暑い、というか帰宅してからの温度差がキツい。
10日くらいぐでっとしてました。
あっ、何人か干支試験のグループメンバーを変えてあります。牛グループの詳細は後書きに。
僕の守ってやる代わりに傍観してろ(意訳)という意思を聞かせても、一時静止しただけで清隆に変化はなかった。少なくとも表面上は。
でもどう受け取ったか読みにくいので出方はわからないが、コイツなら下手な事はしないだろう。釘も刺されたことだし、時が来るまで放置する方針を固めておく。
そうして普段の態度に切り替え清隆と雑談していると、二人ほぼ同時に緊急メール、次いで船内アナウンスが入った。
どうでもいいが、マナーモードにしてても鳴り響くキィンという音は心臓に悪い。説明こそされていたものの、よりによって夏休みの船旅中に緊急事態を想起させる真似をしなくてもいいだろうに。
せっかく良い気分だったのに台無しである。
「またこの学校お得意のアレか……」
「アレだな」
僕が内心と表情でこれでもかというほど面倒くさい、と語っていたのだろう。清隆は小さく笑いながら同意してくれた。
見たくもない届いたメールを確認してみると、当たり前のように特別試験の開始が告げられている。
内容はなにするか不明。ただ僕は2階202号室に17時20分に集合とだけある。清隆にも見せてもらうと彼は18時に204号室らしい。
それだけ確認して端末を鞄に放り込む。できれば全てを忘れてしまいたいがそういうわけにもいかず、軽く思考を巡らせる。
この時間差はクラスの違い……なわけないな。これまでの学校の回りくどさを考えるに、意味の薄い事を考えさせるだけの嫌がらせと見た。意味不明・非効率のブラックな鉄則に則っているし、その認識で大きく違うことはないだろう。
しかし清隆のクラスだとこういった機会はチャンスでもあるからまだいいが、必要十分なCPがあるうちのクラスにはただただ面倒くさい。そんなこと思ってるのは性格が僕に近い少数だけかもだけども。
だからか断って誰かとチャットを始めた清隆を見ながら、真剣風味になったコイツがほんのちょっと羨ましくなった。
……何気に僕にもメールやチャットが来ていたのにまったく気づかず、端末をしまったまま忘れたのはそのせいである。
何やら忙しげな雰囲気になった清隆がどこかへ行ったので、呼び出し時間の少し前になるまで気分転換に船内を彷徨いてみた。
娯楽施設や飲食関係、はては機関室まで踏み入る事ができる自由さに改めて驚きながら心配しつつ、僕は先程までとは段違いに深く思索を巡らせる。
そう。本日の夕食について。
今日までずっとパソコンで作業をしていて、サンドイッチやおにぎりなどの片手間で食べられる物ばかりだったのだ。呼び出しが終わったら、たまには落ち着いて食事を楽しもう。
なので、時期外れではあるが、鍋などがあればゆっくり楽しめるだろうと結論付けて、飲食関係の施設を重点的に覗いておくことにした。
そうして有意義な探索を終えるとちょうど時間の少し前だったので、僕は2階フロアに足を踏み入れ、目的地に辿り着いた。
指定の部屋をノックすると中から許可が出たので入室する。
「時間になるか他の生徒が揃うまで、そこで座って待っていなさい」
その声から予想はできていたが、Dクラス担任の茶柱先生がこの部屋の担当のようだ。相変わらず教師にあるまじき胸元の開いたエロい格好をしている。しかも僕一人なのが不思議なのか、話しかけてこそ来ないがやけにこちらを見てくるのだ。
……こちらも胸元をガン見してやろうか。この不適切エロ教師が。これならまだダメっぷりを晒しまくりなのに地雷女っぽい担任の方がマシである。
てか、僕だけかよ。こんな先生と二人きりとか洒落にならない。今ならそれこそ担任が乱入してきても「ごゆっくり」と言い残して消えることも視野に入れるほど気まずい。他の奴もすぐ来るらしいから、まだ耐えられるけども。
「おっ、左京じゃんか」
「は!? 左京君? あんた、クラスで捜索されてたよ。電話も繋がらないって」
チラチラ見てくる茶柱先生との気まずい時間を耐えていると、僕の名前を呼ぶ二人の男女がほぼ同時に現れた。女子は姫野で、もう片方の名前はわからないが、おそらくクラスメイトと思われる。
姫野は面倒くさそうな事を教えてくれたが、とりあえず無難に頷くだけでやり過ごすことにした。しかし、いつもダウナーなのに何気に面倒見の良い女子である。
「揃ったな。では少し早いが、これより特別試験の説明を始める。全員着席しなさい」
新たに来た二人はまだ何か話そうとしていたが、茶柱先生はだいたいの事はスルーする方針のようで注意すらせず、着席を促すだけだった。
何を話しても墓穴を掘る気がしていた僕がいる中でのその対応は、神対応と言わざるを得ないだろう。
エロくて怪しいだけの先生だと思っていたが、少し見直した。
二人のクラスメイトが大人しく着席し、茶柱先生から試験の説明が始まった。
それによると今回の特別試験は干支になぞらえたグループ別のゲーム……みたいなモノで、僕を含めたここにいる3人は丑(牛)グループらしい。しかもこの場にいる3人だけじゃなく、他の各クラス3~4人を加えてシンキングするとかいう内容だ。
ちなみに茶柱先生が出してきた牛グループのメンバー表にはこうあった。クラスメイト二人の名前を知る為にもしっかり見ておく。
Aクラス、沢田恭美 戸塚弥彦 西春香 吉田健太
Bクラス、左京夢月 姫野ユキ 渡辺紀仁
Cクラス、椎名ひより 野村雄二 矢島麻里子
Dクラス、池寛治 佐倉愛里 須藤健 松下千秋
佐倉と椎名、戸塚以外だと僕が知っているのは姫野と須藤だけだ。同じクラスの渡辺某も、名前を今知ったばかりという体たらく。
何をするかはともかく、もし顔や名前が鍵になるような試験ならお手上げだっただろう。なんせ半数以上まともに知らないのだ。
尤も、ルールを聞いてる限りではそれらは重要な要素ではない。
なぜなら渡辺がポツポツ質問してる中で試験結果をまとめると、こんな感じになるからだ。
結果1、グループ全体で優待者を共有する全員勝利
結果2、隠し通す事に成功した優待者の勝利
結果3、優待者だと暴かれた優待者の敗北
結果4、優待者を間違えた裏切り者の敗北
これだけで見ると結果4以外はどれでも良さそうだが、報酬の差を考えるとそうはいかない。
結果1は、優待者に100万PP、それ以外のグループメンバーに50万PP。
結果2は、優待者に50万PP。
結果3は、指名成功した者に50万PPと所属クラスに50CP。更に指名された優待者の所属クラスから-50CP。
結果4は、指名失敗した者の所属クラスから-50CP、更に優待者に50万PPと所属クラスに50CP。
騙し合いと競い合いを奨励するこの学校では、WINWINな結果1の難易度が爆上がりするのは目に見えている。結果1と2は、最終日までもつれ込むのだから尚更だ。もしそれを真っ当に狙うなら、入念な根回しか策が必要となってくるだろう。
なんせ報酬もさることながら、試験時間を大幅に時間短縮できる結果3という有力な選択肢があるのだ。結果4というリスクを負っても自由を求める奴には魅力的に違いない。
僕なら優待者が違うクラスの知らない奴なら、何手か打った上で観察して指名。そういうのが得意な奴は、僕を含めて何人も心当たりがある。説明で例に出された人狼ゲームの鉄則を応用するだけで、かなり絞り込むことができるだろう。
自分を含めた自クラスの奴が優待者なら、適当な他クラスの奴に指名させて報酬山分け。CPはそいつの手柄にもできるし無駄がない。
これは勿論、この試験だけを見て普通に勝ちを狙うなら、だが。
それにしてもなんだ? 前に比べてめっちゃ楽な試験みたいだが、この考えになにか落とし穴でもあるのか? 友達や知り合いがグループにいない奴とかが居心地悪そうなのはわかるが。
しかし……ふむ。この条件下ならやることは1択だな。わかりやすくていい。
僕が優待者になった時だけ面倒な工程を踏むことになるが、その分考える事もなくなるので一長一短というところか。でもそもそも14分の1なら当たらないだろう。
まぁ自らそんなフラグを立てたせいか、大当たりするわけだけども。
『厳正なる調整の結果、あなたは優待者に選ばれました』
説明が終わってから、速攻で鍋を食べに行き、その後は翌朝の8時まで僕は部屋にも戻らずあちこちから素晴らしい夜空や風景を眺めていた。
昨日の夜に部屋へ戻る前にチラッとメールを確認したところ、一之瀬達女子連中が来るとあったので、同室の奴らが旅行前の約束を守ってくれたのだろう。だから約束通り一晩中部屋に戻らず、作業の合間に第一・第二に船首・船尾のデッキ4つの展望室を巡り歩き、存分に船旅を堪能していたのだ。
だから少し寝不足気味ながらも、満足はしていた。だが、そんないい気分に水を差すかのように、この通知メールが来た。空気を読んでほしい。
しかもかなりの数の着信やメール、チャットも来ている。
表示される件数だけでうんざりしてきて、通知メールだけ確認した後、思わず電池切れを装い電源を切ってしまった。場所と13時集合とわかればそれでいいはずである。
憂いのなくなった僕は、試験開始までの5時間の空き時間を有効活用すべく、休憩室のソファーで眠りについた。
一眠り(およそ4時間半)すれば、通算6回ほど行われるグループディスカッションの1回目だ。
軽く身だしなみを整えた僕は、試験の説明が行われた2階で牛と書かれたプレートの部屋に時間ギリギリになるよう入室する。見回すと、部屋の中には円形のテーブルを囲うようにして、計14の席が用意されていて1席以外は埋まっていた。
ギリギリの時間を狙っただけあって、僕は最後の一人である。
知り合いの何人かはようやく来たか、的な雰囲気で迎えてくれた―――。
『ではこれより1回目のグループディスカッションを開始します』
ので、知り合いに挨拶しようかと思ったら、開始のアナウンスが流れてしまった。僕はしかたなく口を閉じ、唯一空いていた渡辺と佐倉の間の席に腰を下ろす。
「じゃあ牛グループの、グループディスカッションを始めたい。
……おい左京。早速で悪いがお前が仕切ってくれないか? 俺もAの他の奴もこういうの苦手だし、今回の試験では葛城さんから軽く返す以外で話はするなって指示があるんだ」
「あん? それでなんで僕?」
「この場ではお前しか頼める奴がいないからだよ! 言わせんなっ」
席につくと、戸塚が仕切りだし……たかと思えば僕に無茶振りしてきた。
これはおそらく、沈黙する者から吊られていくという人狼ゲームを参考にした指示だろうが、よりによって僕に進行役を投げないでほしい。他に仕切り屋がいたら、無駄に争うことになってしまう。
「待て待て。まだ他に」
「そうですね。左京君なら問題ないでしょう」
「俺もいいぜ。俺も寛治も試験って言われてもよくわかってねぇしな」
「……渡辺か姫野さんという選択肢も」
「あるわけないだろ。常識で考えろよ」
「一之瀬さんどころか学年全員の前で意見できる左京君以外誰がいるのよ」
「……」
と思い、また僕のような目立たない奴がいきなり仕切りだしたら反発も多いだろうし、やりたい奴にやらせようと言おうとしたら、椎名と須藤はおろかクラスメイトさえ戸塚に賛同しやがった。地味に右方に座る佐倉までコクコク頷いて賛同を示しているのが、諦めるしかないことを示唆していた。
全クラスで僕に押し付けにかかってくるとはふてぇ野郎どもだ。
余談だが、佐倉や…A・C・Dクラスの残りの面子は明らかに仕切るタイプじゃないのが見て取れるので流石に話を振れなかった。
「満場一致だな。じゃあ左京、頼むわ」
「ぐ…く。後悔するなよ戸塚」
「何をだよ」
「僕のやる気の無さをだ」
「は?」
本当に後悔することになるだろう。
腹をくくって(僕にとって)理不尽な2択を提案される未来に……。
念の為、他の面子にも視線は向けたが、残念ながら反対してくれる奴はいない。
だから僕は説明された時の記憶を掘り起こして、なんとか最初に自己紹介しろと指示されたことを思い出して、左方に座っている渡辺に話を振る。
「え~と、じゃあまず自己紹介しろって学校から言われた気がするから、順番にしてこうか。はい渡辺」
「お、おぉう…いきなりだな……何言えばいいんだ?」
「最低限のフルネームだけでいいだろ」
「あー。俺は渡辺紀仁で~……って、これだけでいいのか?」
「いいんじゃね。ああいう指示があったってことはそれだけは必要なんだよ、多分」
「多分かよ!?」
「はい次~。姫野さん」
「スルーしちゃうんだ。まあいいけど。
私は姫野ユキ。よろしくしなくていいよ」
とりあえずBクラスは乗り越えた。
だが次は椎名だからまだいいが、その隣はCクラスの奴でいいのだろうか? 全く知らない奴が半数を超えているので、クラスごちゃまぜに座ってたら名前どころか所属も覚えられる自信がない。
「椎名ひよりです」
「野村雄二」
「矢島麻里子よ」
うっ。やっぱり名前だけだと、どのクラスの奴かすらわからん。クラスも言う流れにしておくべきだったか。
でも椎名の横にいるんだしCでいいんだよな。Cということにしておこう。
「沢田恭美だよ」
「西春香です」
「吉田健太だ」
「戸塚弥彦だ。
……てか左京。お前さっきから目が泳ぎまくってるぞ。人を覚えられなくてどうしよう、とか焦ってる内心が丸わかりだ。少し落ち着け」
見破られた!?
いや、確定ではないはず。友達はともかく、それ以外にはなんとか―――。
「ま、まさかそんなわけが」
「―――ありますよね?
わかります。私も印象が薄い人はいつまで経っても覚えられなくて困ることがありますから」
椎名ぁ!?
なんてことを言ってくれはりますのん! 初対面の奴らに印象薄いとかもろに言ってるようなものですやん! 思わず変な方言的思考に侵されたじゃねぇか!
しかし前から思ってたけど、こいつマジで言葉の急所突きのみを極めてるんじゃないか。普段ポーっとしてる癖に、なんで通常『口』撃がこう何度も即死級になるんだよ。言われなきゃ、知らない奴は君とかで誤魔化す算段だったのに。
ただ、おそらく椎名にとっては自然な一言だったのだろう。
だがそれ故に、椎名のこれはフォローじゃない。口に出しこそしてないが、佐倉も僕の真横で似た視線を送りながら頷いてるからなおさらわかる。
これは同病相憐れむ雰囲気だ。
はっ! いかん。このまま戸塚や椎名に話させてると、僕まで椎名の同類のように見られてしまう。
幸いにも次は知ってる奴だから、速攻で流せばまだ誤魔化しは可能なはずだ。
「…………はいっ! 次! 須藤、お願い!」
「須藤健だ……あん時は世話んなったし、別に名前くらいいいけどよ。お前、俺にもわかるくらい動揺してて大丈夫かよ?」
「ふ…ふっ。実にナンセンスな質問だな。ぼぼぼ僕はそもそも動揺などしていない」
「いや思っきりしてるだろ。初めて話す俺にまでわかるとか相当わかりやすいぞ。
あ、俺は池寛治だ。自己紹介忘れてつい突っ込んじまった」
「ていうか、それ高円寺君の真似? 驚くほど似てないんだけど……。
でもまぁいいか。私は松下千秋ね。よろしく」
「さ……佐倉…あ、いり…です」
「ま……真似。しかも高円寺……って、あれ? 高円寺ってこんな口調だっけ? なんかわからなくなってきた」
美人系の松下さんの言葉にショックを受けた。そんなつもりはなかったのだが……。
ついでに、どさくさ紛れに横で佐倉が自己紹介を差し込む声が聞こえたが、この引っ込み思案が機を見るに敏というべき成長をしたことを僕は高く評価する。
佐倉を上げてれば、現実逃避の一助にはなるからだ。
そうして精神を立て直した僕は、改めて誰とはなしに他に何かあったか問いかけてみた。
「で、あー…………他ってなんかあったっけ?」
「特にはなかったと思うが、左京はまだ言うことがあるだろ」
すると、なるべく話さないと言っていた戸塚が僕に物申してきた。
「ん? 何が?」
「お前だけ自己紹介をしてないってことだよ! ついでにこれからの試験時間をどうやって過ごすのかとか色々あるだろう!?」
「え、ああ。確かに忘れてた」
「俺は葛城さんからあんまり話すなって言われてるんだから、しっかりしてくれ」
「おぉう。わ…わかった」
超理不尽!
つーか自己紹介はともかく、僕にどうしろと言うんだ。
でもとりあえず、自己紹介がてら注意事項でも話しておくのが無難かな。
僕は落ち着く為に、咳払いをしてから話を切り出した。
「あー。えーと、コホン。僕が優待者の左京夢月です。
僕としてはあわよくば結果1を狙いたいですが、結果3を狙うようなら名前間違いとかしないように気をつけてくだs」
「「「「「―――はあっ!!?」」」」」
ぶっちゃけ今回は成果なしの方が無難だと思うとやる気が出ないし、そうなると狙いはこの2つの結果しかない。
言ってみれば、この高校版のノルマ調整である。
ちなみにノルマ調整とは、大きな成果を出すと次から大幅にノルマがキツくなる→それを避けるためにノルマギリギリを狙う事である。
例えばノルマを成果100と仮定した者が二人いて、Aは成果101、Bは頑張って成果120を達成した場合。Aの次のノルマは変わらないが、Bは次に成果105とかでも怒られるくらいハードルが上がる事があるのだ。
これはブラック企業あるあるで、やる気があって努力した新人とかが燃え尽きる一例だ。
ここは一応高校だから当然少し違うが、それでも無人島で成果を出したBクラスは一旦ブレーキをかけた方がいいはず。まだ先は長いのに早々にハードルを上げられては堪らない。
一之瀬の考え次第でクラス内から反感を買う可能性を加味しても、一度馬鹿をやって見せておくと一之瀬へのちょっとした援護になるので、それには僕が適任だと判断した。
あんまり他の奴がこういう事をするとも思えないし、時々説教されてる僕なら「またやってるよ」てな感じで許してくれるだろう。また大したことでもないし、他クラスの反応も大きなものにはならないと思っていた。
「うぉっ! なんだその反応……びっくりした~」
「それはこっちの台詞だわ!! なにいきなりバラしてんだよ!?」
そう思ってたので、部屋の結構な割合から大声出されて驚いていると、渡辺からツッコミが入った。
部屋は何人か大きな声を出した後に静まり返っており、不思議と僕達のクラスへ視線が集まっている中で、なかなかの度胸である。
とはいえ、お互い会話の中身は大したことではないので、僕も思ったままの主張で返すだけでいいだろう。
「え~。だってみんなで大金獲得か、時短&クラス貢献かって試験だろこれ。どっちにするか決めるなら、最初に言っておいたほうが時短になるし事故もなくなるじゃん」
「これがすでに事故なんだよっ!」
「はは。御冗談を」
「冗談じゃねぇ!!」
「というか試験を時短って……それでいいの?」
すると渡辺が騒ぎ出し、姫野は途方に暮れたような顔で何か零していた。
まったく。姫野はまだしも、騒々しいことである。
ともあれ何故か予想外の混乱は起こっているが、こうして僕の船上特別試験はクラスメイトを宥めすかすことから始まった。
牛グループメンバー、原作からの変更点
A、清水 → 戸塚
B、小橋・二宮 → 左京・姫野
C、時任 → 椎名
D、原作通り
原作では名無しのモブばかり+Cの時任が不穏分子で、話をするのに面倒になるので何人かネームドを投入・交換しました。
もしこの牛グループに、他のグループと確定してる奴がいたらすいません。