機動戦士ガンダムSEED カガリの兄様奮闘記   作:水玉模様

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PHASE-7 フェイズシフトダウン

 

 

 

 地球軍のアルテミス要塞へと向かうアークエンジェルは現在、戦闘準備の真っただ中にあった。

 

 ヘリオポリス崩壊後、高熱弾頭のミサイルによるデコイを月基地へのルートに射出し、アークエンジェルは即座に転身。

 熱源を発さないよう慣性による推進だけを用いてアルテミスへと向かっていたが、ラウ・ル・クルーゼはこれを看破。

 アルテミスへと向かう進路上へ高速艦のヴェサリウスで先回りし、アークエンジェルの背後からはローラシア級戦艦ガモフが追従。

 サイレントランを敢行していたアークエンジェルを挟み撃ちにできる状態に至っていた。

 

「キラ、タケル。準備は良さそうだな……」

 

 ムウの声に頷く2人。

 キラは白と青のパイロットスーツ。タケルもアストレイのカラーである白と橙のパイロットスーツに身を包んでいた。

 

「綺麗に読まれましたね。こちらの行動が」

「だが捕捉したのはこっちが先だ。悲観するにはまだ早いぜ」

「でも、どうすれば良いんですか? 挟み撃ちなんて……」

「心配すんな坊主。それを何とかして見せるのが俺だ。作戦を説明するぞ──」

 

 ムウが提示した作戦はこうだ。

 まだ周囲にデブリがあり戦闘が始まっていない今のうちに、メビウスをカタパルトから射出。スラスターを使わないでナスカ級へと接近し隠密強襲を掛ける。

 それが成功するまでに、タケルとキラが後方からくるローラシア級の攻め手を防ぎ時間を稼ぐという戦法だった。

 ムウの強襲が成功すれば、進路は開ける。更には高速艦のナスカ級を仕留めれば追撃の心配も無く振り切れるだろう。

 だが、挟み撃ちの状況となるのは苦しい。

 タケルとキラだけで持ちこたえられるのかが、この作戦の要だった。

 

「それじゃ、俺は先に行くぜ……アークエンジェルを頼んだぞ」

 

 ブリーフィングルームを出ていくムウ。

 残されたタケルとキラは、静かに出撃準備を進めた。

 

「タケル、大丈夫かな僕達」

「大丈夫。ヘリオポリスで出た時と一緒だ。まずはアークエンジェルを守るように努めて」

「でも、今度は数も多いし、出てきたのは奪われた新型だって」

 

 そう、ローラシア級から出撃してきたのはヘリオポリスで奪われたXシリーズが全機。

 イージス、デュエル、バスター、ブリッツと呼ばれるストライク同様最新鋭の機体達なのだ。

 

「新型だろうと何だろうと、奪取してまだ間もない。

 MS開発に携わる身としては、慣熟もしていない機体で出てきたところで大した動きはできないよ」

「でも、僕だって別に」

「キラの場合、元々の知識から機体がどう動くのか理解してるでしょ。OSの再構築なんてMSを理解していないとできない芸当だ。

 つまり、何が言いたいかと言うと、Xシリーズを動かすことにかけては、まだ機体を知らない彼等よりこちらに分があるという事」

「そう、なのかな……」

「まぁ数は多いから苦しいとは思うけど。やるしかないからね。だったら、やるだけだ」

 

 一瞬、タケルの目がギラついたような錯覚をキラは感じた。

 声も口調も普段通りなのに、その表情だけが別人になったような……そんな印象を受けた。

 

「さぁ、行こう。敵も待ってはくれないからね」

「う、うん」

 

 気のせいか? 垣間見えた感触が消え去りいつものタケルへと戻っている様に思える。

 キラは沸き上がった不安を殺し、タケルと共にストライクへと向かった。

 

『キラ』

「えっ、ミリアリア!?」

『これからMSの管制オペレーターには私が担当になりました。よろしくね、キラ』

 

 コクピット内に映される友人の姿を見てキラは驚いた。

 よろしくおねがいします、だろうと、隣の士官からツッコミを受けるミリアリアがおかしくて、キラは幾分か気持ちが和らぐのを感じた。

 サイもトールも、カズイも。皆クルーとなって艦橋の席に付いていた。

 

 皆、戦ってる。死なない為に、生き残るために。

 ならば、自分もできる事をやろう……そう思えた。

 

『装備はエールストライカー。キラ、気を付けてね────ストライク発進。どうぞ』

「キラ・ヤマト。ガンダム、行きます!」

 

 恐怖も不安も押しのけて、覚悟を持った少年が戦場へと飛び立つ。

 

 

 

『アマノ機、発進準備に入ります。リニアボルテージ上昇。カタパルト接続────アストレイ発進。どうぞ』

「タケル・アマノ。アストレイ、出撃する!」

 

 どこか堅い声を響かせて、タケルとアストレイは暗黒の宇宙へと飛び出した。

 すぐさまタケルはアークエンジェル付近で構えるストライクを追い抜くと最大戦速で敵機へと向かっていく。

 その後ろ姿を、キラは不安に駆られながら見送っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 薄い青と白の、やや地味なカラーリングとなるデュエル。

 そのデュエルにのったイザークは、アークエンジェルからの出撃を察知し舌なめずりを見せる。

 

 エースであったミゲルの敗退。それは機体の性能差が最も大きな原因だと考えていた。

 なぜならこの奪取したXシリーズがザフトのジンなど足元にも及ばない性能をしているからだ。

 情報に無かったあの機体は量産機かそれに準ずる機体。これら新型の類型であると推察されている。

 エースパイロットであるミゲルであっても、これだけの性能差を覆す程の力量ではないという事だろう。

 対して自分はどうか? と考える。

 イザークにはデュエルがある。新型で、性能に優劣が無ければ己がナチュラルに負ける理由は無いと思えた。

 

「さぁ、俺はミゲルの様にはいかんぞ、このオレンジ野郎!」

 

 接近してくるアストレイに怒声と共に放たれるビームライフル。だが、アストレイは巧みな挙動で避けていく。

 躱しながらもタケルは、デュエルの動きに注視していた。

 

「あの動きは、ヘリオポリスで戦った相手じゃないな……Xシリーズならもう少しマシな動作もできそうだけど」

 

 本命は接近戦か? 狙いの浅いライフルの連射にイザークの意図を察すると、まるで手招くようにタケルは回避しながら僅かに後退していった。

 

「ちょろちょろと、逃げ腰の臆病者が!」

「イザーク、前に出過ぎだ! だぁもう、アスランとニコルは新型と艦を。俺はイザークの援護に回る」

「気を付けろディアッカ。ミゲルをやったそいつは手ごわい!」

「良く聞かされてるさ!」

 

 タケルの後退を確認してスラスターを全開にするイザーク。

 突出する形となったイザークの援護にディアッカのバスターが。

 アスランのイージスと、ニコルのブリッツはストライクとアークエンジェルへと向かう。

 

 タケルは一旦イージスとブリッツを素通りさせた。

 少なくともつられて2機を引き寄せられた。それで十分である。無理にアークエンジェルの方へ戻っては敵機を全部相手させることになる。

 対応する数が減るだけで、危険度はずっと下がるだろう。

 低速の後退でデュエルをおびき寄せていると、すぐにアストレイは捕捉された。

 背部のビームサーベルを抜いたデュエルが、アストレイへと切りかかる。

 

「甘いよ、そんなの」

 

 だが、タケルはその機動を先読み。

 右手に持たれたビームサーベルを振りかぶった時点で、そのサーベルが描く軌道はまるわかりである。

 受ける必要も無かった。

 アストレイは各部スラスターを使い左足を軸に回転。

 シールドでデュエルのサーベルを捉えながら、受け流すようにして回り込んだ。

 

「何ぃ!?」

「まず、一機……ッ!?」

 

 ギリギリのところで回避起動に入るアストレイ。

 バスターからの絶妙な射撃が、デュエルに当てる事も無く綺麗にアストレイを引きはがして見せた。

 

「イザーク!」

「うるさい! オレンジ野郎、なめやがって!」

 

 仕留めそこなった事が癪に障ったか、イザークの怒りが膨れていく。

 

 だが、甘い。

 

「まずは……お前からだ」

 

 その程度の怒りなど、タケルの胸の内に燻る憎悪からすれば塵に等しい。

 

 

 再び切りかかってくるデュエルのサーベルをシールドで逸らすと、その背中を蹴りつけて跳躍。

 

 タケルのアストレイは支援の為に狙いをつけていたバスターへと、最大戦速で突撃していった。

 

「こいつ、狂ったのか!?」

 

 砲撃タイプのバスターが狙いをつけて構えているというのに、突撃してくるアストレイ。

 正気とは思えない行動に驚きながらも、ディアッカはトリガーを引──

 

「何!?」

 

 爆散。目の前で構えていた対装甲散弾砲が爆発した。

 後方支援に徹していた為に動きを止めていた事が仇になったか、アストレイが構えるライフルが散弾砲を先に打ち抜いたのだ。

 そして、爆発に意識を取られたが最後。

 

「一機目」

 

 既にアストレイは目の前であった。

 左手にはビームサーベル。やや短いのは出力を犠牲にしているからだろうが、これだけ接近していればそのデメリットも無い。

 

「なめるな!」

 

 ギリギリで構えていたもう一方のビーム砲で射撃。

 だがその寸前、アストレイはシールドでライフルを弾き射線をずらす。

 

「嘘だろ!?」

 

 至近距離だ。ディアッカの動きを読み切っているでもなければ今のタイミングを躱せるわけがない。

 ディアッカの胸中に恐怖が沸き起こる。

 シールドで払った際に生じた僅かな隙を利用してバスターはスラスターを全開にして後退。

 アストレイと距離を開けようとするが、タケルは至近距離から逃さない。

 そして今のアストレイは、ライフルやサーベルへのエネルギー供給を駆動とスラスターに割り振った機動戦仕様。砲撃型のバスターの足で逃げ切れるわけがなかった。

 

「こ、こいつ!?」

 

 再び振りかぶられる短いビームサーベル。今度こそとバスターが放ったビームはまたしても避けられる。

 今度は、背後へと回り込まれて……

 

「やばいっ!?」

「させるかぁ!!」

「いや、やらせてもらう!」

 

 ギリギリで放たれるデュエルのビームライフル。

 だがそれをタケルのアストレイは更に躱す。

 今度はデュエルの射線の間にバスターを挟み込むようにして──

 

「ふざけんなよ!!」

 

 砲撃機体のバスターは腕に持つ武装だけが全てではない。

 ミサイルポッドが開き数発のミサイルが至近距離でアストレイを襲った。

 アストレイの頭部メインカメラ目掛けて放たれたミサイルを、タケルは反射的にシールドで防いだが、遂には距離を取られてしまう。

 

「至近距離でのミサイルか……PS装甲が羨ましい限りだよ」

 

 これがジンだったら至近距離の爆発に巻き込まれ自身も危険にさらされる。PS装甲をもつバスターだからこそできた反撃手段である。

 

「貴様ぁ!」

「君は全く、さっきから鬱陶しいな」

 

 切りかかってくるデュエルに応じて、タケルは再びアストレイを走らせた。

 

 

 自制が利かない。燻りが抑えられない。

 まるで別人に乗り移られたかのような感覚にタケルは陥っていた。

 アークエンジェルにカガリが乗っている。

 そして今、そのアークエンジェルを狙って攻めてくる敵がいる。

 目の前にいる……カガリの命を脅かそうとする連中への怒りが止まらなかった。

 

 ──違う。

 

 カガリの事ではない。

 妹と重なって見えたナタルのあの様子が、脳裏によぎる。

 

 “──アマノ二尉はお強いのですね。私にはできそうもない”

 

 弱さを見せられず、気丈に振舞う姿が痛々しかった。

 だから、安心して見ていて欲しいと思った。

 ナタルの姿がカガリと重なり、抱く想いはカガリへ抱く想いと同じ様に固まっていく。

 絶対にカガリに辛い思いはさせないと。

 あの日、虐めから救ってもらったあの時から胸に誓った想い。

 その想いが先走り、敵への憎悪へとひっくり返っていた。

 

 

『アマノ二尉。出過ぎているぞ! そのままでは敵戦艦の射程圏内に──』

「こちらは大丈夫です。ご心配なく」

 

 心配させるなどもってのほかだ。

 タケルは入ってきた通信を切ると、再びデュエルとドッグファイトに移る。

 これならバスターも迂闊には援護できないだろう。

 

 この流れのままに終わらせる。

 

 一段と思考が加速する。

 振り下ろされたビームサーベルを握る腕を、アストレイの運動性にものを言わせた蹴りで封殺。

 隙ができたところでビームサーベルを出力。蹴りの勢いを殺さぬまま機体を回転させて、デュエルのメインカメラを薙いだ。

 

「イザーク!!」

「うっ、うあぁあああ!!」

 

 斬り飛ばされるデュエルの頭部。そのままタケルは追撃。コクピットを狙う。

 

「やらせねえよ!!」

 

 バスターがとっさに放ったミサイルが迫る。

 もはや躊躇は無い数で、PS装甲が無ければ確実にデュエルは落ちる火力である。

 

「イザーク、撤退しろ! こいつは俺が何とかする!」

 

 通信越しに大声でディアッカは呼びかける。

 PS装甲は、損傷こそ受けないものの衝撃までは殺せない。今のミサイルでイザークが意識を失っているかどうかは賭けであった。

 

 数瞬の後、アストレイとデュエルが諸共に包まれた爆炎の中から、アストレイが左脚部のみ被弾した状態で爆炎から抜け出てくる。

 重量バランスが狂い、操縦が難しくなるがタケルは問題なさそうに機体をバスターへと翻した。

 ビームライフルで牽制しながら接近戦を挑もうと、アストレイを走らせる。

 

『アマノ二尉、戻って下さい!』

「ミリアリア……どうかした?」

 

 応答がどことなく冷たくなってしまう。

 もう少しでデュエルとバスターを仕留められるのだ。その気持ちが、声音に表れて滲みだす。

 

『ストライクが、キラが敵に!!』

 

 

 その言葉に、タケルの顔からは血の気が引いていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 タケルとアストレイを素通りして、アークエンジェルへと向かうアスランとニコル。

 

『アスラン、先の言葉違えるなよ』

「わかっています。ダメだったときは迷いません」

 

 釘を差してくるラウにきっぱりと答えると、嫌な想像を振り払う様にスラスターを吹かした。

 

『アスラン、例の新型は任せて良いんですね?』

「すまない。だが、俺がやらなきゃならないんだ」

『わかりました。気を付けて』

「ニコルこそ、相手は最新鋭の戦艦だ。迎撃能力だって高い。注意しろ」

『わかってます』

 

 アークエンジェルとの距離も縮まってきたところでアスランとニコルは散開。

 接近してくるストライクに向かうはイージス。

 アークエンジェルへはブリッツが向かう。

 デュエルとバスターも直に来るだろう。

 いくら相手が強いと言ったところで新型を駆る2人が相手なら負ける事は無いと思えた。

 アスランは作戦の成功を信じてストライクへと向かい通信を繋げた。

 

「キラ!」

「アスラン!」

 

 すれ違う。

 再び口を拓こうとしたところで、ストライクはビームライフルを構えた。

 

『アークエンジェルはやらせない』

「何を、何を言っているんだキラ。

 お前はコーディネイターだ。俺達の仲間なんだ。

 俺達と戦う理由がどこに──」

『違う!』

 

 アスランの声を遮って、キラは叫んだ。その声に気圧されアスランが押し黙る。

 

『僕は地球軍じゃない。でもあそこには大切な友達が乗ってるんだ! 君達が狙うあの艦に、僕の大切な人達が。

 皆、生き残るために必死に戦っている!』

「コーディネイターであるお前が──」

『サイ達はナチュラルだ! それでも、僕達は友達でいる。友達でいられるんだ! 嘗ての僕達と同じように!』

 

 アスランの心にキラの言葉が突き刺さる。

 今のキラの言葉は捉えようによっては、アスランとはもう友ではない。自分は彼等を選んだとも取れる発言である。

 ズキリと胸が痛んだ。大切な友を奪われた様な空虚と嫉妬が渦巻いていく。

 

「そうか……ならば仕方ないな」

『アスラン!』

「お前を全力で叩き、そのままザフトまで連行する。安心してくれ……少なくとも悪いようには扱わない」

『アスラン……何を……』

「行くぞ、キラ!」

 

 スラスターに火が灯り、イージスがストライクへと急接近。

 キラはわけもわからずロックできていないライフルを連射した。

 

「なんだその射撃は。それでよく戦艦をやらせない等とほざけたな!」

「くっ、そぉ!?」

 

 再び、今度はロックオンをしてから射撃をしようとするが、キラの操縦では動き回るイージスを捉えることができなかった。

 その隙に、イージスはストライクへと接近。勢いに任せた蹴りを浴びせ体勢を崩す。

 

「うぁあああ!!」

「まだまだ!」

 

 さらにイージスは追撃を加える。

 流された機体の正面へと躍り出ると、頭部イーゲルシュテルンを至近距離で斉射。

 ガリガリとPS装甲を削る様に、実弾の雨がストライクを襲った。

 

 PS装甲は決して無敵の装甲ではない。

 実弾への強い耐性は、打ち消すための電力に強く依存している。

 即ち、攻撃を受け続ければストライクのバッテリーはたちまち無くなってPS装甲もダウンしてしまうのだ。

 

「くっ、これ以上は!!」

 

 衝撃にふら付きながらビームライフルを発射。

 イージスを退けたキラは、落ち着いて呼吸を整える。

 ヘリオポリスでジンと戦った時とは全然違う。

 これが新型機の性能であり、これが訓練を積んだ軍人の実力だと思い知らされる。

 

 キラはタケルの言葉を思い出した。

 いくら新型であろうと、奪取して間もない機体で大した動きはできない。

 そうだ……今のイージスの動きはスラスターの出力に任せた動き。タケルが言うMSとしての運動性を発揮したものでは無い。

 

 キラは自分が思い描く動きを再現できるようにストライクのOSを組んでいる。

 この差は目の前にいる優秀な友人であろうとも勝てない部分のはずだ。

 

「やってやる。やってみせる!」

「来い、キラ!」

 

 ビームサーベルに手をかけストライクは接近。

 エールストライクの機動性を生かして一気に近づく。

 対してアスランは迎撃を選択。腕に仕込まれたビームサーベルを展開すると、迎え撃つように真横へ薙いだ。

 

「何!?」

 

 今度はアスランが驚く番であった。

 横薙ぎのビームサーベルに打ち合わせるでもなく、ストライクは屈んで躱したのだ。

 恐るべき反応と、そして恐るべき運動性能である。

 

 カウンターに振るわれるサーベルをもう一方の腕に展開したサーベルで防御。

 イージスはシールドをパージする羽目になった。

 

「この、どこでそんな操縦を!?」

「甘く見るなぁ!」

「くっ、調子に乗るな!」

 

 接近して食いついてくるストライクへ、イージスは再びイーゲルシュテルンを斉射。

 その反動で距離を開けると、イージスをMAへと変形させる。

 手足が蜘蛛の足の様になり突撃して敵機を捉えるイージスの巡航形態である。

 この時のイージスは、スラスターを進行方向に100%向けられるため非常に高い推進力を持つ。

 

 それをもってイージスはストライクへと突撃。

 4足を鋭く突き出して、再びストライクへ強い物理ダメージを与えた。

 

「ぐぁあああ!!」

 

 アストレイとイージスでは推進力が違う。

 ストライクが受けた衝撃は、ミゲルがアストレイから受けた衝撃とは比べるべくもないだろう。

 

 衝突で受けた衝撃にキラの意識が僅かに飛ぶ。

 ライフルを散々に撃った分と、PS装甲に回した電力で、既にストライクのバッテリーは虫の息だった。

 

 吹き飛ばされたストライクが大人しい状態を見て、アスランはイージスを再び突撃させ今度は4足をひらいてストライクを鹵獲。

 その際の衝撃で遂にストライクのPS装甲はダウンし灰色の装甲へと落ちていく。

 

 

 ストライクはイージスによって鹵獲されてしまった。

 

 

 




いかがでしたでしょうか。

主人公強くね? 
いいえ、まだ彼等が機体を扱いきれていないだけです。
話が進んでいくほど、タケルとアストレイの強さは霞んでいくでしょう。

アスランの嫉妬とか……
地に足付いたキラと相対したらこうなる流れもあるよなって思いました。



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