異端の武具職人が神の領域を目指すのは間違っているだろうか   作:のん野のん太郎

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評価ありがとうございます。
繋ぎ回ですので、非常に短いです。
何故か凄く難産でした。


第18話

 

「……何やってるんですか」

 

 テントを出て、しばらく進むと吊るされてるヘルメス神に出会った。正しくは吊るされているのを下ろされている最中の、だが。

 顔をニコニコと笑わせながら礼を言っているが、下ろしている女子達は完全無視。

 

「おや? 君はカルロ君、だったね? 聞いてくれよ!」

 

 身体が自由になった途端肩を組んできた。初対面の時も思ったが、距離詰めるの早いなこの人。

 

「はい、何でしょう?」

 

「君は極上の果実が手に届く場所にあるとすれば、手に取ろうと……せめて一目見ようとするだろ? 例えそれが許されないことでも……!」

 

「話がよく分からないんですが、駄目なら駄目なんじゃ?」

 

「いやいや、そんな事では…………おっと、そろそろ時間だ。じゃオレはこの辺で」

 

 一つ一つの動作が演劇のワンシーンのようだ。そうして呆気に取られていると、さっさと服を整えて眷属のメガネをかけた人と去っていった。

 軽い会釈を受けたので、俺も会釈して返すと奥の森へと消えていく。

 ……っとこんな事してる場合じゃない。

 

 ベルがいると聞いたテントの前に立ち、中で話し声が聞こえた為声をかける。

 

「ベル、いるか? カルロだ」

 

 すると、テントの中からすぐに入って大丈夫、という返事が返ってきた。

 そのままテントに入ると、ヘスティア神も中にいる。

 そしてお邪魔します、と礼をしてベルに向き直った。

 

「俺の前行部隊への参加の許可を貰いに来た。本当に申し訳ないのだが、俺の怪我の様子を医療系【ファミリア】で一度診たほうがいいらしい。今は動けても、岩の破片次第では重大な事故になる場合があるとかで」

 

「そんなっ、大丈夫なの?」

 

 事情を聞いたベルは顔を青くさせ、眉を下げて悲鳴をあげる。

 

「いや、そこまで大したことじゃないんだ。万事をとってってだけで、現状体は普通に動かせるし。だが最悪を考えて、前行部隊の二陣で帰ることを提案された。またしても不義理を重ねるようだが、どうか許可を貰えないだろうか?」

 

 頭を下げて頼む。ベル達の前行部隊への編入も申し込んだんだが、その枠は俺みたいな負傷者で埋まっており、俺を入れるのでギリギリらしい。

 助けられている身でそれ以上の我儘は言えなかった。

 すると、ベルは当然のように許可をくれる。

 それにありがとうと礼を言って頭を下げて、ベルとヘスティア神に地上で奢らせてくれ。と約束してから挨拶をする。

 その後、ヴェルフやリリルカに挨拶をしてから前行部隊の二陣で帰還した。

 前行部隊の一陣が『ゴライアス』を瞬殺したのには顎が外れる程驚いたし、格の違いを感じた。

 そして【ロキ・ファミリア】と【ヘファイストス・ファミリア】の万全の護衛は揺らぐことなく、俺はモンスターを見ることすら無い。

 地上に上がると主神様がダンジョン前で待っており、迎えてくれた。

 ヴェルフや俺含めたパーティ全員が無事であると報告すると表情を緩める。

 

 そして【ディアンケヒト・ファミリア】で背中の怪我を診てもらうと破片が残っているらしく、再び背中を開いて破片を取り除いた。

 取り除いた破片は岩の先端部分で、そのままでいると突然下半身が動かなくなる、なんて事が起こったかもしれないそう。それを聞いて冷や汗と悪寒が走ったが、もう大丈夫らしいので、一安心だ。

 治療を終えてから眠り、一夜明ける。

 

 朝早くに起床し、完治を告げられてから本拠地に戻り、詳細を主神様に報告する。

 モンスターの異常な湧き方や『怪物進呈』含めて全てを。

 それを聞いた主神様は何かを考える素振りを見せた後に俺を労い、しばらく休むように告げた。

 その言葉に従って自室に戻り、ベッドに座って今回の反省点を考える。

 一つ目だが、一番大きいのは実力不足だ。

 だからそれを細分化していこう。

 まずはステイタス。これは余裕を持ってモンスターを倒せている為、力や器用は問題無いだろう。強いて言うならば魔力と敏捷が足りない。俺の戦闘スタイル的に敏捷は伸びにくいし、それは現実的ではないか……

 ならば武器か。モンスターと『大樹』の相性が悪かったが、『雪鋼』があった為問題無い。

 だが投げナイフが回収出来ずにジリ貧になったという所は明確な弱点として反省すべきだろう。

 そしてそんな状況になる原因は武器を扱う技量が足りなかった。

 

 次は指示の遅さか。

 モンスターの異常な量を見た時点で撤退を考えるべきだった……というのは結果論になるかもしれないな。

 

 

 

 色々考えた。これから俺がすべきことを。

 そしてそれはやっぱり、武具を作ることでは無いだろうか。

 なんでそうなるんだよ、と思われるかもしれないが、俺は武具職人である事は変わらない。だから、色々な武具を作って強くなる。

 技量は本職に対抗してもいい事がないし、中途半端な技量を身につけるよりも何でも操れる程度でいい。

 そう結論づけた。

 何でもできる必要は無い。俺がすべき事はモンスターを沢山倒すのではなく、モンスターを沢山倒せる武器を作り、それを主力に渡す事だ。

 

 多少迷走しかけたような気がするが、出た結論は武具を作る者としての王道に戻った。

 確かに最近はダンジョンに潜りすぎていたな。

 これからは武具作り強化月間だ。

 

 

 その翌日にベル達との打ち上げをしたが、どうにも様子がおかしかった。何かあったのかと聞くが、バレバレの嘘でナニモナカッタヨと言う。

 少し気がかりには思ったが、まぁいいだろう。程よく騒げたし、いいストレス解消になった。

 区切りもついたし、やる気も出た。明日から本格的に武具作りを開始する。

 大量の食料を買い込んで作業場に到着。

 明日からは素材を買いこんで籠るぞ。

 ありとあらゆる武器を作り、あらゆる状況に対応出来るようになってやる。




はい。黒ゴライアス戦はやれること皆無だったのですっ飛ばしました。
今までダンジョン多めだったので、ここからは武器いっぱい作ります。クロスオーバーのタグが火を吹くぜ!
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