この度、記録致しますのはとある少女の物語。
少し変わった臆病な性格の少女ではございますが、懸命に生きるために努力をしながら一風変わった人生を生きていく物語になっております。
そんな彼女の物語を一緒に見ていってくださいな。
ここは、イーストブルー(別名最弱の海)と呼ばれる海の片田舎の孤島である。
島のほとんどが大きく育った木々に囲まれ、人の気配はなく、獣の声のみが聞こえる島。
その島に一人、少女が暮らしていた。
その少女の外見は、髪の色は黒く、長さは腰丈ほど、乱雑に切り揃えられた髪からはどこか野生味を感じられる風貌。
また頭の上には、人には生えるはずのないこちらも黒色の猫科の耳がついていた。
また見た目は幼く、身長も140センチに届くか否かと非常に小柄である。
また格好も布きれを一枚、体を覆うように纏ってい終いと言いた状況。
見た目は捨てられた浮浪児のようだった。
そんな少女の名前は、フェンといった。
親は気づいた時にはおらず、フェンという名前も物心がついた際に持っていた1つの手紙に書いてあったものだった。
その手紙に書いてあったのは以上の通りである。
【拝啓 フェンへ
神です
あなたは私が殺しました。すいません。
転生しますので、楽しんで生きてください 敬具】
全く意味がわからなかった。
フェンの前世は、フェン自身が覚えていた。
別に特に変わったこともなく、小学校、中学校、高校、Fラン大学と義務教育を終え、パッとしない会社へ入社。
油ギッシュな上司にこき使われる、そんな普通の人生を送っていたはずだ。
なのに次の瞬間には、よくわからない無人島にいるわ、変な手紙があるわ、神だわ。
何も理解できなかった。
無人島に拉致されたのかと思い、周囲を探索してみるも、周囲には日本では見たことのない植物や、動物たち。
そして極め付けは、前世というのか自身の記憶というのか、男で生きてきたはずなのに現在は浮浪者ファッションの幼女だ。
文面だけで解釈するのであれば、
死んだor殺された
↓
殺しちゃったから、転生だ
↓
無人島
なのだろうが、一言言わせてくれ。
どうしてこうなった
どうやら、勝手に殺され、勝手に転生されたらしい
非常に迷惑なことだ。
まあ良い。
アブラギッシュな上司とはおさらばしたかった記憶もある。
これ幸いと思うようにしよう。
今一番行わなくてはならないものは、現状の状況把握や食糧問題、水確保だろう。
現状は何も知らない無人島に飛ばされ、また現在頭の上にはぴこぴこと動く猫耳だ。
猫耳幼女なんて、現実コスプレでしかお会いしたことはなく、転生先の世界は地球なのか、別の世界なのか。いわゆる獣人が跋扈している世界なのかも不明である。
人に出逢ったらどんな状況になってくるのかもわからないため、自身一人でなんとか先の内容は解決しておかなくてはならない急務である。
勝手に殺されて、転生までさせられて、悪いと思っているなら他に何か頼りになるものを置いておけと言いたい。
文句を言っても状況の好転はしないことは分かり切っているため、先ほどの手紙付近に他に何か頼りになるものがないか付近を探す。
あった。もう一通の手紙だ
【さて、転生するだけでは生きていくことが困難になってしまうため、必要情報と転生先の情報を記す。
・転生している世界は(某 海賊王がいる世界で主人公が活動する25年前である)
・無人島で食糧を探すことが困難であるかと思うため、仙豆が無限に(1日一粒)沸く袋を一つ
・純粋にその世界で戦っていけるレベルの戦闘力と戦闘知識や経験
まずは、上記内容で特典をつけておいたため活用すると良い。
戦闘力については、前世での経験では一般人の域をでないため、活用できる経験と知識とインストールしておいたため、現在でもすでに自然と戦える状況になっていることと思われる。
転送先で最初から襲われたりしないために、イーストブルー最弱の海の無人島を選んでおいたが、目視で見える距離に有人の島もある島で選んでおいたため、寂しくなったら筏でも作って移動されたし。
以上。またこの手紙は読み終わった後、仙豆用の袋に変化するため捨てないでね】
手紙は記載の通り、読み終わった瞬間に、バンっっと衝撃的な音と共に布の巾着へと変化した。
おばあちゃんの家にありそうな柄付きの巾着袋だ。
絶妙にダサい。
この手紙で、今後どうしなくてはいけないのか。
方針や状況が決まってきたのは非常にありがたい。
週刊少年ジャンプは非常に好きでよく読んでいた。
オタクとまではいかないが、ある程度の筋道ぐらいは現在覚えているだろう。
また仙豆巾着もありがたい。
一粒で10日分の食糧は賄えるわ、死にやすいこの世界で回復手段にもなるわ、この巾着があるだけで今後の生活や内容が全然変わって来るであろう。
それにしても、ワンピースの世界とは……。
もっと安全な世界はなかったものかと問いかけたい。
平和に暮らしていても、海賊に襲われる世界だ。
原作開始が25年後だとすると、有名なゴールドロジャーの処刑の3年程度前と言ったところだろうか。
ワンピースを探せ宣言をされてしまうと海賊が、活発に活動し始めることが予想できるため、自身の実力がどの程度まで通用するのかも測っておかなくてはならないだろう。
当面のやることは決まった
・水の確保
・イーストブルーのどこに位置するのかの確認と、可能であれば地図の入手
・猫耳が受け入れられるのか否かの確認
こちらの内容で当面は進んでいく必要がありそうだ。
水の確保は無人島であるが故に、海岸も非常に近い位置に見えており、火さえ確保できれば蒸留にて確保できるだろう。
または湧水があれば儲けもんなのだが。
問題はどうやって、火を起こすか。
それと、加熱に耐えうる金属の器を用意することである
待て。
ある程度の戦闘力次第では火おこしぐらい簡単にできるのではないかと頭によぎる。
戦闘力基準が、仙豆でのドラゴンボール基準なのか、ワンピース基準なのかは不明ではあるがドラゴンボールであればビームで火をつけられるし、ワンピースでも摩擦で足に火をつけている猛者がいる。
まず先に戦闘力の確認から始める必要があるようだ。
思い立ったら早速行動である。
インストールされたものというものはどうやって確認すれば良いのだろう。とふと考えては見たものの、思いつくものはなく疑問だったが、この作業は気持ちの悪いものだった。
なんせ、頭の中にできた覚えがないのに、できるという謎の自信とできる経験が即座に浮かんでくるのだ。
自身は行ったことがないのに、知らない記憶として蘇ってくる。
行ったこともないのにできると感じる。
他人の記憶を覗き見しているような、なんとも不快な作業だった。
そのおかげで火は起こせるようになったのだが。
ともあれ、なんとも便利な状況だ。
戦闘訓練などしたこともないのに、体と知識は知っているようだし。
火はつけられるし。
非常に気持ちが悪いが……。
幼女が足を地面に擦り、摩擦で火を集めた枯れ木につける作業は他からみたら、シュールなんだろうなと思いながらも火をつける。
これで火の確保も、水の確保もなんとかなったわけで早速仙豆を口に放る。
ボリボリとまるで大豆のような豆を噛み砕き、呑み込む。
豆を一つ食っただけで、満腹感が襲って来る感覚にびっくりしながら、仙豆を初めて食ったことに喜ぶ。
一度は考えたことがあるだろう、怪我は治るし、作中に度々登場するあの仙豆だ。
食ったという状況に非常に満足だった
あとは10日は飯を食わなくても仙豆で生きていけるらしいので、できる限り仙豆は確保しながら、10日にいっぺん食べるようにしよう。
気がついた時間は昼だったがそうこうして居る間に、すっかりと周りも暗くなり、日も落ちてきた。
流石に現代っ子が野宿は辛いものはあるが、何もわからない状況で街に行って怯えられるのも得策とは言えないため、少しでも快適に夜過ごすべく、まだ背中が柔らかい砂浜付近で仮眠を取ることとする。
今日は散々な1日だ。
明日はなんとか鍋か金属の器を手に入れなければ……。