>>1「すべてのポケモントレーナーは孵化厳選をやめろ」   作:一宮 千歳

10 / 11
はじめてのテラレイドバトル(⭐︎1)

「最終進化って…どうやって?」

「まず、これを使う」

 

取り出しましたるはがくしゅうそうち。

バトルに出ていないポケモンにも経験値が入るようになるという便利アイテム。こいつのスイッチをONにしましてー。

 

「そんでそらをとぶタクシーに乗って、しるしの木立ち前のポケモンセンターまで行くぞ。たぶん分布的にどくポケモンが多くて、スターミー一体でなんとでもなる筈だ」

「ええ!? タクシーは使いたくないんじゃなかったの!?」

「レベル上げしかしないからノーカン!!!!」

 

パーっといってパーっと帰ってくるだけよ。旅の醍醐味は後でいくらでも味わえる……といいな。

 

「といいなじゃなくてー! あとウチは! ウチはどうしたらいいのその間!」

「……アカデミーで座学?」

「……現実的にはそうだけどさあ……こう……なんかないの?私のげーたもレベル上がるような……」

 

そんな都合のいい手段があるわけ……あー。一個だけ、あるか?

 

「テラレイドバトル……?」

「……ああ、なんかテラスタルしてるポケモンが住んでる洞窟に行って、それをみんなで倒すってやつ?」

「そうそれそれ。俺のスターミーで倒せるレベルの奴を総浚いする、アオイはそれについてくる」

「やろう」

「やろう」

 

そういうことになった。

 

---

 

で、テラレイドバトルができそうな結晶洞窟の前である。

中にいるのは……わかんねえ!

パッと覗いた限り全く見えないわけじゃないんだが、いかんせん……

 

「テラスタルジュエルが主張激しすぎてなーんもわからん……」

「いや、肉眼で除く必要ないでしょ。ほらウチのスマホロトム見て」

 

言われるがままにアオイのスマホロトムを覗き込む。

なになに。危険度は⭐︎一つ、テラスタイプはどく、自然消滅まであと11時間……そして、このテラスタルの洞窟に住むポケモンのシルエットが表示されている。

 

「へー、スマホロトムだとこんなアプリあるんだな、めちゃ便利」

「ジニアせんせーから教えてもらった。これとパルデア図鑑ってジニアせんせー作のアプリらしいよ」

「ジニア先生ド有能じゃん……!」

 

別のクラスの担任だったから特に話しかけたりしてないのだが、そりゃ話しかけないのがアド損にもほどがあるだろ。

まあ俺のホウエンからこっち使ってるポケモンマルチナビに対応してなきゃ使えないわけだが、十中八九対応してないだろうな……。

 

「で? このシルエット何かわかる? 私はわかるけど?」

「ナメんな。こいつは……」

 

 

----

 

「こんっぱんっ!!!!!!!!!!!」

 

クソデカ鳴き声。そう、ここのどうくつにいたのはコンパンだったんですね。

 

「うえー。ウチ、コンパンって目がでっかくて苦手……」

「そうか? その目がラブリーじゃないか? あとちんまいおてて」

「ポケモンの趣味は合わないね…… 行って!げーた!」

「そうそう、観察に来たんじゃなくてバトルだな! スターミー!」

 

さて、テラスタルは転生者掲示板と座学両方で学習したが、1番大きな特徴は「技を受けるとき、タイプ相性は元のタイプの相性ではなく、テラスタイプの相性になる」ということ。コンパンは本来むし・どくタイプだが、今回テラスタイプがどくタイプなので……。

 

「あーん! げーたのひのこが効いてないように思える…… でもあきらめない! またひのこだよ! げーた!!」

 

こうなる。どくはほのお等倍で受けるからね。

 

「ねーなにやってんのー!攻撃しなよー!」

「待ってくれ、俺は今初めての野生のポケモンとの真っ当なバトルにモーレツに感動しているんだよ……!」

「うっそ!?!? ……ちょっと待ってげーた、なんでひのこしなくなっちゃってるの……かなしばりぃ!?」

 

嘘ではない。トクサネに野生ポケモンが出る草むらはないし、パルデアまで来る船旅はトレーナー戦しかしてないし、パルデア着後はそらをとぶタクシーでテーブルシティに即移動したあと勉強漬けだ。

なので、このテラレイドバトルが俺の初野生バトルなのだ。そうは見えんかもしれんけど、実際そうなのだから仕方ない。

 

万感の思いを込めて、俺はスターミーに指示を出す。

 

「スターミー、サイコキネシス!」

「!」

 

スターミーの サイコキネシス!

こうかは ばつぐんだ!

やせいの コンパンは たおれた!

 

はい。初めての野生バトルはワンパンで終了でした。

 

---

 

「このコンパンは捕まえない?」

「愛せない相手と一緒にいても仕方ないと思うの」

「さよけ」

 

そもそもアオイにむし・どくの適性は無さそうだな、と思いつつ気絶したコンパンをそのままに洞窟を退出。するとテラスタルの輝きをもった結晶でできた入口がさらさらと崩れていき、後にはちいさなけいけんアメと、ハネ、小さなキバが残された。

 

「あ、これちりょくのハネだ。キバの方は……コンパンのキバ? ポケモンの落とし物ってこういう感じなのか」

「このどうぐたち、もらっていいのかな……?」

 

前世の経験から言うといわゆるレイドバトル報酬なんで俺たちのものでいいと思うが、なんで遠慮してるんですかねアオイは。育ちがいいのか?

 

「俺たちのもんでいいだろ。山分けだ山分け」

「キバは遠慮しとくね……なんか生々しいから……」

 

というわけで俺の取り分はけいけんアメSが2個、XSが1個、ちりょくのハネ1枚、コンパンのキバが2個となった。

 

「コンパンワンパンしてけいけんアメ3つはちょっと効率良すぎないか」

「そーなの?」

「毎日あの牧歌的バトルやってただろ、あれ全部合わせたよりこっちのが稼げてるはずだ」

「そーなの!?!?」

 

ソーナノになるな。まあなっちゃってもしょうがないけど。

 

思ったより効率良さそうってことでこのあとめっちゃテラレイドバトルした。

けいけんアメSそこそこ貯まったけど、いくつぐらいでレベル36になるかな…

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。