今日も日向は暖かい   作:licop

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船旅

 

「おい、本当によかったのか。あの子らもお礼ぐらい言いたかっただろうに。」

 

結局のところ、あの子らとは世界貴族と今後は会わないように、ひとまずは女女ヶ島に帰って自分の身を自分で守れるくらいの実力をつけてから、島から出るようにしっかりと準備をするようにと。それまでは、島で実力を磨きなさいと約束をした。

 

現在としては、原作での補正なのか否かは不明だが、既に悪魔の実は食べてしまっている状況のようで、マリーゴールドとサンダーソニアも蛇へと変身すること、ハンコックに至ってはよくわからないビビットピンクのビームを打てるようだった。

 

しかしのところ、奴隷でいた期間中には練習できる環境なんてなかったところもあり、集中してやっとこさできる程度ではあったようだが。

 

 

そして、その後は朝早くにセンゴクにあの子達をしっかりと送り届けることと頼み、早々に出発してきたのだった。

 

何故朝早くに出てきたのかといえば、そこまで感謝されても非常に気まずいからである。

所詮、私としては助けられる位置にいたからアクションを起こしたし、断られればしょうがないと割り切ることも視野に入れての行動だった。

 

理由も推しキャラで過去に悲惨な目にあっていた事を知識として知っていたから。

挙げ句の果て、ほとんど行動したのはガープやセンゴクであって、私は連絡しただけ。

 

傷も治したと言っても一日一粒湧いてくる豆を食わせただけ。

 

そんな中で、めちゃくちゃ感謝されても愛想笑いをしながら「ヘヘッ・・・よかったすね・・・」とか返して場が凍りつくのがオチである。

 

無論センゴクにも不審そうな顔をされた。

ただ理由も深く効かずに、送ってくれることも了承してくれたセンゴクには感謝しかない。

 

その分は海兵の練度や戦闘力で返せとのことだったので、こちらは気合を入れねばなるまいて。

 

 

「あの子らの現在の実力としても、あの年齢にしては光るものもあった。お前も感じていたのだろう?」

 

「わかっているわよ。別にお礼言われたくて助けたわけじゃないの。それに私と一緒についてきても楽しくはないし、せっかくの強さも農業ばかりじゃ腐らせちゃうでしょ。良いのよ、これで。」

 

「もったいない。あの子らも海軍で貰ってしまうぞ?」

 

「それをあの子達が望むなら良いんじゃないかしら。ただ、くれぐれもその場合はガープさんの下じゃないように、センゴクさんに念を押しておいたから。手加減もなしに殴って、綺麗な顔に傷付いたらかわいそうだもの。手加減知らなそうだし。」

 

「手加減ぐらいできるわ!!余計なことをしてくれよって。帰りの模擬戦は少し強めにするから覚悟しておけ!!」

 

おい、待てクソジジイ!

あれ以上のタコ殴りに私の体が持つ訳があるまい!!

 

めちゃくちゃ不満そうな目で睨んでやったら、ガープの目線が巾着に向いていることに気づく。

 

「嬢ちゃん達の体がオレが出ていく時と帰ってきた時で怪我がなくなっていた。連れてきたやつにも確認したが、背にも奴隷の焼印がしっかりとされていたそうだが、帰ってきた時には綺麗さっぱりだ。無論センゴクも気づいている。」

 

「ミンク族には、回復能力があるなんて聞いたことがない訳だが。何か知っているか?」

 

それは気づくよね!!帰ってきた時のあの子達めっちゃ元気だったもんね!!

道理でセンゴクはこっちをみて意味深な顔をしていたわけだ。

 

ニヨニヨとしながらこちらに目線を移してくるな、ジジイ。

 

「オレは行きの道中で戦闘中にお前に向けて、海水をかけたこともあったが力が抜けるわけでもなければ我慢している表情も行動もない。はて、悪魔の実でもないようだったが。」

 

「加えて、始終巾着を腰に下げてるときた。回復できるのだろ?深くは聞かんが、オレも多少しっかり戦っても問題なさそうだからな、覚悟しておけ。帰るまでに武装色が多少使えるように扱いてやる!」

 

これは、センゴクもこのジジイも気づいているようだ。

でもあの場で食わせるしか、方法もなかったし仕方がないのだが。

 

 

気を使わせてしまったなぁと思う。

本来であれば、たちまち回復させる方法なんてどう考えても欲しい能力だろう。

 

粒の制限があることを知らないわけだから、兵士がどんな傷を負って帰ってきても次の瞬間には元通りだ。

戦闘でのアドバンテージとしてこれほど大きなものはないだろう。

 

私は仙豆のことを知っていることや、病気に本当に効かないだろうかとか試しているから知っているが、万病にも効くかもしれないと考えてもおかしくはない。

 

そんな中で、ガープは深くは聞かんといった。上司であるセンゴクも知っていたといった。

支部での戦力強化での名目から、私の機嫌をとっておこうと考えたのか、否かぐらいのところであろうが。

 

それだけでは釣り合わないことも知っている。

 

なんだかんだでセンゴクも、人の親であるガープも。

優しいジジイ達だよ、本当に。

 

「中将は優しいでしょう。自慢の上司ですよ」

 

ボガードも隣で微笑んでいるのを見て、ちょっと良いなぁと憧れる。

あんな手加減していてもボコボコにしてくるジジイが上司は願い下げであるが。

 

 

 

 

こちらが出港して、毎日ガープの扱きを耐え続けること数日にして、やっと拳のみではあるものの武装色で覆うことができるようになった。

 

「ガープさん、できたよ!武装色、私にもできた!!」

 

「だから、お前ならできるっていっただろう。オレが見込んで指導までしてやったのに、信用してなかったのか。」

 

こと戦闘に関してはガープは天才らしく、その類い稀な強靭な生命力から放たれる武装色の覇気は感じ取るためには打ってつけだった。

だからと言って、殴られ続けるのは一生勘弁したいが。

 

ガープ曰く一番早い方法らしい。

 

行きでの練習で1ヶ月程度、現在と過去を合わせると8年と2ヶ月である。

武装色を身につけるまで長かったが、これでロギア系がきたとて一方的に負けることはないだろう。

 

「せっかく身に付けたのに、お前から感じる覇気はしょぼいなぁ。」

 

しみじみとガープが言ってくる。

本来武装色を身につけてしまえば、自身の生命力の高さに準じて総量が決まってくるらしく、総量が多いやつはすぐに腕全体を覆ったりできるようになるのが普通らしい。まれに体全体を覆うこともできるやつも出てくるそうだ。

確かに武装色の扱いは練習して、無駄のない利用を身につければ持続時間は増えるらしいものの覆える総量が変化すると言ったことではないらしいのだ。

 

言ってしまうと、私はどんなに頑張っても拳を覆える程度の武装色ほどしか使えない可能性が高いとのことだ。

 

おのれ、神よ。

身体的貧困だけならず、生命力までも乏しいと。

 

女性の生命力は胸に詰まっているとでもいうのか。

 

「覇気がつかえるだけすごいと思いますよ!!使えない人だっているんですから胸を張ってください!!」

 

ボガードよ、お前はガープと拳でバトルしていた時は腕全体を覆っていたのを見ていたぞ。

別に私の長所はそこじゃないしね!速さと、回避力が売りだしね!!

 

急所特化型の怖さだしね!!

 

強者というのは、みんな生命力が強いらしく、か弱い私には向いていなかったようだ。

 

 

帰りは帰りで結局のところ、ガープの寄り道を止めることができず、行きと同じく寄り道しながら帰路についていたため通算で3ヶ月程度帰宅までかかってしまった。

 

定期的にベルメールへは連絡を入れており

 

「ガープ中将の自由奔放なところは、海軍だったらみんな聞いたことはあるわ。アタシもこのぐらいはかかるだろうなって考えてたもの。」

 

「それと、お土産ちゃんと買ってくるのよ!!ナミの服とか、離乳食とか。ノジコの服も大きくなってもきれるぐらいのサイズのやつ。とにかくいっぱい買ってきてちょうだい!」

 

と返されたのも記憶に新しい。

私の心配はどうしたと返したら

 

「あんたの心配なんてするだけ損でしょ。私より強いし、それにガープ中将の船でしょ?心配する必要なんてないじゃない。そこが危険だったら、私の村の方がよっぽど危険よ。」

 

とのことだった。

正論すぎて、言い返す言葉もなかった。

 

ガープの寄り道もお土産を大量に確保しなくてはならない身からしてもありがたかった。

両手で抱えきれないほどのお土産を購入してる私を見て、ボガードさんも引いていたが気にしない。

 

私個人で嬉しかったものが調理器具とブレスダイアル、ヒートダイアル、ウォーターダイアルのダイアルの入手である。

ダイアルに関しては、本部にいた時に入手できる方法がないかと聞いたところ、売っている街を教えてもらったのだ。

 

街の名前は忘れてしまったが、ガープに帰る道々寄ってもらい、入手へと成功した。

 

 

ココヤシ村では電気系統での生活といった状況ではなく、火での生活を行っている。

もちろん風呂は火を起こせば、なんとかすることもできるが、結局めんどくさくなり、水洗いが日課になっていた。

 

そろそろ風呂も恋しくなり、どうにかもっと簡単にすることができないか模索した結果がダイアルだった。

 

このダイアルは何を動力にしているのかは不明だが、ウォーターダイアルで水を確保し、ヒートダイアルで温めればあっという間に風呂の完成である。

 

風呂は木材で風呂桶と大工さんに頼んだらいいし、ホクホクである。

ブレスダイアルは髪を乾かす用だ。

 

これで村での生活ももっと充実するだろう。

それに、甘味もヨーグルトだけでは飽きていたところだ。

 

調理器具もそろったことだし、生クリームの製造に移れることもウッキウキである。

武装色の練習や、買い物、寄り道と充実した帰り道であった。

 

 

忙しい船旅は瞬く間にすぎていき、長旅を終えココヤシ村へと帰還した。

 

「フェン、遅い!!ノジコいっぱい待ったの!!」

 

到着の日程をベルメールと連絡をとっていたこともあり、到着をゲンさんとベルメール家一同、村の中のいい人たちが迎えにきてくれていた。

ノジコのタックルを身に受けながら、抱き止めてやる。

 

「ごめんなさいね。待たせちゃったわよね。」

 

べそべそと泣くノジコを抱き留めながら、ベルメールに目を向ける。

 

「ノジコ、フェンがいないって毎日家と海岸を散歩するの。相当寂しがってたからね。しばらくはくっついていてあげて。」

 

むしろ私も寂しかったよ、ノジコ!

子供の癒し成分が日常にあるか否かは相当大切で、おじさんばかりの船では癒しが足りなかった。

 

ノジコを抱きながら、トテトテと寄ってくるナミも抱き上げる。

 

「ゲンゾウさんも久しぶり!ナミやノジコを代わりに見ててもらってありがとうね!」

 

「なに。子供といるだけで日々の活力を私の方がもらっていたよ。」

 

ゲンゾウさんとの挨拶もほどほどにし、出航の準備を終えた船に声をかける。

 

「ガープさん、ボガードさんありがとうね!!今度こっちに来たら美味しいご飯でも作っていげるわ!支部にいらした時はご飯でも食べましょ!!」

 

「はい!その時は楽しみにしています!ほら、中将も!!」

 

「なんだ、ボガード。フェンも武装色の鍛錬やっとけよ。じゃあ、ほれボガード。さっさと出航するぞ。煎餅が切れる。」

 

大きく手を振って見送ると、後ろ姿ながらに手を振りかえしてくれるガープが目に入った。

なんだかんだでいいジジイだよなぁ。原作でも今も。

 

「「「「出航!!!!」」」

 

号令と共に、船は出航していった。

さて、私もやることはいっぱいだ。

 

迎えに来てくれていた街の大工へと風呂桶の詳細を書いた図を渡し、急ピッチで作ってもらう依頼をするのも忘れずに依頼し、久しぶりの家に帰るとする。

 

自主鍛錬やスイーツ作りに、風呂の常設。

しばらくはスローライフでゆっくりとしよう。

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