ようキャ   作:麿は星

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 前の更新時、いきなりだった上にごたついてすいませんでした。
 プロローグを新しくして何話か整理したのですが、勝手がよくわからず手間取ってしまいました。



47、下克上

 

 7月17日朝のホームルーム。

 今日は朝からニヤニヤしてる担任が、夏休みにあるという旅行の宿泊部屋について確認しておくように言っていた。1学期の最終登校日に確定されるそうだ。

 旅行自体は中間テストの結果発表あたりで告知されていたようだが、佐倉の件を皮切りに色々あって完全に頭から抜けていた。

 

 ただ部屋割りはすでに終わっており、僕が停学して聞いてなかった事を考慮して、今説明しているのかもしれない。

 なぜなら日程や持ち物などの説明を、期末テスト前にする必要性はないのだ。確定にも時間的猶予はまだある。

 だからおそらく、この説明はDクラスの方でも行われているはず。

 

 日程は8月1日から2週間で……って、やばいじゃん!

 バイトに必要な13日間をクリアするには、8月後半はほぼ毎日バイトしければならない。1日で2日分のシフトとかにもできるが、そうすると今度はプログラミングに支障をきたす。

 これはどこかで融通を利かす必要がある。

 

 ちなみに僕の部屋は4人部屋で、四方、柴田、神崎がルームメイトになるらしい。

 僕の停学中にそう決定され、すでに部屋表は提出済みと四方から聞かされた。

 旅行と聞いた直後は、余りもの組になると思ったので助かったのだが、面子を考えるに別の懸念が生まれたので、早いうちに解消か対策しておくほうが無難だろう。

 

 

 

 

 

 そんなわけで昼休み。

 僕は、柴田、神崎、四方を昼食に誘い食堂へ来ていた。

 

「3人とも。テスト前の昼時に集まってもらって悪い。

 なるべく早く確認と提案したいことがあるんだ」

 

 そして全員が食べ終わって落ち着いた時に、改めて本題を切り出した。

 

「なんだよ珍しい。てか、左京から誘ってきたの何気に初だったんじゃね?」

「基本僕は一人で食ってることが多いからな。

 今日は3人に話しておきたいことがあったから、まだ融通利きそうな昼に誘ったんだが、迷惑だったか?」

「いや……迷惑というわけではなく、少し困惑してるだけだ。

 東風谷や一之瀬を誘わなかったということは、トラブルやクラスのことではないんだろう? だとすると、他に思い当たらなくてな」

 

 いきなり誘ったからか、柴田と神崎は戸惑っているようだ。

 前置きから入ったほうがいいかとも思ったが、面倒なのでとりあえず結論だけでいってみようと思い直した。

 

「まず旅行の部屋割りのグループって、僕達4人で間違いないよな?」

「ああ、その話だったか」

「間違いないけど、それが何だよ?」

「そこに重大な懸念がある。だから一つルールを決めたい」

「……何?」

「ルールだって?」

「……………………なんか、ろくでもない予感が」

 

 まぁ四方は不明だが、これだけだと柴田や神崎の視点、僕の懸念がわからなくてもしかたない。

 地位やカースト的に体験もしないだろうし、そもそも彼らのステータスで僕の想定する状況に陥ることはありえないはずだ。

 ただ僕には死活問題になりかねないから、面倒になる前にはっきり言っておくだけである。

 四方は薄っすら勘付いているようだから、全員を気にしなくて良さそうなのは助かった。

 

「そう、ルールだ。

―――ぶっちゃけ、旅行中に誰かが彼女やセフレを連れ込んでおっぱじめるようなら、他のルームメイトにあらかじめ一報を入れることを僕は提案したい!」

 

「!」

「セフッ……! おまっ、なんつーことを」

「おっぱじめるって、お前な……食堂でする話じゃないだろ」

「……そんなこと…するわけないだろう」

「いいから聞け。これはとても重要な事だ。

 僕は場合によっては、2週間近く船の中で放浪や野宿することになるかもしれないんだぞ?」

「船の中で放浪や野宿というパワーワード……」

 

 独断と偏見による判断では、柴田と四方の反応は驚いてたり呆れていて、これは少なくとも演技ではない確信がある。よって白確。

 しかし―――神崎。

 彼は言葉を返す前に少し詰まった。驚いて声が出せなかった可能性を考慮に入れても、黒寄りの灰色に分類しておくのが無難だろう。

 綾小路や一之瀬の例やプールの更衣室での件もある。

 クール系ムッツリーニだと仮定してマークしておく。

 つまり、神崎はヤル時はヤル男だとみえたのだ。

 

 だから僕は、主に神崎へ向けて体験談を語ることで、遠回りに思いとどまるよう説得することにした。

 思い出したくもない事だが、これも旅の快適さの為だ。しかたない。

 

「……重要性をわかってもらうために、僕が中2の林間学校で実際に体験したことを話そう」

「左京が?」

「ああ」

「実際に……」

「…………当時、僕が同室の男子2人と話していた時だ。

 夜も更けた頃、女子2人が部屋へと入ってきた。同室の男子達の彼女達だった。更に言うと、僕以外の4人はいつも一緒にいる友達同士でもあって、当然のごとく僕は孤立した」

 

 言葉を切って間を作り、あの悪夢の旅行体験を神崎達に少しでも想起させる。ちなみに説明が面倒なので便宜上は中2と言っているが、前の『俺』の高校時代に発生した実際に体験した出来事である。

 二度とあんな苦難を繰り返したくないという強い意思をもって、僕は力説する……!

 

「さっきまでバカ話ししていた男子達がそれぞれの彼女といちゃついている中、僕は必死に寝ようとしていた。

 しかし、1組が一緒に押入れに篭ってアレな声を出し始め、もう1組が今にも真横でおっぱじめそうになると、もう限界だった。あまりの居心地悪さに部屋を逃げ出し、暗かったので日が昇るまでずっと……朝食の時間を過ぎても、月や星、空を見ていたんだ」

「「「……」」」

 

 光あればまた闇があるように、楽しいことの裏ではつらい事があるもの。

 陽キャやクール系?のイケメンには想像もできなかったのだろう。

 柴田と神崎は絶句していた。

 何故かマスコット枠だっただろう四方まで、雰囲気につられてか沈黙しているが。

 

「その後の事は言うまでもないだろう。

 ともかく2週間もの長期旅行で、この話と似たような事態に陥らない為に、こうした場合の連絡は徹底しておきたい。それさえあれば、事前準備もできるしな」

「……わかった。もしそんなことがあるなら連絡を約束しよう。二人もそれでいいか?」

「はぁ。セフレどころか彼女もいないのに……。

 虚しい約束になりそうだな、オイ」

「はは。まあ、これで左京の気が済むならいいんじゃないか」

「ありがとう。それでその場合の女子本体やゴムとかの事なんだが」

 

「あれ? この4人で食堂にいるの珍しいね。左京君がいるし」

 

 言質をとったので、これで懸念も大体は消せた。

 ついでに具体的な部分も聞いてしまおうと、次は片付けや避妊について話そうとしていたら、一之瀬が話しかけてきた。

 手ぶらということは、トレーを片付けて教室に戻る途中だったのだろう。

 

「「い、一之瀬!?」」

「俺達は左京に呼ばれたんだよ。ちょっと話があるからって」

「へぇ~! 何の話をしてたの?」

「りょ、き、客船旅行の事だった…ZE。な↑あ↓、神崎」

「あ、ああ。なんでも……ない話だぞ?」

 

 四方は普通だが、柴田と神崎があからさまに挙動不審だ。

 さっきのはシモ系の話でもあったので、女子に聞かれたくないのはわかる。

 しかし、間が悪かったのか動揺を隠せていない。

 堂々としてればいいものを……。

 と思っていると案の定、一之瀬に不審に思われていた。

 

「左京君、神崎君達に何を話したの?」

 

―――僕が。なんでや。

 

「知りたいか?」

「知りたい……かな?」

 

 答えながら柴田達をチラ見すると、必死に首を横に振っていた。

 圧倒的思春期行動である。

 それを女子の前でつつかない程度の情けは僕にも存在した。

 だから。

 

「知りたいならもっと媚びへつらえ!」

「え?」

「媚びへつらってくださいっ!!」

「し、知りたいでございますぅ?」

「語尾はにゃんで頼む」

「知りたいにゃん!!」

「ぶははははっ! きっしょ! まさかマジで言うとは…ははっ!」

「ひどっ! え、っていうか私、また騙されたの!?」

「そうだよ?」

「~~~~~~っ!!」

 

 いわれなき言いがかりには、断固たる態度で対応することにした。

 滅法甘いことに定評がある一之瀬なら、勢いだけの誤魔化しが効果的なのだ。むしろ下手に勢い以外を混ぜると、勘付かれる可能性が上がる気がする。

 仕上げの締めにからかいを一つまみすれば、話を逸らすのは実にたやすい。

 これもまた、能力差が戦力差にイコールで結ばれない証明の一例といってもいいだろう。

 ちなみに、おちょくられた一之瀬とその後の僕への小言による精神消耗は、いわゆるコラテラルダメージである。

 

 ただこれだけで終わらせると、2日連続でおちょくった一之瀬の恨みを買うかもしれないので、昨日仕入れたばかりの材料でご機嫌取りも忘れない。

 この一之瀬が喜ぶ可能性も高い案は、前に戸塚に相談された内容とほぼ同じだった為、考える手間もなかったのが助かる。

 なので僕は一之瀬が少しだけ落ち着いた瞬間を見計らい、ソレを吹き込んだ。

 

 そして―――予想通り、その効果はバツグンだった。

 実行に際しての懸念も口に出されたが、戸塚や葛城との話し合いにより予備知識がある僕には問題なく、ほとんどの部分を明快に答えることができた。

 そこからは希望が出てきたのか笑顔になり、先ほどの話など忘れたかのように四方達と会議を始めた一之瀬を尻目に、僕はそっと席を立った。

 これは、吹き込んだことがバレちゃいけない対象者にさえバレなければ、成就しても文句は来ず、話を一気に変えることができ、一之瀬の機嫌も良くなる一石三鳥の策だったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まぁ次の日の放課後―――バレたら一番まずい者に、即バレしてたんだけども。

 

「左京。一之瀬と葛城が生徒会の席を買収し、ポイントで新たな制度を作った件について聞きたいのだが?」

「ぶふっ! まさかまさかですよねぇ。あの真面目な二人がねぇ~」

 

 会長は厳しい顔で、副会長はニヤニヤ笑顔で。

 左右を見れば、橘書記といつもより小さく見える一之瀬・葛城。

 

 事の起こりは、4月頃に戸塚から葛城を生徒会に入れる方法を相談されたことだ。

 その時の僕は、信用できる教師を見つけて協力を頼み、後にできた理事長とのコネも加えて、教師側がおおっぴらに生徒会に介入する案を出した。

 それが生徒会への教師推薦枠制度。字面通り、教師が推薦する者の席を生徒会に作り出す制度だ。

 

 更にこれだけでは不十分かもと思い、生徒会の空いている席を買うことも次善の策として提案しておいた。

 そしたら、慎重な葛城が両方を採用したのだ。

 曰く、席を買う事はともかく、この制度を作っておくことが後輩への道しるべになるとのこと。

 

 戸塚と葛城が教師と交渉した際、制度を作るのに100万PP。

 教師から聞き出した生徒会の席を買う額も同じく100万PPとなったらしい。

 ちなみに昨日の一之瀬には、一之瀬の分100万PPに加えて、葛城に相乗りする代わりに葛城が足りない分のポイント負担をするように助言しただけだ。

 そうすれば、すぐ生徒会に入れるよ、と。

 

 これは教師と生徒会に繋がりが薄い……というか個人以上の繋がりがないと見たからこその隠密性もある案なのだ。

 事実、発覚まで会長にはバレてなかった口ぶりだった。

 だから生徒会に入る二人は当然目立つだろうが、せいぜい教師と交渉した戸塚あたりまでが注目される範囲だと考えていた。

 僕は提案だけでこの件にはほとんど直接的に関わらないようにしていたし、他にも色々やっていたから立案者がバレることはないと思っていたのだが―――。

 

「……………………何故バレたし?」

 

 もしや、ありえないと思っていたが、葛城か一之瀬が僕の名前を出したのか?

 

「聞かなくてもわかるわ! お前以外の誰がこんな事を考え付く……いや、考え付くまではともかく、実行させてあまつさえ実現までもっていける奴など他にいるか!?」

「い、いるんじゃないっすかね。

 ほ、ほら。あの、『ポイントさえあれば何でも買える』って前に担任が言ってましたし、だったら空いてれば生徒会の席も買えるし、制度を作る権利も買える…って感じで」

「くっはは!

―――って、いるわけねえだろっ! 百歩譲っていたとしても、これまでの実績がお前しかありえなくさせてんだよ!? 生徒会を通さずに校長含む教師の推薦枠を作り出して、会長にも悟られないで生徒会へ入れるとか常識外れにもほどがあるだろうが! しかも二人もだぞ!?

 つうかお前、なに普通に自白してんだよ!?」

 

 異議あり。

 推薦枠を作り出す案含め、いくつかは確かに僕がきっかけだが、実際に100万PPで作れるように教師と粘り強く交渉した葛城・戸塚。それだけだと席を買い取れるポイントが残らなかった彼らの分のポイントを、クラス貯金から出す(当然クラスからの承諾を得た)代わりに相乗りを申し出た一之瀬・四方。

 

 総計300万PPを捻出し、最後まで厳しい条件を走りきった葛城と一之瀬なら、僕が案を出さなくても何とかなった可能性はあると思う。

 つまり、会長と副会長のいないという答えは間違っている。

 だから、そう主張して少しでも話を逸らしたい。

 

「待ってください! 確かに案自体は僕の可能性が「その可能性しかねぇよ」あります!

 ですが、実行したのもポイントを集めたのも推薦枠を作り、その上で席を買った「買わせたの間違いだろう」のも、新役員二人です! 言わば僕は口を出しただけの一般生徒「一般生徒は制度を作り出したりしません……」であり、二人はリーダーとして充分の資質を示したのです!

 常識に囚われず、賢明なご判断をお願いします!!」

「お前はもう少し常識に囚われろよ」

「……はぁ、それはもういい。既に一之瀬と葛城は庶務として生徒会の一員になっている。

 ご丁寧にそれぞれ100万PPを支払った上、今までこの学校に存在しなかった教師の推薦枠まで持ってこられてはな」

 

 駄目だ。

 既存の生徒会役員から総ツッコミである。

 葛城と一之瀬はともかく、僕が逃げられる道筋が見えてこない。

 流石にこの状況と相手に口八丁は分が悪すぎる。

 

 それに会長は冷静に葛城と一之瀬は仲間と認めているようだが、反面僕を見る目にはヤバさしか感じない。まるで問題児への対処を悩む指導者の様相。僕は人畜無害な優等生だというのにだ。

 このままでは、またブラックな何かに従事させられてしまう。

 何とかして逃げなければ……!

 

「だが―――お前は別だ、左京。

 来い。別室でたっぷり絞ってやる」

「そ、それは、その…アーッ! 的な意味でしょうか?

 でしたら、なんとしてもお断りしたいのですが……」

「ブッハ! お前、すげぇな!? くっはははは!」

「左京君っ! 会長になんてことを言うんですか!? 早く謝ったほうがいいで…すよ?

―――っひ!」

 

 そうして焦ってしまった結果、最初の地獄の蓋を開けてしまう失言。

 

「……ふっ。ははは。

 初めてだ。俺をここまでコケにしたたわけ者は……!」

「フ、フ○ーザ様の物真似ですか? 会長、お上手ですね?

 てか、眼鏡を光らせながら寄ってこないでください。怖いです! ちょっ、なんで腕を掴むんですか!?」

「…………言いたいことはそれだけか?」

「ノゥッ!!!

 まだ…まだあります! 山ほど言いたい事がありますので、どうか……どうかお慈悲を!」

「黙れ。…お前に喋らせておくと埒が明かないことがわかった。故に、考えを改めることとしよう。

―――これから先、俺がお前に遠慮することはない」

「そんなっ!? 会長、おねげぇしますだ! 遠慮プリーズ! 僕、人畜無害な後輩なんですよ!?」

「口を閉じろ。お前には発言権も拒否権もない」

 

 会長はもう駄目だ。

 橘書記も止めることはできないだろうし、副会長は……笑ってやがる。

 駄目だ。

 この生徒会はもう駄目だ。

 それならばと、染まってない奴らに激を飛ばす。

 

「一之瀬に葛城! なにそんな落ち着いて傍観してるんだ!? もっと慌てろよ! 僕が暴虐の主に連れ去られそうになってるんだぞ!?

 今こそ下克上を成し遂げろ! 立ち上がれっ、若人よ!!」

「また人聞きが悪いことを……。そんなことができるわけなかろう」

「左京君。今度こそ年貢の納め時だねっ! がんばって♪」

「ち、ちくしょおおお!!! 味方がいねぇ!?」

 

 まだ毒されていないはずの葛城と一之瀬に助力を仰いだが、あっさり見捨てられた。

 葛城はともかく、一之瀬など嬉しそうに輝く笑顔で、である。

 希望が叶って嬉しいのはわかるが、むしろ僕がWe got himされていることに喜んでいるようにさえ見える。

 僕が一之瀬に何をしたというんだ!

 

「……ほう? 暴虐の主だと?」

「はっ! ちがっ、違うんです! これは言葉のあやというかなんというか……」

「しかも造反教唆とも取れる反社会的言動。これは矯正も必要のようだな」

「あ、ああああ」

 

 更に失言に次ぐ失言を利用された事によって、有無を言わさず僕は別室へと連行された。

 一縷の望みを賭けて橘書記と副会長にも助けを求めたが、呆れたり笑っているだけで誰も助けてくれなかった。

 良識を持ち「みなさん、アーッ! で通じるんですね?」とか言って、場を凍らせる選択肢を取らなかった僕を擁護する声はなかった。

 なかったんだよロック。

 だから、この話はもう終わりなんだ。

 

「橘」

「は、はい!」

「後輩二人の面倒を見てやれ。今日のところは軽く見学させる程度でいい。頼んだぞ」

「かしこまりました!」

「南雲もできれば橘をフォローしてやってくれ」

「了解で~す」

 

 会長は僕を引き摺りながら指示を出し、別室の扉を閉める直前に一言。

 

「ああそれと、一之瀬、葛城。

 ようこそ生徒会へ。経緯はアレだが、何であれ実力は示したんだ。歓迎する」

「「あ、ありがとうございます!! よろしくお願いします!」」

「ククッ。おい、新入り二人! 早速だが、まずは予定外に足りなくなったお前らの机を運ぶぞ。

 それから―――」

 

 それ以外で地獄を隔てる扉が閉まる寸前に聞こえたのは。

―――葛城と一之瀬のやる気に満ちた挨拶、そして南雲副会長の笑いを含んだ上機嫌な声だった。

 なんで扉一枚で、こっちとあっちで……こんなに空気感に差があるんだ(絶望)。

 

  ・

  ・

  ・

 

 その後の僕に、何があったかって?

……思い出したくないから、記憶は忘却の海へと捨てたよ。ヤツはいい奴だった。

 

 そもそも生徒会室に来た目的。

 部室と部費の申請と許可を橘書記がやってくれていたことだけが、この日のアレコレに疲れた僕の慰めである。

 





 生徒会関係について。
 ポイントでこんな事をするには微妙に小額だと思われるかもしれませんが、1年生1学期でも所属クラスから集めればなんとか可能な額として設定しました。
 また何気に学校側が意図して抜いているようなモノや、他の学校ならあっても不思議でない制度の場合のみ、といった条件もあったりします。無理筋なものはできません。

 ちなみにこの作品での生徒会は、本来なら1学年につき2~4人くらい入れる(空がある)はずの設定です。個人的には、そのくらいの人数いるような印象があるので……。
 それと一之瀬と葛城がなった庶務は、新人が就くことになる役職、ってことでひとつよろしくお願いします。会長・副会長以外、研修的なのを終えたら、そのままか会計・書記、庶務のままなどになる感じです。

……普通、書記や会計とかそんな大人数いないよね? よう実原作が今手元にないこともあって、この辺曖昧な記憶とノリで進めるのが微妙に不安。



 地味に裏で活躍していた戸塚。
 彼は原作のどこかで協調性:Bと見た覚えがあったので、葛城派閥の営業・交渉を担っている役にしてあります。この戸塚が早いうちから教師と交渉してたりしたので、制度だけでなくCPも少し上がってる裏設定もあったり。

 蛇足ですが、もし一之瀬√じゃなく、龍園√になってたら、葛城と戸塚がこれまでやっていた事も書こうかと思ってました。
 左京がこれ(有益な案を出していた事)をしてたから、ストーカーやガチャの件で手伝いにきてくれた感じですね。
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