機動戦士ガンダムSEED カガリの兄様奮闘記   作:水玉模様

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閲覧注意。この話には以下の成分が含まれます。

・嘘です。100%本編には関与しません。
・ギャグです。キャラ崩壊も含みます。
・叡智です。見ようによってはとっても叡智です。
・百合百合します。
・一部の人はシン・アスカが大嫌いになります(アンチ描写は一切ありません)

以上の点に注意してお読みください。

ガイアが書けと囁いてきました。


幕間 それは惑わす夢現

 

 

 所はミネルバ艦内。

 ヤヨイ・キサラギの部屋……ではなく。ルナマリア・ホークとメイリン・ホークの姉妹に宛がわれた部屋にて。その夜はビュービューと冷たい風が吹き荒ぶ夜となっていた。

 勿論。ここはミネルバ艦内。宇宙艦であるミネルバが、外からの風が吹き込んでくるような設計であるはずは無い。

 だがしかし、彼女達……記すなら部屋の持ち主であるホーク姉妹には、正に冷たい風が目の前の少女より吹き付けられているのと同じ感触を味わっているのだ。

 

 年齢からみても少し小柄。メイリンよりも低い身長でありながら、その威圧感はデストロイ級。

 人形の様に整った顔立ちと長い黒髪。誰もが見惚れる美少女でありながら、しかし誰もが凍り付く瞳を携えて。少女、サヤ・アマノは眼前の雌猫姉妹を見降ろしていた。

 

 さて、一体何がどうなっているのか。少し時を遡ろう。

 

 事態はつい先程。メイリン・ホークがサヤ・アマノに手を取られ、仮眠と言う名の尋問を掛けられに連行され時に端を発する。

 

『待って、ヤヨイ!』

『待ちません。時もサヤも、止まる事はありません』

『そ、そうじゃなくて! タケルさんと色々あったのは、私だけじゃなくてお姉ちゃんもだよ!』

 

 そう、あろうことかこの妹。絶体絶命のピンチを悟り姉を売ったのである。

 ぎぎぎぎと錆び付いたMSの様にゆっくりと振り返ったサヤの顔はそれはもう修羅か羅刹の様ではないかと、メイリン・ホークは記憶していた。

 

『目的地を変更します。2人の部屋に行きましょう』

『う、うん……』

 

 内心で、ゴメン、お姉ちゃん。そんなつもりじゃなかったの。なんて心にも無い言い訳を並べながら、メイリンは一先ず仲間を手に入れたのだと一安心。

 そうして辿り着いた別の尋問部屋では、哀れな子羊が何も知らずにすやすやと寝ていた。

 

『起きなさい、ルナマリア・ホーク────貴女の罪を懺悔してもらいます』

 

 身体の芯から凍り付くような冷たい声音と共に、こうしてホーク姉妹の部屋は、南極の様な雪景色(のイメージ)へと変わったのだった。

 

 

 

 

 

 ズンと、双肩にかかる圧にはっきりとした重さを感じながら、ルナマリアは恐る恐ると目の前で仁王立ちする少女を見つめる。

 無論、彼女を見降ろすその瞳は完全にヤバい時のそれだ。具体的にはルナマリアお兄ちゃん発言事件の時くらいヤバい。

 

「(ちょっ、ちょっとどういう事よメイリン! 一体何がどうなってるの!)」

「(ご、ごめんお姉ちゃん。なんだかヤヨイの地雷を踏んじゃったみたいで……逃げ切れなさそうだったからお姉ちゃんの分も踏み抜いちゃって)」

「(意味わかんないっての! 地雷? 何が、どうして? どういう事なのよ──)」

「ルナマリア」

「ひっ!?」

「確かに私は親愛なる友として、貴女にサヤの名を呼ぶことを許しました」

「え、えぇ……だから、サヤって呼ばせてもらってるけど……」

「ですが、お兄様に色目を使うような事を許した覚えはありません」

「い、色目ぇ!? ちょっ、まっ、何の話よ一体!」

「しらを切るのですか? 先程メイリンから聞きましたよ。ルナマリアがお兄様を誘惑していたと」

 

 否、メイリンはルナマリアもタケルと色々あったとしか言っていない。

 確かに素のタケルの顔を知ってるがために、色々とからかったり弄んだりという事はあった。だがそれはあくまでおふざけの範疇であり、サヤが考えているような事は一切ない。そもそもルナマリアはつい最近まで、タケルのこと等なんとも思っていなかったのだ。

 

 兄妹揃って、兄妹の事に関してはガバガバ思考になるアマノ兄妹であった。

 

「お兄様の事、好いていたのでしょう?」

 

 しかしこのルナマリア・ホーク。つい先日、己の中に芽生えかけていた恋心を自覚したばかりだ。

 それは喪った事で初めて知り、喪った事で既に意味の無い感情。故に、今更隠すことは憚られた。

 

「────その、まぁそれとなくそんな気持ちはあったわね」

「ギルティ!」

「あべしっ!?」

 

 必殺────宇宙の時以来のデコピンが炸裂する。

 その余りの威力に頭を後方へがくんと揺らし、ルナマリアは床に崩れた。

 

「────お、お姉ちゃん?」

「お兄様を誘惑する雌猫。生かしてはおけません」

 

 指で銃の形を模して、ふっ、と硝煙を吹き消すしぐさを取るサヤ。

 再度述べるが、ルナマリア・ホークにそのような事実は一切無い。

 無実の罪によって額を射抜かれ仲間にしたばかりの姉は撃沈。地に落ちた。残るはメイリン・ホーク唯一人である。

 

「ね、ねぇ……ヤヨイ。私、まだ死にたくないよ」

「安心して下さい、全てをメイリンが語るまではやりません。その後の痛みは一瞬です」

「ひぃっ!?」

 

 どうあがいてもギルティではないか。メイリンは涙交じりに悲鳴を挙げた。

 さぁ、早くかの日のあらましを全て語れとサヤがにじり寄っていく。

 

「いや、助けて……お姉ちゃん」

 

 またもや述べるが、その姉を我が身可愛さに売ったのはこの妹である。

 

 サヤによって追いつめられるメイリンのその姿は、まるで強姦魔に追い詰められたか弱き少女の図。とてもメイリンに太刀打ちできる気配は無かった。

 

 だが、侮るなかれ。

 姉は妹を守るからお姉ちゃんなのだ。妹を守れない様ではお姉ちゃんになり得ないのである。

 

 ユラリと、サヤの背後から影が差した。

 ハッと気が付きサヤが振り返ろうとする時にはもう遅い。

 

「おんどりゃああああ!!」

 

 サヤ・アマノは、ルナマリア・ホークに羽交い絞めにされて宙に持ち上げられていた。

 

「お姉ちゃん!」

「る、ルナマリア!? 墜ちたはずでは!」

「妹の助けを求める声に立ち上がれなくて、お姉ちゃんはやってられないのよ!」

「そっ、そんな意味不明な理由で!」

 

 再三にわたって述べるが、我が身可愛さで姉を売ったのがメイリン・ホークである。そこに嘘も偽りも間違いも誤りもない。謝りもない。

 

「つぇりゃああ!」

 

 酷い掛け声であった。とてもうら若き十代の乙女が出していい声ではない。

 しかしそれによってベッドへと放り投げられたサヤは、そのままルナマリアに跨られマウントポジションを取られた。

 

「くっ、どきなさいルナマリア! 退かなければ力づくで!」

「あんたの華奢な身体で出来るかしら? 組敷かれたら最後、体格がものを言うのよ」

「くっ、ひっ、卑怯な!」

「メイリン! 貴方もこの子の脚を抑えつけなさい!」

「うん、わかったよ、お姉ちゃん!」

 

 一切の惑いなく、メイリンは姉の指示に従った。

 上半身をルナマリアに抑えつけられ、ばたつかせる足もメイリンによって封じられ、遂にサヤ・アマノは身動きの取りようが無い状態へと陥ってしまう。

 

 そうしておさまりが付けば、後は下からきつく睨み上げてくることしかできないサヤの姿が、ルナマリアの嗜虐心を大いに煽った。

 

「あぁ。いいわねぇ、この構図。普段は澄まし顔でいるサヤが私の下で組み敷かれて睨みつける事しかできないなんて」

「お姉ちゃん。それちょっと危ない発言だよ」

「くっ、このサヤ・アマノが何という屈辱……」

「ふっふっふ、その悔しそうな顔……直ぐに蕩けさせてあげるわ」

「何っ!? ルナマリア、待ちなさい何を──」

「そぉれ御開帳!!」

 

 がばっと言った勢いで、サヤの赤服が左右に広げられた。

 赤服の奥には色気の欠片も無い黒のインナーが顔を覗かせており、ルナマリアは更に厭らしい笑みを浮かべる。

 

「ふふふ~ん。サヤ、この後私が何をするかわかる?」

「げ、下種な! いくらルナマリアと言えど、これ以上は許しません!」

「あっ、そう? そんな反抗的な態度をとるんじゃ、何されても文句は言えないわね」

 

 ぞわっ、とサヤの背筋に悪寒が走る。

 見ればルナマリアの手が、腰元からインナーの中に潜り込み、サヤの上半身を這い始めていた。

 

「いっ、いやっ! やめなさいルナマリア! これ以上は本当に」

「ん~、それなら言い方ってもんがあるんじゃない?」

 

 舌舐めずりしながら、ルナマリアはサヤを見下した。

 それにしてもこの少女、ノリノリである。顔は完全に悪役のそれだ。反撃できないように、開いた赤服の袖を縛り、完全に腕を使えなくさせてる所もポイントが高い。

 その余りの手際に、後ろでそれを見ていたメイリンが姉はもしや前科持ちかもしれないと慄いたのは内緒である。

 

「う~ん、ここかな? それともこっち?」

「あっ、いやっ! んっぅう、ル、ナ……マリア、ダメ!」

 

 サヤの拒絶の声に、艶が混じり始める。

 一応記しておくが、ルナマリアの手はサヤ・アマノの腰元。もっと言うなら細い腰元の左右からインナーの中へと潜り込み、そのまま前進と言う名の上昇を続けているだけであり、いわゆる核心的な部分には触れていない。

 

「んひ!? こ、これ以上は、本当にっ、あっ! 怒りま、すよ!」

「ほほう……まだそんな口が叩けるのね。なら、そろそろ大事な所に押し進むしかないわね」

「や、やめなさい! 絶対にそれだけは許し──」

「そぉれ、前進よ!」

「ひっ!?」

 

 遂に、ルナマリアの手はサヤの黒いインナーの奥底へと押し進んでいった。

 波打つあばらの感触を辿り、頂となるくぼみへと向かい、そうして一歩一歩前進していき……辿り着いた先は……

 

 

「くっ……ふふふ、あっ、ふあはは!」

「ほら、どう? ここが良いのかしら?」

「ひっ、あっはは、やめっ、なふふはは、さい!」

 

 ぐいと押し込まれたルナマリアの手が辿り着いた奥地────それは、サヤの脇の下。

 皮膚が薄く、神経がやや敏感な部分であり、表面を撫でる様に触れるだけでも人によっては何とも耐え難い疼きが襲う場所だ。

 

 普段の澄まし顔はどこへやら、擽り地獄にサヤの顔はくしゃくしゃに歪に必死に笑いをこらえようとするが、ルナマリアの猛攻は止まらない。

 

「ほれ、ほれほれ、ここがええのんか?」

「お姉ちゃん!? なんか言葉遣いがおかしくなってるよ!」

「ひっ、あっやめっひゃははは、おねっ、がっ、ルナあは、マリ、アっんっ!?」

「お姉ちゃん、ヤヨイの顔が、酷い事に成っちゃってるって!」

「ん~、まぁこのくらいにしてあげようかしら。少なくとも懇願の言葉は聞けたし」

 

 この少女、事ここに至って完全に嗜虐心に支配されていた。

 擽り地獄に完全に屈服したサヤを見降ろし、とてもとてもご満悦な様子である。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……ルナ、マリあぁ……」

 

 だが、サヤ・アマノがこのままで終わる事は無かった。

 

 それは意図しての事では無く、そして反撃と呼べるものではなかった。

 しかし、それはルナマリアが行った事を鑑みれば必然とも言える。満足したと言わんばかりに笑みを浮かべるルナマリアの脳裏に、大きな波を立てる一石を投じたのだ。

 

「──サ、ヤ?」

「はぁ……はぁ……」

 

 笑う……それは程度が小さければ気付かないものだが、非常に疲れる行為である。

 耐え難い疼きは全身の筋肉を硬直させ、息も絶え絶えになれば臓腑が一斉に身を捩る。恐ろしいまでの全身運動なのだ。その上呼吸も浅くなれば脳に酸素も回らない。思考力が著しく低下し、疲労困憊に陥ってしまう。

 今、ルナマリアの下に居るのは、そんな状態に至った少女であった。

 くたっ、と全身の力が抜け、そして目には僅かに涙を浮かべ、更には上がった脈拍で上気した頬。

 

 それを魅せるは、人形の様に容姿の整った掛け値なしの美少女、サヤ・アマノ。

 

 ルナマリアの宣言通り蕩け切った姿を見せるサヤに、ルナマリアの中で何かが音を立てて崩れた。

 

「──サヤ、あんた」

「はぁ……はぁ……な、何ですか、ルナマリア」

「っ!? その顔はやめなさいって……言ったでしょ」

 

 言って、ルナマリアは自身のインナーを脱ぎだした。

 上半身だけ下着姿になったルナマリアは、サヤやメイリンと比べると随分と女性らしい豊かさが垣間見える。

 蕩けた表情の中で、少しだけむっとした様子が過るサヤに、ルナマリアの胸の奥でまた小さな疼きが広がった。

 

「お、お姉ちゃん?」

「メイリン、貴女も見なさい……この同性すら虜にする女の貌を」

「はっ? 何を言ってるのお姉ちゃん──」

 

 そこから、言葉は続かなかった。

 ルナマリアの背後から顔を出したメイリンもまた、サヤの表情に言葉を喪い魅了されていく。

 潤んだ瞳、ルナマリアによってたくし上げられたインナーから覗く素肌が艶めかしく、血色の良くなった唇は、まるでメイリンを誘っているかのように艶やかであった。

 

「これは、確かに……やばい……ね……」

「め、メイリン、貴女まで何を!」

 

 完全におかしな空気は伝染していた。

 元よりメイリンは、姉の後ろに付き従う事が多かったせいか、姉のおかしさに完全に釣られている。

 彼女もまた、ルナマリアによって作り上げられたサヤ・アマノの魔性の虜になっていた。

 

 悪いのは彼女(サヤ)だ。こんなにも自分達の心を弄び、惹きつけてやまない彼女が悪いのだと。黒ではなく桃色の嗜虐心に染まりながら、2人は脳内で届かぬ弁解を並べる。

 

「とりあえずサヤ、首元に顔を埋めて匂い嗅いで良い?」

「わ、わたしも!」

「ばっ、何を言ってるのですか貴方達は! 正気に戻りなさい!」

「無理よ。そんなご馳走をお預けにするような事……出来るわけないじゃない」

「ヤヨイがエッチな顔するのが悪いんだよ」

「何を訳の分からない事を! やめっ! 顔を近づけて来ないで…………いや、やめ」

 

 完全に抑えが効かなくなった2人の少女が、キスでもせがまんばかりに顔を近づけてくる。サヤは顔を引き攣らせて目を背けた。

 徐々に近づいてくる荒い吐息。肌から空気を介して伝わる、ほんのり上昇した体温が目に見える様であった。

 

 

「なぁ、ルナ! ハイネがMS隊は集まれって──」

 

 

 後数センチ、と言う所である。

 時間すればあと1秒。その時があれば、事が及んでいた筈の所で、しかし少年は少女たちの花園に迷い込んでしまった。

 

「あっ!」

「えっ!」

「嘘っ!」

 

 どことなく既視感を覚える光景であった。誰がと言えば、恐らく()()()とってだ。

 

 闖入者が現れた事に悔しさを露わにするルナマリア。

 予想外な事態に思考が追い付かないメイリン。

 そして、絶対こんな姿など見られたくはないサヤの反応である。

 

 そして、肝心の少年はと言うと

 

 

「…………………………………………」

 

 

 1秒、2秒、3秒。たっぷりと3秒の時を固まって目の前の光景を理解しようとしていた。

 

 ルナマリアが下着姿で、メイリンもインナー姿で、何故かヤヨイが組み敷かれていて、ヤヨイはちょっと泣いていて、でも嫌がってる雰囲気でもなくて、ルナマリアとメイリンはヤヨイに覆いかぶさってて、3人共顔が赤くなってて、この部屋ちょっと良い匂いがして──────

 

 

 

 

 プツンと、少年の思考は停止した。

 

 

 

 

 

 気が付けばシン・アスカは艦内の通路を格納庫へと向かって歩いており、そこに至る数分間の記憶を失っていた。

 何度か頭をひねるも、記憶は影も形も取り戻せず、格納庫に戻ったところでハイネに何しに行ったのだと怒られて、シンは思いっきり不貞腐れる事になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────お兄様、サヤは穢されてしまいました」

 

 

 

 

 少女はその日、静かに現実を受け入れるのだった。





最新話更新したら何かが降って降りてきたんです。
そしたらいつのまにかこの話をほとんどその日のうちに書き上げていたんです。
プロットにも全く関係ないこの話を、書き上げたからには挙げないとと思い投稿しました。
反省はしてる(寄り道した事)。けど後悔はしてないです。

本編も更新分書いてるから許して。

感想お待ちしております。
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