[ウマ娘×TOUGHシリーズ] オグリ家と宮沢家との日常シリーズ 作:日常系好き
オマケも書いたが少し長いです。
宮沢家へ遊びに来たベルノライト、彼女は現在恐怖に若干震えながらも目に前に居る眼帯坊主頭“長岡龍星”にカタログを開きながら靴の説明を行っていた。
「成程…靴の選び方一つでここまで動きが違うのか ベルノさん、ありがとうございます」
「い、いえ お役に立てたのなら何よりです…」
「大丈夫だぞベルノ、龍星は見かけが少し恐くなってしまったが変わらず良い奴だからな」
「オグリさん…俺、そんなに見た目恐くなりました?」
「うん、結構なものだぞ」
「……………」
憎からず想っている従姉からの率直な外見批判に龍星が落ち込んでいると、その空気を壊すように熹一がノンキな声を上げながら封筒を持ってやってきた。
「オグリー、ハワ~イで撮った写真、現像したんで持って来たぞ」
「ありがとう、キー坊 あそこは日本だけどな」
「ええねん、律儀にツッコまんでも しっかし、カナヅチのお前がよくプールなんて行ったな?」
「いや…あの時は、教えられてなかったから…」
「ご、ごめんねオグリちゃん 私がちゃんと知ってたら…」
「何、気にすんなやベルノちゃん オグリから楽しんでたって話は聞いたし体を休めんのも立派な修行やしの、両方出来てハッピーハッピーやん」
「…はいっ! ありがとうございます、お兄さん」
「……ひょっとして熹一さんって、女性と付き合った事無いタイプですか?」
「いきなりなんやねんお前は モテまくった青春時代過ごしたからって馬鹿にしくさってからに、そもそもお前は何で
「いえ、お母さんから由美子さんへ料理のおすそ分けがしたいって言うんで俺がお使いに来たんですよ」
「ソレ、別に優希ちゃんでもエエやろ 正直に言え、オグリに会いに来たんやろ?」
「ちょっ! それ、わざわざ本人が居る前で言います!?」
熹一からの突然の暴露を受けて目に見えて狼狽えだし、急いでオグリの方に視線を向けるも…
「うわぁ! この時のオグリちゃんのほっぺたリスみたーい」
「本当だ なかなかお目にかかれない料理ばかりで気分が高揚していたみたいだな」
「な? 聞いとらへんやん? 仲の良い女子の間に居る男なんて空気みたいなもんや」
「実感…こもってますね」
「だからお前はいちいち…もうエエわ オグリ―、ワシにも写真見せてくれや!」
「ん? ああ、いいぞ」
「えっ!? オグリちゃん、それはちょっと…」
「…うん、二人ともイイ笑顔しとる 写真撮ってくれた六平のオッチャンに感謝やの」
「あ、あの…お兄さん、その写真…わ、私たちのみ、水着が……」
「あ、セクハラやったか!? スマンのぉ、デリカシーなくて…でもベルノちゃんも流石アスリートやな、キレイな体しとるで」
「ひゃあ! い、いえ…そ、それならそれで別に……」
「(この状況、タマさんが見たら『クソボケがー』って殴り掛かって来るだろうな……)」
「どうした龍星? 何か達観したような目をしているが…」
「いえ、何か悔しいんで熹一さんにはしばらく教えないでやろうと思っただけです」
「…どういう事だ?」
オマケ
キー坊とベルノの靴選び
「おうっ、エエのうっ! 前の靴とは重心の掛かり方が雲泥の差やっ! オグリのついでとは言え、ワシの靴も選んでくれておおきになベルノちゃん」
「良いんですよ、お兄さん オグリちゃんだけじゃなくお兄さんも“足を使う大事な仕事”をされてるんですから、私の知識がお役に立てて何よりです」
「……いや、ホンマに感謝してんねんで? 家で専門的な事を一番知っとるのは
「…私は、オグリちゃんと比べたら“弱い”ですから だからこうやって知識を蓄えておいて、いざと言う時にそれで誰かに頼って貰えるのが嬉しかったり…なんてっ!」
“友人の兄”に対して思わず溢してしまった自分の弱気…それを覆い隠そうとベルノは言葉尻を務めて明るくした。
「…格好エエなぁ、ベルノちゃん!」
「…えっ?」
「世の中何でも“積み重ね”や ワシなんか学生の頃、勉強に関してはマジメに授業受けて家でも二時間勉強しても成績はビリケツやったんよ でもベルノちゃんはワシよりも頭がエエ、強くなるやり方を自分でちゃんと分かっとるんや コレ、ホンマに凄い事なんやぞ?」
「そ、そう…なんですか?」
「今のベルノちゃんは自分が弱いって自覚しとるんやったら“もっと強くなれるって事”やん ワシ、尊敬するでっ!」
「…お兄さん」
「参ったのぉ…ワシが学生の頃やったら、こんなエエ子絶対にプロポーズするんやけどなぁ…」
「えっ!? お兄さん、それって……」
「まぁ昔のワシは今以上にアホやったからな ベルノちゃんみたいな子、見向きもせんわなっ!」
「……そう、でしょうか?」
「おうっ、せやせや さて…今日は付き合ってくれたお礼やし、何か甘いモンでも食べに行こか?」
「そ、そんな…いいですよっ!」
「“頭使うと甘いモン欲しくなる”…ワシでも知っとる事や 若い内はエンリョせんと年上にたかってエエんやで?」
「ふふふっ…はいっ! それなら遠慮なく奢って貰っちゃいますから!」
「良い返事やっ! ほなら行こか、ベルノちゃん!」
「分かりましたっ! お兄さん!」
こうして熹一とベルノの靴選びは終わり、次は甘い物を求めての散策が始まる。
そしてそれはベルノにとってオグリと同じくらい信頼できる相手が生まれた瞬間でもあった。
可憐な少女が頼りがいのある年上の男性に対する恋か信頼か分からない曖昧な感情は人を健康にしてくれると信じています。