バカとアクマと召喚獣   作:レーラ

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遂にAクラスとの戦いが開幕!


第十五問 VS Aクラス戦

 突然だけど、今私達FクラスはAクラスの教室にいる。ここでAクラスとの五対五の一騎討ちが行われる。そして、三勝したクラスが勝利。至極単純なルール。

 

「では、第一試合を始めます。一人目の方、前へ」

 

 Aクラスの担任かつ学年主任の高橋先生が立会人を務める。

 

「アタシから行くわよ」

「では、ワシがやろう」

 

 お、いきなり木下双子対決と来た。Aクラスが相手であっても、姉の優子さんをよく知る秀吉君なら何か突破法が……

 

「所で秀吉」

「何じゃ?姉上」

「Cクラスの小山さんって知ってる?」

「はて、誰じゃ?」

 

 確か小山って……Cクラス代表の。確か優子さんになりすました秀吉君が汚い罵声を浴びせて……あっ。

 

「じゃあ良いや。その代わりちょっとこっちに来てくれる?」

「ワシを廊下に連れ出してどうするんじゃ姉上?!」

 

 秀吉君が攫われた!ヤバい!

 

『姉上、勝負は……どうしてワシの腕を掴む?』

『アンタ、Cクラスで何してくれたのかしら?どうしてアタシがCクラスの人達を豚呼ばわりしている事になっているのかなぁ?』

『ハッハッハッ。それはじゃな、姉上の本性をワシなりに推測して……あ、姉上んちがっ……その関節はそっちに曲がらな……』

 

 何が起きたかは語らないでおこう。すぐに優子さんが扉を開けて帰ってきた。顔に返り血をつけて。

 

「秀吉は急用が出来たから帰るってさ。代わりの人を出してくれる?」

「い、いや……ウチの不戦敗で良い……」

 

 ねえ、何でこの学校には私以外にもアクマがこんなにいるの?私の立場が無いんだけど。

 第一試合は雄二の申し出でFクラスの不戦敗になった。

 

 

Aクラス 木下優子 VS Fクラス 木下秀吉

 

生命活動   WIN     DEAD

 

 これは酷い。

 

「では次の方どうぞ」

「Aクラス、佐藤美穂。出ます」

 

 丸眼鏡を掛けたボブカットの女の子が名乗りを上げた。一見地味そうに見えるけど、どうなんだろうね?お手並み拝見。

 

「よし、明久。頼んだぞ」

「え?!僕?!」

 

 ウチのクラスからは雄二の指名で吉井君が出る。だけど吉井君って物理得意だっけ?これで負けたら後がないのに。

 

「大丈夫だ。俺はお前を信じている」

「ふぅ……やれやれ、僕に本気を出せってこと?」

「ああ。もう隠さなくても良いだろう。この場にいる全員に、お前の本気を見せてやれ」

 

 え?もしかして本当に得意なの?これ本当に勝っちゃうパターン?!だけど、こっそり聞いてみるか。

 

「ねえ雄二」

「何だ?」

「吉井君、大丈夫なの?」

「ああ、心配すんな。見てれば分かる」

 

 何か今の流れに裏があると見た。

 

「吉井君、でしたか?あなた、まさか……」

「ご名答。今までの僕は全然本気なんて出しちゃあいない」

 

 そう言って吉井君は左手にくっついた卓袱台の上に乗る。っていうかまだくっついてたんだそれ。 

 

「それじゃああなたは……!」

「そうさ、今まで隠してきたけれど実は僕……」

 

 

 

 

 

 

 

 左利きなんだ

 

 

 

 

 

Aクラス 佐藤美穂 VS Fクラス 吉井明久

 物理 389点      62点

 

 

 

 

 少しでも期待した私がバカだった。結局吉井君は召喚獣が受けたフィードバックをモロに受けた。ついでに卓袱台も粉々になった。

 

「捨て駒か」

「よし、勝負はここからだ」

「雄二!僕を信頼してなかったのか?!」

「勝つ方に信じていたわけではない!」

「本気の左を食らわしてやりたい!」

 

 まあそんなわけで、向こうが二勝してしまった。これでウチが負ける事は許されなくなった。そして、迎えた第三試合。

 

「……(ムクッ)」

 

 ここで土屋君がゆっくりと立ち上がった。

 

「じゃ、ボクが行こうかな」

 

 あれは工藤愛子か!一回だけ会った事あるけど、本当にAクラスなのか。いや、翔子の言っていたことを信じてなかったわけじゃないよ?けど何か、パッと見そんなふうに見えなくてさ。

 

「教科は何にしますか?」

「……保健体育」

 

 ここで土屋君が選択権を使った。保健体育は土屋君が最も得意とする教科。これならAクラスにも……

 

「キミ、土屋君だっけ?保健体育が得意なんだ。けど、ボクもかなり得意なんだよ?」

 

 あ、何かかなり余裕そうな態度。これはマズい。ここで工藤さんが勝ったら私が翔子と戦う前に負けてしまう。頼む土屋君、何としてでも勝ってくれ。

 

「それも君と違って……実技でね♪」

 

 ……それ関係ある?

 

「……実技」

 

 何を想像したのか土屋君の鼻の穴から大量の血が噴出された。そして土屋君はそのまま倒れた。

 

 やめて工藤さん!土屋君をこれ以上イジメたら出血多量で倒れちゃう!お願い死なないで土屋君!あなたがここで倒れたら、私と翔子の対決はどうなっちゃうの?!ここで耐えれば、土屋君は勝てるんだから!

 

 

「ムッツリーニ!何て事を、よくもムッツリーニを……」

「そっちのキミ、吉井君だっけ?キミが選手交代する?けどキミ勉強苦手そうだし、保健体育で良ければ教えてあげるよ。もちろん……実技でね♪」

 

 次回、吉井君死す。

 

「余計なお世話よ!アキには永遠にそんな機会無いから!」

「そうです!永遠に必要ありません!」

 

 もうやめて美波、瑞希。吉井君のライフはとっくにゼロよ!

 ま、まあ本気じゃないけど、吉井君が可哀想だし……ここは。

 

「じゃあ吉井君。私がその機会を与え……」

「マリもダメ!」

「そうです!いくらマリちゃんでも吉井君にはダメです!」

 

 別に保健体育(実技)を教えるわけじゃないのに、変な勘違いをした二人に全力で阻止された。

 

 だけど土屋君が徐に立ち上がる。鼻血は出ているけど、戦う力は残っているようだ。

 

「ムッツリーニ?!」

 

 あ、吉井君も復活した。

 

「……大丈夫」

「では、始めてください」

 

 高橋先生の合図で召喚フィールドが展開される。学年主任の高橋先生は全ての教科のフィールドを展開出来るからこその芸当だ。

 

召喚獣召喚(サモン)!」

 

 まずは工藤さんが召喚獣を召喚した。セーラー服姿に巨大な斧。あれはまさに一撃必殺の破壊力を誇るだろう……けどこれどういう組み合わせ?

 

「……召喚(サモン)

 

 土屋君の召喚獣。黒い忍び装束に逆手持ちの小太刀。

 

「実践派と理論派、どちらが強いか見せてあげるよ!」

 

 工藤さんの召喚獣が動き出した。振り上げた斧の刃が光る。

 

「バイバイ、ムッツリーニ君!」

「……加速」

 

 だけど、土屋君の召喚獣に装着されていた腕輪が光出した。その瞬間、光速とも言えるその速さの一撃が工藤さんの召喚獣を葬った。

 

「加速、終了」 

 

 土屋君が静かに呟いた。 

 

 Aクラス 工藤愛子 VS Fクラス 土屋康太

 保健体育 446点  VS  572点

 

「そんな……このボクが……!」 

 何が起きたのか分からず、そのままやられてしまった工藤さんはその場にへたりこんだ。

 

「っていうか、あの腕輪何?」

「知らないのかマリ?400点以上取った召喚獣にはああいう腕輪が付与される。点数消費する代わりに、様々な能力を発揮する代物だ」

 

 何それ凄っ。

 

「それでは第四試合を始めます」

「あ、はい!私が出ます!」

 

 ここで瑞希を出す。

 

「それなら僕が相手をしよう」

 

 眼鏡を掛けた男子が出てきた。彼は誰?

 

「久保利光か。厄介だな……」

「どうしたの?彼そんなに危険なの?」

「お前は知らないだろうが、あいつは学年次席だ」

 

 じゃあ翔子に次ぐ実力者って事か。確かに厄介だね。

 

「教科は何にしますか?」

「総合科目でお願いします」

 

 総合科目。全科目の点数が召喚獣に反映される。つまり順位がそのまま召喚獣の強さになってしまうというわけだ。

 

「それでは……」

「「召喚獣召喚(サモン)!」」

 

 Aクラス 久保利光 VS Fクラス 姫路瑞希

 総合科目 3997点 VS 4409点

 

 な、何いいぃぃ?!瑞希がぶっちぎりで超えているだとぉ?!しかも点数差が400点?!

 

「ぐっ……!姫路さん、どうやってそんなに強くなったんだ……?!」

「私、このクラスの皆が好きなんです。人の為に一生懸命な皆のいる、Fクラスが」

「Fクラスが好き……?」

「はい、だから頑張れるんです!」

 

 戦う理由が強い想いであればあるほど、人もまた強くなれる。それが二人の勝敗を分けた。

 瑞希の召喚獣が、久保君の召喚獣を聖剣で打ち払った。これで、二対二。これには高橋先生も予想外だったのか戸惑いが僅かに見て取れる。

 

「では最終戦を行います」

「……はい」

 

 遂にAクラスからは翔子が出てきた。となれば、その相手は……

 

「私が行きます」

 

 私が行くしかない。とはいえ、Fクラスからは代表が出てこない事にAクラスは戸惑っている。

 

『どういう事だ?』

『Fクラスは代表の坂本が出るんじゃないのか?』

 

 そう思うのも無理はない。だけどこれは五対五の一騎討ち。最後に代表が出て来なくてはならないというルールはない!

 

「坂本君からは伝達済みです。こちらは了承を得ています」

 

 私が事実上のFクラス総大将としてAクラスの代表、翔子と戦う。

 

「教科は何にしますか?」

 

 高橋先生が尋ねてきた。私的には当然、アレだ。だけど、向こうも同じ事を考えているはず。

 

「「日本史でお願いします」」

 

 一言も違える事なく、私達は言った。

 

「マリ。いつかの勝負、ここでやりましょう」

「望むところよ、翔子」

 

 ここまで来たんだ。負けてたまるかっての。

 

「「召喚獣召喚(サモン)!」」 

 

 同じタイミングで召喚獣が召喚された。さあ、決着と行こうかぁ!!

 

 

 

 

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