【完結】たそがれより世紀末まで〜98×99三強カップリングがイチャイチャしたりするかもしれないしドロドロするかもしれないしの幻覚話〜 作:春華ゆが
セイウンスカイとナリタトップロードの場合
ああ、素晴らしき世界かな。誰でもそう言う。私もそう言う。いいことも嫌なこともひっくるめて、当然のように言ってのける。
そうでないとしたら生きている理由がない。
そんなこんなとくだらない御託を並べながら、今日も保健室のベッドに潜り込みながら、私ことセイウンスカイはおもむろに目を閉じたのだった、とも。当たり前だが保健室のそれは寝心地がいい。カーテンを閉められるのも良いことだ。今の私はそう思うから、やはり世界は素晴らしい。
一年ぶりの復帰戦のあと、運悪く脚を痛めてしまった私は、こうして保健室に通っている。丁寧に靴を脱いでベッドに上がり込み、布団を被って枕に頭を乗せる。目は瞑るか瞑らないかだが、まあ要するにサボりだ。
とはいえ、私は「そこも」半端者。今まで通り教室に通う日もある。あるいは今まで通りのもう一つ、前からちょくちょくサボり魔の不良なのだと言ってもいい。
だからそんなに心配することはないのだが、そう簡単でもないのが私以外のみんなだ。大事にしてくれる大切な人たちを心配させないためには、しっかり寝て休まなければいけないらしい。そういうわけで、丁寧に横たわるのだ。
煩わしくはない。
他にやることもないけれど。
布団を頭から被って、そういうことも思った。眠れるわけがなかった。強いて言うならそれは変化だった。日差しの匂いが焦げ臭く感じることなんかも。魚を焼いたらいい匂いがするのに、私を焼いてもいい匂いはしなさそうだ。とか。
「……さて」
それでは、今日はどうしようか。そう考えるだけ考えてみるのが、一応日課と言えなくもなかった。何もしないことをしている間、本当に止まってしまうわけにはいかない。脳とは動いていなければいけないものだ。だから諸々と考えては手放してみて、一つ一つ正解を潰している。結局何もしない。
つまるところ、眠れないなら無理に寝ないほうがいい。それが私の結論だ。走り切った先の。昔とは少し違うとして、望まないことはやらない。気まぐれ。あるいはそのふり。
考えるべきテーマや何かがあるわけでもない。考えは固まっていて、それが療養という形で表れている。その先にあるのは未来の話だ。未来の話はいつかでいい。また。またいつか。またあとで。
だから結局横たわるのみで過ごし、たまにローレルさんづてで許可を貰ってそのまま一日を明かす。それが私と保健室。一種の専用スペースだ。孤独に磔。
そんな保健室通いで何週間かはやり過ごしたが、問題がないわけではない。言うまでもなく、ここまで寝心地のいい場所なのに、眠れないこと。目を瞑っても瞑らなくても、見えている世界が素晴らしいまま。ほとんど夜しか眠れないのはセイちゃん的には深刻だ。逆に言えばそれくらい。リハビリと言っても脚を休めるだけなのだから、やるべきことは順調だ。
布団の中で、せめて身体を、指の先まで伸ばしながら。暇への焦りはあるはずだ。無為に過ごす時間へのじんわりとした嫌悪感はあるはずだ。けれど無理に考えるのも違うだろうと、前述の通り。役に立つはずのない経験則が引き戻すので、ギリギリで従っている。
気楽に気ままに、かくあれかし。そうするべきだからと生まれた自由が自由であることがあるだろうか……みたいなのは、いいのだ、本当に。私じゃないことが増えすぎる。もう増え過ぎているのに。
寝床について、動きたくなって、動かないで、帰る時だけ脚を動かす。そういう日がいくらかあって、そのうちの一つが今日だった。カーテン、シーツ、白い布がいつでも周りにあって、
葬列のようにも思えていた。
思うだけならタダだ。
ああ、素晴らしき世界かな。
※
その日の放課後、ある程度の仕事を終えた私が保健室に向かったのは、いつも通りといえばいつも通りの理由だった。いや、勿体ぶるほどではなく、絆創膏や湿布の補給をしに行ったのだ。ウマ娘というものはちょっとした怪我などはどうしても絶えないから、保健委員に掛け合ってある程度常備させてもらっている。委員長特権、というものかも。
とはいえ放課後は他人ばかりに時間を使うわけにもいかなくて、トレーニングも欠かせない。なぜなら私、ナリタトップロードは、ここのところ勝てていないからだ。同期が強いから……というのは、理由になっても言い訳にはならない。それでも勝ちたくて走りたいから、それがウマ娘の本能だ。
……まあ、そう意気込みすぎても毒だ、というのは経験則。諦めるわけでも妥協するわけでもなくて、メリハリをつける。それくらいがいいから、それだけでいい。そういう自分のことのために委員長の肩書きであれやこれやの仕事をやっているとしたら、公私混同の少し悪い子かもしれないな、などと。
とん、とん、とん。靴が床を蹴る音がする。灰色のコースをリズム良く跳ねていく。階段を降りて、ゆっくり走って。校則は自然に守ってしまう。走らない理由がある子のことなんて、頭から抜けていた。
「お邪魔しまーす!」
そうして、私は保健室に飛び込んだ。絹を割くように、帳を開くように、薬品の匂いが少し漂う純白の部屋に足を踏み入れた。引き戸ばかりは静かに開けるのだが、それ以外は大きな音で。やっぱり私は元気を運びたいのだと、いつも通りここは開かれた空間だと、無垢な誤認を被ったままで。
返事はなかった。誰もいないのかと思った。
すぐそうではないことに気づいた。
確かに保険医や保健委員はいないけれど、薄い色のついたカーテンに包まれたベッドに人影、シルエットがある。ゆっくりとその身体を起こしたのが、見えた。私の声で起こしてしまったのだろう。
「ああっ、すみません」
すぐさまカーテンの奥に向けて謝る。この声もどうにも大きいかもしれない。小回りが効かないところは私の悪いところだ。ここで謝るのは更に余計かもしれない、そういうことにもあとから気づく。とはいえ、人はそうすぐには変われない。そこまで言い切ってしまってから一寸どうしよう、となって、
「いえ、こんにちは」
──音もなく、カーテンが開いていた。その白い手で開けていた。少し長めで無造作なウルフカットの芦毛だった。薄く笑みを浮かべて、青い瞳は穏やかに見えて、私の方に向いていた。青い、柔らかい、温い、彩がない。色々な印象が、私の中にとどまらず素通りしていった。
彼女は木陰の人だった。
結局残った形容は、最初の印象というものは、そういう具体性を欠いたものになったことを覚えている。つまるところ、感情を揺らされていたのだと、あとからならなんとでも言える。何も言えなくなるくらいに。だけどその時の私は、いっぱいいっぱいだった。初めての感覚を、呑み込む術を持たなかった。
唾を飲んだ。目は逸らさずにいた。見失いたくなかったのかもしれない。言葉を失っても、ここで逃げ出すわけにはいかなかったのかもしれない。あらゆる理由は思いつかなくとも、そう思っていたのは間違いない。
「──ああ、知ってる人だった」
彼女の第二声が、私を捉えて離さなかったから。
セイウンスカイ。私の一つ上の世代で、私と同じクラシック三冠最後のレース、菊花賞を勝ったウマ娘。春の天皇賞で一年ぶりに復帰し、私と一緒に走り、
一緒に負けてしまった子。
私たちは、過去になってしまったのだろうか。世間の話題は過ぎて変わって、忘れ去られる者たちがいる。忘れられたことを知らないで、走るしかない私たちがいる。
「そんなに身構えなくてもいいですよ、トップロードさん」
ぎぃ。ベッドから、重量が離れる音がした。私のことをしっかり知っていることや、ちゃんと彼女の重みがそこにあったことに安堵していた。そんなふうに、考えてばかりだった。柄にもなく。あちらばかりが話していた。動けなかった。
だからそんな私の手を、乾いた手のひらが絡め取った。
「私と、お喋りしましょうよ」
そう囁いて、腕を引く彼女が。
「……えーと、はい。いい、ですよっ」
私の何かを引きずり取って、そんな言葉を引き出した。
誰もがこの世界で生きている。太陽の下は眩しくて、それ以外の場所が見えなくなるような世界で。綺麗なものだけがいのちと呼ばれて、少し汚れたものには一つくらいしか道がない。愛されるくらいしか、生きていく方法がない。
ああ、
どうして出逢ってしまったのだろう。
私とスカイちゃんは、まだ一人と一人だった。
※
「えっと、話って何を」
「知らない人の誘いに乗らないって話ですよ」
ベッドまでトップロードさんを連れてくると、今更そんなことを言われた。ので、適当にあしらった。誘ってはみたものの、特別話す「必要」なんて特にない。お喋り、とはそういうものだ。私はベッドのふちに座ったが、トップロードさんは立ちっぱなし。うしろにもう一つのベッドがあるのにね。まあいいか。人はしばしば何をすればいいかわからなくなる。この人もそういう状態。
自由だと困るのだ。暇つぶしとか、散らばっているものはどうしたっていいとか、そういうある程度の自由。選択の余地に放り出されること。それでしんどい。わからない。よくあることだ。
けれど彼女にとって、こういう人にとって、そんなことは当たり前ではないのだろう、と思った。物事には理由がある。関係には名前がある。そういう顔だ。何かがあると確信してか、連れてきたのにそこで立ちっぱなし。騙されやすそうだ。
真面目な人なのはよくリサーチさせてもらっているが、ここまで私とかけ離れているとは。笑えるかもしれない。
「……いや、知らないことないですよ、スカイちゃんのこと!」
「あはは」
本当に笑えた。
「そりゃあ、知り合いではないですけども」
「お互い顔は知ってますね」
「名前も知ってますよ」
「それくらいですかね」
「まさか。他にもありますよ」
ぴん、と人差し指をにこやかな顔の横に立てて、トップロードさんも笑う。多分頬の歪み方は私とずいぶん違う。まあでも私たちは笑った。一人と一人。
「まず、黄金世代」
「誰でも知ってるやつですね」
「菊花賞ウマ娘」
「あなたもそうですね」
「……教室でよく寝ている」
「昔の話ですね」
これまた全部雑に切り捨ててみると、わかりやすく耳の先から顎の下までしおれていった。思ったよりは知られていたから、0点みたいな言い草は良くなかったのかもしれない。はは。
私は有名人だったのかもしれない、などと当たり前のことを考えた。人と話すのはいい刺激になる。一度のしおれはなんのその、トップロードさんはまた話しかけようとしてくる。すすっと下がって反対側のベッドに腰掛けて、全身の体重をあっという間にこの場所に預ける。私が連れ込んだのだが、長時間コースだ。
なら、こちらから。
「トップロードさんは、どんな人なんですか」
自己紹介というものを、促してみよう。
ああ、だって、なんとなく。意味のある付き合いになりそうだと思ったから。あなたが思うような、名前のつく関係かは、知らないけど。
私の気まぐれで中身のない会話に誘ったはずだったのに、自己紹介の問答のようになってしまった。お喋りは停滞と安寧のためにあるはずなのだが。
つまるところ私から発する言動に意味はなく、私が促す言動にも意味はない。私がほとんど無意味に近い。少し前はともかく、今はそう。故に「意味のある」付き合いなんて私の思い過ごしで、よくて今日止まりだろう。いつもならそう言い切ることができたとして、今日はそこは立ち止まった。いつも通りに違いない、なんてのは感覚によるものだからだ。
感覚より経験則、今の私はそうに決まっている。私の感覚が正しいことはもうないから、石橋を叩いて生きている。私の経験はあらゆる過ちを通ったから、自動的に正しくなる。老いたる知恵。霞に満ちた道程の過去。
だからそういうことになった。
この関係に意味ができるとしたら、私の今には何かがある。今の私に価値がある。私はどうやら、死んでいない。そういう確認ができる。
「聞かせてくださいよ、病床の慰みに」
足を上げて、布団に差し込む。布団からはみ出た半身を傾けて、顔だけ話を聞くように。窓の外の太陽が見えなくなった。
「……あはは」
日差しに目を細めながら、困ったように笑う誰かだけ、見えた。
「そんなに、すごくはないですよ」
なんでもない時間だし、なんでもない空間だ。閉じた時空で、一人が二つに増えただけ。
※
私が絡め取られた(瞬く間にベッドまで連れ込まれたので、こう表現する)のは、彼女を放って置けないとか、私がこの子に我慢ならないとか、そういうことではないと思った。
他人に気を揉んでばかりなのは確かだけれど、こういうことはない。自分のトレーニングをすっぽかしてまで時間を過ごすことは。息抜きを自発的に選ぶことは、私の中では難しいことだ。
ただ、今日は選んだ。なんとなく。いつもと違うかもしれない自分を、だ。スカイちゃんの前だから特別、でもいいかもしれない。どう特別なのかは、よくわからないけれど。
「そんなに、すごくはないですよ」
そう言ってみると、
「……本当に」
私の悩みや失敗や後悔や魂が、真っ白い中に吸い込まれていった気がした。
だから特別。だから不思議。言えたし、思えた。目の前にある大きくて隙間のない岩だったものが、実はさらさらと溶けていく砂だったと教えられたような。
そういうものだから、不思議と言えた。岩が砂になるわけはないし、私の悩みが言葉になるわけはない。それくらいには思っていた。
「あんまり、勝ててないですから」
だって、それは純然たる事実でしかなかったから。素直に、まっすぐに。そう表現したら私らしいのかもしれないけれど、「らしくない」と、自分のことを思った。後ろ向きだから。すると、なのに、少し笑って、
「なるほど」
「なるほどって、なにがなるほどなんですか」
くすんでいないけれど、広くはない。そういう不思議な瞳だ。一緒に走ったのはあの春天だけだし、つまり真正面からは見たことがない。
関係としてもそうだ。「スカイちゃん」なんて、名前を呼ぶのも躊躇うくらいの距離感だ。他人と他人。一人と一人。何も起きなくて普通。その一方で、誰にも見えない自分がここにはいた。私も見たことはなかった。だけど、いたのだ。
ああ、
私はこんな弱音を吐けるのだ、と。
そう教えられた気がした。
そしてそれはもしかして、スカイちゃんの前なら。
「期待、してもらってるんですけどね」
「期待されてるから、頑張るんじゃないんですか?」
「誰でもそういうものでしょうか」
「私もそうでしたよ」
「スカイちゃん、過去形はだめですよ」
「あはは」
スカイちゃんは、抜け落ちるように笑みをこぼす。そうでした。期待されていた。今は、もう。誰が見ても、諦めているのだろう、と思う。そう聞こえる言葉と、笑み。
軽くて、目一杯な笑みだ。前向きさに繋がる要素を一つも持っていないように。ならばそのことはたしなめなくてはいけないのだろうか、と迷った。迷って、やめた。これも私らしくない。普段なら、何か気づいたら言ってしまう。引っ張ってしまう。そういう自覚も、俯瞰も、全部があなたに促されている気がした。関わりが薄いからとかではなくて、私もここでは後ろ向きだから。
この時この空では後ろを向いている。
私も、あなたも。
「サボってもいいんですよ」
また促されて、
「そういうもの、でしょうか」
ベッドから垂直に伸びていた半身が、猫背になった。同じ体勢を取ろう、そう言わんばかりに。
その勢いでばたん、と、座り込んでいたベッドへ横向きに倒れ込んだ。足だけ投げ出して、天井が見えた。どこもかしこも、保健室は白かった。傷のない色だった。ここにいるのはきっと怪我人ばかりなのに、不思議だ。そして、私も病床に伏せてしまった。保健室の住人になった。こうして、なったのだ。
「じゃあ、一緒に」
まだ自己紹介の途中、どころか冒頭だったと思うのだけれど、二人ともベッドに倒れ込む。僅かに軋む音が互いにする。そうするとなんだか全身の力が抜けてきて、リラックス。
そこでようやく最後に気づいたのは、このセイウンスカイという子の目的だ。不意に私を誘って、ベッドの方で話をして、だらだらと時間を過ごして、あまりよくない言葉を吐かせて。
「寝ましょうか、ね」
私がそう言った。スカイちゃんの、目的を。返事はないけれど、横からも布団に倒れ込む音が聞こえた。合図はないけれど、目を閉じた。靴を脱いでいないのを思い出して、左右の足を絡ませて靴下になった。
すべてが肯定。互いの存在と行動の、後ろ向きさについて。
布団の中に丸まった。
とん、と投げ出される音が聞こえた。色々なものを二人とも投げ出したのだ。二人で投げ出したのだ。
薄い掛け布団を被った。意識を落とす前に、少しだけ傍に向けて目を開いた。
「見ないでくださいよ」
そう言うスカイちゃんと目が合った。
朝飾れ
朝は寮だ。ちゃんと。伸びをして屈伸をして、私は私を叩き起こす。身体が鈍って仕方ない。
「おはようございます」
「んぁ……おはよう、スカイちゃん」
同室はサクラローレルさん。あくびをしながら起きてきた。ので、先に起きた私はその口が開いて閉じるまでの一部始終を見守っていた。カーテンはまだ閉めている。待っていたわけではなく、私からは開けようと思わないから。
そういうことにさせておいて。
「スカイちゃんは早起きだね」
「最近はそうですね」
「昼になったら寝てるのに」
「それは前からですよ」
のらりくらりとかわしてみたいものだが、どうにも食いついてくるのがローレルさんという人だ。それでいて保健室でのサボりは許してくれる。今の私は、昔の私とは違うと知っていて。
「じゃあ」
パジャマ姿で寝ぼけ眼なのに、よろよろと倒れた状態から起き上がったばかりなのに元気に見える。それがローレルさん。態度が元気なのではなく、様子が折れない。そういう人なのだろうと、散々思い知っていたけれど。
「最近変わったことは、なんなのかな?」
直にぶつかる相手になってみて、私を見守るのではなく追い詰めるようになった今は、私じゃ勝てないかもしれないと思った。
つまるところ、相容れない。勝負になった時点で、一緒にいてもいいことはないということだと、私はそう思ってしまうようになったから。
ぴりぴりする。縛り上げられるように。なのにこの瞬間も余裕がない時の笑い方をしてくれないから、この人は不思議だ。問い詰めて追い詰めるたびに何が起きているのかわかっていて、白々しいとすら思われているのに。日差しはカーテンをすり抜けている。
「そうですね、変わったことといえば……知り合いができたんですよ」
「へえ」
「それくらいですね」
「それくらいなんだ」
「はい」
「その人は、何が違うの?」
今までの知り合いとの違い。そんなのはまあ、決まっている。
「私を知らないことですよ」
はっきりと口が動いて、即答とはまさにこのことだと思った。声が喉を通っていた。
「そっか」
それきりだった。
多分私がこういう思いをさせているのは、この人だけではないのだろうと思った。
相容れないとは言った。でもいい人なんだ。
私の周りには、本当に大切な人たちがいる。そのことだけは、大切だということだけは、過ぎ去ったものにしたくない。何もかもを捨てたいのに、捨て方を丁寧にしたいなんて、エゴだけど。ただのエゴだけど。
ああ、ごめんなさい。それでも今は、あそこにいます。みんなじゃなくて、自分一人を閉じ込めます。前を向くためだから。
頑張りますから。
まだ大切なままの人たちに、みんなにそう叫んでいる。
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