異端の武具職人が神の領域を目指すのは間違っているだろうか 作:のん野のん太郎
今回は後書きにカルロ君の容姿を書きます。
解釈不一致でショックを受ける人は見ないことを推奨します。
見た目で何かしらのイベントが発生する訳では無いので、見ても見なくてもOK
書くのは
肌の色、髪、顔、身長、体格
です。
「ぐぉ!?」
「ヴェルフ!」
ヴェルフはアルミラージの小さな体に翻弄され、大剣を当てることが出来ずに攻撃を受ける。やはり大きな武器とアルミラージは相性が悪い。厳しいか。
横から追撃を繰り出そうとしているアルミラージをクロスボウで射抜きながら考える。
陣を組んでからしばらく経つと、徐々に弱点が明らかになってきた。ヴェルフが苦戦する分ベルのカバーしなければならない範囲が広く、それに加えて絶え間無く襲来してくるモンスターによってベルは体力を着実に削られ、ヴェルフは傷を増やしていった。
だがそれにしてもモンスターの数が多い。異常とも言える程に。今も後ろからヘルハウンドとアルミラージが二匹ずつ湧いた。
それをすぐさま投げナイフで潰し、投げたナイフを回収する。
今のところ大きな負傷こそないが、現状維持で手一杯といった具合で、ヘルハウンドの火炎攻撃や追撃の妨害が遅れると危険な状況だ。
「一旦壁際に下がろう。俺とベルが相手するから、ヴェルフはポーションを飲んでくれ」
「うんっ!」
「そうしましょう!」
「悪いな……」
壁際に下がると目を離した隙にモンスターが増え、夥しい数となって俺たちを囲んでいた。マジでこれ異常だぞ……今も後ろの壁で湧いてる。
この量を一回リセットしないと数で潰されるな。
「ベル、右をしばらく抑えてくれ。すぐにカバー入る! リリルカはポーション渡したらベルの援護頼む」
「了解!」
そう言うとポーチに入った暴風球を適当に投げる。そして暴風域の間に挟まっている、動きが制限された群れに向かって『大樹』を薙いだ。
その威力にものを言わせた斬撃はほぼ全てのモンスターを両断し、灰になる。そのまま暴風域に投げナイフを投げ入れると暴風域の中のモンスターも切り刻まれて灰へ変わった。そして討ち漏らしは『雪鋼』で即座にトドメを指す。
ベルの方を見ると着々とモンスターを減らしているが、ベル側からモンスターが湧き出ている。
やはりマズイな……投げナイフの回収する暇が無いし、ナイフだけで捌くのもキツい。このままだとジリ貧だ。
「ベル、ちょっと下がれ!」
「う、うん!」
ベルに群れから離れてもらい、間に暴風球を投げ込んで壁を作る。
当然俺に向かってモンスターが進んできた。
「ここからしばらく戦えなくなる。悪いが階段まではベル達が戦ってくれ。」
不本意ではあるが全滅の危機に出し惜しみをしていられない。
『大樹』の特殊能力を使うしかない。
前に使った時は『
『大樹』に意識的に精神力を流し込み、構える。すると巻きついた蔓がみるみる伸びていき、生き物のように揺れた。
そして伸びた蔦が複雑に重なり合って絡まり、一本の巨大な鞭となる。
巨大な鞭は意志を持っているかのように凄まじい速さでモンスターを横薙にし、叩き潰す。そして生き残ったモンスターへ蔦が伸びて胸に突き刺さり、直接魔石を砕くことによって灰に変えた。
今も尚吸われている精神力を塞き止めると蔦が戻っていき、元ある場所に戻る。
「あーやっべぇ……」
ふらつく体を『大樹』を杖がわりにして何とか耐え、バックパックのポケットに入っている精神力を回復させるポーションを飲む。
「カルロ、大丈夫!?」
「ああ。足を引っ張るようで悪いがしばらく休憩するか、一度戻るかした方がいい。さっきも言ったが今日のモンスターの量は異常だ。もう少しで動けるようになるが、多分今日はやめといた方がいい」
「そうですね……カルロ様やヴェルフ様も万全とは言えません。一度帰還するべきです」
「そうだね。リリとカルロの言う通り、一度退こう」
そう言って一旦戻ろうとした時、事件は起こった。
明らかに万全とは言えない様子の俺達の間を一つのパーティが走り抜ける。複数のモンスターをつれて。
「やべぇ、押し付けられた!」
「……え?」
「リリ達は囮にされました! すぐにモンスターがやって来ます!」
『
ダンジョン内で度々行われる作戦、戦術の一つだ。自パーティが遭遇したモンスターを退却の際に様々な方法で別パーティへ押し付ける強引な緊急回避。
他者に対する不干渉が暗黙の了解としてあるが、命の危険が迫っている時など、背に腹はかえられない切羽詰まった状況に行われる。不慮の事故が何度も起こるダンジョンは、パーティ間で頻繁にやり取りされる、常套手段とさえ言われるものであった。
だがそれはあくまで相手に余裕がある場合に限る。
俺達のような余裕が無い状態のパーティに押し付けるのは『間接的殺人』と言われることさえあった。
それを今やられた。
「クッソやべぇぞ。構えろ! 俺が殿、ベルが先頭、階段まで下がりながら戦うぞ。ヴェルフは俺の援護、リリルカはガイドを!」
頭を強く振ってふらつく頭を覚醒させる。
そしてやってくる群れを暴風球で足止めし、飛び出してくるアルミラージを『雪鋼』で魔石ごと貫く。
ヴェルフも大刀でヘルハウンドの頭を斬り落とし、ヴェルフの魔法で火炎攻撃を暴発させる。
そのまま逃げていると足が止まった。
「カルロ様、前にも!」
「ヴェルフ、前頼む!」
「応!」
前からもモンスターが現れ、完全に挟み撃ちの形になる。
このままではすり潰される、そう考え、最後の暴風球を投げて風の壁を作ってベル達側を突破。
投げナイフを使って俺が出来る最速の殲滅。
風の壁が消える前にこの場を離脱しようと走る。
そして逃げた先にモンスターに遭遇。息をつこうとすれば咆哮によって警戒させ、地面を揺らすことで動揺させる。
それを何度も繰り返した俺達は徐々に余裕が無くなっていき、張り詰めた精神と疲弊した体では練った作戦も機能しなくなっていた。
まさに砂の城、あと一押しで崩れる程に崖っぷちだ。
そんな中で、狡猾なダンジョンは満を持して牙を剥く。
ビキリ
息をついた途端に不穏な音が通路に響き渡る。壁を見渡すが、何も無い。
しかし、ビキリ、ビキリとモンスター出現の合図が続く。
最初に気づいたのはベルと俺だった。頭上を見上げると、蜘蛛の巣のような大きな亀裂。
それが今いる通路の天井に広がっていた。頭上だけでなく見える範囲全ての天井に、だ。
「広すぎる……」
思わずそう漏らし、ベル達の顔から血が引いていく。ここからモンスターが。
そう思ってバックパックに手を突っ込み、天井に向かって投げる。
「こっちに寄れ!」
そう叫ぶと呆気に取られていたベル達が近づいてくる。
すると投げられた黒い辺のみの四面体は形を変えて俺達全員を覆う防護壁に変わった。地面に三つの柱が突き刺さり、四面体の面部分が透明な壁で覆われる。
そして遂に天井が決壊した。盛大な破砕音を撒き散らし、天井が見えなくなるほど夥しい数の『バッドバット』が生まれ落ちる。
『キィァァァァァァ!!!』
甲高い産声を発しながら散っていくバッドバット。周囲が一切見えなくなる程群がられるが、防護壁の展開が間に合った為視界が塞がれるだけで済んだ。
「危なかったな……」
「ええ、本当に」
そう言っていると、モンスターが湧いたことによって穴だらけの天井が、崩落した。
バッドバットで見えない中で、突然の落盤。降り注ぐ殺人的な岩の雨。
凄まじい轟音と体を削り取る大岩、そして滝の如く降り注ぐ土砂。
それに防護壁は耐えきれずに柱が一つ折れる。おそらくあと二本も時間の問題だ。
「みんな、僕が穴を開けるから、そこに逃げよう」
徐々に暗くなる防護壁の中でベルの手がリンリンと鈴の音を響かせながら淡く光っている。
何かあるのか、そう問う暇もなく、信じるしかない。
「わかりました」
「ああ、頼むぜ」
「やろう」
ベルが頷くと、カウントダウンが始まる。
「三──二──」
柱がもう一本折れた。あと一本だ。
「一…………ファイアボルト!!!!」
ベルが咆哮すると巨大な炎雷が壁を突き破り、積もりつつある瓦礫を吹き飛ばして道が出来る。
その穴にリリルカ、ヴェルフ、俺、ベルと飛び込み、我武者羅に逃げる。岩が落ちてこない方へと、仲間を気にする余裕など微塵も有することが出来ないまま。
体に岩を受けつつ、耳に響く怒号を聞きながらもがき続けた。
そしてようやく落石の雨が収まった頃。
通路全体の土煙が漂い、誰かの呻き声がどこからか漏れてくる。
誰であろうと少なからず負傷しているだろう。
「ぐっ、うぅっ……」
身体中に出来た打撲と擦り傷を庇いながら立ち上がると、額から血を流すベルを確認できた。
しかし。
『ガァ……!』
唸り声が響いた。すかさず音の出処を向くと、犬の影がいくつも。ヘルハウンドの群れ。
ベルも声を失い、唖然としている。
「マズイ……!」
全てのヘルハウンドが地に伏せた。火炎攻撃の予備動作だ。
すかさず周囲の石を拾って口に投げつける。
口内が赤熱し、火気が迸る口に石が命中したヘルハウンドは中断したが、頭を強く打ったためか、数体は石が当たらず。
そして一斉に頭を振り上げて炎の塊が放たれた。
幸いと言うべきか、倒れているリリルカやヴェルフには向かわずに俺とベルに炎が突っ込んできている。すかさず炎の塊に大きめの石を投げると、着弾点で爆発して炎を撒き散らす。
そして周囲を見渡すと『大樹』の柄が土砂から顔を出しており、手に取る。
バックパックも見えているが今はいらない。
石をいくつか拾って走り出すと三匹のヘルハウンドは突っ込んできて、二匹は火炎攻撃の予備動作を開始した。
火炎攻撃をする二匹には石を投げ、向かってくる相手は『大樹』で叩き潰す。
先頭のヘルハウンドを突き刺し、横の一匹を強かに叩きつける。そして残り一匹の攻撃を避けて首を落とす。
そこから二匹のヘルハウンドも屠って座り込んだ。
「はぁ、はぁ……生きてるか……?」
「ぼっ、僕は大丈夫……」
「リリも、生きてます」
「俺も生きてる。負傷しちまったがな……」
辺りから声が上がる。何とか凌いだようだが、これからどうするか……
痛む頭を押さえながらベルと協力してヴェルフ、リリルカを助け出す。
その後回収出来る装備は回収して座る。
そしてこれからどうするかを話し合った。
ここから下カルロ君の容姿
肌─めっちゃ薄い褐色
髪─ダークブロンド。伸びれば括って、それでも邪魔になればバッサリ切る
顔─整ってるけどエルフの顔面暴力には及ばない。瞳は薄い緑。笑顔はニコリと言うよりニヤリ
身長─178C(ヴェルフよりちょっとだけ大きい)
体格─オッタルを100としてベル君を50とするなら、70くらい。