一夜が明け次の日、遂に火龍誕生祭のメインイベントが始まろうとしていた。
『これより、創造主達の決闘を始めたいと思います!』
ワアァァァァァァ!!
『進行は、サウザンドアイズの連続ジャッジでお馴染みの黒ウサギが担当致します!』
日も落ち始めたコロシアムに熱狂が渦をまく。雪音達はその盛況ぶりに少し驚く。十六夜
と白夜叉は何やら馬鹿なことを話しているようだ。
「そういや白夜叉、黒ウサギのミニスカートが見えそうで見えねぇとかどう言う了見だ?
チラリズムなんて趣味が古すぎるぜ」
「ほう?おぬし程の男が真の芸術を分からぬとは・・・・」
「何?」
「芸術とは即ち未知なる物へのうむなる想像。神秘なる物への飽くなき探究心。そう!芸
術とはおのが宇宙の中にある!!」
「おのが宇宙の中に・・・・だと!?」
「見えてしまえば下品な下着も見えなければ芸術だ!」
「見えなければ芸術か!こりゃ一本取られたぜ。これからもよろしくな白夜叉!」
「うむ、二人で確かめようぞこの世の奇跡が起きる瞬間を!」
ガシ!!
(この二人は・・・・・はぁ。此処まで来たらこの二人が奇跡ですよ)
「全く、もうすぐ春日部さんのギフトゲームが始まるというのに」
『それでは入場していただきましょう。第一ゲームのプレイヤー、ノーネームのプレイヤ
ー春日部 耀!!』
どうやら、これからプレイヤー紹介のようだ。雪音は相手のプレイヤーが誰か注意深く観察する。
『そして、”ウィルオウィスプ”のアーシャ=イグニファトゥス!』
その紹介と共に大きな炎が耀の前を通りすぎる。その炎には一人の少女が乗っているようだ。
「あはははははは。見て見て見たぁ?ノーネームの女が無様に転んでるぜ!さあ、素敵に不敵に面白おかしく笑ってやろうぜ!」
「YAFUUUUUUuuuuuuuu!」
(少し散策でもしますか)
〚耀のギフトゲームを見なくてよいのか?〛
(えぇ、少し・・・・・・・)
〚所で、マスターはいつ箱庭から出ると話すんですか?〛
(その話ですか・・・・・・多分白夜叉が話しているでしょうし魔王が来た時にでも話をしましょう)
〚そうか。それが主さまの決めた事ならばなにも言わん〛
〚私もです、マイマスター〛
(雪花、とこよ。ありがとうございます。今回の魔王討伐では少し本気を出しましょう)
〚そうですね〛
雪音は旅をそろそろ再開させなければと思っていた。もちろんこの世界も良いがやはり旅は続けたいと思うのが本音だった。雪音の旅は基本何年、もしくは何か月かその世界に滞在して移動するを繰り返す旅だった。あまりにもこの箱庭が居心地良い場所だった為にいつもの滞在期間を過ぎてしまいそうだからである。
(十六夜さん、飛鳥さん、耀さん。ごめんなさい、私はやはりこの世界で一緒にはいられません。またいつか帰ってきますので、それまで待っていてください。春日部さんは止めにはいるのでしょうね)
「白夜叉、少し席を外します」
「む、良いぞ、すぐに戻るんじゃぞ!」
「ええ、そうよ。春日部さんが戦っているのだから早く戻ってきて一緒に応援をしましょう?」
(白夜叉さん、飛鳥さん、すみません)
こうして雪音はコロシアムを後にするのだった。
数分後
”武器庫”
雪音が居るのは別空間にある書庫の左に位置する武器庫である。ここで雪音がしているのは武器の選定兼整理であった。雪音が今回使うのは英雄達からプレゼントされた伝説的な武器の数々だ。雪花達に霊体化を解いてもらい武器を探している最中である。
「雪花、とこよ、何か良い物はありますか?」
『こっちには艤装の予備位しかないぞ?』
『これはどうですか?』
雪花が持っているのはどことなくエクスカリバーに似ている黄金色の直剣だった。
「あぁぁぁぁぁぁ!!それ、マーリンからもらった
『これがよろしいかと』
「菊一文字宗則ですか、それ?菊一文字は御刀なので使いたくないんですよね」
『?一応宝具では無かったかの』
「そうですが、人斬りとして以外では使ったことがないですから・・・・・・・・沖田さん私はどうすれば良いのでしょうか?」
『それこそ誰にも分からぬものよな?』
『そうです。それに新選組の皆さんも雪音さんに自分らしく生きて欲しいと思いますよ?』
「分かりました。持っていきましょう、不知火はお留守番しててね」
カチャカチャカチャ!!ドスン!
「うわぁ!?今度使ってあげますって!?」
カチャカチャカ・・・チャ・・・・・・
「艤装の一部になったり、本当に不思議ですね」
『打ったのは主さまではないか?わしは知らんぞ』
「そうわ言いましても、うぅん・・・・色んな物混ぜすぎたかな?」
『ご神体の内の一つや自身の血などを混ぜた時点で気づくべきだったかと』
『言い忘れていたがわしは正確には雪代の元々の神では無いからな?』
「嘘!?今さらっと衝撃発言しなかった!?」
『箱庭に来た際に主さまが聞き忘れたことじゃ。正確には雪代の本来の神は主さまの師匠が殺された時に消滅しておる。わしは不知火に宿っていた時におんしの親に託されたのじゃ』
「え?それじゃあ、今まで調べてきた事って・・・・・・意味ない?」
『正解じゃ。すまなかったな主さま、その刀はわしの半身故な?今でこそ神となっているが元をたどればわしは主さまの厄災の発端じゃな!』
「雪花は知っていたの?」
『私もそこまでは知りませんでした』
「え、待って?それじゃあ今まで私が隠してきた過去は『もちろんバレておるぞ?』そんなのあんまりですぅぅぅ!!」
まさかの衝撃発言と羞恥心により雪音は幼児退行してしまった。とこよが言ったことは粗方事実だ。とこよは守ってくれと託された、刀は主を守ろうと敵味方関係なく滅ぼしていく。つまり、雪音が覚悟さえ決めて不知火を使い続ければ良い話だったのだ。その後は無言で準備が進められた。外では丁度魔王による襲撃を受ける数秒前だった。
ブウゥゥゥゥン!
「はぁ、旅は続けるとして、不知火と力を使い続ける・・・・か・・・・。まあ良いです、今は」
ヒラヒラヒラ、トス。
「何ですかこれ?黒い羊皮紙?何か書かれていますね」
黒い羊皮紙に書かれていた内容はこうだ。
「ギフトゲーム ”The PIED PIPER of HAMELIN”
プレイヤー一覧 現時点で三九九九九九九外門・四〇〇〇〇〇〇外門・境界壁の
舞台区画に存在する参加者・主催者の全コミュニティ
プレイヤー側・ホスト指定ゲームマスター
太陽の運行者・精霊 白夜叉
ホストマスター側勝利条件
全プレイヤーの屈服及び殺害
プレイヤー側勝利条件
一、ゲームマスターの打倒 二、偽りの伝承を砕き真実の伝承
を掲げよ
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催し
ます。
グリモワール・ハーメルン印」
という内容だった。内容の通りなら非戦闘員もいるだろう。それなのにホスト側の勝利
条件が屈服か殺害だと言う事実に雪音は怒りを覚えた。ギアスロールを燃やしてから飛
鳥達の元へと急ぐ。
「・・・・・・・・速く飛鳥達に合流しよう」
『大丈夫か?』
「・・・・・・・・・・」
タッタッタッタ
「魔王が現れたって事で大丈夫か?」
「ハイ」
「十六夜さん?」
「まさか、行くのか?」
「ああ、ちょっくら挨拶してくる・・・ぜ!!」
ドオォォォォォォン!!
十六夜はそう言って魔王でと向かっていく。雪音はそれをただ黙って見ていた。十六夜
が接敵したのを見てから雪音は飛鳥達に接触する。
「ジン、飛鳥、リリ。ただいま」
「雪音さん何処に行ってたかは今は聞きません。今は魔王が「知ってる」そ、そうですか」
「白夜叉、いったいどうなっているの!?」
「分からん。どうやらギアスロールの効果により私は参戦できないらしい」
「ギアスロールの?」
「ああ、良いかおんしら、今から言う言葉を一字一句たがえずに黒ウサギに伝えること。
第一、このゲームはルール作成段階で故意に説明不備を行っている可能性がある。最悪
なことに、このゲームにはクリア方法が存在しない」
「「「!?」」」
「第二にこの魔王は信仰のコミュニティである可能性が高い事を伝えるのじゃ」
「分かりました」
「第三に恐らく、私を封印した方法は恐らく「はぁい、そこまでよ?」
「「「「!?」」」」
「・・・・・・・・・」
白夜叉が最後に自身が封印された方法を教えようとした時、後ろから聞こえた女性の声により説明が中断されてしまった。雪音以外全員が驚いて振り向く。そんな中雪音はゆっくりと振り向いた。
「あららぁ?最強のフロアマスターもこうなっちゃあお終いね?」
「貴様!サラマンドラの連中に何をしたぁ!?」
「そんなの秘密に決まっているでしょ?それより、お邪魔よ?あんた達」
『ガアァァァァァァ!!』
大量の操られたであろう兵が一斉に襲い掛かる。だが、耀が全て薙ぎ払った。
「やるじゃない」
「いくよ」
ピイィィィィィィ、ピオォォォォォォ。
「「「!?」」」
「な、何これ?!」
「み、耳が!」
「な!飛鳥、ジン、耀!?」
飛鳥達は目の前の女性が吹いた笛に苦しめられていた。ただ一人をのぞいて。
「あら?なぜ貴方にだけ効かないのかしら?」
「耀、飛鳥、ジン達を連れて逃げろ」
「で、でもそしたら雪音さんが!」
「良いから逃げろ」
「わ、分かった・・・・・・」
「逃がすと思ってるの?」
『ガアァァァァァァ!!』
「「!?」」
『我が矛は、ただ白く白くいつまでも白きもの』
雪音が何かを詠唱する。
『我が盾は、ただ黒く黒くそこにある物!!』
パキパキパキィィィィィィィ!
一瞬で兵たちは足元から凍っていく。雪音に邪魔された女性は雪音に攻撃をしようとするが防がれてしまう。
「何よ、貴方からは攻撃しないのかしら?」
「・・・・・・してほしいか?」
「いいえ、結構よ」
「なら早くお前の役割でもおわらせろ。私は何もしない」
「ゆ、雪音?何を言っておるのじゃ!?」
「あらぁ?貴方のお仲間さん、こちら側に寝返ったようよ?」
ピイィィィィィィ、ピオォォォォォォ。
あちこちから苦しむ声が聞こえる。なぜ雪音が動かないのか。その理由はとこよに言われた自身の本当の力を使いこなすためである。実験のようで後味が悪いが、これも雪音の一面であった。かくして最悪のギフトゲームが始まった。
どうもユキネコネです。今回はとこよが秘密を暴露しました。アンケートからFGOの武器、宝具は菊一文字、カリバーン,アヴァロンに決定しました。アヴァロンは疑似再現でカリバーンは出来損ないですが・・・・・・
雪音さんは新選組の何人かと友人と言う設定です。刀は死んだ後の沖田さんの遺書で譲り受けたものです。因みにそれでは、また次のお話で