機動戦士ガンダムSEED カガリの兄様奮闘記   作:水玉模様

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PHASE-46 故国への帰還

 

 

 海洋の上を銃火が飛び交う。

 

 白亜の戦艦を取り囲むように展開するはアスラン・ザラが率いるザラ隊のMS部隊。

 グゥルによる飛行能力を獲得したXシリーズの4機とミゲル・アイマン用に配備されたシグー。

 これら5機による強襲を受け、アークエンジェルは被弾を重ねながらも応戦をしていた。

 

 甲板上で応戦するエールストライク。

 空中戦を挑むジン・アストレイ。

 その速力を活かし一撃離脱で戦うムウのスカイグラスパー。

 

 その様相は正に激戦であった。

 

 グゥルに乗っているとはいえ、それは大気圏内における飛行能力を得たに過ぎない。

 高い機動力を持たないザラ隊の面々はスカイグラスパーやジン・アストレイの機動性に翻弄され、アークエンジェルからの高威力の砲火に晒される。

 そして甲板上のストライクは、宇宙の時とは比べ物にならない練度で戦闘をこなし、的確にビームライフルによる牽制をかけてくる。

 近寄りがたい迎撃戦力に状況が思う様に進まず、アスランは歯噛みした。

 

「くっ、こうなれば!」

「イザーク、一人で出過ぎるな!」

「うるさい!」

「ちっ、ニコル左から回り込め、エンジンを狙う!」

「了解!」

 

 対してアークエンジェル側も決して余裕は無い。

 迎撃にフル稼働させている艦載兵装の2割が破壊され、徐々にザラ隊の砲火は艦を傷つけ始めている。

 ストライク等艦載機にはまだ目立つ損傷が無いがそれはザラ隊も同様。

 その中で巨躯が的となるアークエンジェルだけは、損傷を増やしその迎撃能力を落とし始めているのだ。

 

「行かせない!」

 

 アークエンジェルの側面へと回り込んだところで、アスランは悪寒を感じた。

 まるで砲弾の様に一直線に突っ込んでくるジン・アストレイがビームサーベルを出力して迫っていた。

 

「このっ!?」

 

 僅かに、アスランは判断が鈍った。

 先日のカガリとの邂逅で結論付けた事実。無人島で出会ったカガリが兄と呼ぶ人物の正体。

 オレンジと彼らが呼んだ機体アストレイのパイロットにして、その面影を残したジンに乗る人間。

 

 “絶対兄様とは気が合うさ”

 “そっか……会えた時には今日の様に、こんな他愛ない話がしたいな”

 

 あの日のやり取りを思い出す。

 彼女が慕う兄との出会い。こんな形で叶う事など望んではいなかった。

 ここで目の前の機体を討てば、彼女は自分を恨むのだろうか……いや、恨むのだろう。

 彼女はもう知っている。イージスのパイロットが自分であることを。

 

「だが……」

 

 惑いは一瞬。

 アスランの瞳に力が宿る。

 たとえ相手が誰であろうと、戦場で相対してしまったからには、戦う。

 彼女と同じように分かり合えるのかは、また別の話だ。

 

「やらせはしないぞ!」

 

 イージスのビームサーベルを出力し迎え撃つ。

 ジン・アストレイの勢いによってまるで揉み合うようになりながら2機は高度を落としていった。

 

「うぉおお!」

「はぁああ!」

 

 互いに1歩も引かない接近戦。

 どちらもが己の領分だとビームサーベルを翻し、その光刃を潜り抜ける。

 

「(足を固定された状況で、よくも!)」

「(間に合わせで作った様な機体で、こいつ!)」

 

 決めきれないと距離を離したジン・アストレイは、イージスの射撃を警戒しながらアークエンジェルの方へと戻り、次なる標的となったバスターの元へと向かっていく。

 

「(やはり強い。俺を仕留められなくても、しっかり防衛対象の足つきから引き剝がしてみせた)」

 

 僅かでも引き離せば、その間に次の対象へと飛びかかる。

 視野広くザラ隊の面々の動きを確認しながら、徹底的に1対1で迎撃を仕掛け潰しに来る。

 まるでどこに落ちるか分からない落雷の様な戦い方であった。

 

「アスラン、ディアッカが!?」

「わかっている! ミゲル、白いジンだ!」

「すまないアスラン、引き止めきれなかった!」

 

 PS装甲を持たないミゲルのシグーはもっぱら脅威となるジン・アストレイへの対応にかかりっきりとした。

 出撃前のブリーフィングでも決めたことである。

 休暇中にアストレイとの戦いを叩きこんできたミゲルは、正にタケルに対するカウンターとして機能させる。

 それでも尚仕留めきれずミゲルを振り切って艦の援護に駆けつける辺りは、やはり恐ろしいと思えるが、ミゲルは十分に訓練の成果を見せつけてくれていた。

 

 

 

「ウォンバット照準! グゥルを狙え、ストライクにもそう伝えろ!」

 

 アークエンジェル艦橋でも、切迫した空気の中ナタルの指示が飛んだ。

 

「グゥル、ですか?」

「モビルスーツが乗ってるアレだよ!」

「あ! は、はい!」

 

 トノムラの補足を受けて、ミリアリアがストライクに乗るキラへと打診。

 その間にもアークエンジェルの砲火は次々と装填がされていく。

 

「てぇー!」

 

 吐き出されるミサイルをザラ隊のMSは回避や迎撃で対応する。

 

「ストライク、今日こそ俺が!」

 

 そこへミサイルを回避して突出していくデュエル。

 アスランは危機感を覚え通信を繋いだ。

 

「イザーク、迂闊に出過ぎだ!」

「──くっ、ここ!」

 

 アークエンジェルの甲板上で戦うキラは、接近して狙いやすくなったデュエルのグゥルへとビームライフルの照準を定めた。

 

 タイミングを合わせた発射された光条がデュエルが乗るグゥルを射抜いた。

 

「何!? ちぃ!」

 

 仕方なくグルゥを切り離したイザークは、スラスターを全開にしてアークエンジェルへとそのまま向かっていく。

 

「なっ、取りつく気か!?」

 

 直感的にデュエルの行動を読んだキラは、そうはさせまいとビームサーベル片手に迎え撃った。

 互いにビームサーベルを構え交錯する2機。

 

 結果は、ビームサーベルごと腕を切り落としてみせたストライクに軍配が上がる。

 

「イザーク!!」

 

 その状況を見ていたブリッツが、追撃をさせまいとライフルを放つと、キラはグゥルを失ったデュエルを戦闘不能と判断しブリッツへと標的を変えた。

 止めと言わんばかりに機体を翻し、デュエルを踏みつけて海へと叩きつける。

 その加速をもって一気にブリッツへと接近。シールドを構えて突撃。

 

「もらった!」

「う、うわぁあああ!」

 

 迎撃のライフルをきっちり躱しながら、シールドバッシュでブリッツを叩き落してグゥルを破壊する。

 

「これで、2機」

 

 飛行能力を持たないXシリーズでは海に落ちればまともに動けないし、空中に飛び出すのも難しい。

 エールストライカーの様に機動性を補助するものもない、デュエルとブリッツではこれ以上まともに戦えないだろう。

 

 だが同時に、ストライクが甲板から離れたことでバスターとイージスによって、アークエンジェルが被弾を増やしていた。

 

「損傷率35%を超えました。推力も低下!」

 

 状況は五分……キラとアスランは、互いの機体を睨んだ。

 

「(これ程腕を上げているなんて……イザークに続いてニコルまでこんな)」

「(つかず離れずでずっと来てる……アスランの狙いはあくまでアークエンジェルか)」

 

 一筋縄ではいかない。それを互いが認識していた。

 同時に放たれるライフルをシールドで防御しながら、機体越しに交錯する視線。

 

「キラ……」

「アスラン」

 

 親友と撃ち合う──2人が改めてそれを胸に秘めた瞬間であった。

 

 

『接近中の地球軍艦艇、及び、ザフト軍に通告する』

 

 

 通信越しに飛び込んできた音声に、キラもアスランも動きを止めた。

 

「艦長! 領海線上にオーブ艦隊です!」

「──来たのね」

 

 チャンドラの報告にマリューの表情が強張った。

 事前にタケルとカガリからは聞かされていたが、やはりすんなりとオーブに寄港はできないのだと思い知らされる。

 戦闘中なのだから当然と言えば当然だが、オーブ海軍の防衛艦隊の出現に不穏な空気を感じてしまうのも仕方ない。

 

『貴官等はオーブ連合首長国の領域に接近中である。速やかに進路を変更されたい。我が国は武装した船舶、及び、航空機、モビルスーツ等の、事前協議なき領域への侵入を一切認めない。速やかに転進せよ!』

 

 一方的に通達された通信にザラ隊も戸惑う中、マリューとナタルだけは次の行動を起こしていた。

 

「アマノ二尉。それでは、お願いします」

『すでに電文と簡易データは送信中です。そちらも手筈通りに……』

「わかっています。ナタル」

「はい……マードック曹長、準備はできてるか?」

『いつでもやれまさぁ! 無難なとこだけ吹っ飛ばして派手に見えるようにしておきました!』

 

 

 

 ジン・アストレイのコクピット内で、タケルは小さく舌なめずりをしてからオーブ艦隊へと秘匿通信を繋げた。

 

「ティリング艦長……地球軍機と思われる機体からの秘匿通信です!」

『オーブ艦隊、こちら国防軍陸軍二尉。認識番号008324、タケル・アマノです』

「なっ!? タケル・アマノだと……」

「認識番号照会──間違いありません!」

「どういうことだ、一体」

「通信モニター、開きます」

 

 艦のモニターに映る機体のコクピット。

 そしてパイロットスーツ姿の、恐らくは少年と言える背格好の人間。

 驚愕の連続でありながら、オーブ海軍第2護衛艦軍の指揮官ティリングは、信憑性を推し図った。

 

「これはどういう状況か? オーブ軍の軍人が何故地球軍の艦に?」

『仔細を話している時間は無いので簡潔に伝えます。

 先程そちらにデータを送りました。行政府のホムラ代表とウズミ様にタケル・アマノが特務を終えて手土産と一緒に帰還した事を、送ったデータと一緒にお伝えください』

「はっ、はぁ?」

『それからもう一つ。今からアークエンジェルはエンジン部の不調により領海へ不時着します。一緒に一芝居打っていただけますか?』

「な、なにをバカな」

「──良いだろう。ティリング、行政府へ連絡を」

「トダカ一佐! 何を!?」

「私は彼を良く知っているのでな。信ずるに値するお人だ」

『トダカさん……お久しぶりです』

「時間が無いのだろう。どうすれば良い?」

『追い払った体が欲しいです。ザフトの部隊への威嚇と、アークエンジェルへの派手な攻撃をお願いします』

「わかった。その代わり──後で顔を見せなさい」

『あっ、はい! ありがとうございます』

 

 優しい声音の通信を終えると、タケルは久方ぶりの人物との再会を喜び嬉しそうな表情を浮かべながら、アークエンジェルへと再び通信を繋げる。

 

『ラミアス少佐、準備完了です!』

「わかりました……ノイマン少尉!」

「了解!」

 

 マリューの声に合わせて、ノイマンはアークエンジェルの推力を一気に引き上げ速度を上昇。

 十分な速度が乗った所で、今度はスラスターの出力を一気に落とした。

 

「速度十分です!」

「マードック曹長、やれ!」

『あいさー!』

 

 ナタルの号令にマードックが端末を操作すると、アークエンジェルのメインスラスターが爆発と同時に火を噴いた。

 タケルが言う一芝居。

 それは艦の機能の不調により領海へ不時着してしまったという事実を作る事。

 

 海上を飛んでいたアークエンジェルが煙を上げながら、オーブ艦隊の只中へと墜落していった。

 

「ティリング……さぁ、上手くやってくれ。宣言の後に威嚇射撃。訓練通りにやれば良い」

「はっ!」

 

 トダカの指示に通信を開いたティリングは、努めて先のトダカとタケルのやり取りを意識しない様にして通信機に声を通した。

 

『警告に従わない貴官等に対し、我が国は是より自衛権を行使するものとする』

 

 艦隊で包囲したアークエンジェルと、周囲に飛び交うザラ隊に対して、オーブ艦隊から警告と威嚇の射撃が放たれた。

 迫撃砲にミサイルと。次々と迫ってくる弾頭に、アスランはイージスを翻す。

 

「くっ、これ以上は留まれない。全員撤退するぞ!」

「ちっ、ここまで来て面倒な!」

「ミゲル、その機体では危険です。早く退いてください」

 

 アスランの指示で撤退していく機体達。

 

 撤退していくザラ隊を見送りながら。

 アークエンジェルは周囲の海面を叩く振動に揺られ続けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オーブ首長国連邦行政府。

 領海を侵犯する地球軍とザフトの戦闘部隊。

 無人偵察機によって確認されたそれは、すでに国民にも周知され、事の顛末を誰もが見守っていた。

 そんな突然の事態に、政府の高官が一堂に集まり対応に追われている。

 

 オーブ前代表首長のウズミ・ナラ・アスハもまた、集まった政府関係者の一人であった。

 

「さて……とんだ茶番を打ってしまったが、致し方ありますまい。公式発表の文章は?」

「既に草稿の第二案がこちらに」

 

 秘書官から原稿を受け取ると、ウズミはそれを確認して頷く。

 

「ではホムラ代表……公式発表はお任せする。私はあの艦の方へ」

「はい。お願いしましょう」

「では」

 

 対応が決まりその場を解散となった所で、高官たちからはざわざわと愚痴が零れた。

 

 厄介な船。

 面倒な事態。

 

 そんな言葉が聞こえてきた。

 

「今更言っても、仕方ありますまい」

 

 全ての発端は、ヘリオポリスで行われた地球軍への技術協力。

 それがカガリ・ユラ・アスハを動かし、タケル・アマノを迎えに行かせ、巡りに巡って本国であるオーブへと。

 火種と共に戻ってきたのだ。

 

 国民へ公式発表が終われば、ザフトへの解答も出さなければならないだろう。

 不時着したアークエンジェルには航行ができるように修理の時間だけを設け、後に即時の領海退去をさせた──そう発表する予定だ。

 無論ザフトがそれを納得するはずがない。

 カーペンタリアから外交筋での圧力もかかるだろう。

 ヘリオポリスの一件で立ち位置を悪くしたオーブにとって、決して良い状況とは言えない。

 

 だがそれ以上に、アークエンジェルがもたらした戦闘データはオーブにとって有益となる。

 タケルから送られたデータと電文にはウズミ宛にその旨が含まれており、今回アークエンジェルをオーブ国内へと受け入れる手筈となったのだ。

 今頃は護衛艦隊の随伴の元、軍事施設の中心であるオノゴロ島のドックへと送られている事だろう。

 ウズミは足早に行政府を後にして、オーブ本島であるオロファトからオノゴロ島へと向かう。

 

「ヘリオポリスの崩壊から……か。よもや戦火に身を投じる事態になっていたとはな」

 

 オーブを出立してから全くの連絡もなく、ヘリオポリスの崩壊に巻き込まれたことまでは予測していた。

 が、まさかそのまま地球軍の戦艦に乗り合わせているとまでは予想だに出来なかった。

 ウズミは、数奇な運命をたどっていた我が子達を想った。

 

「そして、キラ・ヤマト……君まで一緒とは。運命はかくも残酷と言う事か」

 

 タケルから送られたデータの一部にあったストライクとそのパイロットの情報。

 ウズミはその名前に驚愕を隠しきれなかった。

 

 やるせない想いを胸に抱きながら、ウズミはオノゴロへと向かうのだった。

 

 

 

 

 

『指示に従い、船をドックに入れよ』

 

 管制を受けながら、アークエンジェルはオノゴロの艦船ドックへと受け入れられていく。

 艦橋では帰投したタケルとカガリが、オーブ側との橋渡し役として上がってきており、どこへどの向きにといった操舵するノイマンの小さな疑問にタケルが答えながらアークエンジェルが岩肌の中に拓かれた艦船ドックへと入っていった。

 

「ようやく、ですか。この後はどうなります? アマノ二尉」

「ラミアス少佐、フラガ少佐、バジルール中尉の3人には艦の代表としてこの後、前代表首長であるウズミ・ナラ・アスハ様にお会いになって頂く事になります。僕も同席して、今後の話を詰めていくことになるかと。

 それと──もうオーブにも帰還できたので、ちょっと僕達から報告と謝罪があります」

「報告と謝罪……ですか?」

 

 内容までは察せないが、報告と言うのはまだわかる。しかし謝罪とはなんだろうか。

 マリューとナタル、その他艦橋クルー達が疑問符を浮かべる中、タケルはカガリへと視線をやった。

 タケルの視線を受けて頷いたカガリは、その意図を察して前へと踏み出て口を開いた。

 

「今まで隠していたが、私の名はカガリ・アマノではないんだ。

 私の本当の名は“カガリ・ユラ・アスハ”──前代表のウズミの娘だ」

 

 驚きに目を見開くマリューとナタル。

 それはそうだろう。タケルの妹であくまで民間人の一人だと思っていた人間が、前代表首長の娘。

 ウズミはオーブの獅子として名高く、マリューもナタルもその名を知っている。

 そんな人物の娘が、まさかこんなところにいるとは夢にも思わないだろう。

 

「あ、アマノ二尉……本当に?」

「はい。正真正銘、カガリはオーブの獅子、ウズミ様のご息女に当たります」

「ですが、お2人のこれまでを見る限り兄妹であることが嘘だとは思えません……アマノ二尉は認識票も持っているでしょう。これはどういう?」

 

 ナタルの疑問は尤もだ。

 タケル・アマノとして確かに存在しながら、アスハの性をもつカガリと兄妹。

 その事実には疑問が残る。

 

「僕は10歳の時にアマノに養子に出されましたから」

「バジルール中尉、兄様の以前の名はタケル・イラ・アスハなんだ。今でこそアマノを名乗っているが、正真正銘、兄様もアスハの子にあたる」

「そういうわけで、黙っていて申し訳ありませんでした。

 オーブの獅子の娘……それが地球軍の戦艦に乗せられていると公になれば、またいらぬ問題が出ると考えました。今更かもしれませんが、オーブの中立の立場を悪化させる一因になり得ると……だから、僕の妹としてアマノの性を騙りました」

「そういう事だったのね。確かに、その懸念も最もだわ」

「ですが、それなら帰国したとは言えわざわざ我々に明かす必要が?」

 

 そのまま隠しておけばよかったのではないか? 

 そうナタルが言外に問う。

 

「ここまで世話になったラミアス艦長達に、本当の名を隠したまんまと言うのは流石にな……あまりにも不義理だと思うし、私はそんな降り方をしたくなかった」

「どうせオーブに帰国すればカガリの扱いはお姫様ですから。ここで明かさなくとも知れたことでしょう。きっとそろそろ侍女のマーナさんが艦に迎えに来ますよ。そうなったらもう、艦内でも周知の事実です」

「や、やめろよ兄様。お姫様とかむず痒くなる事言うの」

 

 僅かに頬を赤らめ、そっぽを向くカガリにタケルはやれやれと肩をすくめた。

 

「とまぁ、こんな感じなので、全然自覚は無いんですよね。とりあえず、マーナさんが迎えに来たらカガリのところまで案内をお願いして良いですか──きっと、カガリの安否の事で気を揉んでいたと思うので」

「わかりました。アーガイル二等兵、お願いできる?」

「あっ、はい。わかりました」

「よろしくね、サイ君。それじゃラミアス少佐、バジルール中尉、僕達は行きましょうか」

 

 タケルは艦橋から見える艦船ドックへと目を向けながら小さく笑った。

 

 

「オーブの獅子……ウズミ・ナラ・アスハ様の所へ」

 

 

 




いかがでしたか。

オーブへの寄港を狙った自作自演。雑でしたかね
トダカさんの登場。作者の好きなオーブ軍人です

そしてようやく、ようやくオーブへ帰還となりました。
長かったです。そしてここからが多分、一番オリジナルな展開が増えてきます。
アニメだとここら辺の総集編っぷりがヤバいのでその分でどっぷりと色々書いていこうと思います。

というわけで是非是非お楽しみいただければ幸いです。

感想、いつもありがとうございます。
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