今日も日向は暖かい   作:licop

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島は突然やってくる

 

聞いていただけると嬉しいことがある。

 

天空に浮かぶ島って知っているかな。

バルスではないよ、人がゴミでもないの。

 

私は、今、天空に浮かぶ島で暮らすことになりました。

知り合いも1人もいなくなってしまった。

 

齢、もう肉体年齢も20代も半ばに差し掛かっていることだろう。

 

こんな状況じゃなければ、天空に浮かぶ島も空を飛んでいることも非常に喜んでウキウキ気分だったかもしれない。

はぁ、どうしてこうなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海軍での一件を終え、ココヤシ村に戻ってからの日常はあれから数年間はいつも通りの日常を平和に過ごしていた。

ナミやノジコはスクスクと育ち、ノジコの年齢は7歳、ナミは4歳としっかりと育っていた。

 

ノジコはお姉さんらしく、ナミの面倒を見ながら本を読んだり、料理を教えてくれとせがまれたりでしっかりとしたお姉ちゃん感が出始め、ナミは当時のノジコを思い出すような活発さと甘えん坊に育っていた。

 

ナミに関しては、航海術を持たないままに育ってしまうことで原作での状況や、才能を埋もれさせてしまうことも勿体無いため、海図や縮図のような地図関係の書物をベルメールの家に置いてきた。

 

「うちに海図なんて置いてどうするのさ。ノジコは面白がって見るから、置いていくのはいいけどさ。」

 

と心底不思議そうな目で見られたために、いろいろな本があった方がいいでしょと押し切った。

 

 

ベルメールも継続して日々の鍛錬は続けているため、もはやアーロンに負けることは心配していない。

むしろ、前半の海ぐらいであればいい勝負をするぐらいまで実力はついていると考えている。

 

目下の当初の目的であった、モーガンとアーロンの事件に関してはもう問題はないだろうと考えている。

加えて、海軍とのつながりも継続しており海軍内部での腐敗状況も、ほとんどが解消され、海軍に助けを求めたらしっかりと頼りになる人材を派遣してもらえるだろうといった側面からも、手を打てる状況にも変わっており安心していた。

 

 

また個人戦力としても、定期的にガープに鍛えて(ボコボコにされる)もらっていることもあり実力も安定して鍛えられる状況もあり、勝てはしないものの、へたな中将クラスや下手したら大将でもいい勝負ができるだろうといったお墨付きをいただけるぐらいには強くなったとのお言葉を頂くほどにはなった。

 

 

もちろん、自身としてもこの海賊が闊歩している時代で不測の事態が起きないと考えるはずもなく実力や海軍とのつながりの維持とか、不測の事態への対応策は考えていた。

 

ただ、今回の出来事は私の想像での状況を超えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんせ村の上から島が降りてくるのだから、そんなの想像つくわけもないだろう。

私もまさか島が降りてくるなんて思っても見なかった。

 

もちろん怪奇現象かとか、海王類の力かとかいろんなことが頭の中をよぎった。

私や村の人間は揃って、唖然とした表情で村の海岸に島が不時着するのを眺めていた。

 

私はそこまで過ぎてから、頭の中によぎるものがあった。

原作はいまだに比較的覚えている自信があった。

 

ただ現行でロジャーは死に、こいつもインペルダウンにとらえたと新聞で読んでいたために忘れていた。

ここで一番自身を呪った。

 

なぜ脱獄するという事象を忘れていたのか。

なぜイーストブルーに恨みがあることを考えなかったのかと。

 

前作開始までの役20年と、原作ではおとなしくしていた記載もあったため考えてもいなかったのだ。

実力がついた、鍛えたと安心してしまったことがここまでの状況を生むとは思っても見なかった。

 

 

「ベル!!ナミとノジコを連れて隠れて!!」

 

「ゲンさんは村の人とすぐに逃げて!!」

 

「フェン。あれは一体なんだっていうの。島が降りてきたように見えたんだけど。」

 

呆然と現実の状況の理解が追いついていないこともあり、内容を整理をするように話すベルメールに檄を飛ばす。

 

「ベルメール!!早くしなさい!!」

 

ココヤシ村に来て、私は非常に温厚だったと思う。

街の子供たちは可愛いし、ゲンさんやベルとだって喧嘩はすれども、本気で怒ったことはない。

大切な友人であり、家族と考えていたほどだ。

 

そんな私がここまで鬼気迫る表情で話していることに、いかにまずい状況なのかと言うことをようやく理解したのか、ゲンさんとベルメールが慌ただしく動き出す。

 

「フェンはどうするの!!あんたがそんな表情ってことは相当まずいんでしょ!!」

 

「私しか止められる奴がいないじゃない!!大丈夫、とっておきが在るもの。いいから行きなさい!!」

 

「ベルメール!!いくぞ、フェンちゃんの言う通りだ!!私たちがここにいたところで足手まといになるだけだ!!できることは、フェンちゃんが戦う際に周囲を気にしなくていい状況を作ってやることだ!!」

 

どんなにまずい状況にあるのか、表情から察したのかこちらに向かってこようとするベルメールを抑え、諭してくれるゲンさんに感謝しつつ「いけ!!!!」と声を張り上げる。

 

「アタシも一緒に戦うわ!!そのために一緒に訓練してきたじゃない!!」

 

「バカいうな!!ココヤシ村に来たのだって、海軍をやめたのだって。子どもを育てるためだったんでしょうが!!ナミやノジコだって、お母さんがいなくなるってことは一番しちゃいけないんだよ!!」

 

ここまでの剣幕で怒ったことは、こちらに来てからなかったかもしれない。

ベルの足元でナミもノジコも怯えてしまっている。

 

ごめんな、こわいお姉ちゃんで。

 

「もう揉めている暇はないかも。ゲンさん、ベルのこと頼んでいい?」

 

「任せておけ。私らが力になってやれんことが悔しい。フェンよ、私は家族を失う悲しみを味わいたくはないぞ。ちゃんと帰ってきなさい。」

 

ゲンさんにベルメールを任せ、正面にある島に目線を向ける。

 

 

「ベイビーちゃん。話は終わったか?」

 

髪もしっかりと生え揃っており風格や佇まいだけ見てもガープやそれに並ぶオーラが見て取れる。

 

両足が切断は折れている状況は原作通りで、まだ通常の足ではないことで実力が落ちているのであれば嬉しいのだが、そこまでのことは望めないだろうと言った状況である。

 

「大海賊のシキさんよね。こんな辺鄙な村に何の用かしら。」

 

「ジハハ!歓迎されてねえなぁ、おい!まぁいいんだが。」

 

葉巻を加えた大男が近寄ってくる。

口の中に溜めた煙吐き出しながら、徐々にこちらへと近づいてきて、手の届く距離まで寄ってくる。

 

「フェンってやつはお前だな。」

 

言葉と共に、顔に手を伸ばしてくる。

流石にジジイに顔を触られて喜ぶ趣味も思考も持ち合わせていないため、伸ばしてくる手をはたき落とす。

 

「やめてくれるかしら。初対面の人に触らせる程、安くはないつもりだから。それで私の名前を知っているのは分かったのだけれど、私に何の用かしら。」

 

原作でルフィとバトルをした際に負けた理由は長期間のブランクと頭の舵輪などの数々の傷のせいだと言った理由だと記憶している。

現在のシキ相手にどこまで自信が通用するのかは未知。

 

下手したら、普通に負けてしまうことも考えられる。

私の負け。それは、ベルメールや村のものの死に繋がる恐れもある。

 

避けなくてはなるまい。

ベルが海軍に連絡を入れてくれればいいが。

 

「気の強いねえちゃんだ!嫌いじゃねえが、時と場合を考えた方がいい。さっきのベルっつったか。大切なんだろ?」

 

「で、何の用よ。わざわざ私の名前までリサーチして、大海賊のあなたが来た意味がわからないわ。」

 

そういうと、もう一度手を伸ばしてくる。

下手に刺激をするわけにもいかず、手を退けることができなくなった。

 

顎を掴まれ、そのまま自分の顔と目線を合わせるように上を向くように顔の向きを変えてくる。

 

「最近は定期的にイーストブルーに足を伸ばすようにしていてな。ちょくちょくイーストブルーでの海軍の動向とか状況の偵察に来ているんだが。そこで噂を聞いていてな。」

 

「海軍の強化、訓練。腐敗していて低迷していたイーストブルーはどんどんと実力を伸ばしている。厄介なことに、めんどくせえ、ガープもイーストブルーに度々足を伸ばしていると。ロジャーが死んだ街があるってだけで鬱陶しいことに加えて、どんどんと不快なことばかり増えていく。」

 

「話をいろんなところで聞いてきたが、その話題の中心にいるのがフェン。お前だ。海軍を鍛えているのもお前。ガープがここにくるのもお前。俺はイーストブルーを潰してぇんだが、お前の行動は俺を心底苛立たせるわけだ。」

 

「ただよ、優秀な人材は俺もただ殺すのは勿体無いと思って、迎えにきたわけだ。」

 

何言ってんだ、このジジイ。

 

「迎えってなんのことよ。」

 

「俺の船に乗れ。そして、俺の兵士を育てろよフェン。海軍を強化した手腕を俺の元で動かせ。」

 

「バカなの?そんなのできるわけないじゃない。私はどちらかというと海軍側の人間よ。できると思う?」

 

「できるできないじゃねえ。やるんだよ、フェン。じゃなきゃ、俺はお前の大切なものを壊さなきゃならねえ。将来の仲間の大切なものを俺は壊したくねえからよ。」

 

そう言うことだとは思っていたよ、全く。

自分の危機管理能力のなさに嫌気がさす。

 

ガープのお墨付きだ、海軍との伝だ。

安心していた気持ちがこの状況を生んだのだ。

 

自分にできることなんて限りがあることなんてわかっていた。

自分1人じゃできないことの方が多いことも気づいていた。

 

ならもっと打てる対策を考えなきゃいけなかったのに。

 

安心していたら、この様だ。

 

もちろん、戦うことはできる。

逃げるぐらいであれば、私1人だったらおそらく出来るのではないかとは思っている。

 

守りきるのは、無理だろう。

 

「フェンを連れていくな!!!」

 

後ろからノジコが叫ぶ声が聞こえる。

 

「ベル!!!ノジコを連れて帰って!!!」

 

「フェン!!行っちゃダメよ!!!アタシと一緒に、ナミとノジコ育てるって言ったじゃない!!」

 

「アタシ、あんたも家族だって!フェンがいなきゃ楽しくないんだよ!!フェンがいて、ナミがいて、ノジコがいて!!そうじゃなきゃ笑って幸せって言えないの!!」

 

ごめんね、ベル。

ノジコもちっちゃい頃に、寂しい思いさせてこんな思いさせないよって言ったのにね。

 

ゲンさんも街の人たちのことだけで大変なのに、ベルまで任せちゃってごめんね。

 

「ベルもノジコも、ゲンさんも。街のみんなも。みんなみんな大っ嫌い!!家族なんて柄じゃないわ!!いなくなった方が清清して良いわ!!」

 

「私は、この大海賊のシキと一緒に自分の生きたいように生きて私の強さを証明するの!!いいわ、シキ仲間になってあげる。さっさと行きましょ。」

 

「いい判断だ、嬢ちゃん!ジハハハッ!!気持ちがいいねぇ!!」

 

あぁ

夢のスローライフも終わりのようである。

 

振り返れば、きっとベルもゲンさんも怒っているのだろうか。

泣いているのだろうか。

 

私も振り返ることはできないけれど、一緒に入れなくなったのは。

家族を危険に晒したのは、私の怠慢であるのだから何も言えない。

 

シキに連れられ、シキが出てきた島へと歩みを進める。

 

 

「フェン!!あんたがなんて考えても、家族だって!!絶対助けてみせるから、待ってな!!!絶対だから!!」

 

ばかだね、ベルも。

島に移るとシキの力で島も浮かび始め、瞬く間にココヤシ村から離れていく。

 

ベルと笑って、ナミの成長を見守って。ノジコとご飯作って。

そんな生活がもう帰ってこないと考えると、大切だったことをより深く今になって実感するよ、全く。

 

 

しばらくして自分の家は島にあったものを割り振られ、医者としてのスキルを認められ、立ち位置としては教官と船医として動くことを命令された。

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