バカとアクマと召喚獣   作:レーラ

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さあ真梨香のゲスいイタズラが炸裂します


第八問 試召戦争 VS Bクラス イタズラ編

「なんとか間に合った……」

 

 教室に入った私の第一声。もう限界まで走ってたからね私。授業と試召戦争を前に、私だけ満身創痍になっている。自分の席、もとい卓袱台に伏せる。

 

「必要な仕掛けの材料はカバンの中にあるし……仕掛けは後にするか。それよりも、テストをどうにか乗り越えなきゃ」

 

 今日は全科目のテスト。Dクラス戦で少ししか点数を補給しなかったから、今回は取りに行かないと。さて、頑張りますか。

 

 そして総合科目テストを終えて……

 

 よし、取れるだけ取ってやった。後は本番あるのみ。今回は私も参加するから結構やる気は溢れんばかりあるんだよね〜。 

 

「さて皆、総合科目テストご苦労だった」

 

 代表の雄二が教壇に立った。

 

「午後はBクラスおの試召戦争に突入する予定だが、殺る気は充分か?」

 

 おおぉーー!!

 

 おぉ……流石Fクラス。モチベーションは最高潮だね。

 

「今回の戦闘は敵を教室に押し込む事が重要になる。その為、開戦直後の渡り廊下戦は絶対に負けるわけにはいかない」

『おおー!』

「そこで、前線部隊は姫路に指揮を取ってもらう。野郎共、きっちり死んで来い!」

 

 死んだら意味ないでしょうが。

 

「が、頑張ります……!」

 

 ほら、瑞希もこの男のノリについていけてないよ。まあけど、男子達の士気は……

 

『うおおぉーーー!!』

 

 言うまでもなかったね。けど彼らは瑞希というお姫様を守る騎士。あの子を守って死ねるのであれば本望だろう。

 お姫様かぁ……私には無縁だな。

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 あ、昼休み終了のベルだ。同時に、試召戦争開幕の合図。

 

「よし行ってこい!目指すはシステムデスクだ!」

『サー、イエッサー!!』 

 

 Fクラスの男子の殆どが勢い良く教室から飛び出し、渡り廊下へと走る。この教室にいるのは代表の雄二、秀吉君、そして私だけ。

 

「ねえ、Bクラス代表ってどんな奴?」

「それがのう……どうもBクラスの代表は根本らしい」

「根本?」

 

 誰ですかその人。

 

「奴は根っからの卑怯者だ。とにかく勝つ為ならば手段を選ばん。噂じゃカンニングの常習犯だ、球技大会じゃ相手チームに一服盛っただの、喧嘩に刃物は当然(デフォルト)装備だの、とにかくいい噂は聞かないな」

 

 ふーん、噂限りじゃ悪魔の私より性根が腐ってるね。けど、その方がかえってありがたいかな。だって思考が似ていればその分相手の行動が読めるし。

 

「ねえ雄二、私はまだ出番ないんだよね?」

「ああ。お前はここで待機だ。所で、裏工作の方は……」

「うーん……そのつもりだったんだけど、そんな暇無くなっちゃったんだよね」

「お前な……」

 

 思いつくのは簡単だけど、それを一人で作れなんて無理があるんだよ!Dクラス戦のやつだって、皆で作った賜物なんだから!

 

「まあ、今からでも仕掛けられない事はないから、代表は文化部の部室で待ってて。ほら、出てった出てった」

「お、おう。頼んだぞ」

 

 雄二達を追い出したから、今やこの教室は私と秀吉君だけ。さて、鞄の中にワイヤーが……あったあった。

 

「一体何をするつもりなのじゃ?」

「まあまあ何も聞かずに手を貸してよ。卑怯者には上がいるって事を教えてやらなくちゃねぇ!ヒャッヒャッヒャッヒャッ!」

(どっちが悪者か分からんのう……) 

 

 さて、やりますか←(ゲス顔)

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 さて、Fクラスの教室に仕掛けを充分に仕込み終えた私と秀吉君は、急いで向かいにある文化部部室に潜んでいる雄二と合流しようとした。

 

「あれ?いない?何処行ったんだろ雄二」

「この部室で待つように言ったはずなのじゃがのう」

 

 雄二のやつ、どこに行っちゃったの?やってもらいたかった事があったのに…… 

 

「仕方ない。雄二に手伝ってもらうはずだった事、申し訳ないけど秀吉君にやってもらうよ。」   

「じゃが、本当に成功するかのう?」

「安心して待ちなさい。今にも獲物が掛かってくるから」

 

 秀吉君の心配を余所に、私は部室の戸を隙間程度まで開けて様子を見る。

 

「誰か来た……」

 

 文化部の部室の戸を隙間程度まで開けて除き見ていた私は声を潜めて秀吉君に知らせる。

 予想通り、Fクラスでは見ない顔が旧校舎の階段を登って教室に近づいていた。

 

「ここで良いんだよな?」

「ああ、奴らの筆記道具や器材をとにかく壊しまくれってよ」

 

 おーおーこれは穏やかならない事を聞いちゃったねぇ。数はひー、ふー、みー……三人か。

 

(あれは、Bクラスの人達だよね?)

(筆記用具を壊して、回復試験を妨害する算段じゃろう)

 

 そうこうしている内にBクラスの連中がFクラスの教室に入っていった。しかも、日本人の性と言うべきか、畳の部屋に入る時はちゃんと上履きを脱いでいる。うん、予想通り。

 

 

 

 

 バコォーン!

 

 

 

 

 プッwたらい落としに引っかかった音がキレイに聞こえた。二つの内、どちらの出入り口が開いたらたらいが落ちるように仕掛けておいたんだよね。

 

「ハァックション!な、何だこれ……ハックション!」

 

 ちなみに残りの片方には胡椒団子が落ちるように仕掛けてある。当たりを引いた君、おめでとう!

 

「お、おいどうする……ハックション!」

「構うな。このまま続け……痛ええぇぇ!!」

 

 ギャハハハハハハ!!座布団の裏に仕込んだレゴブロックを踏んだなこれぇ!Fクラスの座布団の殆どに綿は入ってないから実質布切れなんだよなあれ!

 ヤバい、笑いが止まらない!!必死に声を抑えてるけど……ウヒヒヒヒ!!

 

「えげつない事をするのう……」

 

 秀吉君はドン引きしてるけど、こっちは笑いが止まら……ハハハハハ!!ご丁寧に上履き脱いでから入っちゃって馬鹿だよねええぇぇ!!

 

 さて、もう少し笑いたいけどトドメに入るか。今ならレゴブロックを踏んだ痛みでのたうち回っているし。

 

(秀吉君、手伝って)

(何をさせるつもりじゃ?!)

 

 とりあえず私と秀吉は二つの出入り口の障子の穴から消化器のホースを入れて

 

「行くよー秀吉君ー」

「待つのじゃ!これは明らかにやり過ぎではないか?!それに、これは召喚者の戦闘として、ルールに反するのではないかのう?!」

「大丈夫大丈夫。直接殴り合うものでもなければ何をしても良いんだよ。これは戦闘じゃなくて裏工作だよ」

 

 物言いようってやつだね。 

 

「それにね、私に裏工作で勝とうする身の程知らずに分からせるにはこれくらいしなきゃ」

 

 私は消火器のピンを抜いてレバーを引く準備に入った。

 

「秀吉君!早くピンを!」 

「ええい!こうなればどうにでもなるがよい!」

 

 腹を括った秀吉君もピンを抜いた。

 

 私達は同時にレバーを引くと、ホースの噴射孔から消火剤が撒き散らされた。中は当然消火剤塗れになって、視界も利かなくなる。隙間風が入るとはいえ窓は閉めてあるからそう簡単には漏れ出ない。

 

 つまり、今Fクラスの教室は真っ白な世界に早変わりしたわけだぁ! 

 

「な、何だこれ?!」

「助けてくれぇ!」

「窓を開けろ!空気を入れ替えて……って痛えぇ!」

 

 中でパニックになったBクラス(カモ)達は足場なんて気に回らないからレゴブロックを踏んで盛大に転がったな馬鹿めえぇ!!

 

「痛っ!お前!どこ見てんだ?!」

「お前こそ何処に目つけてんだ?!」

 

 惑え虫けら共おぉ!!真っ白でよく見えない教室じゃあ下手に動いたら味方同士でぶつかるよねえぇ!!仲間割れしてる声なんて愉快愉快ー!!

 

「私に歯向かうとこうなるのだあぁーー!!覚えておきたまへえぇぇーー!!オーッホッホッホッ!!イィーッヒッヒッヒッ!!」

 

 愉快すぎて笑いが止まらねえぇぇーー!!ヒャーッハッハッハッハッ!!

 

 ※絶対に真似しないでください

  

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 あの後、吉井君率いる前線から離脱した部隊に哀れな獲物(Bクラス)達に処分させて、補習室送りにした。

 筆記用具を壊して回復試験を妨害しようだなんて、やる事が小っちゃいな。私なら全部の出入り口を塞いで、隙間からシュールストレミングを教室に放り込むけどね。

 

「根本のやつ、本当に仕掛けてくるとはのう」

「けどそんな小細工も通用しない事が分かれば、Bクラスは堂々と戦うしかない!だよね雄二?」

「いや、そう簡単には上手く事は運ばん」

 

 それは同感。根本ってやつの事は知らないけど、これで終わるなら卑怯者なんて呼ばれない。どこかで絶対に何か仕掛けてくるはず。

 っていうかさ……

 

「どこに行ってたの雄二?部室で待っててって言ったのに……」

「あの直後に、向こうから協定を結びたいと申し出があった」

「協定じゃと?」

「ああ、四時までに決着がつかなかったら戦況をそのままにして、続きは明日午前九時に持ち越し。その間は試召戦争に関わる一切の行為を禁止する。ってな」

「承諾したの?」

「そうだ」 

 

 何か怪しい。その協定裏がありそう。だけど、それは雄二も分かっているはず、何でそんな胡散臭い協定に承諾したかな?

 

「ウチとしては体力勝負に持ち込めば有利になるが、その場合姫路が持たん」

「あ……」

 

 Fクラスは馬鹿な分、体力だけはバカみたいに高い。だけど瑞希はその逆。もし体力勝負に持ち込めば、瑞希は必ず疲れる。そこに突け込まれでもしたら、Fクラスの主戦力を失い、士気もガタ落ちになる。

 そう考えれば、瑞希を温存させる方が良いね。けどその代わり、Bクラスに攻め入る時間はもう残されていない。確実に明日に持ち越しになる。

 

「っ……!」

「どうしたの瑞希?」

「い、いえ!何でもありません!」

「じーっ……」

 

 慌てて不自然な笑顔。何かあったな。ジト目で見続けるけど、瑞希は恥ずかしがるだけで話してくれない。仕方ない、ここは諦めるか。

 

 




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もしかしたら真梨香がそのアイディアを採用するかも……?
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