いただきます。投稿頻度は遅いですがこれからもよろしくお願いします。
そろそろ主人公の設定を公開しようと思います。お楽しみに!
石畳によって舗装されたペリドット通りを行く一同。
「しかし、なんでそんな事をしたんです?」
「私達の心の問題よ。それから、貴女は出さないわよ」
「言われなくとも出ませんよ。でも、無茶はあまりしないでください。貴女達が
傷ついたら悲しいです」
「・・・・・・・分かったわ」
「はい。約束ですからね!]
並木道を行きながら、雪音は明日行われるギフトゲームについて飛鳥達に話を聞いていた。
技術と称した圏境を目の前で見せられた時には、らしくもなく驚愕した。だが、今話してみれば
年相応の少女のようだと飛鳥は思った。
「―――――ん?」
「どうしたの?って、桜の花びら?いや、違うはよね。今は夏の筈だもの」
「へ?まだ桜の咲き始めでは?」
「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。気合の入った桜が残っていてもおかしくないだろ」
「・・・・・・・今は秋だったと思うけど?」
雪音が摘まんだ花びらを見て、四人揃って首を傾げた。
噛み合わないそれぞれの主張に、黒ウサギが笑いながら解説を入れる。
「皆様それぞれ違う世界から召喚されているのデス。歴史や文化、生態系等細かな部分に違いがあるのかと」
「パラレルワールドってやつか?」
「近しいですね。正確には、立体交差平行世界論と呼ばれるものですね。とは言え、説明には二日三日
かかるのでまたの機会にしましょう。」
それだけ言って、黒ウサギが振り返った。どうやら目当ての店に着いたらしい。
向かい合う双女神の旗を揺らしたその商店は、今まさに従業員が暖簾を下ろしている所だった。
「待っ―――――」
「待ったは無しです、お客様。本日の営業は終了いたしました。」
下される暖簾に、黒ウサギは恨みがましく見ていることしかできなかった。
ただ、相手は超大手の商業コミュニティ。押し入りなどできるはもないし、やってしまったらどん
な不利益を生むか分かったものではない。
「なんて商売っ気の無い店なのかしら」
「ま、全くです!閉店時間の五分前に客を締め出すなんて!」
「文句があるのなら、どうぞ他所へ行かれればよろしいかと。貴方方は今後一切出禁としますが?」
「出禁!?こんな事で出禁なんてあんまりです!!お客様を舐めているのですか!」
キャンキャン喚く黒ウサギ。
そんな彼女を斜め後ろで眺めていた雪音は、店員の事も分からなくはないと思った。
「どうした、考え込んで?」
「へ?ああ、ただ店員さんの言うことも一概には言えないと思っただけですよ」
「へぇ、それじゃあその理由を言ってみろよ」
「まず初めに店側の事情です。閉店時間になった後も店員さんは掃除などをしなければいけませんし
閉店間際なのに客を相手にしていれば必ず時間が掛かりますから、下手をすれば人件費がばかに
なりませんからね。まあ、他にもありますがひとまずこんな所でしょう」
「結構なこと語ったじゃねぇか。何かバイトでもしていたのか?」
「まあ、バイトと言うよりも管理をしていたので店員の方は余りわかりませんがね」
「あん?」
思いのほかよく喋った雪音に相槌を打ちながら十六夜は内心面白いと頬を歪めた。
存外、彼女はよく喋る。見た目は和服に刀を差しているという現代ではまずありえない格好だが
その実以外に考えがしっかりしている。
一番気になるのは彼女の話にあぅた解決すべき問題などだろうが、今はまだ聞けないだろう。
「いぃぃぃぃぃぃやっほぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!久しぶりじゃな黒ウサギぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
「きゃぁあああああ!?白夜叉様なぜここに!」
ドップラー効果を起こしながら、白髪頭の和装少女が文字道理飛び込んでそのまま近くの水路に
黒ウサギごと突っ込んでいった。その光景に店員は頭を抱え、十六夜は興奮した様子で店員に近づいた。
「・・・・・・おい店員。この店にはドッキリサービスでもあるのか」
「ありません・・・・・・」
「なんなら有料でも」
「いたしません」
マジな顔の十六夜、これまたマジな顔の店員。二人そろって真面目な表情で対応していた。今回は
店員に軍配があがったようだ。
ついでに、面倒な気配を察知して雪音はどうしようか迷っていた。
「・・・・・・はなしてくれますか?」
「駄目よ。逃がしたら、貴女の秘密を知れないじゃない」
「・・・・・・・・・同じく」
「えぇぇぇぇ、関わりたく無いですよ」
そう言いながら雪音が指さす先では、今まさに黒ウサギが和装少女をぶん投げ、十六夜が足で受け止めて
いる所であった。逃げないと約束して二人を送り出した雪音は、ため息をついた。
???〚主さま、もう潔く諦めたらどうじゃ?どうせもうしばらくすれば事実を吐くことになるであろう?〛
「はぁぁぁ、ここに来てから話しかけてこないと思ったらどうしたんですか?」
〚あの白髪の少女が只者ではないと思い話しかけたまでじゃ。心配しなくともバレはせんよ。そんなことより
普通にはなしておる主さまの方がわしは心配じゃよ〛
(そうですね。ですが、貴女達の問題を解決する為に旅をしているんですからね)
〚そうは言っても元はと言えば主さまの力ではないか〛
(事実なので言い返せません。うぅぅ、早くどうにかしましょう!)
そう言いながら店の中に入っていった。
※
サウザンドアイズ店内、白夜叉の案内で五人と一匹と先ほどの一人?はとある和室に来ていた。
因みに、店員が文句を言っていたが白夜叉がもみ消した。
「では、改めて。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構える”サウザンドアイズ”の幹部、白夜叉だ。
この黒ウサギとは少々縁があってな?コミュニティ崩壊後も、こうして交流を持っておったのだ。」
「はいはい、それはもうお世話になっておりますよー」
少々投げやりに返す黒ウサギだったが、そこに彼女の気安さが感じられた。
彼女の隣で、耀が首をかしげる。
「・・・・・・・・外門って?」
「箱庭の階層を区切る壁に設けられる門のことですよ。数字が小さくなるほど中心に近づいて、より
強力な力を持つ者達が住んでいるのデス」
説明しながら、黒ウサギは部屋にあったボードに上空から見た箱庭を書いていった。
「七つに分かれているのか?」
「・・・・・超巨大玉ねぎ?」
「いえ、超巨大バウムクーヘンではないかしら?」
「確かにバウムクーヘンに見えますね」
うんうん、と頷く緊張感のない四人に黒ウサギはガクリと頭を倒すが白夜叉はカラカラと笑みを浮かべる。
「ふふ、上手いこと例える。そう考えれば、この七桁の外門はバウムクーヘンの一番外側の皮に当たるな。
更に言うならば、ここは東西南北の四つに区切られた地区の内、東に当たる。ここより外に出れば、コ
ミュニティには所属していない強力な恩恵を持つ者達が跋扈している箱庭の外になる訳だ」
その水樹の主の様にな、と白夜叉は黒ウサギの持つ水樹の苗を見る。
「して、誰がどの様にして手に入れたのだ?智恵か、はたまた勇気か?」
「いえ、この水樹はここに来る前に十六夜さんが、素手で蛇神を叩きのめして勝ち取った物です!」
「なんと!?ゲームのクリアではなく、力で屈服させたと言うのか!?では、その童は神格持ちの神童か?」
「いいえ、神格持ちならすぐ分かる筈です。今回はその件で伺ったのですが・・・・・・」
黒ウサギが話す中で、雪音は少し十六夜について思案していた。
(こう言うのはあれですが、この人本当に規格外ですね。)
〚みな、主さまにだけは言われとう無いと思うんじゃが?〛
(なんでそんな事言うんですか!?私はあんなに非常識じゃありませんよ!?)
〚まだそんな事を言っておるのか・・・・・・・〛
言い争っているといつの間にか話が進んでいた。三人が白夜叉に喧嘩でも売ったのだろうか?
「それでは問うが、おんしらが望むのは私との対等な決闘か?それとも私への挑戦か?」
瞬間、世界が豹変する。
白い地平線の覗く山。森林の湖畔。
白い雪原と凍る湖。水平に廻る太陽が常に薄く照らす世界。
そんな世界の中心で、白夜叉は悪戯が成功した子供のような笑みをみせていた。
と言う訳で今回の話が終わりました。今回は新たに一人雪音さんと喋っていた人物が
いました。この人物は次か、次の次位に名前を明かしたいと思います。それではこれから
もよろしくお願いします。