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生後3ヶ月の時。俺は自宅の2階の柵が外れて転落し、ギャン泣きしたらしい。
後に確認したところ、自宅を建てた建築会社の一部手抜き工事?が発覚し、柵が簡単に外れたことがわかった。
1歳の時。今度は少し大きな地震に遭遇し、倒れた棚の下敷きになった。幸い、地震による死者は出なかったし、強いて言うならギャン泣きした俺が、ご近所に三日三晩ご迷惑をかけた事くらいだろうか。
6歳の時。元気いっぱい小学一年生! 友達100人できるかな? なんてお年頃だというのに、小学校に突っ込んできた大型トラックに真正面から撥ねられ、これまた擦り傷だらけでギャン泣き、先生も小学生達もドン引きという結果に。誰が言ったのか、付いたあだ名は「肉壁」。
友達100人できるかな? 違うだろ、誤解を100人解けるかな? じゃん。
14歳にもなれば、遠足で船を使った移動の際に船が何かにぶつかり、船員及び船客全員が避難することとなった。俺を除いて。
流石にその時は「死んだんじゃないのか」と言われて遠足が中止になり、元の場所へ引き返した。
後に、船で向かうはずだった場所に俺が泳いで辿り着き、一人無一文で遠足の目的地を彷徨いていたと来れば流石に新聞にも載る、、、
さて、拝啓 お父さんお母さん。
まっすぐ、逞しく育って欲しいと願った貴方達の息子は現在、逞し過ぎて生命力を有り余し、呪いとすら思える日頃付き纏う不運と共に日々を過ごし、高校一年生にもなる頃ですが、いかがお過ごしですか?
私、
「いやあああああああああああああああああ!!!」
異界の空を
「死んじゃう! 今度こそ死んじゃうって! ふざけんな青春返せこの野郎! 彼女どころか友達もいないけど! 嫌だ! このまま死ぬなんて嫌だ! お願いです欲は言いません! 欲は言わないのでどうか! どうかボンキュッボンの彼女を作ってから死なせてください!
意味の分からないことを叫びながら意味の分からない状況に遭遇している現在。
俺の胴体に噛み付いているドラゴンは、山を越え、谷を越え、街を越え、空を未だ漂っていた。
(昨日の夜は確かに布団で寝たはずなのに……なんで朝に目が覚めたらドラゴンに咥えられて空中散歩してるんだよ! ドッキリか!? ドッキリなのか!?)
しかし、長年不運に遭ってきた直感が夢ではない。現実だと告げている。
(あ、でもドラゴンの口の中って意外と生暖かい…………なんだろ、この
状況に多少は慣れたのか、俺はそんなことを考えていたその時だった。
「グアッ!」
「ほえ?」
突然、俺を喰わんとしていたドラゴンが、まるで欠伸をするかのように
さて、ここでクイズだ。俺は先程まで、ドラゴンに咥えられて空を飛んでいた。そんな中、ドラゴンが突然口を開けたらどうなると思う?
答えは簡単だ。そんなの______
「いやあああああああああああああああああ!!!」
自由落下の法則で、隕石の如く下に向かってゴートゥーヘルである。
「さぁ! 収穫張り切るぺこ!」
兎田ぺこらの朝は早い。彼女の家はにんじんを育てている。彼女は
そして、今日はぺこらが育てた人参の収穫日。人参好きの彼女からしたら今日が楽しみで早起きしてしまうのも仕方がないだろう。
「確か、明後日には街でマリンに販売を手伝ってもらう予定ぺこだから、今日中に出来る限り収穫しないといけないぺこね!」
張り切った様子で木製の家に立てかけられたカレンダーを見て、ぺこらは簡単な手袋を装備し、家を出て人参畑に向かう。
「よし! ぺこーらの人参も順調に育って……いる……ぺこ?」
ふと、畑の様子が昨日と違うことに気がついた。
畑で育った人参の一部が地面から抜けて転がっていたのだ。
「ちょっ、なんでこんなことになっているぺこか!? ぺこーらのニンジンが……っ!?」
さらには畑の一部が大きく陥没し、クレーターのような状態になっていたのだ。
だが、ぺこらが気になった事はクレーターの事ではない。その中心に深々と突き刺さった
「人が…‥なんで埋まってるぺこか?」
当然人を埋めた覚えなどなく、訳も分からないままぺこらはクレーターの中心に近づき、中心に突き刺さった人の足を人参を引き抜くが如く、勢いよく引っ張る
「ふんぬっ!!」
「うっぷ……もう2度と……紐なしバンジー……やるもんか……」
埋まっていた半身は泥だらけで、顔や体に付着した泥により悲惨な状態になっていたが、かろうじて言葉を発したことからもそれが人間だとわかる。
「これ……いったいどうすればいいぺこか?」
泥まみれになった人間に困惑しながら、そんなことを呟くぺこらであった……
落下から数時間後
「あ、起きたぺこ」
「……知らない天井……」
「ここ屋外ぺこ」
確かに俺の頭上には雲一つしかない晴天が広がっている。
はい、ここで前回……じゃなくて今回の三つの出来事〜。
一つ、朝起きたらドラゴンに食われてた
一つ、空から落下。人生で何度目かもわからない紐なしバンジーをする。
一つ、朝ごはんを食べ忘れる……って、これは関係ないか
俺こと沙原アヤトの日常に突如として訪れた悲劇。生まれつきの不運はついに異世界にまで影響を及ぼしたらしい。
「はぁ……えっと……アンタ、誰?」
「いや、こっちのセリフぺこ」
俺の目の前に立つ少女 ……全体的に白を基調としたバニーガールの衣装をしていて、髪は白と青が入り混じっており、三つ編みの下げ気味なツインテールとなっている。そして、なによりも目が付くのはその髪の中間に刺さった太いニンジンと、頭部に生えた兎を彷彿させる耳が……え、ちょっと待って、この耳ホンモノ!?
「え~と……ジブン、朝目が覚めたらドラゴンに食われながら空を散歩してて、それで紐無しバンジーして気絶しちまった一般人です」
「そんなの一般人って言わねーぺこ」
「で、ですよねー」
ウサミミ少女が怪しげな目を向けながら俺を見てくる。あ、今耳がぴくって動いた。てことは作り物じゃなくてこれ本物か。
「いやホント、ジブン昔っから運がなくて……気が付いたらこんな目に遭ってたんです……」
「まぁ、状況証拠を見る限り嘘はないぺこね……」
ウサミミ少女がふと、近くに視線を向ける。
視線の先にはなるで隕石が落ちたかのような大きなクレーターが形成されており、その中心に何かが埋まっていたかのような跡がある。え、俺あの中心にいたの?
「アンタ、あのクレーターの中心にぶっ刺さってたぺこよ」
「……マジすか?」
「マジぺこ」
俺、よく生きてたな。軽く隕石の跡になってんのに……
「えっと……助けてくれたってことでいいんだよな?」
「そうぺこよ」
「その……ありがとうございます」
俺は頭を下げて礼を言う。普通に考えて、クレーターの中心にぶっ刺さってた得体のしれない男を介抱してくれたのだ。礼ぐらい言わなければ日本人の恥と言うものだろう。
「気にすることないぺこよ!」
「あ、俺
「あ、これは丁寧にどうも、ぺこーらは兎田ぺこらと申しますぺこ」
そのまんまだな、と思ったが、口に出さない方がよいだろう。
「それじゃあぺこーらは作業に戻るぺこ」
「作業?」
一見、周囲を見渡すと草原が広がっているだけで何もない……否、ほとんど何もない草原だが唯一目に付くものがある。
「作業って……もしかして畑作業の事?」
「そうぺこ!」
見たところ、ニンジン……いや、俺の知ってるニンジンよりもサイズは大きいが、それらしき作物が所々地面から突き出ていた。
「農作業って、何するんすか?」
「売り物にしても問題のなさそうなものを選んで、ここからちょっと離れた街まで運ぶぺこ!」
……とりあえず、手伝いくらいはした方が良いよね。
「あ、俺も手伝うよ、地面から引き抜いてもらった恩があるし」
「ホントぺこか? 助かるぺこ!」
こうして、俺は助けてもらったウサギ少女……兎田ぺこらの手伝いをすることになるのであった。
「てかこのニンジンクソデカいな!?」
「兎田印の特製ニンジンぺこ!」