機動戦士ガンダムSEED カガリの兄様奮闘記   作:水玉模様

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まだ、前哨戦(長すぎ


PHASE-52 解放の光

 

 

 

「このぉ!」

 

 ビーム突撃銃で光をばら撒きながら、シールドよりビームアックスを取り出して吶喊。

 赤いカラーリングで染められたルナマリアのザクは、アーモリーワンからの因縁とも言える強奪機体の一機、ガイアへ向かうと光の刃を叩きつけた。

 

「もう今更、機密の為に奪還何て必要もないわよね……あんた達は、ここで墜とす!!」

 

 ルナマリアは一気呵成に攻め立てる。

 敵の中にセカンドステージの3機が居る以上、敵の陣容はダーダネルスから変化は無いだろう。

 それはつまり、慕っていた隊長(タケル)の仇だという事だ。

 戦意も、怒りも、そして散々鍛え上げられてきた技術も併せて、ルナマリアは機体性能で劣るザクウォーリアを駆り、ガイアを押していく。

 

 対して、ガイアに乗りザクと対峙するのは、まだまだ戦場に立つには年端もいかない少年である。名前等ない。強いて言うのであれば、No.8(エイト)が呼び名だ。

 ステラ達人格形成型エクステンデッドから路線を変更して、そうして新たに採番された被検体ナンバーであった。

 

「敵機──攻撃、防御不能」

 

 冷静に、ガイアのパイロットである少年は不利を悟り機体を退がらせていく。

 反応速度、MSを扱う技量。それらは十二分に強化されているエクステンデッドでありながらも、しかしスペックで劣るはずのルナマリアのザクにこうも圧される──それが少年には俄かに理解できなかった。

 

 だが、これはむしろ必然。どれだけ肉体を強化しようとも、どれだけMSを扱う技量に長けていても。それだけではどうしても届かない事がある。足りないものがある。

 

 それは経験。

 

 機体の挙動を掴むのも、敵の動きを見切るのも。戦闘を組み立てていく思考も。全ては経験し学ぶことで培われていく。

 デストロイの様に、自らの領分でスペックだけ発揮していれば十分戦えるようなのは稀だ。基本的に戦闘においては、自身と相手の駆け引きがあるのだから。

 ロールアウトしたばかりの彼等は、感情を殺し命令に服すことに重点を置いて仕上げられている。

 それはつまり、経験から能動的に学ぶ能力が極端に低い事と同義。

 言われた事しかできない。教えられたことしか知らない。極端なスペックの差があれば相手を土俵に上げずに封殺できるだろう。だが、それが叶わぬのなら、彼等の戦闘はあまりに拙い。

 

 アーモリーワンからこれまで、積んで来た経験が、2機の戦闘の趨勢を定めた。

 

「仕留める!!」

 

 雪が舞うベルリンの市街をザクが翔ける。

 スラスターを全開にして地表を飛翔しながら、ビーム突撃銃を乱射。雑な射撃だが相手の動きを封じるならこれで良い。

 反撃に放たれるビームライフルを、機体を傾けてシールドで受ける。同時にルナマリアはフットペダルを更に踏み込んだ。

 それは正に人機一体の動きとなって、ガイアの懐へとザクも同様に踏み込ませていく。

 彼我の距離はゼロ。ガイアが慌てた様にサーベルを手にしようとした瞬間、ビームアックスで肩口から腕部を断ち切った。

 

「まだ、まだ!!」

 

 更に踏み込む。膝関節駆動部が悲鳴を挙げる様に唸り、ザクは低姿勢となってガイアの足元へと潜り込んだ。

 瞬間、スラスターと駆動部がフル稼働。噴射と跳躍を合わせスパイク付きショルダーアーマーで突撃。全力の体当たりがガイアを宙へと打ち上げる。

 衝撃にザクの内部フレームが悲鳴を挙げるが、セカンドステージのガイアに比べれば、PS装甲が無い分ザクの方が素の耐久性は頑丈だ。

 機体の悲鳴を無視して、ルナマリアはザクを飛び上がらせた────打ち上げられた衝撃に姿勢の制御も覚束ないガイアの直上を取る。

 

「これで、最後ぉおお!!」

 

 振り下ろされるビームアックス。それが、ガイアに叩きつけられて、右肩から左脚部にかけて裂いていく。

 

 直後、ガイアは大きな爆発を起こして、ベルリンの街に散った。

 

 

 

「はぁ……はぁ……んっ、よぉし!」

 

 

 因縁の敵の撃破に、ルナマリアの心は踊った。

 強敵であった筈のガイア。セカンドステージとのスペック差を覆して手に入れた勝利は、これまでがあったからこそ。

 実るどころか自覚する前に散った、彼女の初恋への手向けとしては上々であろう。

 

『バカ、気ぃ抜くなルナマリア!!」

「へっ──きゃぁ!?」

 

 飛び込んでくるハイネからの通信。直後、ザクの眼前に緑の光条が落ちる。

 未だ激しい攻撃を繰り返すデストロイのネフェルテムが無造作に放たれ、ルナマリアのザクの足元へと降り注いだのだ。

 

「ぐっ……まずっ……」

 

 ザクのコクピット内に表示されるエラーの数々。直撃こそもらっていないものの、脚部はほぼ全損。軽くなった重量をうまく制御しながら、ルナマリアはザクを空中へと避難させた。

 

「つぅ……しまったぁ。何たる失態」

『敵を墜として気を抜いた瞬間被弾とは、クルースが聞いたら泣いて悲しむだろうな』

「う、うるさいわねハイネ! あの人は先にガイア墜とした事を褒めてくれますぅ!」

『あ〜わかったわかった。とにかくその機体じゃ何もできねえ。帰投しろルナマリア』

「はぁ……締まり悪いなぁ」

 

 情けない結果に嘆きつつも、デストロイの攻撃を十分に警戒しながら、ルナマリアはミネルバへと帰投していく。

 

 ハイネはカオスを相手取りながら彼女をきっちり見送ると、再びミネルバの護衛についた。

 

「まっ、確かにアイツなら先に褒めてくれるだろうな────良くやったな、ルナマリア」

 

 言って、ハイネは戦意を滾らせた。

 MS隊にはこれからの連携の為にも対等に扱えと言って接してきたが、それでも彼はザフト特務隊。デュランダルが選んだザフトの英雄の1人。

 まだまだヒヨッコな彼女の活躍を見て、奮起しないわけにはいかないだろう。

 特務隊であれば…………前線での戦域管制、ミネルバの護衛。それらに穴を作らないまま目の前の敵くらいは軽く仕留めなければならない。

 

 口元に弧を浮かべ、ハイネの意気は上がっていく。

 

 射撃兵装が多く機動性も十分なカオスを、グフで相手取るのは難儀な話だが、ハイネのグフを相手にカオスは随分と攻めあぐねている様子であった。

 

「このままじゃ舐められちまうよな。さっさと終わらせてやるぜ!!」

 

 

 雪降る曇天の中、オレンジ色の風となってハイネは空を翔ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 所変わり、レイ・ザ・バレルもまたセカンドステージの1機アビスと交戦中である。

 戦場は市街地。故に、セカンドステージの設計思想にある局地戦の有利は今のアビスには無い。汎用性とて十分に確保されているシリーズ機体ではあるが、局地戦でないのなら機体条件は五分。

 ならば負けるわけにはいかないと、レイもまた奮起していた。

 

 アビスのシールド内蔵ビーム砲を躱して、反撃にビーム突撃銃を3度撃ち込む。

 1射目は機体前方を。2射目はビームランスを握る右腕を────そして3射目は回避するであろうアビスの行く先を予期して放つ。

 回避先を読まれたアビスは、ギリギリのところでシールドを閉じて受け止めるが、そこへレイはファイヤービーのミサイルで追撃。

 飛翔したアビスをミサイルで囲み叩き落とした。

 

「ここだ……行かせてもらう!」

「敵機接近──迎撃可能」

 

 地上へと落とされたアビスを見て、レイは勝負に出た。

 接近戦での勝率は、アビスの得物のリーチが長い事を考えると目算で6割──これまでなら踏み込まぬ勝負に、しかしレイは挑んでいく。

 飛翔し、アビスの上を取ると空中よりザクの基本装備であるグレネードを2つ投擲。余り使用頻度の高い装備ではないし使い勝手も悪いが、アーモリーワンでの映像記録には彼がこれを見事に使いこなしていたのをレイは覚えていた。

 

「(使える手段を増やせ……こういうことでしょう、隊長!)」

 

 即座にレイはビーム突撃銃を連射。2発でアビスが立つ大地を穿ち、1発は投擲したグレネードの1つを撃ち抜く。

 そして爆炎を目くらましに、更にアビスを狙った。

 

 近距離で爆発したグレネードの衝撃。足下に放たれたビーム突撃銃によってアビスの態勢が崩れる。そこに本命となるもう一つのグレネードが着弾。

 VPS装甲がダメージを無力化する中、その大きな衝撃にたまらずアビスは吹き飛ばされた。

 

「そこだ!」

 

 追撃に放たれるのはファイヤービーのミサイル全弾発射。

 余すことなくアビスの機体前面へとミサイルを浴びせれば、その衝撃がビームランスを叩き落とす。

 状況は成った。レイはザクのコクピットで僅かに笑みを浮かべる。

 ビームアックスを手にして吶喊。アックスを振り被った瞬間、アビスは最後の抵抗で胸部のカリドゥス複相列ビーム砲を放つも、それを読んでいたかのようにレイのザクは機体を翻した。

 僅かに距離が開いた所へ、ビームアックスを投擲。

 投げ込まれたアックスはアビスの頭部へと突き刺さった。

 

「終わりだ!」

 

 次の瞬間には、レイのザクはビーム突撃銃を両手に持ち構える。

 狙い鋭く、正確に放たれる一射はアビスのコクピットへと吸い込まれていった。

 

 直後、海を思わせる蒼の機体は炎を上げて爆散した。

 

「──ありがとうございました、隊長」

 

 この結果はきっとこれまでがあったから。それを感じ入って、レイは素直な感謝の気持ちを溢した。

 仮に居なくなっても、残るものがある。息づくものがある。それは(ラウ)(タケル)も同じ。レイの中で、変わらず生き続けているのだ。

 自然と操縦桿を握る手に力が籠るのを、レイは感じていた。

 

『よくやったな、レイ。だが油断するなよ。まだデカブツが残ってるからな』

「あぁ、了解だハイネ。俺はどうすれば良い?」

『ミネルバの甲板に上がれ。ガナーを装備して砲狙撃戦だ』

「わかった。一度帰投する」

 

 ルナマリアと同じ轍は踏ませないと先んじて通信を繋げて来たハイネに応え、レイのザクも一度ミネルバへと帰投していく。

 

 ハイネはいつの間にかカオスを撃破しており、特務隊としての実力をまざまざと見せていた。

 

 そんなハイネに並ぶように、ミネルバで補給を受けたレイはガナー装備で再び出撃。

 オルトロスでミネルバに接近してくるウインダム部隊や、ミサイルの迎撃に回っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『大佐。ガイア、カオス、アビス……共に撃墜です』

 

 信じられない。そう言いたそうな報告の声音に、ネオは半ば当然だろうなと仮面の奥で眉を顰めるだけに留まった。

 機体への慣熟もしていない。シミュレーションもしていない。そもそも新しいエクステンデット達の背格好を見れば圧倒的に仕上げる時間が足りていない事はすぐわかる。人間がスペックさえ備えれば全て発揮できると思ったら大間違いなのだ。

 いくら身体を強化しようとも、“育つ”には時間がかかる。それを忘れて、ただ必要な措置を施しているからと戦場に持ち出せばこうなる事は必然。

 

 死んだ目をしていたが故に、彼等に情が移っていなかったのが幸いしてネオに悲しみはなかったが、かと言って何も思わぬ事もない。偏に汚い大人達に振り回された命を憐れむばかりであった。

 

「だがそれでも。これ以上は……やらせん!!」

 

 ウインダムを駆り、戦線に復帰しようとするフリーダムを標的に据える。

 ビームライフルと背部ジェットストライカーに備えられた空対地ミサイル“ドラッヘASM”を発射。

 

「これでも私は、連合の軍人なのだよ!」

 

 フリーダムが足を止めたところで、ビームサーベルを出力し切り掛かった。

 

「くっ、この人!? 戦いが上手い!」

 

 僅かにタイミングをずらした射撃。綺麗に誘い込む様に回避先を誘導されミサイルを撃ち込まれた。

 そして更に、そのまま逃さないと言わんばかりの接近戦。

 手練れの気配はキラへと如実に伝わる。

 

「この間の戦いからこっち……これ以上お前に好き勝手はさせられないんでね!!」

 

 フワリと揺れる様に機体を翻して切り結ぶフリーダムを受け流すと、ネオのウインダムは背後を取った。

 

「この、感じ……」

 

 何かを、キラは感じ取る。

 それは懐かしい様で、恐ろしい様で、悲しい様で。どこか胸が締め付けられる様な奇妙な感覚。

 思い浮かべるは2年前────ヤキン・ドゥーエの戦場で、キラは突き動かされる様に(ラウ)の元へと辿り着いた。それと近しい感覚が、目の前のウインダムから伝わってくるのだ。

 

「まさ、か────っ!?」

 

 背後に回ったウインダムのサーベルをSEEDによる知覚で見切り、機体をのけぞらせる。

 フリーダムはそのままバックフリップして即座にサーベルを出力。瞬速でウインダムの四肢を切り飛ばした。

 

「なっ!? んだとぉ!!」

 

 成す術無く落下していくウインダム。

 それを見やると、キラはすぐにカガリへと通信繋ぐ。

 

「カガリ、ごめん! 今落ちたウインダムを回収して!」

『えっ、キラ! 何が──』

「急いで! あいつの攻撃に巻き込まれる前に!」

 

 言うと、デストロイを押し留めるために、キラはフリーダムを走らせた。

 訳もわからずで、一方的に告げられたカガリは仕方なくアークエンジェルの護衛を離れネオのウインダムが落ちた地点へと向かった。

 

 

 パープルカラーのウインダム────ネオ・ロアノークであり、ムウ・ラ・フラガが乗る機体へと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 メディカルルームにある“ゆりかご”と呼ばれる装置。

 その中で静かに眠るステラ達を横目に、タケルは必死に端末を操作している。

 目的は装置が動作しているデータログを拾い、解析するためだ。

 

 ユリスとの契約である彼女達を救う。それは単に連合の支配からの解放ではない。

 それも重要ではあるだろう。だがそれだけならユリスが首輪を外した時点で達成できる。ラボを制圧し自由になった今の段階でそれこそ達成していると言えるだろう。

 だが、そうではない。つまり、本当の戦いはここからである。

 

「どう、兄さん?」

「一応技術屋だ。機械的な見解で装置が何をしているかはある程度理解できる。だが、それがステラ達にどう作用しているのかはさっぱりだ。生物分野はSEEDの論文の時に少し齧った事があるけど、ステラ達はそんな付け焼き刃でどうにかなる身体じゃない」

 

 そう、エクステンデッドとして様々な強化措置が施されたステラ達。その絶対的な制約として残るゆりかごによる身体調整。

 様々な投薬や外科手術による処置。洗脳も含めて、徹底的に施された強化施術は、彼等の肉体を人間とは別物の身体に変えてしまっていた。

 定期的にゆりかごにによる措置が施されないと、彼等はすぐに身体機能が壊滅しして死に至ると言う。

 彼女達を本当に救うとなれば、この制約からの解放が絶対条件。それが、命を救われたタケルに課せられた対価であった。

 

「投与される成分名は知らない名前ばかり────ダメだこれは、今すぐどうこうは言えない。何もわからないよ。とにかく今はステラ達を調整して、そこから先は時間をかけて身体の分析を行って……そこから紐解いていくしか。

 ここに長居もできないし、できる限りの資料を集めて小型艇でひとまず脱出しよう」

「でも、それじゃあ脱出した後はどうすんのよ?」

 

 エクステンデットを研究していたラボ。本当であればここでそのまま解析して答えに辿り着くのが一番手っ取り早いだろう。だが、それは当然ながら反逆の徒である彼等には叶わない。

 ならばこれからどうするのか……ユリスは険しい目を向けて問いかけた。

 

「────あては、あるよ」

「他の研究所とでも言う気? 言っておくけど、ここ以外なんて私は知らないし、仮に別のラボを見つけたところでここの二の舞。時間をかけて何かをするには無理が──」

「違うよユリス。連合のラボじゃなくても、人体の研究に相応しい設備がある場所を…………僕達は知っているはずだ」

「僕達? 私も知ってるって…………まさか」

 

 タケルが言うことの答えに考えが至り、ユリスは驚きに表情を変えていく。

 そんな彼女に静かに頷くと、タケルはステラ達を見やりながら口を開いた。

 

 

「人間の身体を紐解くに相応しい、遺伝子研究の聖地(メッカ)────L4宙域コロニー、“メンデル”だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 アークエンジェルとフリーダム。

 ミネルバと、インパルスやセイバーを要するMS隊。

 

 手を取り合わずとも同じ目標のために邁進する2つの勢力によって、ベルリンを進行中の連合部隊はその大部分を削がれる事となった。

 カオス、ガイア、アビスの3機を失いネオのウインダムも撃墜。デストロイは健在だが、その異常とも言える火力のせいで味方を巻き込みかねないため、ネオ達が落とされた今、実質的にデストロイの随伴として動ける機体は居なくなったと言える。

 一般的な兵士とウインダムの組み合わせがまともな戦力にならない事など、特筆することでも無く、数を頼みにすればデストロイの邪魔になる。

 連合としては現在の状況は八方塞がり。詰みである。ー

 

 

 ────未だ目立った損傷を受けず健在な、デストロイを除けば。

 

 

「ロアノーク大佐、撃墜」

「周囲に味方機、残存無し」

 

 それらは、彼等に取って枷であった。

 異常な火力を保有し、そしてそれを十全に扱うだけの特別な処置が施されていた彼等に取って、周囲に多くいた味方機は邪魔でしかなかった。

 攻撃範囲が広すぎる為に味方を巻き込みかねない。そして、エクステンデッドである彼等は基本、味方諸共撃つ事は教育段階で非推奨と教え込まれている。

 

 故にそれまで、彼等は味方を気遣い細心の注意の元戦うしかなかったのだ。

 だがもはや、彼等を縛るものはいない。デストロイに巻き込まれる味方は居ないのである。

 

 自由であった。

 

 忘れ去られた歓喜の感情が、微かに少年たちに笑みを作らせた。

 

 悪魔のMSのデュアルアイに、悪意の光が宿り始める。

 

「この感じ────まさか!」

「加減を、していたと言うのですか…………ミネルバ!!」

「まずい、マリューさん! 回避を!!」

 

 SEEDを発現していた3人は、いち早くその変化に気がついた。

 言うなればそれは、これまで全く感じられなかったデストロイに乗るパイロット達の気配。

 まるで、悪意が鎌首をもたげた様な嫌な気配を感じ取っていた。

 

「全砲門解放」

「マルチロックオン」

「フルバースト────ファイヤ」

 

 

 無機質な声の元、放たれるはデストロイが備える全兵装のフルバースト。

 

 無差別に放たれた数多の閃光が、ベルリンの街を光で染めた。

 

 

 




ちゃんと変わった彼等を描きつつ、必要な原作をなぞりつつ、オリジナルの話も展開される回でした。

作者的お困り案件。
キラ君、ヤキンの時からなんで急にピキーンしてラウとかムウ感じ取れる様になったん?
ムウとラウはわかるが、キラ君なんでなん。わからんからなんと無くでしか書けないんよ。
あれ、もしかして理由とか明かされてる? 作者見逃してるかな。

とりあえず、ここからが本当のデストロイ戦です。どうぞお楽しみに。

感想、是非よろしくお願いします。
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