前話の誤字報告ありがとうございます。
……というか、石橋と石破茂を間違えるって。しかも見返しても普通に流していたというね。
でもなんか予測変換の言葉選びにセンスを感じた。それに修正後しばらく経ってここすきを見たら、該当箇所に2件もあったし。折角指摘してもらったけど誤字に戻した方がいいのかとか少し迷ってしまった。いや、どの部分とタイミングで付けられたかわからないけども。
今回は東方っぽいタイトルでありながら、内容はいつもの独自展開な話のつもりです。
少し長くなったので詳しくは後書きに載せておきますが、東方Projectの弾幕や格闘などのシステムとは関係ありません。……名前以外。
今更ですが、前話と今話はこれまでバラ撒いていたネタのネタバラシ回でもあるので、もし最新話から見始めた方がおられましたら、先に『早合点』『佐倉愛里』『誓約』『下剋上』『逃げ道』などやその前後あたりを見ることをお勧めします。
「さて、僕も帰るか」
「いや!? 帰るなよ!」
「え?」
やることは全て終わってみんなもいなくなったので、そろそろサバイバルと船旅の疲れを癒そうと寮に帰ろうとしたら、予想外にも誰かに腕を掴まれ引き止められた。南雲副会長だ。てか、生徒会のみなさんがいまだ残っていた。
……すっかり存在ごと忘れてた。高円寺達が濃すぎるせいである。
「お前には説明してもらいたいことがたくさんあるんだよ左京この野郎!? 特に新評価と決闘だ! ふはっ! それが生徒会もすっ飛ばして大改革したくせに、後始末だけこっち投げて無視して帰ろうとするとかどういう了見だコラ!?」
「ちょ、早い早い。早口すぎる上に笑いが混じって、なに言ってるか入ってこないですって!」
「いいから来いっ! 臨時の生徒会室でじっくり申し開きしろ!」
「申し開き!? いや違うんです! 僕は完璧で幸福な生徒ですから、無視とかじゃなく忘れてただけっていうか」
「より酷いじゃねぇか!」
わからないまま弁明したことで、副会長の扱いが雑になり怒られてしまった。とことん生徒会と相性と間が悪い僕である。
そうして何故か前と違う場所の臨時?生徒会室まで連行された後、なんだかテンションが不安定な気がする(突然笑いだしたりする)副会長含む生徒会一同と教師数名に囲まれた。といっても担任達、教師は口を出してこなさそうだが。
周囲の空気に微妙にビビっていると、堀北が口を開いた。強引な後輩が、人畜無害な後輩に狼藉を働いている現状を見かねたのだろう。すでに疲れてる風な感じに助け舟を出してくれた。
あ、堀北は7月の長時間に渡る説教以来、僕の友達認定したので目の前にいる限り彼に敬語は使わない。年上で生徒会長とはいえ、友達に一歩引いた態度はない。友達の妹である堀北さんについてはその限りじゃないが。
「はぁ…左京。さっきの二人とのやり取りや、外部接触禁止とPPの廃止を学校側から通達された件についても聞きたいが、南雲が最も聞きたいのはおそらくこの2つの提案だろう」
「この2つ?」
なんかあったっけ。
というか、どれだ? さっきの送迎車にいる間、ゲーム制作の合間に用意しておいた案を葛城にもいくつか送信しといたからそれ関係だとは思うが、葛城はどれを提出したんだ?
「まずこのCPをクラス成績に、PPを個人成績とする『純評価ポイントシステム』。
そして個人・クラス・学年問わず、いずれかのポイント・要求・成績を賭けて、誰でも誰とでも自由に勝負を申し込めるという『命名決闘法案』。
2つの案もそれ以外の案もよくよく中身を見れば、確かに実力主義の観点には立っているが……」
「あー、それのことだったのか。
個人的に単純に制度を破壊するだけなのはちょっとナンセンスかなと思ったんで、不備の穴埋めとしていくつか提案したんだよ。なんでもかんでも隠したり回りくどくする必要はないだろ?」
確かにこれは副会長の興味を引く可能性は高かったか。
今は静かにしてるが妙に鼻息フンフンになってたから、よほど彼の内角を抉る提案になったようだ。
……なんてこった。これでは面倒くさそうな副会長に目を付けられてしまう。
回避策は…今は誤魔化すかやる気なさそうに説明するくらいしか思いつかないな。聞いてきたのが堀北だから説明するしかないけども。
それと堀北の言い方からすると、どうやら葛城は早々に僕が送ったメールの案を全て生徒会へ提出したらしい。
好きに利用するようメールには記載しておいたのだが、自分の有利な案だけを伝えたり小出しにする……ある意味、必要な狡さには思い至らなかったのかもしれない。そのせいで結果的に副会長の琴線に触れる案が伝わってしまい、副会長の変なテンションへと繋がったのだろう。
ちなみに堀北が聞いてきたのは、その案の中の2つ。
まず最初に口に出してきた純評価ポイントシステムは、PPをただ廃止にするのはもったいないと思って、再利用する一案として用意したものだ。
基本的にはCPで月収やクラスが上下することに変わりないが、それに学業成績など個人で査定される新PPを主に優等生のセーフティにする案である。
例えば、200CPのクラスなら通常はポイントの100倍で2万支給だが、そのクラスで60新PPを所持する生徒の場合だと500倍の3万支給。つまり月収…支給額が多い方のポイントが適用される、みたいな感じ。
これなら5月のDクラスのようにCPが0になっても、真面目にやっていた奴には個人成績のぶん、最低限のリターンが確保される。
そもそも船や無人島、ショッピングモールにプールや広大な運動場に加え、生活費など生徒の為の設備に莫大な額を投資しといて、成績優秀な生徒にまで実力主義とか連帯責任とか言って割りを食わせるとかありえない。金は使うべきところにはケチらず使った方がいいんじゃないか、っていう提案だ。
これは5月にSシステムの説明や一之瀬銀行の話を聞いた時から、タイミングが合えばどこかで提案しようと思っていた。
また新PPの多寡で、特別試験などで少しだけ有利になったり、定期テストの赤点退学に少し融通が利かせてくれたり、生徒会入りする資格を得られたりといった特典を付ければ、頑張っているけど運動音痴で学業はそこそこ以上、またはその逆、あるいは特化型の奴のフォローにもなる。尤も、こちらは明確な苦手分野がある早苗・愛里や椎名用に考えておいた裏道でもあるので、詳しく全部は口には出せないが。
まぁ、連帯責任の巻き添えなんかの問題が多いCPも、これがあれば少しは安定するだろう。
そして命名決闘法案。
こちらは最近、妙に勝負事に巻き込まれることから思いついた。
要は試験とか以外で血の気の多い奴らのガス抜きと、上位層のやる気を減退させない為の案だ。このままだと四方や高円寺などがいつかひっそりと背を向けてしまう気がしていたので、格上な奴用の刺激剤である。
だって、ただでさえ上の生徒も下の生徒も能力『平均』を中の下~中の上にする的な教育方針の学校なのに、騙し合いなどの盤外対応まで加わると、本当の上位層は凡人に埋もれたり、やる気を失くしてしまう。
高円寺は明確に、四方にも微妙にその傾向が見られるので、何度か僕という凡人の対抗策を見せてテコ入れしたが、本来は能力が近い奴ら同士で競い合う方がいいだろうという考えだ。
他にも、同じ時間を使った努力の成長率を倍と仮定して数値化した場合、10の得意分野と1の苦手分野では実に18もの能力差が生まれるという考えもある。
勿論、これは単純な仮定だが、弱点や欠点を克服するより得意分野や好きな事を伸ばす方が、やりがいも実感もあるし、楽しく効率的じゃないかと個人的には思う。誰だって好きな事なら頑張るのも苦じゃないから、目に見えて成長率に差が出てくるのだ。
僕としては、苦手or嫌いな分野を『必要以上に努力しろ』なんて考えはクソ食らえである。
あと一応、中身には意味のない勝負はNGとか、事前に勝負方法や景品を双方で取り決めて、負けた場合には余力があっても盤外攻撃や場外乱闘はなしで潔く負けを認める。等々、スポーツマンシップ的な美学も組み込んで取り繕っておいたから、採用されれば1芸特化系の生徒の有効性も少しは認められるかもしれない。
さしあたっては、船上の音楽対決や知られてないけど無人島で清隆とやった勝負が、命名決闘法案の先駆けみたいにできそうか。
微妙にこの学校らしくはないが、あった方がちょっとは気分良く納得できるようになるだろう。
ともあれ、光るモノがある奴に技量を十全に発揮できるだけの条件を整えるのが、キャットルーキーに至ることに限らず、ブラック環境に陥らない道筋だ。理事長や生徒会長が無能なら、どうあっても捻じ曲げられて却下の方向に持っていかれたかもしれないが、少なくとも無能ではないのは幸運だった。
僕の経験上、無能なお偉いさんは改善案が出された大抵の場合、有能な下に席を取られるのを恐れて冷遇するものだからな。それならそれで打つ手も変える必要が出てきていた。
まぁどの案にしろ、そのまま採用もないだろうが。
と、内心思いながらプレゼンみたくざっと聞かれた案について説明していると、先程からなにか聞きたげだった葛城がついに話に入ってきた。
「左京、何故これを俺だけに送って来たんだ? 連絡先の交換をしているなら、会長や南雲先輩、同じクラスの一之瀬にも送るのが妥当だろう?」
「葛城に送ったのは……あー。試験結果で、その、えぇっと」
「……むぅ。左京なりに気を使ったということか」
「お、おぅ。なんというか、船であんなこと言っておいて…不義理だったような、貧乏クジ引かせちゃったというか……。その、悪かったなって」
「ふっ。それはお前が気にすることではない。俺もお前には助けられているからな」
うんまぁ。この点は口が重くなる。
葛城は心の整理をしてたっぽいし、聞かれるのも予想していたけど、やっぱり言いにくい。
生徒で葛城だけに送った理由はいくつかあるが、僕的に重要なのは筋を通すことだったからだ。
無人島でも騙し合いゲームでも、戸塚とちょいちょい手を貸してくれたり、真面目で真摯に取り組んでたのに、方向性は違えど僕と同等クラスに貧乏クジな結果。これで葛城が責められるようになったら罪悪感が湧くので、少しポイント稼ぎの手伝いして薄められないかな、と。
今の返答に加え、宴に来てくれたことや送迎車での態度を考えても許してはくれてるっぽいが、それに甘えるだけなのは僕の矜持が許さない。
尤も、学校が故意に開けていると思われる穴の放置は元々気になっていた。だから落ち度の少ない奴への巻き添えを減らせるような案を多く混ぜたのだ。公平な葛城の性格的に、問題や課題などのきっかけさえ示唆しておけば、どう出ても対処はしてくれただろう。
そんな打算もなかったと言えば嘘になる。
それとぶっちゃけこれらの案は、何故か凡人たる僕に無理ゲーな勝負が何度も飛んできていた不公平感を、他の奴らへおすそ分けする為でもあったりする。
またこの2つの案は、生徒同士ゆえに総CPの変動もないし、ポイント獲得手段になるので学校にも生徒にも特に悪いことではないという計算の上だ。ただ学校や生徒会は、企業の査定システムに近くなる為にそれなりに整備や処理が面倒になりそうだが、実力主義を掲げる指導者集団ならこれくらいはやってほしいという願望も混じっている。
丸投げみたいでも、社会の要である会計や財政を知る上で実践に近い経験は重要だろう。
……まぁ、葛城への筋の通し方とは別に、理由が多岐にわたりすぎてて説明が面倒くさいわけだが。
こうした理由から僕が歯切れ悪く言い訳していると、ちょっとクールダウンしたと思われる副会長が話を変えてきた。
正直、助かったと思い、副会長関係の話題を記憶から引っ張り出して強引にそちちへ移行する。
前に話した事と堀北から聞いていた情報から考えると、一時的にでも手を貸してくれる可能性は副会長が生徒会で最も高い。多少でもやりあえるところを見せておいた方がいいだろう。
「しかしさっきから聞いてれば、やったことの割には思ったより軽い理由だなおい。命名決闘法案はこのままでも結構考えられてるし、成立したら例えば俺でも気軽に会長へ勝負を挑めるようになる革命的な案だぞ。さっき見た時は思わず笑っちまったほどなんだがな」
「でも副会長もなんかやろうとしてるんでしょう? だったらこれを叩き台にして、もっといい感じに修正して掘北を説得してくださいよ。それ聞いてたから提出した面もあるんで」
「……ハッ。俺を試してんのか? 伝統をぶっ壊すついでってか」
「んな大げさな……。この2週間で何回かほぼ負け確な事態になって、それならまだ勝ちの目もできる余地があった方がいいなって考えただけです」
ただ副会長は、前に巻き込んでもいいよ的なことを言ってきたんだから、挑発と誘導で返さないでほしい。今回は一応“葛城に向けて”ちゃんと生徒会へ情報発信したんだからさ。
と、僕の誘導返しを聞いて、今度は一之瀬が思い至ったような顔で疑問を口に出してきた。
まぁ彼女からすると、自分の案だった銀行関係の副次効果(あれ? 5月時点では僕の勘違いだっけ? ……まいっか)を勝手に派生させた部分もあるので、何か違和感があるのかもしれない。あの宴の次の日だから、今はあっちの印象が強いだろうけども。
「あっ、あの音楽対決……?」
「そ。一之瀬や葛城もあの宴にいたからわかるだろうけど、どうやっても片方の勝ちがなくなるような勝負は普通はつまらないだろうなって」
「「……」」
ともあれ、南雲副会長がニヤニヤ笑いで本命をズラしつつ仕掛けてくるのと、一之瀬がどう思ったかは少し気になるが、これで葛城と一之瀬の思考を逸すことはできただろう。
ついでにポイントこそ賭けてなかったけど、あの宴みたいな勝負を試験で繰り返されるだけでジリ貧になっていく可能性。それもクラスリーダーとしては無視できないはずだ。
いかに優秀だろうとこうして考える事の種類を増やし、マルチタスクを一定以上流し込めば口数は減らせる。友達やリーダーにすることでもないが、現状を落ち着かせるにはしかたない。
聖徳太子じゃあるまいし、一気にたくさん聞かれても僕のような凡人には答えきれないのだ。
しかし説明も終わりに差し掛かり、場が落ち着いてきたかと思えば、一難去ってまた一難。
「……お前はいつからどこまでを見据えていたんだ? こんなものはすぐに用意できるものではないだろう」
満を持して介入してきた堀北生徒会長である。
質問攻めはマジで勘弁してほしい。もう許容量いっぱいなんだけど。
「えっと、いつからと言われるとだいたい6月の頭あたりから形になってきたんだけど……どこまではー。は、ははは。で、出たとこ任せの思いつくまま手あたり次第に対応策を考えてた。って言ったら…堀北は怒る?」
正直、これが僕の本音だ。
できるだけブラック環境に陥らない為の多種の案を用意しておいて、ちょうど良い機会が来たので放出しただけだったりする。無人島の最初に眞嶋先生が説明しつつマウント取りに来た事で、『そう』だと確信してしまったので。
「……怒らない。というより今は呆れと驚きが勝っていて、逆に何も言葉が出てこない」
「6月の頭? あの流しそうめんやってた頃? もしかしてその少し前に銀行や信用創造の案を言い出してきたのって……」
「俺と一之瀬が生徒会入りする制度を作り出す案も、その副産物の一つだったというわけか」
「ククッ」
でも本音で返して、言葉が出てこないのは良いことだった。
堀北は説教マニアかってくらい話す割合の半分以上が説教で構成されてるからな。プライベートではまだしも、公の場では読み切れない副会長と葛城・一之瀬も合わせて、沈黙か考え込んでいるのが僕の精神安定上は最も楽である。
「ちょっと左京君! さっきから、なに会長にタメ口聞いてるんですか!?」
しかし、堀北を黙らせたのがまずかったのか橘書記にツッコまれてしまった。他にも口は出してこないが、名も知らぬ役員達?も同意見なようだ。
それでしかたなく僕から見た事実を言い訳に使う。
「あ、いや。橘書記はあの時いたのでわかると思うんですが。
葛城達が生徒会入りした時、僕って堀北から長々と説教されたじゃないですか。んで、それが終わってやっと帰れるってなった時に、あとは戸締まりだけだったので堀き…会長を飯に誘って話してたら、なんだか色々面倒になりましてね? これから遠慮しないとも言われたし、同じ釜の飯を食って友達になったのなら敬語はもう不要かなと」
「俺が友……だと?
…………まさか友人と認識されたからこうも突然気安くなったとは」
そんな迷惑なのか嬉しいのかわからない形容し難い顔で零されても、こうした認識は返品不可なので諦めてもらおう。堀北はすでに僕の友達枠に組み込まれている。
一方、橘書記への僕の返答に少し考える仕草をした堀北だったが、何を思ったか顔を上げると追認と取れる言葉を放ってくれた。
「橘。左京はこのままでかまわない。むしろこの男に謙られると不気味だ」
「会長がそう言うならいいですけど、私や南雲君には敬語を使うのに……」
「というか、なんでそうなる? 会長に説教されて飯に誘う? そのまま話したら友達? 今回の事と併せて意味がわからない。なんなんだコイツ……」
僕の言い訳を聞いても数人の不満顔は崩れなかったが、堀北がOKを出しているのを見て渋々態度を軟化させた。橘書記と他1名はまだグチグチ言ってるが、流石は生徒会長である。
愛里…と多分早苗が世話になってる人だから、理解してくれて助かった。他はともかく、なるべく橘書記からの不興は買いたくない。もし掘北がタメ口OKじゃなかったり、明確に不快な素振りを見せてたら、普通に敬語に戻すところだ。
面倒くさいことにならなくてよかった。
この後も、執拗に粘着してきた南雲(コイツに関しては、あまりにウザかったので呼び捨て&タメ口にしてやったがスルーされた)を躱しつつ、ただひたすら新制度に移行する準備作業に、僕が学校&葛城経由で提出した提案の質疑応答と細かい部分を詰める生徒会での作業に巻き込まれた。
しかも、左右をピッタリ南雲と一之瀬に貼りつかれるオマケ付きだった為、いまのところこの学校で唯一と言っていいストライクである橘書記と楽しくお喋りすることさえできなかった。
なぜなら南雲と一之瀬が、競うように僕のやったことを細かく聞き出そうとしてきたからだ。しかも一之瀬に至っては説教混じりで……。
それにしても、南雲は知らないが、なんか一之瀬の押しが強くなっている気がする今日この頃。
でも最近セクハラしまくられていい加減嫌っているだろう僕に、その押しの強さを発揮しなくてもいいだろうに。クラスメイトとはいえ、嫌っている奴にも張り付こうとするそのドMな性癖をもう少し抑えないと、いつまで経ってもまともな本物の彼氏ができないぞ。
まったく先行きが不安になってくる残念な学級委員長である。
ともかく、今回はすでにほとんど終わった事なんだから、なにをやったかなんてどうでもいいだろうと適当にはぐらかせたが、次があるなら何らかの対策は必要かもしれない。
まぁ僕のことだけなら別に話しても良かったけど、青娥さんや高円寺などに迷惑かかる部分は伏せなければならない。嘘をつき通せる質でもない為、面倒でもいちいち「言えない」と言うしかなかったのだ。
なので、他と交流する余裕はできなかった。
それはそうと、折角のまともな女子(橘書記)と話せるチャンスをフイにしてくれた2人は、僕に後腐れなくヤれてお互い楽しく性欲解消できる3年生以上の女子を紹介してくれるまで絶対許さん。どの道、橘書記に相手がいるのは一目瞭然だから、行けたとしても友達止まりだという事実からは目を逸らすのである。
なにより、中身が残念チャンピオンだろうと、確実にモテる容姿とステータスをしてる2人だけになおさら腹が立つのだ。
ただ僕は常日頃からCOOLでダンディーな大人なので、心の中で生徒会室の安寧を願って反撃せず、人知れず神様に祈りを捧げることですり替えを図ることにした。
できるなら予定のなくなるはずの秋以降に!
このモテない僕に祝福を!
真面目に相手するのが面倒くさくなったから、現実逃避していたともいう。
今回の独自設定。
年内最後の投稿なのに、後書きがそれなりに長いです。面倒ならスルーしてください。
命名決闘法案。
東方Projectでいうスペルカードルールのこと。
ただこの作品では勿論弾幕ごっこや戦闘ではなく、単純に好きな奴が好きな奴と好きなように勝負できるようにという目的で、左京が学校と生徒会に提案した。
大雑把な内容は、勝負に参加する全員の合意の上で勝負が成立。
要求を突きつけ合うもよし、クラス成績(CP)や個人成績(新PP)を賭けるもよし、金を賭けるもよし。しかし際限がなくなるので、勝負が連続する場合には期間を開ける・掛け金の上限など、制限は付く模様。
まぁこの学校の暗黙の了解を制度化・明文化しただけと思っていただければ、だいたい間違ってません。
あと命名決闘法案の名称にした理由。
決闘という文字は現代の学校では物騒で不適切だし、普通使われないだろうから違う名前も考えたんですが……個人的に違う場所で同じ名前の制度が発足するのは心が躍るので、折角ならとこの名称に。
気になった方はなんとかスルーしてやってください。内容自体はただおおっぴらな勝負を促進するだけの案なので。
……しかし物語やこの理由には関係ないけど、この名称。守矢一家や青娥なんかは幻想郷へ移住した時に驚きそう(小並感)。
もう一つ、再利用PPの一案。
南雲の反応や『規則』『早合点』を覚えている方、本文の例に出した新PPの数値の低さなどで察せられるかもしれませんが、各改革施行前のこの時点では原作2年生編のOAA総合力数値のような扱いです。違いはCPの支給額を超えた場合のみ数値の500倍が月収になること。なのでそんな奴はいませんが、こちらの支給額は最大でも月5万までになります。あくまで頑張った奴の最低保証的な位置付けですね。
本文で何度か出しているように、ほとんどの案はすぐに適用されるものではありませんが、外部接触禁止関係と命名決闘法案については夏休み中に部分的・実験的な施行がされます。主にテンション上がって鼻息フンフンなどこぞの上級生のおかげで。
私としては、多分ここまで条件を揃えたら、この人ならやってくれるよね? って勝手に思ってたり。
『奇跡』の後書きであんな事を載せておきながら、なんかピタッときて今年中にキリの良いところまで書き上げることができちゃいました。
その勢いがあったせいか前話と雰囲気が結構違う構成になってしまって2話に分けましたが、前話と今話で年内最後の投稿です。
長々と失礼しました。
では今度こそ、良いお年を。