何分初めての投稿ですので、温かい目で見守ってくださると幸いです。
YES! 黒ウサギが呼びました!
プロローグ
「そろそろこの旅もひと段落かな」
少女、皐月雪音は少しボロボロになったローブを脱ぎ捨て空を見上げながら呟いた。
今の季節は春であり、きっと日本では桜が満開になっており何処の家庭でも花見を楽しんでいることだろう。
「どうしたものでしょうか」
雪音は脱ぎ捨てたローブを処理しながら思考をクルクルと回していた。
彼女は、ある程度思考が纏まったところで自身の武器である刀に手を置きながら歩き出した。
この刀は何重にも封印してあるため、その刀身を見ることは叶わない。通常の戦闘では絶対に使わないからだ。
それと同時に、この刀は悩みの種であるとも言えた。
この刀の問題を解決するために、彼女は旅を通して手掛かりを探していた。
自身の実家とも言える屋敷にある資料は全て読みつくしてしまったので、こうして旅に出ていたのである。
「もういっその事、異世界にでも行けたらいいのに・・・・」
そんなことを愚痴りながら休憩がてらに空を見上げる。
「あれは・・・・何でしょうか?」
青空には白い雲がまばらに浮いており、僅かな気流の中でゆっくりと流されている中で不自然な軌道を描く白いナニカ。
それは真っ直ぐに、しかし曲線と不規則な左右の揺れを伴いながら雪音の元に降りてきた。
興味本位で手を伸ばして摘まんでみれば、それが簡素な封筒であると確認できる。
「こんな所に手紙ですか。宛先は・・・・わ、私?」
真っ白な手紙をひっくり返し、首を傾げた。
『皐月雪音様へ』
こう書かれていたのだから。
だが、これはおかしい。何せここはある国の砂漠のど真ん中であり、なおかつ彼女の名前を
公に知っている人物はとても少ないからだ。
なので、自分の名前が書かれた封筒が落ちてくるなど不審物の何物でもない。
しかし、雪音本人の反応は違った。彼女は、全く警戒する事も無く封を開けたのだから。
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の
全てを捨てて、我らの箱庭に来られたし』
中身のカードにはこれだけが書かれていた。
中身を確認した雪音は、目を見開き、同時に微笑む。
「確かに異世界に行きたいと言いましたが、本当に行けるとは。ですが、実年齢の方が少年
少女という歳では無いのですが・・・・・気にしなくていいでしょう。」
少し複雑な心境になりながらも、雪音は勢いよく立ち上がった。
瞬間、彼女の視界が大きくはじけた。体が浮く感覚と共に空が遠のいていく。高度
5000mからのスカイダイビングである。そのまま、体を地上に向けると大きな
湖が見える。そして、驚異的なスピードで水の中にダイブする。
こんなこともたまには悪くない―――――
初めての投稿なので、次話が遅れる可能性が大きいです。ご了承ください。