不穏な匂わせをする頭がおかしい理由がない。よって少なくとも恋愛やそれに類する感情は向けてなかろうQED。

 

 だが、これらの材料から最終地点を逆算していくほど、この感覚には身に覚えがありすぎると思わざるをえない。

 そう、僕の感覚で最も近いのは東風谷早苗の勧誘活動(一之瀬バージョン)である。

 またはUMAなど正体不明のナニかを捕獲&保護する仕掛け準備の兆候か。歩きながら考え事に熱中してて僕に組み付く一之瀬に気づかず、少しの間彼女を引き摺ってしまった事例はその裏付けになるだろうか。

 

 恋愛だの青春だの甘く優しいさっぱり柑橘系なモノではなく、エロス漂う果実のような暖色系でもなく、必ず手に入れてやるといったガッツリ肉食系なヤバさ。

 つまり一之瀬は、僕に首輪を嵌めて飼い慣らそうとしてるんじゃなかろうか。しかも席替えまで行ったこの感じだと、クラスのそこそこの人数に加えて担任が噛んでる可能性も高い。

 逃げ道や打開策は、友達連中、そして愛里は所属が分かれてる奴もいるので打ちにくいそうなのもあり、飼われてる自分の未来がなんとなく見えた気がした。

 

 そのあまりにも絶望的な想定に、最近の僕は以前にも増して教室の滞在時間が減少している。

 最も頻度が高かった時など酷いものだ。特に慣れがあったせいもあって早苗の滅茶苦茶キツい半永久ループみたいに投げられる修行が、僕の内部で癒しの1つにカウントされていたのに気づいた時は頭がどうにかなってたかもしれない。

 だってこれ、もう1年くらい定期的にやってることとはいえ、締めに辿り着く頃には永遠と須臾について考えるほどの地獄だよ? これが癒しって……僕はドMじゃないのに。

 

「ルパ…むーつきくーんっ! 今日こそ逮捕だよっ!」

「捕まるかよ! あばよっ、とっつぁ…かっつぁん!」

「誰がかっつぁん!?」

「ふぅ、本日はルパン三世か。一之瀬もだんだん染まってきてしまったな……」

「ですね。それにイチイチ対応しちゃう夢月さんも夢月さんですが」

 

 なんにせよ5月に入ったあたりの頃を一例に挙げると、放課後は毎日のようにこんな感じで誰かから追いかけられていた。一之瀬の割合が高めだが、早苗(修行)、神崎、四方の順に確率の日替わりで。

 バイトとかがある日ならこういうことしないで普通に行かせてくれてたが、バイトか早苗の修行相手なんかの用事がない日に捕まるとしばらく拘束されていた。

 

 雑用手伝い程度ならまだしも、一度なんか元々は学がやってて一之瀬が引き継いだという生徒会相談室に連れ込まれた。

 しかも僕が一之瀬に相談『される側』だった。お試しでもいいから私も相談してみたいとのことだったが、だからといって僕は明らかに相談相手に向いてない。馬鹿なんじゃないか?

 

 また相談内容自体は大したモノじゃなかった。早苗と上手くコミュニケーションを取る方法だ。なるべく下劣な嘘を吐かないようにすればいいんじゃね? と、それでもなんとか返したのに、謎に引き延ばされた上で小一時間のタイマン面談。僕の真横に座った一之瀬から物理的に身体を掴まれ続けながら話し合う苦行は、二度と体験したくない。

 もはやいっそのこと、くっ……殺せ。と言いたくなる時間だった。誰得だよ。

 四方は状況や気分次第で逃がしてくれることもあるものの、早苗は普段よりキツい修行っぽいのに誘ってくる(強制)可能性もあり、神崎や他に捕まるとほぼ確実に一之瀬へ引き渡される。

 

 もうホントなんなんだ、コイツらはよぉ! 進級してから、逃走と隠密スキルだけが意味もなくグングン成長してるじゃないか!

 

 こうした周辺環境の変化があるせいか、この頃は付き合いたてに戻ったように、愛里から週5くらいで甘やかしてもらっていた。帰宅する頃には、もはやストレスが限界だったのだ。

 お返しに、ちょうど愛里と二人になる時間が増えたことだし、まだ16歳なのにいつからか女の顔を見せてくるようになった愛里にフラれないよう、貰ったモノを返すべく好感度稼ぎを頑張るつもりだ(現実逃避)。

 

 てか、愛里の身体が馴染んできてからはよりいっそう可愛く見えるし、彼女の反応や声もどんどん激しくなってきてる。スタイルはそこまで変化してないはずなのに、事後に色気を吹き出させる事例まであってヤバい。

 また別の意味で肉体的にも精神的にも僕が可能な限り満足させとかないと心配にもなる。数回した程度だと、危機感もあってすぐに息子が復活してしまうのがその裏付けだ。

 

 これらの材料から推定で算出できる現時点の好感度も、僕から愛里には100満点中90点くらいだが、愛里から僕はおそらく80~85点あたりだろう。春に引き続き、もう少し稼いでおかなくては安心できない。

 だって何気に愛里が相手を選びたい放題のクラスでモテモテ女子になってたらどうしよう。早苗や櫛田、長谷部さんのガードはあっても、あれだけ可愛いのだからあり得なくはない。

 嫉妬っぽい感情を煽って、調子に乗ってる場合じゃなかった。

 

 ないとは思えど、万が一フラれたり誰かに乗り換えられたりして縁遠くなろうものなら泣くに泣けん。特に自分じゃなく愛里が気持ち良くなるの重視で丁寧にヤってると、彼女のスイッチ的なモノが切り替わる。あのたまに発生するデレデレモードで夢中になってキスとかを求めてくる愛里の色っぽいナニかを、僕以外に向けられたら脳破壊されるかもしれん。

 我ながら、モテない男に彼女ができると難儀だな。

 

 対策の一つとして、早苗や長谷部さんにすがり付いてでも助けてもらうのを視野に入れておいた方がいい気さえする。

 それに百歩譲ってフラれるだけならまだしも、友達である縁だけはどうあっても切りたくない。まぁこれは愛里だけじゃなく、僕が認識する友達連中全員だが。

 

 友達、約束、信頼。

 この目に見えない心に聳え立つ3本の太い柱は、僕の美学とも矜持とも密接に繋がる『常識』である。

 3つ全てで繋がる愛里筆頭の友達が最優先事項なのは言うまでもないだろう。いや、やっぱ機会が来たら時には口に出した方がいいか?

 ま、まぁともかく、やらなくちゃいけないことも、やりたいことも、まずはここから思考を巡らせて大事なモノを失くさない道を探っていこう。

 

───実は僕、すごく欲深いんで。

 





 今話を書いた動機と解説、それにオマケ。
 数日前に積ん読や積みゲーを消費してたら、櫛田の誕生日(1月23日)がなんとなく思い浮かび、そういえばようキャを書いてた頃は彼女を色々な起点にさせてもらったな→お礼になるかわからんけど、当日投稿のなんかを書こうかな→せや、ちょうどいいネタ書いてなかったじゃん→じゃあ、2年生編の初期頃に調整して書いてみよう。
 てな感じのノリで書いてしまった。ただうろ覚えな部分も結構あるので、後で原作読み返して細かい部分(ペア試験や綾小路と宝泉がやり合った時期とか)が間違ってたら修正します。

 会話文もあんまりないから時期や関係性がわかりにくいかもだけど、原作時系列だとだいたい2年生編の1~2巻の話。
 それと、たしか『結末』の章の学年末試験らへんにここへ至る伏線(ホワイトデーの櫛田への貸しや何度かあった清隆との会話とかですね)がいくつかあったと思うので、よければそちらもどうぞ。

 あと下記のオマケは私個人の見解ですし、かなりの長文なので、いらないならスルーしてください。ほとんど櫛田とそのクラスのリーダー適性についてを、思うまま垂れ流してるだけです。





 クラスリーダー櫛田桔梗とリーダー適性。
 まず櫛田の誕生日おめでとう、ってことで櫛田が嬉しいと思われる展開をプレゼント。タイトルのわりに、左京視点なのでどうしてもサラッと流されてる(他部分と比較して)けど、櫛田にとってと……おそらく平田にとってもこれはそれなりに嬉しい、はず。堀北妹はその……アレですが、ようキャでは1年生の頃からいち早く生徒会入りしてたし、兄との和解も半年くらい前倒しだったから多少はね?

 実際、あのクラスのリーダーに向いてるのって櫛田くらいだと思うんですよ。平田は責任が重すぎないサブリーダーや参謀を兼ねたエースの方がのびのびやれるんじゃないかな。軽井沢は人を率いる能力はなくもないけどそもそもの基礎値が低めだし、綾小路が『このクラスのリーダー』にあまり向いてないのは言うに及ばず。
 というか、平田にせよ、軽井沢にせよ、無駄に自分から責任やトラウマを背負いすぎる。堀北妹に囚われてなければ、そういう部分を持つ奴らの問題を曖昧(解消や解決じゃなく)にできそうな櫛田がリーダーになるのが最も丸く収まるんじゃないかと。まぁ櫛田がナチュラルに弱味を握ってくるので痛し痒しな面もありますが。

 堀北鈴音? 個人的には、いっそ彼女こそ高円寺みたいなポジションで好き勝手やらせるのが輝くとずっと思ってました。
 堀北妹がやってたことで彼女の指向性に合う部分を例に挙げるなら、ペーパーシャッフルとか2年生編の無人島とかが好例かな。
 だから綾小路との絡みがなく、退学もせず、この学校で順当に長じてれば、多分堀北は当初の本人の希望通り『孤高っぽい』ポジションになってそう。もしも櫛田と綾小路がいなくても、です。

 一方で人をまとめようってタイプのリーダー(兄や綾小路を目標にしたからかもしれないけど)には、原作の成長込みでも堀北妹は明らかに向いていない。しかも彼女の指向性は、あのクラスに求められる適正なリーダー像とも微妙にズレている。
 特に2年生編5巻は、本来ならリーダーとして致命傷ものの横紙破りでしょう。何故か後の数巻でパッと見では綺麗っぽくまとまってましたが、私がもしアレの現場にいたら一応は口を出して……それでもああなるなら、堀北と綾小路を確実に信頼も信用も一切しなくなるレベルです。私から見ると、第二第三の櫛田を生み出しかねず、しかも櫛田も残すという愚策ですね。明らかにリーダーの器な判断じゃありません。
 まぁ、下手にまとめようとするより、誰かが何かしらやらかした時に対抗・フォローするタイプのリーダーを目指してればあるいは、とは思いますが。

 反対に原作の櫛田は、直接の描写はほとんどないものの、実はこれらに近いことを長期間やってるっぽいんですよ。
 趣味と実益を兼ねた……承認欲求を得たり他人の秘密を握る過程なので本人は明確に意識してないかもですが、長谷部やみーちゃんとか関係で櫛田が好かれてる話題があったのはまさにこれの裏返し。平田人気の頃はともかく、2年生以降で上手く立ち回って綾小路や八神とかの妨害がなければ、原作でもリーダーになってた可能性はあるんじゃないかな。
 本人の迂闊さに加えて運や周囲に恵まれなかったとはいえ、原作のいくつかの場合でやらかした櫛田ですが、本当にもったいない彼女の使い方(綾小路と堀北妹、八神は)だったと思ってます。佐倉愛里や戸塚を含めて、そういう能力を十全に発揮できない奴は、よう実にはそこそこいますけども。



 後書き含めて思ったより長めになっちゃいましたが、こんな久しぶりの更新でお読みくださった方がいるなら感謝です。
 ありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。