機動戦士ガンダムSEED カガリの兄様奮闘記   作:水玉模様

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もう最後だけど、、、、盛大なオリジナル展開。


PHASE-131 レーヴァテイン

 時は少し遡る。

 

 L4での戦いを終え、決戦に向けてタケルが工廠へと入った翌日の事。

 

 ギルバート・デュランダルの執務室で、彼女ユリス・ラングベルトは厳しい表情を露わに部屋の主と対していた。

 

 

「つまり、()が潜んでいると?」

 

 

 静かに、ユリスは頷いた。

 

「えぇ、兄さんはまだ気づいていないわ…………と言うか、気づかないでしょうね。今はこの後の戦いの事で一杯だし」

「対して、君は随分と余裕そうだね?」

「そりゃそうよ。兄さんみたいに本気じゃないもの────どんな世界になろうが私は私。これまでと比べればプランどうこうなんて話、私のこれからの人生に欠片も影響ないわ」

 

 言ってのけるユリスの言葉に、デュランダルは目を丸くした。

 世界と人類を変えるであろうデスティニープラン。その可否すら、目の前の彼女にとってどうでも良い事だと言う。

 それが言えるだけの土台。彼女のこれまで────それを想像して、デュランダルは僅かに驚嘆と同時小さく身震いした。

 

「ふっ、タケルと違って君は本当に強いのだな」

「違うわよ────ラウと兄さんがおセンチ過ぎるだけ」

 

 余りの物言いに、笑みが溢れる。

 酷い言い草だがあながち間違いではない。

 脆すぎるから。真っ直ぐに受け止め過ぎてしまうから……だからあぁも極端な思考へと行き着いてしまうのだろう。

 尤も、極端な思考というのであれば自身も同じではあるのだが、それでも彼等ほどではないと言う自負が、デュランダルにもあった。

 

「それで、この危険性を伝えて私にどうしろと?」

「場合によっては私は独自に動かせてもらう。あのキザ野郎の企みをぶち壊すためにね」

「それを許可しろと?」

「あの男があんたの障害になるのは明白でしょう? 許可と対価が必要かしら?」

「ふむ、その通りだな。私としても是非もない話だ────だが随分と君にとって因縁深い様だね、彼は」

 

 瞬間、部屋の温度が下がるような冷たさをデュランダルは感じ取った。

 無論、その出所はユリス・ラングベルト。

 因縁深い──―その言葉に、胸のうちに抱いた憎悪を引き出されユリスの纏う空気が変わっていた。

 

「ブーステッドマン。エクステンデッド……全てあの男が進めて来た計画よ。私も含めてね。大事なものをおもちゃにされてこの私が黙っていると思う?」

「君の苛烈さはタケルからも良く聞いているさ」

「それは光栄だわ────じゃ、そう言う事だから」

 

 傲岸不遜。伝えるだけを伝えて、冷や汗を流すデュランダルに背を向けると、ユリスは執務室を退室していく。

 

 1人残されたデュランダルは殺気にあてられて早まる鼓動を抑えながら、ほぅと一息吐いた。

 

 

「ふっ、やはり悪意は消せない────という事か」

 

 

 描かれる人類の未来。デスティニープランが実現するはずの平和が、デュランダルの脳内で崩れ落ちていく。

 

 静かな執務室で、ギルバート・デュランダルは最後の計画変更を余儀なくされるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰もいなくなったメサイア中枢司令室。

 

 ギルバート・デュランダルは覚悟の表情を浮かべて操作パネルを叩いていた。

 

 

「──照準ミラーブロック、撃発位置にセット」

 

 

 これで準備は完了した。

 エネルギーのチャージは必要無かった。何故ならこれは発射を前提とするものでは無いからだ。

 

 

「さぁ、準備は整った────そろそろ君の出番だよ()()()()()

 

 

 メサイアへと接近するアラートが耳を揺らす。

 向かい来るジャスティス、フリーダム。更にはtype-Dとtype-B。

 英雄たちが、泡食ってジェネシスを止めるべく接近してきていた。

 

「そう慌てなくて良いさ…………君達の本当の戦いは、この後なのだからね」

 

 視界の端へと彼等を追いやり、目を細めて戦域情報を見つめ続ければ……漸く、求めた変化が目に入って来る。

 唐突にその場に出現した、巨大な熱源反応。

 巨大な────それは巨大な、大型構造体の姿であった。

 

 

 現れた大型構造体は、直ぐに動きを見せる。

 中心に集っていく光。これまた巨大な明かりが、戦場を照らし始める。

 

 

「あぁ、それで良いアズラエル……これで我々の役目は終わる。古き悪しき変革を望む人間は、この戦いの以後残ってはならんのだ」

 

 

 迫りくる閃光を、デュランダルは満足そうな笑みで見つめた。

 

 

「そうだ…………これで…………」

 

 

 直後、メサイアを巨大な光が呑み込むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──何が起きた? 

 

 

 戦場に居た誰もが、その疑問と共に自身の目を疑った。

 

 

 降伏宣言の後も動き続け、第2射を目前としたジェネシス。

 それを止めるべく動き出す大戦の英雄達。

 メサイアへと一斉に向けられた光を無情にも弾く、ジェネシスの強固なPS装甲。

 

 誰もが絶望の光景を幻視した。

 

 放たれる狂気の光が地球を焼き尽くす。

 そんな未来を脳裏に垣間見た。

 

 

 果たして────その未来は覆される。

 

 

 横合いから掻っ攫う様に飛び込んで来た、ジェネシスすら小さく見える程の巨大な閃光に。

 

 

 そして、絶望は更なる絶望を呼び戦場へと姿を現した。

 

 

 主戦場からそう遠くない宙域に、ぽっかりと巨大な空虚となる穴が空いた────それが、先の閃光を放った砲門であることを、戦場にいる皆が無意識に感じ取った。

 ミラージュコロイドによって星々の大海を写していた空間に、無機質な金属の建造物が徐々にその全容を現わしていく。

 

 

 

 

 戦略要塞級超巨大戦艦────名称レーヴァテイン。

 

 直径数キロに及ぶ超巨大な砲門レーヴァテインを備えた、ジェネシスすら凌駕する絶対的破壊兵器。

 艦体を覆いつくす程の迎撃砲門。その数は百の単位をゆうに超える。

 

 そして、直衛にはあのフルングニルが5機。

 

 彼等の目の前に現れたのは、古今東西誰もが予想だにしない、破壊の象徴と言える兵器達であった。

 

 

 

 

 

「ふっ、くくく……ハーッハッハッハ!! みろよ! あの野蛮な兵器もこうなれば形無しじゃないか!」

 

 

 視線の先に浮かぶメサイアの残骸。巨大だったそれが、見る影もない姿になっているのを見て、ムルタ・アズラエルは狂喜に満ちながら少年の様に喜びを露わにした。

 

「漸くだ。これで漸く終わる……この歪んだ世界と人類の争いは」

 

 2年前果たせなかった大願。自らの手を離れた、世界の行く末。

 それを取り戻し、望むべく未来を取り戻す。

 

 時は来た────この場に集った地球圏の全ての戦力を根絶やしにして。

 ムルタ・アズラエルは新しき世界を創造するのである。

 

 

「さぁ、第二射の用意だ! チャージを急げ! その間にフルングニルで全てを蹂躙し、今度こそあの忌々しい砂時計を全て叩き落す!」

 

 

 悪意が次なる手を見せ、動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ……こん、な……」

 

 カガリは呆然として、ただ声を漏らす事しかできなかった。

 

 言葉が出てこない────目の前に見せられた、悪意の光。

 発射の直前にまで至ったジェネシスを、更なる大量破壊兵器が呑み込んだ。

 

 その規模は、これまで彼等が知る全てを超えたものである。

 

 

『カガリ!!』

 

 

 飛び込んでくるキサカの声に、ハッとする。

 同時に、捉敵の気配を察知したAIトモシビがアメノイワトを展開。

 

 直後、アカツキを膨大な光が呑み込んだ。

 

 

「くっ!? ぐぅ……!」

 

 

 圧倒的な光の奔流に、アカツキが押し流されていく。

 幸いにしてアメノイワトの防御は間に合ったが、MSや戦艦では有り得ない規模の破壊的攻撃に、カガリは恐怖を禁じ得なかった。

 

 

「あれは、ダイダロスで確認された……」

 

 

 アカツキを襲った光────フルングニルの胸部に備えられた6門のプラズマ収束火線ヨトゥンである。

 どうにかそれを耐え忍び、光の奔流を受け流したカガリ……しかし、射線上の後方にいた同盟軍のMSが幾つも落とされ、その事実に目を見開いた。

 

「話には聞いていたが何て威力だ……こんなもの、アカツキでなければ殆どの機体が受けること等できないじゃないか!」

 

 声音に僅かに滲む怒り。良くもこんな馬鹿げた兵器を……そんな気持ちの表れだが、その怒りすらも矮小に思える程に、フルングニルの背後に鎮座するレーヴァテインの存在感は圧巻である。

 もはやどこに脅威を感じてどれを危険視して良いのかすらわからなくなってくるこの事態に、カガリは必死に冷静さを取り戻そうと浅い呼吸を繰り返した。

 

『巨大要塞……! 移動を開始!』

 

 必死に思考を落ち着け、状況を把握しようとするカガリを、アマテラスのオペレーターが挙げた次なる報告が揺らす。

 ゾッとして背中に嫌な汗が伝う中、それは今最も耳にしたくない言葉をカガリに告げた。

 

 

『軌道計算────巨大要塞の次なる狙いは、プラントへの掃射かと思われます!』

 

 

 カガリの視界は……湧き上がる恐怖に歪んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 混迷としていく戦場。

 

 光に呑み込まれたメサイアに、ザフトもまた浮き足立つ。

 ただでさえ突如の降伏宣言に、ぶつけていた戦意を持て余していたのだ。

 そこに来て、メサイアへの規格外な攻撃。そして動き出す超巨大戦艦レーヴァテインとフルングニル。

 

 指揮系統は混線し、誰もが戦うべき相手を見失いかけていた中。

 フルングニルの全身に搭載された50を超えるビーム砲塔ニブルヘイム。更に腹部の臨界出力拡散ビーム砲スリュムが戦場を蹂躙していく。

 

 次々と墜とされていくザフト機。同盟軍の機体も同様。

 

 無差別に、戦場に命を散らせる悪逆の行為。

 

 

 

「くっ、何という事を……」

「あんなのが5機も」

 

 数少ない、ダイダロス基地にてフルングニルの脅威を目の当たりにしている2人────ナタルとタリアは、驚愕と恐怖に揺れた。

 フルングニルだけではない。その後背に控えるレーヴァテインの規模。サイズと脅威がそのまま比例する事はないだろうが、巨大すぎる砲門を備えるだけで、脅威度がフルングニルですら比較にならないのは明白。

 

 そして彼女達も、敵の動きにプラント殲滅という最悪を予見していた。

 

 

「アビー、メサイアとの通信は!? 議長は無事なの?」

「ダメです! 先の攻撃の以前より、メサイアからの応答はありません!」

「そんな────ギルバート。貴方、本当に」

 

 悲哀、驚愕、疑念。

 様々な感情がタリアの思考をかき乱す。

 緊急事態の最中、優先するべき公の立場と、優先したい私の感情で揺れ動いていく。

 

 

『グラディス艦長。陣形を立て直します。敵の狙いはプラントに間違いありません。残存部隊を集結させてプラントへの防衛線を構築します』

 

 

 そんなタリアの惑いを、飛び込んだ強い声音が喝を入れた。

 

「バジル―ル艦長……」

『我々に戸惑っている暇も、敗北を嘆いている暇もありません。今この時は、私達ができる最善を────同盟軍も、恐らくは動くはずです』

 

 そうだ。沸いて来る様々な気持ちに整理をつけるのは後で良い。

 今は成すべきを成さねば、何も残らない局面にいるのだ。

 

 かぶりを振って、タリアは眼前の戦場を見つめた。

 

 

「本艦はこれよりプラント防衛の為、不明勢力の迎撃にあたる! 

 マリク、ミネルバをフォルトゥナの左舷に展開! 狙い撃たれない様に距離は確保して頂戴。残存する全部隊に打電。敵の狙いはプラント! 何としても敵勢力を排除する! 決して巨大要塞の次射を許すな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミネルバを旗艦として、ザフトは敗北したばかりの決戦を続けることを余儀なくされた。

 

 数の不利を必死に耐えて同盟軍と渡り合ってきた兵士達には疲労も強い。

 無論、決戦で墜とされて減らした数も、数えきれない程であろう。

 

 無茶が過ぎる指示────なれど戦わねば、守れねば、失われるは大切な場所。

 

 先程見せつけられた、馬鹿げた規模の光を思い出せば、色濃く残る疲労すら跳ね除けて、失う恐怖に兵士達は奮い立った。

 

 

 それはここ、フォルトゥナの格納庫でも同じである。

 

「急げ! 機動性と片腕さえあればどうにでもしてやる!」

「ミゲル! アスパイアの応急処置は終わったぞ!」

「ようし、良くやった!」

 

 怒号が埋める格納庫で、緊急に進められていくハイネのデスティニーとミゲルのアスパイアの応急処置。

 まだ損傷の軽微だったアスパイアは、要のガラディンこそ無いものの五体満足の機体状況にティルヴィングだけを担ぎ、出撃体制を整える。

 

 

「先に行くぞ、ハイネ!」

 

 

 作業員を巻き込まぬよう低加速でカタパルトを抜けていったアスパイアは、離脱と同時に大型バーニアを全開。

 新たな決戦となったプラント防衛戦へと参戦していく。

 

 

「ハイネ! 本当に片腕だけだ! できること等限られているからな!」

「構わねえよ、どうにでもしてやると言った!」

 

 

 少し後に整備長からの声を受けながら、ハイネも己の機体に乗り込んだ。

 出撃を急ごうとも、きっちりと機体のステータスだけは確認する。シンとの戦いで肩口より切り落とされた右腕部は諦め、緊急整備で左腕部だけ取り付けた正に突貫整備。

 だが、ヴォワチュール・リュミエールやスラスター類に被害が無かったのが幸いする。

 少なくとも出撃して、動き回る事は可能だ。それにデスティニーには、掌部ビーム砲パルマフィオキーナがある。

 

「はっ! これなら片腕だけでも十分戦えるさ、行くぜ!」

 

 ミゲルと同じく低速でカタパルトを抜ければ、即座にヴォワチュール・リュミエールを展開。

 一気に機体を加速させ、ハイネもまたプラント防衛戦へと飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『────カガリ・ユラ・アスハより同盟軍各機へ、状況を伝える。

 現在、所属不明の敵勢力と巨大要塞がプラントを破壊するべく移動中だ。速度から想定されるタイムリミットは僅か30分。30分後には、先ほど放たれた光が、プラントの尽くを飲み込むだろう』

 

 

 

 

 戦場に────同盟軍全部隊に、獅子の檄が飛んでいた。

 

 浮き足立つなと喝を入れる強き声。

 今この時がどんな時かを伝える、厳しい声音。

 

 それが戦場に、まるで歌のように響き渡っていた。

 

 

『私は、これを許すことなどできない。

 2年前と同じく、プラントとコーディネーターを滅ぼそうとする、誰かしかの企みを…………この世界の歴史に遺すことなど、あってはならないだろう。

 平和を願い、ここまで私と轡を並べてくれた同胞達よ! 我々の戦いは、未だ終わっていない!!』

 

 

 

 応! 

 

 

 フルングニルに。レーヴァテインに。

 飲まれかけた兵士たちの気勢を、獅子の声が────否、それはもはや王の声となって、聞く者達に決死の覚悟を与えていく。

 

 

 失われるはプラントだけではない。

 望んだ平和。夢見た世界。それらが今、音を立てて崩れようとしている。

 

 

 

 

 

 

『皆よ! 我々はザフトの手を取り、あの悪意を討つ! 命を賭して、私達人類の未来を守り抜け!!』

 

 

 

 

 

 

 絶望を前に、獅子は希望の詩を紡ぐのだった。

 

 

 

「ムウさん、マリューさん!」

「えぇ、わかってるわ!」

「遅れんさ、行くぞ!」

 

 フリーダムとディザスターが戦線へと飛び出していく。

 2人を援護するようにアークエンジェル。艦載砲をフル稼働させてフルングニルへと向ける。

 

 

「イザーク、ディアッカ──」

「何も言うなって、アスラン」

「遅れるなよ、着いてこい!」

 

 type-Dが光の翼を広げて翔け出せば、続くようにジャスティスが、そしてtype-Bが続いていく。

 共に戦うのも久しいはずな嘗てのザラ隊は、しかしブランクを見せず巧みに1機のフルングニルをあいて取った。

 

 

「マユラ、ジュリ!」

「えぇ、もちろん!」

「うん、続こう!」

「アウル、ステラ!」

「あいよ!」

「うん!」

 

 キンシャク、シュトリ、コンカク。オーブ三羽烏も疲労を押し退け戦列に加われば、まるで追従するようにカオス、アビス、ガイアの3機も続く。

 先程まで争っていたのが嘘のように互いをカバーし合う3人と3人が、また1機フルングニルを相手取る。

 

 

 

 

 しかし、それでも決して余裕などない。

 

 英雄達が。精鋭達がフルングニルを相手取れるのは、異常な威力と数の火線をどうにか躱し、防ぐ事が可能だからだ。

 

 ザフト量産機のザクやグフ、同盟軍のダガー系統にウィンダムなどでは、その広範囲に及ぶ巨大な砲撃とミサイルの雨に次々と物言わぬ破片へと変えられていく。

 精鋭揃いのオーブ国防軍カゼキリ部隊ですら、射線を引き付け躱し続けるのがやっとである。

 

 

 

 希望を夢見る絶望の戦いは、まだ始まったばかりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 直径にして数キロに及ぶ規格外なサイズの砲門を備えるレーヴァテイン。

 当然ながら、要塞級超巨大戦艦と銘打たれた本艦のサイズ規模はコロニーやプラントとそう変わらない。

 

 それはつまり、懐にさえ潜り込めて仕舞えば、監視の目や警備の手は薄いと言える。

 

 

 

「────隙だらけね」

 

 

 

 アスランとの死闘を放り出したユリス・ラングベルトは現在、レーヴァテイン内部へと潜入していた。

 

 戦闘中に感じた違和感────ディザスターに乗っていた時は散々使用していたミラージュコロイドステルス。ユリスはその弱点と看破の方法を知っている。

 

 光を歪めて透過させるミラージュコロイドは、光学類のセンサーは誤魔化せても温度を検知するサーモセンサーは誤魔化せない。

 ユリスが抱いていた懸念。そして予想は、彼女にレーヴァテインの存在を看破させ、type-Cのミラージュコロイドは機能で、密かにレーヴァテインへと接近していたのだ。

 

 無論、彼女の狙いは1つ────ムルタ・アズラエルの命である。

 

 端的に言えば復讐。

 己とエクステンデッドである彼らを良いように生み出し、使い捨ててきたアズラエルへと。

 ユリスはタケルと手を組んだ時から復讐すると誓っていた。

 

 

 

 

「そう、漸くよキザ野郎…………漸くアンタを殺せる」

 

 

 悪意も世界も、平和も関係ない。

 ただ、己を利用し、使い潰してきたあの男だけは自身の手で殺さなければ気が済まない。

 ただ、それだけである。

 

 

「首を洗って待ってなさい、アズラエル…………アンタの思い通りにはならないわよ」

 

 

 

 復讐の刃は、静かに潜み動き出した。

 

 




終わらせたくないと言う気持ちも半分くらい。
でも更新するたび、終わりが近づいてくる。

終盤はヒロイックに。
アズラエルには最後まで頑張ってもらいましょう。
主人公? もちろん、最高の見せ場で締めくくります。

エピローグ抜きの完結まで、残り3話。
次回もお楽しみに。

感想、よろしくお願いします。

完結後、読みたい話は? (どれから書くか参考までに)

  • 後日談の日常回
  • オリジナルプロットの劇場版
  • SEED FREEDOM
  • 企画:タケルユリスinOO世界
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