「朝だぞ!起きってかい、嬢ちゃん!」
先日は2階のベットを使わせて頂き、海岸でのほとんど睡眠が取れなかった1日目と比べて、ぐっすりとしっかりとした睡眠がとれて快眠であった。
朝の太陽の日差しも窓から差し込み、非常に気持ちのいい朝だった。
「起きた。今降りる」
「おう!朝飯作ってあるから、ゆっくりと食べな。昨日は夕飯は食べなかったけど、体調悪いか?」
ジゲスのおじさんは心配そうな面持ちで声をかけてくれる。
「大丈夫!心配させてごめんね」
「大丈夫ならいいんだよ!今日は俺はちょっと実家へと用事があって出なきゃいけなくてよ。鍵かかけるぐらい大層な家じゃねえから、外に出ててもいいが、お昼頃に一度戻ってきてくれるか。今後のことで話がある」
ジゲスおじさんは頷くのを確認すると、そのまま出ていった。
帰ってきた。
「っと、伝え忘れた!ごめんな、昨日は用意出来なかったけどよ、そのボロのままじゃ格好がつかねえからちゃんとした服、婆さんが持ってきてくれててよ!飯食ったら婆さんとこ行って来い、じゃまた後でな」
と残して、再度出ていった。
今日の予定は、昼までの自主練とおばあちゃんのところに顔を出す。
昼になったら、家でジゲスおじさんを待つ。になりそうだ。
だが、まず飯を食いながら昨晩考えていたことを整理しよう。
ご飯はちなみにベーコンやレタスなどが挟んであるサンドイッチだった。
やっぱりちゃんとしたご飯はうまい。
昨晩は、就寝前に今後の内容や状況と目標のことを考えていた。
主に覇気の身につけ方や、内容に関してを考えていたわけなのだが2つ思い浮かんだことがある。
流石に本物の見聞色は見当もつかないが、近いものであれば苦労せず身につけられるのではないかという点だ。
現代武術の知識や経験がすでにインストールされている件。
イメージをするのであれば、MMO小説によく出てくるシステムアシストみたいな感覚に酷似しているのではないか。
意識しなくても、自然に動作として体が動いてしまう感覚だ。
それに加えて、脳内で考えたことに関して普通に記憶を思い出す感覚で、動きの知識などが出てくる。
インストールされているのは剣道や、空手などの日本武道から、ソバットのような格闘技などが主だったものである。
その中には、武道の見切り技術がある。
見切り技術は、相手の動きの起こりを筋肉や動作より読み取り相手より一歩先に動作を行うものだ。
これは悪魔の実の能力者であっても、移動するときには動き出す際の動作を行っている描写があったと思う。
それはいかにロギア系の能力だろうが、移動する際には初動は走る動作なり歩く動作などが必要ということだったのではないだろうか。
その初動を見切り、起こりから次の動作を読み取れれば立派な見聞色なのではないか。
もしくはエレクトロである。
こちらは電気に関しての能力であると理解している。
電気に関しての能力とあれば、人体の電気信号の一端でも感じ取る方法があるのではないか。
電気信号での指令の内容が流れる場所や、信号の強弱から動作を読み取ることができるのではないかということだ。
もしくは電気信号の電気自体の電力を強めることで、電気を作る以上ある程度の電気の耐性のあるこの体であれば、反射や身体能力を極限まで強化することができるのではないか。
どちらにせよ、疑似的な見聞色まではつなげることができるのではないだろうかと考えている。
まあ、本物の見聞色やマントラは全く見当もつかない。
気配を読むなんて、練習の仕方の検討もつかない。瞑想でもしていればなんとかなるのだろうか。
武装色なんて意味がわからない。
なんだ、腕が硬くなるって。
硬くなるって念じればいいのだろうか。
覇王色なんて、期待していない。
もうあんなもの無理だ。
よくわからん状況で周りが気絶するのだ。
謎しかない。
また追加でも課題も見えてきた。
スーロン化である。
できること自体は以前の内容で確認をしている通りなのだが
できると上手く扱えるは全くの別物である。
こちらは、練習を経て凶暴化や見境なく暴れ回らないようになっていく描写が本編であった。
だが、今回の私のスーロン化はどの程度の強化割合なのか、理性は保てるのか、こちらの知識や記憶は全く出てこなかった。
おそらく、スーロン化をすると理性は無くなってしまう(練習が必要)のではないかと思われる。
ただここで難点は、満月の周期が1ヶ月に1回程度というところだ。
個人の状況で言うならば、月1回だけで自主練もできない状況で慣れていくという作業は不可だろうと考えている。
普通に考えても月1の練習でうまくいくなんて、何事も才能に溢れているもののみの特権である。
そうなると、某アニメのブルーツ波のごとく、疑似的な満月発生装置を作るのか、ランブルボールのように丸薬で代用できるものを開発するのかしない限り、満月のみの能力がピンポイントすぎて使えない、かつ練習もできない。
かといって、イーストブルーにくるやつで覇気を知っていそうなやつは、バギー、アーロン、シャンクス、ガープ、クロッカス。
後者のスーロン化は、ランブルボール的な観点で船医のクロッカス。科学者に関してはグランドライン以降の状況しか知らないのでなんともいえない。
いずれにせよ、イーストブルーにくるまで時間がかかりそうだ。
練習場所に無人島という誰にも迷惑をかけなくて済む場所があることは素直に救いだろう。
それに覇気使いがポンポン現れるとも思えないし、追々やっていこう。
考えれば、課題は山積みか。
まあ、ベルメールが殺されるのも今から17年後の状況だしな。
さて、ご飯も食べ終わったことだし。
早速おばあちゃん家へと訪問し、服をまず着替えようと思う。
お婆ちゃんの家は、実はそこまで遠くない。
ジゲスの家より歩いて5分少々といったところだろう
街自体は島の裏側といえども、街もある程度しっかりとしている。
見た限りだと、住宅の個数も数十棟は並んでいるし、飲食店や服屋、シジマお婆の金物屋、八百屋。
海軍基地があることで、治安が保たれているなどの理由もあるのだろうか。
また見渡す限りの海も眼前に広がっており、非常に気持ちが良い。
海自体も透き通るぐらいの透明度で、海を見ているだけでも、癒されるようである。
海を見ながら少し歩けばもうお婆ちゃんの金物屋は目の前だった。
「あら、フェンちゃん、昨日はよく眠れたかい」
「心配かけた。ジゲスおじさんも優しくて、ゆっくりと寝れた。ありがと」
「あの子、顔は怖いけど人一倍お節介で優しい子だからね。ほら上がっておくれ。服の着替えを済ませちゃおう。せっかく別嬪さんなのに、いつまでもボロボロじゃ勿体無いよ」
お婆ちゃんと共に、店の2階に上がっていく。
「お婆の孫のお下がりで悪いね、急拵えで準備できるのが孫のお下がりしかなくってさ。許してくれるかい」
そういって取り出してくれたのは、大きめのTシャツとハーフ丈の黒のパンツだった。
サイズもぴったりで、ちょうどいい。
そういえば、耳や尻尾のことは出していても問題ないのだろうか。
お婆ちゃんに聞いてみると
「そう言うと思って、これも作っておいたんだ」
そう言って、出してくれたのは猫耳用に耳のカバーもついているニット帽を渡してくれた。
「うん、ぴったり!嬉しい!」
「そりゃあ、よかった。お婆も頑張った甲斐があるね!それだったら耳の部分も帽子のデザインに見えるだろう。今はこの島の者しかいないから心配はないだろうけど、信じられる人間以外には見せない方がいいだろうね」
「気を付ける。でも不服」
「何がだい?」
「私もらってばっかり。私も何かしたい」
結局のところ、何着かお下がりをベースに拵えてくれた服を貰ってしまった。
それに、帽子まで。
こんなにもらってばっかりでは、流石に何か自身でできることで返せるものや仕事などはないのだろうか。
「子供が気にするんじゃないよ。お婆は、フェンちゃんみたいな女の子には恵まれなくてさ、男の子ばっかりだったんだ。女の子の娘が欲しかったんだ、娘ができたようで楽しくてね」
「それにお婆のお茶に昨日付き合ってくれたお礼さ。それに着ることがもうなくなった服さ、フェンちゃんみたいな可愛い女の子に服も着てもらった方が嬉しいよ」
「じゃあ、お茶にしよう。今日のお礼は、お婆のお茶に付き合っとくれること。それがお婆は一番嬉しいよ」
そこまで言われては仕方がない。
後で何か、お礼できそうな物探しておこう。
別にその後は何かあったわけではなく、普通にお婆ちゃんと茶を飲んでしばらくまったりとした時間を過ごした。
お婆ちゃんとのまったりとしたお茶の時間を過ごした後は、お昼になる前に家に戻っておく。
早速エレクトロの電気信号の実験に入るためだ。
エレクトロの練習は、順調だった。
なんせ、知識と経験はすでに持っているのだ。
使い方も自然にわかるし、念じれば電気がバリバリしだす。
ただ繊細な使い方に、ミンク族が向いていないのか、そこまでは戦闘力の部分ではなかったのか、微弱に電気を流そうとする調整は非常に困難だった。
箸で胡麻をつかむように、めちゃくちゃ集中してやっとこさできるぐらいの状況だ。
また、その状況では流石に自身の末梢神経や電気信号に関しての電気を強めるなんてことは怖くて行えなかった。
この状況で人の電気信号まで読み取るのは、まあ難しいもので、こちらはまずは自分自身の電気信号をまずは感じることや、微弱な電力を安定して自然に作り出せるようになるまでは、次のステップはお預けだろう。
内容をしっかりとまとめて、今後の内容を倉庫件、現在の自室で考えているとおじさんが帰ってきた。
「おーい嬢ちゃん、帰ってきてっか!紹介しておきたい人がいるからよ!降りてきてくれ!」
自室より、1回のおじさんの下へと降りていくと
「っ!めっちゃかぁわいぃ!!!!」
突如、何かふわふわしたものに抱えられる。
ちょ、ちょっと待て!!!
いき、、いきができない、、、
「おい!嬢ちゃんが死んじまうからやめろ!」
死ぬかと思った。
無事にジゲスが引き離してくれ、地面に降ろしてもらった。
「ごめんなあ、嬢ちゃん。うちのお袋、可愛いものに目がなくてよ」
どうやら改めて状況を見てみると、先ほどまではジゲスのお母さんに抱かれていたらしいと理解した。
ジゲスのお母さんは、私よりは流石に大きいけれど、私の目線に肩があるぐらいのため160センチぐらいだろうか。
また目はクリクリと大きく、髪もボブ程度で、おっとりとした印象を受ける。
ジゲスのthe船長といった風貌からは想像のできないお母さんだ。
「ジゲスちゃんも、こんな可愛い子がいるんだったら昨日のうちに教えて欲しかったわ!隠していたのね、ずるいずるい!」
絶賛プリプリしている方を何度見ても、見た目も若く、どう考えてもジゲスの見た目から考えられる年齢ではないのだが。
ワンピースミラクルなのだろうか。
「ねえ、もう一回!もう一回でいいから抱っこしていいかしら!」
「後でだったら、時間取るからとりあえず今は待ってくれ!嬢ちゃん、びっくりさせてごめんな。俺だけだと嬢ちゃんの飯とかよ、面倒見てやれねえ時も出ちまうから、お袋が俺がいない時に来てくれることになったんだ」
「フェンちゃんっていうのね!私はロロよ。ねぇ!ジゲスちゃんこんな可愛い子の世話だったらむしろ毎日でも来ていいかしら。むしろ、毎日来たいのだけれど!」
流石に最初のいきなりの抱っこは怖すぎた。
現在もずっと視線はこちらに向いており、ちょっとばかりジゲスの脚を盾にする。
「・・・・っよろしく」
ちょっと、よだれが出ているんだが……。
目も獣の目なんだがっ!!
「こんなお袋でも、俺を育ててくれた実績があるから。信じてやってくれ」
「俺がいないときはお袋が来てくれるから、いないときはお袋を頼ってくれや」
次の瞬間には、もう腕の中に収まっていた。
「もう我慢できないの!!かぁわいぃ!!フェンちゃん、お母さんって呼んでいいのよ!むしろ、呼んで欲しいわ!ジゲスちゃん、今日は一緒に寝ていいかしら!!」
めちゃめちゃほっぺたとほっぺたですりすりされる。
可愛がってくれるのは嬉しい。
幼女になっているためか、別に女性でふわふわしていても何も感じはしないのだが。
近すぎやしないだろうか。
そしていつまで抱っこされていなくてはならないのか。
そんな目線をジゲスおじさんに向けるものの、目を逸らされる。
おい、こっちを見ろジゲス。
(ごめんな、お嬢ちゃん。お袋が飽きるまでそのまま頑張ってくれ)