side優
恐の挨拶によって気絶した勝は眼を覚ました後、コブラツイスト(?)という技で恐に仕返しをしていた。
改めて見ると恐は人間ではない。青い肌に赤い眼光、茶色いコートによって全身わ見えずらいけど、手や首そして左目を隠すように包帯を巻かれていた。見て目は怖いけどちょっとカッコイイ。
「いだだだだだだだだだ…ちょっおまっギブギブギブ!!!」ミシミシミシ
「うるせぇ!!いきなり変な真似しやがって!!シメるぞこのヤロー!!」
「今シメてんじゃん!!あ…ちょっと気持ち良くなってきた…ギャアアアアやっぱり痛い!!!」
あんな性格じゃなければ…
「ん?何かが近づいてきてるねぇ」
「「「え?」」」
いきなり全さんが森の向こうを眺めていた。僕たちもその視線に合わせてみるけど何も見えない。しばらくすると黒い球体が森の向こうから僕たちの前にあらわれて、
ドン!!「イタッ!」
木にぶつかった。え?イタッ?
「あいたたた…」
黒い球体は消えて、その中には僕と同い年の女の子かな?頭を手で押さえて痛がってた。
「あ、えと、大丈夫?」
僕は女の子に近づいて心配した。
「うん!大丈夫だよー。えへへー」
「よかった」
と彼女は照れ臭そうに笑って、僕も安心したように笑った。よく見ると女の子らしい黒い服を着ていて金髪で、赤い目で、まるで人間じゃない雰囲気を出していた。
「ところで君」
「ん?」
彼女は笑顔で僕に言った。
「食べてもいい人間?」
「ふぇ??」
ガシッ!!
「!!?」
彼女は僕の腕を掴んで大きく口をあけて僕の首を…
ガシッ!!
「!!?」
かみつかれる前に全さんが女の子の頭を押さえて助けてくれた。
「え?なになに?何が起きた?」
「キスよ!あの子初対面の子にディープキスをしたのよ!」
「なんで女口調?てゆうか違うよね?食べようとしたね?あいつ」
勝と恐が何か話しているけど僕はそれどころではない。
「…闇の妖怪、ルーミア」
「え?」
「この子のことだよ。黒い球体で人の視界を奪って食べる。いわゆる人食い妖怪さ。昔はこんな少女じゃなくて大人なんだけど、誰かとできちゃったのかな?あるいは封印されていたとか?」ミシミシミシ……
そう言いながら全さんは彼女の頭を離すどころか強く締め付ける。
「うぅ…あぁぁ…」
「全さん!?」
「別に、妖怪だからってけして恨みはないけど、僕の友達を傷つけるのはあまり感心しないなぁ」
「……」
そう言いながら全さんは彼女、ルーミアにもっと痛めつけ、勝は険しい顔で全さんを見ていた。
「っ!待って!やめて全さん!!」
「どうしてだい?優君は食べられかけただろう。」
真剣な顔で僕に言う。
そうだ。
確かにそうだけど、
それでも…。
「それでも駄目!!それにルーミアお腹空いてただけでしょ!?ちょっと待って!」
僕はリュックを取り出し、その中に形のいい袋に包まれたおにぎりを取り出した。袋に焼き肉と書かれているシールが貼ってあった。
「えっとルーミアだっけ?これあげるから、僕たちを食べないでくれるかな?」
そう言って、全さんは真剣な顔つきから、いつものようなニヤつた顔に戻りルーミアを開放した。
「いいの?食べようとしたんだよ?」
ルーミアは驚いてそういったが、僕は少し考えて笑顔で答える。
「うん!友達になりたいから。」
「え?私妖怪だよ?また君を食べるかもしれないよ?」
「新座 優だよ」
「?」
「僕の名前、もし食べようとしたらその時考えるさ!だから今はよろしく!」
「…フフ。変なの。けどよろしくかな?私はルーミア。おにぎりありがとう」
「うん!」
ルーミアは嬉しそうな顔でおにぎりを受け取ってくれた。僕はきっと、たぶん、友達がほしかったんだと思う。
「ねえ…優、このおにぎり何かに包まれてて食べれないよ」
ルーミアが袋に包まれたおにぎりに苦戦していたから僕はルーミアに近ずいて開け方を教えてあげた。
「これね、ここをこう引っ張って、こうやって取るんだよ」
(完全密着してる///)「ありがとう////。はい。」
「ふぇ?」
ルーミアがおにぎりを半分にちぎって、半分僕に渡し、僕はそれを受け取った。
「助けてくれたお礼。」
「うん。ありがとう。」
僕は笑顔でルーミアにお礼を言った。
「いやーそれにしても優君は子供というか、甘いというか…微笑ましいというか…。」
「…いいんじゃねぇの?」
「ん?」
「妖怪と友達になったくれぇで、罰は当たらねぇよ」
「…うん。そうだね。ところでもう一人の妖怪は?」
「あ?」
トントントン!!ザクザク!!グツグツグツ!!
「う~~~ん今回のカレースープは一味違うなぁ、たまんねーぜ!!」
「いや、お前何してんの、てゆうか何その格好」
「いやいや料理っしょ!!コックの服だよ見てわからない?ペスカトーネ!!」
「いや意味わかんねーし、てゆうか料理できたのお前!?あ、ルーミアが腹減っていたから作ってくれたのか?」
「へへへ暇だったからなぁ、そこらへんの生物捕まえて料理してやったざに!」
「そこらへんの生物って何?ほんとに何作ってんのお前!?」
「なんかいい匂いだね」
「そーだねー」
勝たちの声がして、ルーミアと一緒に行くと、とってもいい香りがしてきた。
「よーし!飯にするぞぉ!」
「ねぇ、これ大丈夫なの?色々暴走しちゃってるけど、食べても平気なの?」
「いやーちょうどお腹すいてたんだよねぇ、しばらく何も食べてなかったし、少し運動したしね。あ、ルーミアちゃん頭痛かったでしょ?ごめんね。僕もいろいろ考えてるんだけど、やっぱりご飯食べないと冷静な判断ができないよねぇ。まあこれは何かの縁ということで、忘れてくれ。僕も忘れたから、これでお会い子だ。よろしいね?」
「う、うん」
「あはは…」
本当によくしゃべるなあこの人。
「いや、悪いんだけどさあ、本当にあいつの料理食べるの?何入ってるかわからないんだよ?」
「もう!マー君そんなに食べたくないならこれで我慢しなさい!」
「マー君!?て何それ?」
「スパムの缶詰です。」
「スパム!?」
こうして僕は初めての妖怪の友達ができて、みんなと楽しく食事をした。
「やっぱり一人で食べるより、みんなと食べる方がおいしい。ね?」
「う、うん///」(か、かわいいいなぁ///)
よし!食べ終わったら…。
どこに行けばいいんだろう…。
勝「結局何の生物かわからなかったよ。」
全「え?ツチノコだったよ?」
勝「…え?」