キラ、カガリ、そしてアスランをも部屋へと招き入れて、サヤは自室のロックを掛けた。
これで、横槍が入る事も無いだろう。
騒ぎさえしなければ外に音が漏れる事もほぼない。
「適当に座ってくださいませ」
部屋へと視線を巡らせて確認する。椅子があって、ベッドもある。4人が座るには十分であった。
カガリとアスランは揃って椅子に。キラはベッドに座るサヤの近くで、どこか相対するような立ち位置をとった。
キラ達がそれぞれに位置を決めたのを確認してから、サヤは再び3人へと目を向ける。
「まずはもう一度確認させてください──本当に聞きたいのですね?」
「あぁ、覚悟はできてる」
獅子の娘らしい強い瞳と共にカガリが返す。
次いでサヤはキラにも目を向けた。
「キラ・ヤマト、貴方もですか?」
「僕の方がよっぽどね……君が僕に敵意を向けるのは、それが原因なんでしょ?」
オーブで話した時からキラに纏わりつく、サヤ・アマノの敵意。
タケルを敬愛しているサヤがそんな気配を見せる理由など、タケルに関することでしかないだろう。
それは間違いなく、これから聞く話に関連するとキラは思っていた。
「そう、ですね……私が貴方に向ける敵意の理由はそれでしょう」
「うん。だから、僕は聞くよ。君がそれだけの想いを抱くような真実が、僕にあるのなら」
「────後悔しても知りませんよ」
「うん、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」
「なっ、ちがっ!? 話すのが面倒なだけです!」
まるで見当違いなキラの言葉に、サヤは僅か慌てた様子を見せる。
どこか年相応な反応を見せたサヤに、キラとアスランは少し毒気を抜かれた。
焦りを誤魔化す様に一つ咳払いをしてから、サヤが表情を真剣なものへと変えた。
サヤとしては、兄の預かり知らぬところでその秘密を広める事には抵抗があった。
基本的にサヤは、タケルが辛いと思うであろう事は絶対にしない。
だが、カガリ・ユラ・アスハが兄の大切な人である事は間違いない。その逆もまた然り。
そしてキラ・ヤマトもまた、兄にとって大切な友人であり、本人もまた兄を想って話を聞く決意をしている。
兄が信じる人達だ。サヤにとってそれは信ずるに値する評価であった。
アスラン・ザラについては、兄と同様に背負い込むタイプなのは明白。友人同士ならせっかくだから彼らの重荷を一緒に背負ってもらおうと思った。
一つ大きく深呼吸をしてから、サヤは口を開いた。
「では、話すとしましょうか。とは言っても、私が知るのは父上からの又聞きでしかありません。細部では違う可能性もあることだけは述べておきます。始まりはそう、コーディネーターの抱える問題からで────」
サヤ・アマノは、キラ達が求めた全てを明かした。
コーディネーターが抱える問題と人工子宮の開発。
ヒビキ博士と最高のコーディネーター。
数多の被験体、実験と研究の結末。
そして……キラ・ヤマトとタケル・アマノの関係性。
全てを、キラ達に言って聞かせた。
「────以上が、貴方とお兄様の全容です」
サヤの語りが終わり、そのあまりにも突拍子のない真実に誰もが閉口していた。
キラは俯き、カガリとアスランは心配そうにその様子を見つめている。
当然だろうと、サヤは決して嘲るわけでもなくキラ達の様子に納得した。
自身がその様な特殊な生まれをしたなどと、普通は誰もが信じられない。
コーディネーターという、既に特異な生まれ方をする者たちが生きる世界で尚、キラ・ヤマトとタケル・アマノの生まれ方は特殊である。
そして、生まれながらにして重すぎる業を背負った、数多の被験体の成れの果てなのだ。
受け入れられなくても無理はない。
「──だから言ったではないですか。後悔すると」
静かに、瞠目していたキラは首を横に振った。
「ううん。聞かせてくれてありがとう」
キラは俯いていた顔を上げる。
そこには、すべての事実を受け入れて、受け止めた──そんな少年の強い表情があった。
キラの様子に、サヤは僅か驚きを浮かべる。
「意外です……ショックでは無いのですか?」
「それは勿論、ショックも大きいよ。今の両親が本当の両親じゃなかったとか、自分が研究の果てに生まれた存在だったとか。もしかしたら今の両親が、タケルを都合の良い身代わりとして扱ったのかとか。思うところはたくさんある。でも──絶対に知っておかなきゃいけない事だっていうのもわかったから。やっぱり、聞いておいて良かったと思う」
「強いのですね」
「サヤさんのお兄さんのお陰でね」
「お兄様の?」
サヤの返す問いに、キラはどこか遠い目をして口を開いた。
「タケルはさ、いつも僕の前で頑張ってくれてたから。自分だって辛いのに必死で、自分だって苦しいのにみんなの事ばっかりで」
「だからこそ、私が敬愛するお兄様なのです。当然でしょう」
「ふふ、そうだね。そんなタケルが居たから、僕も今強くなれたんだ────サヤさん、もう一つ聞かせてもらって良いかな?」
「何でしょうか?」
落ち着いた表情のまま、キラはサヤへと問いかける。
「──この話、タケルが知ったのはいつかな?」
「貴方達がアラスカからオーブに来てすぐです。お兄様が貴方のフリーダムを羨んでいた日の事ですね」
「そうだったんだ……やっぱり、タケルには敵わないなぁ」
「敵わない? 何の事ですか。少なくともお兄様はこの話を聞いた直後、貴方の様にそれほど平静ではいられませんでしたが」
「でもこの話を聞いたすぐ後も、カガリと僕に対してまるで態度が変わらなかったんだ」
キラの記憶が正しければ、その翌日。
アイシャを連れてきた日に、キラとカガリはタケルと会っている。
何も変わらない。キラにとってはいつも通りの友の姿であった。
「それはそうでしょう。お兄様が貴方達に恨み辛みをぶつけるとでも?」
「僕なら耐えられないよ。大切な妹が本当の妹じゃなくて、その上妹には本当の兄弟がいて、自分はその身代わりだった…………こんな事聞かされたら、何も信じられなくなって恨んでしまう」
「だがタケルはそんな知らなかった事より、それまでに育んできた繋がりの方が重要だと……そうして乗り越えて見せたという事か」
「アスラン。うん、そうだね……普通なら、僕を恨むよね。カガリともきっとそれまでと同じ様にはできないはずだよ──カガリは、何か気が付いた変化あった?」
キラの問いに、カガリは逡巡する。
ここ最近の兄に、何かおかしな点は無かったか──とは言っても、カガリの場合、タケルの変化に気がつく事は多い。
キラよりもずっと長き時を共にしてきているのだ。何かを抱えていればすぐわかるはずである。
「────わからない、な。すぐに兄様は抱え込んで隠すから何となく色々と抱えている事はわかるし……でも、少なくとも私に対して態度が変わった事はなかった」
「そうだと思うよ。だって、タケルが僕たちを見る目は、何も変わってなかったから。
辛い境遇、辛い事情を知ったけど。タケルはそんな事より自分が大切にしているのが何なのかを見失わなかった……本当に、強いと思うよ」
「と、当然です。私のお兄様なのですから……」
どこかむず痒い様な面持ちで返すにサヤに、キラは小さく微笑んだ。
彼女は本当にタケルの事が好きなのだろうな、とその想いの深さがわかる。
タケルが褒められて我が事の様に嬉しいのであろう。
「何をそんなに笑っているのですか。3人共──」
気づけば、そんなサヤをキラだけでなくアスランも、カガリも微笑ましく見ていた。
「いや、チョロいなって思って……」
「なっ!? カガリ・ユラ・アスハ! 貴方という人は」
「何ていうかタケルと一緒だよね。浅い関係性ならしっかりしてる様に見えるんだけど、懐入られると一気に牙城が崩れるというか」
「ぐっ、それはなんとも嬉しいけれど嬉しく無い評価ですね……」
敬愛する兄の様だと言われれば嬉しさも一入。だが、その評価がチョロいからなどと言われては、サヤとしても面白くは無い。
「俺は良いと思うけどな。君の年齢を考えれば、まだまだ子供らしくて当たり前だろう。年相応な姿だと思うが」
「ザフトのヘタレは黙っててください」
「へ、ヘタレって! 俺がいつそんな姿を君に晒した!」
思わぬ口撃にアスランが俄かに立ち上がった。
どうどうとそんなアスランを抑えようとするキラと、僅か剣呑な気配を醸し出すカガリ。
だがサヤは、澄まし顔で続けてくちをひらいていく。
「無人島、2人きり、その上衣服にまで手をかけておいて、何で手を出さなかったのですか……そこの古妹に」
「な、何でそれが今出てくるんだ!」
「私から言うのは面白く無いですが、才色兼備に器量も良し。その上オーブの代表の娘……かなりの優良物件です。だと言うのに、貴方は全く手を出さなかったという事ではありませんか。据え膳食わぬは男の恥とも言いますし、男として生まれたのならちゃんと男になってください。だからヘタレだと言ったんです────貴方がカガリ・ユラ・アスハを手籠にしてくれればお兄様は私のものなのです。早く既成事実を作ってください」
一息で清々しい程にアスランを罵倒したサヤは、最後に特大の爆弾を落として口を閉じた。
そんなことをしたらむしろ、より一層タケルがアスランからカガリを守るために奔走しそうな気がする、とキラが思ったのは内緒である。
「な、何をバカなことを言ってるんだサヤ! 私とアスランはそんな関係じゃ無い!」
「君のお兄さんを想う気持ちはわかるが、それを捻りに捻じ曲げてこっちにぶつけるのはやめろ!」
「──不感症ですか? 先程部屋で泣いていた古妹を見る貴方の目も、今ここで2人してその距離感で私の話を聞いていたのも、互いにその気がある証拠だと思いますが?」
この部屋に来て、話を聞く事になってからと言うもの、不安を和らげるためかアスランの傍に寄り添っていたカガリ。そしてそんなカガリを守る様に半身だけ前に出ていたアスラン。
そもそも距離感ではなく距離が近しいに過ぎる。
サヤの指摘に、慌てて取り繕う様に距離を離した2人を見て、サヤはいっそ笑いが込み上げる心地であった。
「良く見てるんだね。サヤさん」
「サヤで良いです、キラ・ヤマト。言い辛いでしょう?」
「あ、それじゃ遠慮なく……サヤ、君は僕をどう思ってるかな?」
「嫌いです……が、先程の言葉は認めています」
予想通りな返答にキラは思わず苦笑した。
本当に筋金入りだと思った。“先程の言葉”がどこに掛かってくるかにもよるがどこに掛かってきてもサヤには嬉しい言葉であったのだろう。
基本的には素直な子なのである。
「とりあえず僕は、タケルに大きな大きな借りができちゃったね」
「何を以て、そう思ったのですか?」
「僕の身代わりにしちゃってたわけだし、その上お兄さんとしてずっとカガリを守り続けてくれたんだし」
「少なくとも後者はお兄様の意思です。貴方がそれにどうこう思う理由は無いし、これからもお兄様にとってカガリ・ユラ・アスハは変わらず大切な妹でしょう」
「うん。だからね────今度はタケルのために、僕が君を守るよ」
「は?」
突拍子の無い結論に、思わずサヤは呆気に取られてポカンと口を開けてしまった。
サヤだけでは無い。アスランもカガリもサヤ同様に訳のわからない結論に至ったキラに訝しんでいた。
「な、何をどう考えたらそうなるのですか。第一、私はそこの古妹と違って守ってもらう必要なんかありません。守るなら危なっかしいお兄様を守ってくださいませ!」
「君が強い事は百も承知だ。タケルが危なっかしいのもね……でも、タケルの事を考えてあげるならサヤとカガリを守ってあげるべきじゃ無い? タケルがどんな人なのかは、サヤの方がよく知ってるでしょ?」
タケル・アマノであれば自身の心配より先に大切な妹達を優先する。
そんな彼の為を思うのであれば本人よりも彼が優先するものを守るべきである──そう言う事だ。
「それは……そうでしょうが」
「君が教えてくれた様に、最高のコーディネーターとして僕が生まれたのなら、僕はその力を君のお兄さんのために使う。僕のせいで辛い思いをさせてしまった、大切な友達だからね」
「────お好きになさってください。私には関係ないですから」
「うん。じゃあ遠慮なくそうするよ」
どこか余裕めいた表情がサヤの神経を逆撫でする。
オーブ軍人の最高峰、アマノの人間として……戦火に巻き込まれるまで戦いの事などまるで知らなかった人間に守られるなど、サヤのプライドが許さない。
だが、そうは言ってもこの男。恐らく引き下がりはしないだろう。
何となくだが、苦手とするアイシャの様に、人の話を聞かない気配を今のキラからは感じていた。
逡巡──サヤは反撃の糸口を見つけた。
「ならばキラ・ヤマト……私を守るなどと烏滸がましい事を言う貴方に一つだけ言っておきます」
「ん、何かな?」
「サヤとて父上に育てられたアマノの軍人。自分より弱いものに守られる程無様な事がありましょうか。私を守ると嘯くのであれば、せめてMS無しの格闘術でサヤを圧倒できる様になってからお願いします」
「えぇ、何それ」
「男に二言はありませんよね? 期待していますよ」
「えっ、えぇ…………」
思わずドキリとさせられる様な、綺麗な勝ち誇った顔を見せて、サヤが部屋を出ていく。
この部屋はサヤの部屋ではあるが、3人はその場でしばらく呆けてしまった。
「あれ、もしかして僕……とんでもない地雷踏んじゃった?」
「あー、かもしれないな。安心しろ、格闘術なら俺が教えてやるさ」
「簡単じゃないぞキラ。サヤはナチュラルであの小柄な体格でありながら、国防軍の訓練では未だ負け無しだ──鬼才ユウキ・アマノの正真正銘2世なんだからな」
不安を煽る様なカガリの言葉に、キラは冷や汗を追加した。
フリーダムを駆れば無敵とは言えるキラだが、ヘリオポリスで戦火に巻き込まれるまでは運動すらほとんどしない、完全なるインドア派。生来の身体能力こそ高いが、格闘術など完全なる無知である。
「タケルに……彼女の弱点とか聞いてみようかな?」
「それ、また変な勘違いして殺されかけると思うぞ」
「あり得る」
「だよねぇ」
妙な流れとなって前途多難となったキラは、とほほと言った様子で彼女の部屋を後にするのだった。
地球軍月面基地。
ボルト・ミュラー准将の執務室にて来客を知らせるブザーがなる。
「入れ」
「失礼します!」
入ってきたのは1人の女性将校。
凛とした立ち振る舞いを見せる、ナタル・バジルール中尉改め少佐である。
「第7機動艦隊、ナタル・バジルール少佐、参りました」
「堅苦しいな。よく来た、バジルール少佐」
「少し、お久しぶりですね」
ミュラーの一言に察して、上官に対して少し砕けた物言いとなったナタル。
呼び出されたのは、多少の私用もあるのだろうと感じ取った。
「早かったな」
「ビクトリア制圧と同時に、すぐに上がってきました。閉じ込めを喰らっていた分、やる事も多いだろうと」
「皆がお前の様にやる気に溢れていれば、どれだけ良いだろうな」
「自分は、軍人として当然の事をしているまでですが……」
ビクトリア制圧──正確には奪還だが、オーブ侵攻と同時に地球軍が展開していたビクトリア基地の侵攻、そして制圧がなされて転属となっていたナタルもようやく月へと上がって来れていた。
ミュラーはアークエンジェルの査問会のすぐ後には制圧される前のパナマから月基地に上がっていたので、こうして会って話すのはナタルが言う様に久し振りでもある。
「アルスターはどうだ?」
「准将のお陰で、安全に過ごせておりました。私と一緒に月基地に上がってきております。後程お会いしたいとも」
「そうか。後で時間は作ろう。さて、お前を呼びつけた理由だが────オーブが落ちた」
瞬間、ナタルは小さく目を細めた。
侵攻作戦が進められていた事は聞き及んでいた──そしてそれが上手くいっていない事も。
「詳しく、聞いても?」
「バカをしてくれたもんだ。正攻法ではオーブの堅牢を押しきれず、軍事施設のない本土への侵攻をちらつかせた」
「──なんて事を」
「オーブは地球圏の主権国家だ。あの様な行い、終戦後には間違いなく大きな負債となるだろう」
「ですが攻撃までは、していないのでは?」
「それもオーブのお陰と言える。ウズミ・ナラ・アスハが本土に攻め入られる前に、オノゴロを破棄。マスドライバーとモルゲンレーテを自らと共に屠った。侵攻目的であったそれらを失い、もぬけのからとなったオーブには、現在大西洋連邦が暫定政権を置いてる。
陣頭指揮にあたっていたアズラエルはカンカンだったらしいな」
「そう、ですか」
小さく嘲笑う様子を見せるミュラーに対し、ナタルはどこか伏目がちに返した。
思い出すのは、アラスカへと向かう道中で立ち寄った彼の国。
いや、オーブではなく、あの繊細な少年が今どうしているかが、ナタルは気掛かりであった。
実質的なオーブの喪失──どれ程の辛い思いをしているのか、ナタルには推し量ることすらできない。
「何か、気掛かりがあるのか?」
「いえ、アラスカの道中で立ち寄った国でしたので。その様な結末を迎えた事が少し……気の迷いです。申し訳ありません」
「気にするな。アークエンジェルにはオーブの民間人も乗っていたしな。そう思うのも無理はない。
だが、そのオーブの戦端のせいで、こちらの予定も早まった」
ミュラーの雰囲気が変わり、ナタルも軍人として意識を切り替えた。
「アズラエルが最新鋭機と共に宇宙に上がってくる。お前が預かるドミニオンに同乗して特務に出てもらう予定だ」
「ドミニオンで、特務……ですか?」
「狙いはオーブを離脱したアークエンジェルの撃破、及び艦載機の捕縛」
「なっ、アークエンジェルの……撃破!?」
「アラスカでの事は知っているだろう。あれは今や敵前逃亡艦──討つと指示が出れば、それを覆す事はできん」
「しかし──」
納得はできない。
アラスカでの敵前逃亡など──サイクロプスが仕掛けられ敵軍諸共自決しろなどと誰が受け入れると言うのか。
今共にいられずとも、あの艦に居るものたちはナタルにとって戦友と呼べるかけがえのない仲間である。それが軍の命令で自決を強いられ逃げれば追撃され撃破などと、納得できようはずもない。
そうさせたのは、軍上層部ではないか。
だがそれでも、表向きアラスカの惨劇はザフトの新兵器によるもの。
あの非道な作戦は軍でも一部の人間しか知らない。
地球軍全体としては、アークエンジェルが紛れもない敵前逃亡艦なのは間違いがない。
最新鋭の戦艦が、枷もなくどこへでもいかれては機密も何もあったものでは無い。追撃任務は当然の処置でもあった。
「お前の初任務がこうなった事はすまないと思うが、命令だ。任されたお前に拒否権は無い」
「私は軍人です……命令を拒否などと」
ミュラーはナタルが見せるその迷いの表情を見て、端末を操作しドアを開けた。
話は済んだ……退室しろ。その意図である。
「アズラエルが上がってくるまでもう暫くある。今の内に卸し切っておけ──迷えば、仲間も死なせる事になる」
「わかって、おります──失礼します」
敬礼を見せてから、ナタルは迷いの表情を残したままミュラーの執務室を後にした。
「やれやれ、疲れるなこの席は。なぁ──ハルバートン」
先行きの悪い展開に、ミュラーもまたわずかな迷いを誤魔化す様にため息をついて、残る仕事に没頭するのだった。
堕ちたな(確信
いや違うか。堕ちそう(確信
久々出番のナタル。作者は泣いて喜ぶも
戦慄するのはこの後ナタルと敵対するって言う、主人公にとって一番きつい戦いが待ってる事。
もうやめたげてよぉ
原作と違うタイミングでの出生の暴露。そして全く違う受け取り方。
だけど本作のキラはこれでいい。
感想、よろしくお願いします