海軍への旅路は長い
しっかりと家の管理や牛たちの面倒をゲンさんや遊びに来てくれる村の村の人たちにお願いし、ベルメールやノジコに挨拶を終えて、現在はガープの船の上からお送りしている。
結局、ノジコにはめちゃくちゃ泣かれた。
お姉ちゃんだって行きたくない気持ちは山々なのだが、「フェン、いつ帰ってくる?すぐ帰ってくる?」と聞いてくるノジコは、不謹慎ではあるとはわかっていたが、非常に可愛かった。
ごめんなぁ!お姉ちゃんだって仏頂面の髭ジジイと、拳で語るジジイよりノジコと一緒にいたいの!
でも、今回は迷惑かけちゃったから行かなきゃいけなくて!
「フェン!さっさと行きな!ノジコにはアタシから言っておくから!1〜2ヶ月ぐらいだっけ?」
「うん。初めてのグランドラインだから、何とも言えないけど。私がいなくて大丈夫?ちゃんと掃除もご飯も作るんだよ?」
「アタシはあんたの子供じゃないわよ!!一人暮らしもしていたし、ゲンさんも村のみんなもいるし、安心して行っておいで!」
ベルメール個人としても、あれからも定期的に私との組手を続けており、現在のイーストブルーで動いている海賊ぐらいでは負けないぐらいには強くなっていると考えている。
また、近くの支部の海軍の子にはコノミ諸島での動向には気を配ってもらうように、お願いしていることもあるため安心はしても大丈夫だとは思ってるもののアーロンの時もあるため、もしもを考えてしまうと怖くもあった。
「何かあったら電伝虫での連絡頂戴ね!どんな状況でも引き返してくる!」
「何がそんなに心配なのよ!全く、仮にも元大佐よ。そこらの海賊に負けるつもりはないわ。もういいから早く行って、さっさと帰ってこい!」
まだ心配そうな顔をしている私の背中を男らしくバンっ!!と叩くと、ベルはノジコやナミを抱いて家に戻っていった。
「準備は済んだか。用意ができたなら出港するぞ。さっさと乗り込め!」
「わかったわ!それじゃ、ボガードさんもしばらくの間よろしくね!」
「はっ!中将にも面倒を見るように仰せ使っておりますので、いつでもお声がけください。お荷物なんかは、後で部屋に持って行っておくので甲板に置いておいていただければ。」
顔を合わせるのは、しばらくではあったが、定期的にでんでん虫でボガードさんの中将トーク(ほとんどが愚痴)とか、うちの教え子が知らないうちに本部勤務に配属されたこととか話していたこともあり、そこまで久しぶりな気持ちではないのだが。
甲板に荷物をおいて、早速船の内部を案内してもらう。
今回に限っては、私が客という扱いで呼ばれていることや女ということもあり、普段のガープの船ではなく大きめの客船に近い船をセンゴクが用意してくれたそうだ。
そのため、通常はない客室がついており、その部屋を自由に使って構わないとのこと。
見た限りは通常の海軍の常備している船よりは一回り大きいだろう。
「センゴク殿は何を考えているのかしらね。私なんて一回もあったことがないだけじゃなくて今回に関しては迷惑もかけているのに、この待遇でしょ?」
「私も多くは聞かされておりませんので、かの智将が何のためにフェンさんを呼び立てしているのか見当も付きません。中将は何か聞かされておりましたか?」
「いや、オレも詳しくは聞いとらん。」
ガープに至っては見る限り、興味もなさそうである。
欠伸しながら、ボリボリと煎餅を食っていた。
私個人の功績なんて呼べるものは、海軍軍部で誇れることは何もしていないはずなのだ。
「センゴク殿に、私のこと何か話したりしたのかしら。」
「・・・・お、オレは何も知らんぞ。なぁ、ボガードよ。」
ボリボリと食っていた煎餅の咀嚼回数も一段と増え、目線もあらぬ方向へと向く。
さっきまでは出ていなかった汗まで掻いている始末だ。
めっちゃ嘘かよ。
「中将、顔に出過ぎです。経緯もわからないまま連れて行くなんて、流石にできませんよ。」
「・・・・オレは席を外す。」
「ダメよ?ガープさんもここにいてね?」
きいた話によると、この時の私の顔はにっこりと優しい笑みを浮かべていたのだが、背後からはただならぬオーラが出ており
「はっ!覇王色か!」「敵襲か!」「総員、敵襲に備えよ!」
などのやりとりがあったとか。
「この前の話を、中将だけではどうにも動けないところが多かったところもあってセンゴク大将に相談するべく本部に戻ってセンゴク大将に状況の説明をしたんです。その時は、状況説明の付き添いに、私もその場におりました。そうしたら
『ガープよ。お前が昔から世界貴族を嫌悪していることは知っている。それでも、現在まで自分と関係がない奴隷に関して見て見ぬふりをすると話し合ったはずだ。それを今になって、どうした。今度の奴隷は知り合いか何かか』
と問いかけがありまして。中将はこの通り嘘がつけないので
『知り合いに頼まれたんだ。この奴隷を助けたいとな。それでセンゴク、お前に知恵を借りたい』
『今になって、そこまで動くということが政府にどういった弊害が出るのか、わからぬほどお前も馬鹿ではあるまい。コング元帥からも説教で済めばいいが、今回動くとなるとそれだけで済むとは思えん』
『そうさな。動き方によっては、世界貴族や五老星と亀裂を産むこととなりかねん。それが海軍の権威を下げることにもつながる。ただ、オレだけではないのも、センゴク。お前ならわかっているだろう』
中将の返答に、センゴク大将は眉間に皺を寄せながら
『確かに現在、我々が護衛してその中で世界貴族がわがままや勝手な行動を起こしていることが、海軍の品位や信頼を落としていることは反論のしようもない。権威などよりも民間の信頼で動いている以上、その点については俺も頭を悩ませていたのはそうだ』
『ただ、ここで助けることで政府から俺も目をつけられることになる。』
『ガープお前も俺が壁になってやることで、多少の自由な行動も許せていたが。今後は政府に借りができる故に、多少の行動制限がかかるかもしれん。それでも助けたいと考えるか』
その眼差しは、智将と呼ばれる評判に相応しい、真剣な眼差しでした。
『わかっておる。ただたまに楔を打ち込んでおかんと世界貴族の動向も最近は目に余る。それに世界貴族なんて嫌いだし。今回の奴隷なんて、子供だぞ、センゴクよ。子供の将来も守れんで、正義を掲げるなんてオレにはできんよ。』
『そうか。最後に聞こう。お前にそこまで行動をさせたのはどこのどいつだ。』
『フェンといってな!最近、イーストブルーでの海軍が強くなってきている噂を聞いたことがないか?』
センゴク大将は、何故か途端に楽しそうな顔をする中将の表情に怪訝な顔をしながら
『「大の大人を千切ってはなげ、掴んでは振り回し、それで以って、恐怖に怯える顔を眺め悦に入る悪魔がいる」とか、何かのファンクラブなるものがあるとは噂では聞いていたが、それのことか?うちに最近配属された海兵もなんか話していたが。』
『それよ!オレも気になって見に行ったんだがな!面白いやつでなぁ!』
中将は少しでも面白いって思ったやつには非常に楽しそうに話すんです。
あっ、いらないって。そうですか。
『ガープよ。最近、イーストブルーの仕事なんてお前に渡してはおらんかったと記憶しているが』
『あっ、やべっ『お前、また仕事サボって遊び呆けていたのか、この馬鹿もん!!!!!』』
というやりとりもあったんですが、ここは置いておいて
『で、続きを聞かせろ。』
『実力もイーストブルーでの実力なんかじゃなくてよ。まさかイーストブルーで相手は武装色使ってないのに、オレは使わされるし攻撃はちゃんといてぇしよ。聞いて見たら武装色は使えない、相手の力を利用したり、覆ってないと所を狙っているだけだって言いやがる』
『まぁ、負けはせんかったがな。それにな、それだけじゃねえ。鍛えているシェルズタウンの海軍が軒並み鍛えられていてな、最近で骨のある新兵を見つけたと思ったら、大体シェルズタウンの勤務経歴ありだ。面白いだろう!』
『それは面白いな。よし、今回の話は付き合ってやる。品位と民意の回復のためだ。ただ今後のお前の行動は、しばらくの間は制限付きだ覚えておけ。それと、そいつを俺の元に一回連れてこい。それで手を打ってやる』
この流れで、私は「フェンさんに確認したほうがいいのでは?」とお声がけしたんですよ?
中将は聞いてくださらなかったので
『今度連れてくればいいんだな。わかった!』
と、すぐに返答してしまわれたので今の状況です。」
しょうがないかぁ。
これでハンコックと、姉妹が助かる可能性があるならそっちの方がいい。
「ガープさん。私が海軍に所属を考えていないことは伝えてあるんでしょうね。」
伝えた時には、あからさまにギクッと肩を揺らしていたのが目に入った。
伝えていないんでしょうね、これ。
はぁと深いため息もでるよなぁ。
別に海軍に所属したくないんだもの。
スローライフ的な船旅とか、グランドラインでの原作聖地観光とか、ゆったりと暮らしたいし、死んでほしくないキャラや好きなキャラは助けたいと思うけど、それ以外に目的もない。
海軍に入ったらスローライフじゃなくなるでしょうが。
本格的に断りの文句を考えていかなくてはならないだろう。
「大丈夫ですよ。仁義を重んじてくれる大将で智将ですから。話もしっかりと聞いていただける方ですので。」
わかっていない、原作のセンゴクのままだったら腹黒成分込みである。
確かに正義漢なところもあるのだろう、ただ外堀から埋めてくるような、そんな腹黒さが絶対同居しているのだ。
こんだけ無理を言って、叶えてくれる可能性まで作ってくれたのだから強くは言えないが。
何とか断る方法を考えるしかない。
「グランドラインも大変ですからね。急に寒くなったり、暑くなったりとか。急に雨が降ったりとか雪が降ったりとかするので気をつけてください。」
「さて、部屋の案内も終わったことですからご飯でも食べましょう。さっさと食べてしまわないとカームベルトに入ったら、食べ物の匂いでで海王類呼んでしまいかねないですから。しっかり食べておいてください!」
こんな自由奔放な中将の部下はしっかりお母さんみたいじゃないとつとまらないよね。
「あと、今の船に連れてきている海兵。通常の中将の管轄範囲もあるので少数ですが、ぜひフェンさんの技術や指導に興味があるそうなので鍛えてあげてください!」
「ずるい!オレも模擬戦したいだろう!フェン、オレともやってくれるよな!」
「やらないです!!技術指導は別にいいですけど、戦闘はそんなに好きじゃないんですから!」
「そんなことないだろう。オレと戦ったじゃん!」
「あれは、いきなりお前が攻撃してきたんだろうがクソジジイ!!!」
そうだっけと、頭を悩ましているジジイを見ると怒っているもの馬鹿らしくなってくる。
「そういうことなので、技術指導やそのお話は行ってもいいですけど、このジジイとの戦闘は疲れるので勘弁してください。」
「承知しました。ただ、たまに気が向いた時でいいので相手もしてあげてはいただけないでしょうか。なかなか強い人って見つからないらしくて、年甲斐もなく中将楽しみにしていたみたいで。」
孫に構ってもらえなくなって、娘もお年頃のお父さんか!
「本当にたまににしてくださいね。本気で言ってますからね!」
「良かったじゃないですか、中将。たまになら良いそうですよ!」
「そうかそうか!じゃあ、今からオレが直にシゴいてやろう!」
そんなにニコニコしてよってくるな!
たまにって言ったよね?聞こえてます?
今じゃないんですけど!!!