ここは雪代家が管理する神社、神薙神社の真の本殿。雪音は今から隠世に行こうとしている。雪音は鳥居を潜る。リィンリィンと鈴の音が聞こえ意識が遠くなる。
「うぅん・・・・・・ここは?」
「あ!やっと起きましたね!」
「へ?・・・・・・・!?」
そこには篝が居た。辺りを見渡した限りここは篝の家のようだ。師匠の所に来ようとしたはずなのだが、これは師匠が何かしたのだろうか?取り合えず篝に自分がどのようにここに来たのかを聞く。
「篝、私どうやってここに来ました?」
「家の前に倒れていましたよ?それより会えて嬉しいです。色々話しましょう」
「それじゃあ、何から聞きたい?」
「そうですね・・・・・では私や美奈都先輩が此処に来た後の話を聞きたいです」
「その事なんですが実は――――」
雪音は大荒魂が復活した事、自身の力の事、それを手伝って貰いたいことを伝えた。因みに姫和の事は伝えていない。
「そんな事が・・・・・・では私も協力します・・・いえ、させてください!」
「では、私はタギツヒメが本格的に被害を出した時に現世に行きます。それまでよろしくお願いします」
「分かりましたまずは力を使用した状態でどの程度動けるのか確認しましょう」
こうして雪音と篝による検証が始まった。この時現世では隠世との時間の差で結構な時間が経っていた。
”現世・鎌倉刀使寮の食堂”
場所は移り、ここは鎌倉にある日々奔走する刀使達の為に特別に解放されている食堂である。
「美炎ちゃん、私以上の激務みたいだけど大丈夫かなぁ?」
「今はどこでも人手不足。仕方ない」
「それでも心配だよぉ・・・・連絡も取れないんだもん」
「―――あっ!可奈美と糸見さん!」
「え?美炎ちゃん!?」
そこには先ほどの話の話題になっていた美炎が居た。可奈美は嬉しそうに飛びつく美炎を見る。
「久しぶりー!」
「え?え?どうして此処に?何度スマホで電話しても反応が無いから・・・・・・すっと心配したんだよ!」
「えへへ~。ごめんごめん。ずっと電波の届かない山奥にいたから、電話に気づけなかったんだ」
「そうだったんだ!美炎ちゃんの笑顔が見られて安心したよ」
「心配かけて、ごめんね?」
「ううん、こうして一緒にいれるから良いよ」
「ねえ、雪音さんはまだ見つからないの?」
「うん、捜索隊も出されたみたいだけど・・・・・アレから見つかってないんだって」
「早く見つかるといいね」
こうして雪音不在のまま刀使達は日々奮闘している。その頃、雪音達はというと、篝と共にある程度の検証を済ませある程度の制御が出来るようになったので、師匠の所に行こうとしている。
「祐奈先輩・・・・・私今日はあなたにまた会えて良かった。もう会えないと思っていたから・・・・」
「ありがとう。それにわざわざ鹿島新富流の足さばき何かを教えてもらって・・・・・じゃあ行ってくるね」
「はい!」
シュウゥゥゥ。
「よし!今度こそこれましたね・・・・・・この音は?」
キィン!キィン!ガシャキン!ギィン!!
ようやく着くと、道場の方から刀と刀がぶつかった際の金属音がなっていた。何かと思い道場に行ってみると、そこには全くの予想外な光景が広がっていた。なんと、師匠とタギツヒメが楽しそうに試合をしているではないか。
雪音はタギツヒメに会うつもりでいたが、こんな形での再開なんて考えてもみなかった。雪音の師匠は生きていた際も敵であるはずの人物と度々楽しそうにしていたので、そこまで驚かなかったがこれは流石に予想外であった為数分その場で固まってしまった。
「な・・・・・・なにをしているんですか」
「お、来たね!」
「な!?貴様はあの時の!」
「相変わらずですね・・・・・」
「あぁ!引かないでよ!」
「そうか、貴様は美弥の娘だったか!なら貴様が我を止めようとするのもうなずけるというものよ」
「え?・・・・え?・・・・どう言う事?」
「貴様の母は昔折神家に侵入して我に友になれとほざいたのだ。親子揃って面白いものだな」
「本当になにしてくれてんですか!?」
「ええ?だってしょうがないじゃない、会いに行くにはそうするしかなかったんだから」
「じゃあ私とも友達になってよ!」
「良いのだが・・・・・貴様は敵になるのではないか?」
「そうですね、ではこうしましょう!私は傷つけるに留めます。なので助ける代わりに色々ピンチになったら助けてください。こちらに来たら一緒に話しましょう!」
「それなら・・・・・別に・・・・・良い・・のか?」
「あははは!やっぱりあんたはその方が良いよ!自分の好きなように生きなさい?」
「承りました。師匠?」
「やはり親子で遺伝したものらしいな」
「では、現世で会いましょう!」
「ちょっと待て」
「何ですか?」
「美弥。貴様の子に何かして良いか?」
「いいけど・・・何するの?」
「貴様のソレを本番無しで制御できるようにしてやろう。名も知らぬ誰かも、それで良かろう?」
タギツヒメは師匠に許可を取り直接ノロを流し込んできた。だが、大半は侵食されるようだ。タギツヒメは怪訝そうな顔をしながら処置をしていく。
「ふむ、貴様のほうが難儀ではないか?これは・・・・我よりも・・・・・早く直せ!」
「ガァ!?―――――ッ!!フー、フー、何・・・・・これぇ、目が回るぅ」
(暑い・・・・てゆうか酔ってる?私が?なんで?)
「意味わかんな~い」バタッ!
「酔いが覚めれば元通りになっているだろう。我はもう行くからな?」
「いってらっしゃい」
こうしてタギツヒメは現世に行ってしまった。雪音は不老不死になって久しぶりに酔った事で倒れてしまったので師匠に介抱されながらタギツヒメを見送った。
「とこよ、出てきたら?」
「ふむ・・・・あやつ、余計な事をしていきおって」
「私の時も余計な事をして来たから諦めなって」
「全て元に戻っているな・・・これは、起きてから大変じゃな」
雪音が気を失った頃、現世では―――――
「薫隊長・・・今日もよろしくお願いします」
「ああ、よろしく。で、堅苦しいのは無しにしよう。隊長と言ってもこの部隊・・・・今は他の隊員が負傷しちまってオレと紗耶香の二人だけだし」
「荒魂が多いから負傷するのは仕方ない」
「でもな、紗耶香が出向してこなかったら、オレ一人になるところだったんだぞ・・・・」
「ねー!」
「ああ、オレひとりと一匹だな」
「ねねー!」
「タギツヒメとの戦いから四ケ月・・・・オレは休みなしで各地を飛び回ってるんだぞ・・・・いい加減休みが欲しい!」
薫は紗耶香に四ケ月の間の事を愚痴っていた。薫がこう言うのは刀使は荒魂専門の国家公務員、正確には特別祭祀機動隊という警察の一組織という扱いだが刀使には未成年が多い為国からは特別司法警察職員に近い扱いを受けている。その為最悪休暇が取れない時期もあり得るのだ。雪音は一年休暇なしで国際問題を解決した事もある。
「取りあえず今日も任務前の点呼を行うぞ。隊員はねねを含めてふたりだけだが念のためな、はい点呼」
「一」
「二」
「三」
「ねー!」
「よーし、全員いるな・・・・って、二人も増えてるだと!?お前らは確か、折神家襲撃の時に加勢に来てくれたヤツらだよな?」
「はい。人員補強の為に派遣されました。長船女学園高等部、3年の瀬戸内智恵です」
「同じく、人員補強の為に来ました。平城学館中等部2年、六角清香です」
「助かった・・・・やっと内の隊にまともな補充が来た・・・・よし!今日の任務は全部中止だ。早速新入隊員ふたりの歓迎会をしよう」
「薫さん・・・・本気?任務を中止されるのは困るのだけれど」
「ねー!ねねー!!」
「ねね、どうした?」
『ガアァァァァァ!!』
「荒魂か・・・・歓迎会をするのにもこいつらを倒した後になりそうだ」
隊員にいつの間にか智恵と清香が追加され新たに四人と一匹の隊が完成したのだった。そして、新たな隊で初めての任務が今始まる。
数時間後
”森の中”
「おーし、全部片付いたな」
「ねねー!」
「ひゃあ!?この子、私の胸に飛びついてきた!?」
戦闘が終わった直後、ねねが早速智恵の胸に飛びついていた。懐かれるのは嬉しいが、理由を聞けば素直に喜べなくなるであろう。それを薫が智恵に説明する。
「コイツはなぜか胸が大きい奴か成長する奴に飛びつく習性があってな?この中じゃ一番大きいのは智恵だから当分我慢してくれ」
「なっ・・・・・!?この子、せっかく可愛いのに懐かれてもあんまり嬉しくない・・・・」
「胸がデカいのも、立派な長所なんだ。もっと喜べ」
「嬉しくないです!!」
「七之里さんにもチチエって呼ばれてましたもんね・・・・・」
「ああ、せとう
「薫さん!簡単に納得しすぎです!それにセンスも良くないです!」
「まあ、久しぶりに賑やかになったんだ。ねねも喜んでるし二人の入隊を歓迎する」
「ねねっねー!」
こうして現世ではおもしろ可笑しい日々が送られていた。そこに再び魔の手が迫っていると知らずに―――――
どうも、ユキネコネです。今回は雪音さんの師匠についても語られました。今回の話の通り、特定の敵とは絡みや友達になるということもやっていきたいと考えています。では、また次のお話で会いましょう。
刀使ノ巫女の世界はいつまで滞在する?
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ゲーム版の最終回まで居る!
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アニメ版の最終回だけで良いかな。