[ウマ娘×TOUGHシリーズ] オグリ家と宮沢家との日常シリーズ   作:日常系好き

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オグリとキー坊の口調の違いを考えて、結果オグリは誰の影響を受けてあの喋り方に落ち着いたのかというお話です。


尊鷹おじさんに聞こう!

 かつては世界中を回り、数多のウマ娘を指導した実績と超一流の格闘家でもある宮沢家の長男“宮沢尊鷹” 今、彼の目の前には中世的な美しさを持つ一人の女性トレーナーがおり、真剣な様子で尊鷹を見つめていた。

 

「奈瀬文乃さんと言ったか…私の過去を知りたいと?」

「はい、かつて僕の父や六平さんと肩を並べた伝説のトレーナ“バトル・キング”宮沢尊鷹 近くに来ているとお聞きしたので是非、お話をと思いまして」

「ふむ、ならば君のお父さんに聞くのが一番だと思うが 私と彼は決して浅い中ではないからな」

「いえ、その…父からは抽象的…と言いますか、尊鷹さん自身の現実離れした逸話しか聞いた事が無かったもので」

「…そうか 私も昔から己の心に従って生きて来た身だ 他人にどう見られているのか、深く考えて来なかったからな…分かった、私の昔話で良ければいくらでも」

「ありがとうございます 父からの話で真っ当に聞く事が出来たのは“トキノミノル”、“サンデーサイレンス”の2名だけでしたので…」

「トキノミノルか…懐かしい名だ 出会った頃は私の弟を思い出させる気性難なウマ娘だったが、思えば彼女の有り余る才とそれを十全に発揮できない苛立ちに共感して、私は家の事を忘れて“トレーナーになってみたい衝動”に駆られたのだろうな」

「そうだったのですね…しかし、貴方と共に伝説を作った彼女も足を病み、今は何処に居るのかも…」

「いや、悪くなった足は私の左足で何とか持ち直してな あれ以降、私に気を使っているのか随分としおらしくなってしまったよ つい先程会った時も淑女の様な立ち振る舞いに磨きが掛かり、驚いている位だ」

 

 そう言いながら尊鷹は義足(メカ・フット)となった自身の左足を指し、朗らかな笑みを浮かべた。

 

「えっ?」

「サンデーサイレンス、彼女も強いウマ娘だった…周りからの低評価など物ともせず文字通り、“命尽きるまで戦い抜いた”…昔は修業中の私の前に姿を現してくれていたが、最近では『自分に良く似た娘を見つけたから応援したい』と言って去っていったな」

 

 そう言いながら尊鷹は虚空を見つめる、まるで、今現在も“何かが視えている”かの様に…。

 

「えっ!?」

「いや済まない、私の話だったな、では……」

 

~『ソンオーおじちゃん、風船とってくれてありがとう』~

 

~『ほら、オグリ 二度と離すんじゃないぞ』~

 

~『うん! あのね、おじちゃん…』~

 

~『どうしたんだ?』~

 

~『こんなに高くとぶなんて、おじちゃんウマ娘なんでしょ? なんでシッポが頭にあるの?』~

 

~『ははは、オグリは賢いな 実はわたしは“ウマ息子”だったんだよ』~

 

~『ほんとっ!? すごい、初めてみた!!』~

 

~『鷹兄…オグリに嘘教えんでください この子は純粋やからすぐに信じてまうわ』~

 

「オグリは本当に純粋で綺麗な走りをするだろう? それはこの頃の心根が今も変わっていないという証左と言えるのだろうな」

「(写真を交互に見せてきて矢継ぎ早にオグリキャップの話をしてきた)……はい、仰る通りですね」

 

~『尊鷹おじさん! 日本に帰って来てたんだな』~

 

~『オグリ、その喋り方は…?』~

 

~『おじさんの真似なんだが…やっぱり、変かな?』~

 

~『いや、そんな事は無いが…』~

 

~『キー坊はお父さんを尊敬しているが、私が一番尊敬しているのは尊鷹おじさんだからな イヤなら、やめるけど…』~

 

~『女の子の喋り方としてはどうかと思うが…それもまた、オグリらしさだ 嬉しいよ…ありがとう、オグリ』~

 

~『! そうか! だったら私、これからもこの喋り方にするぞ!』~

 

「そして、これは私と熹一の闘いの際にオグリが初めて“領域(ゾーン)”を目にした時の映像で…」

「(タブレットまで使って説明しだした…)」

 

  突如始まった“姪っ子自慢”を延々と聞かされ続けた奈瀬トレーナーが頭痛を覚え始めた頃…突如一羽の鳥が飛んで来るなり尊鷹の肩に止まった。

 

(チチチチッ)

「…なにっ!?」

「! ど、どうしました?」

「いや、済まない…今、鳥達が鳴き声でオグリが近くに居る事を伝えてくれてな 悪いが、私はこれから姪の所に行かせて貰う」

「……はい どうぞ、ご自由に」

「ありがとう、では!」

「……………」

 

 言うや否や尊鷹の身体はまるで鳥のように宙を舞い、奈瀬トレーナーの目の前から瞬時に消えたのだった…。

 しばらく取り残されて呆然としていると彼女の担当ウマ娘である“スーパークリーク”とかつて米国最強の暗殺部隊に居ながらも様々な要因で転がり落ち、現在は同僚の他3人と共に奈瀬のサポートに回る事となった“ナーガ”シャノンの二人が駆け寄ってくる。

 

「トレーナーさ~ん 良いお話聞けましたか?」

「アレが伝説のトレーナーね…私たちの前職にもあんな動きをするヤツ見た事なかったけど…」

「うん…父が言う程には人間だったけど、父が言うよりも訳の分からない人だったよ………」




尊鷹おじさんは森から突如現れても、自動ドアから出てきても面白い所がズルいと思います。
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