話数:66話(全ルート+後日談)
オリ主:
メインキャラ:二葉つくし、倉田ましろ、八潮瑠唯、上原ひまり、氷川紗夜、大和麻弥
作品リンク:https://syosetu.org/novel/259458/
女性の部位、つまりフェチズムの話をすると俺は目を輝かせてこう言うだろう──おっぱいが好きだと。
一口におっぱい好きと言っても世の中には貧乳派もいれば巨乳派もいる。その中で俺は巨乳派なんだ。野球で言うと繋ぐ打線よりも一発構成のビッグベースボールの方が好みという感じだ。わからないだろうと思うけど俺も自分で何言ってるのかわかんないから気にしないでもらいたい。とりあえずそんな性癖を拗らせて女性にはキモがられるのが当然な俺ではあるが、何を血迷ったかなんと恋人、カノジョができてそこそこの時間が経ってしまっていた。
「しかも巨乳主義の俺が虚乳のカノジョ……」
「ケンカなら買うよ?」
「ロリボディのお前が、俺に勝てるわけねーだろうが!」
「ふん!」
「ぐはっ!」
──そのカノジョというのがおおよそ俺のフェチズムとは程遠いつんつるてんの見た目小中学生だけど幼馴染でもある二葉つくしちゃんだ。小さな身体にドラムを叩くパワーを秘めたパンチは見事俺の腹部に突き刺さり、思わず悶絶するハメになる。つーちゃんパンチ強くね? や、ヤロウ……!
そんな暴力ヒロイン適正まで持ってるつくしだが、今回は怒りに正当性があった。
「デートの待ち合わせに遅れてきていい度胸だと思わない
「すみませんでした、楽しみすぎて寝れなくて寝坊ぶちかましました」
「……む、楽しみ?」
「そりゃあ、まぁ……デートだし」
この
「そ、そういうの……ズルだよ」
「ごめん、つくし」
「もう……まぁ私も遅刻したんだけど」
「そうだな」
つくしは十分、俺は二十分の遅刻と見事なうっかり遅刻カップルはお互いに苦笑いをし合う。ドジなのはお互い様だ、それにここは幼馴染でありベストフレンドだった二人だ。俺はつくしの悪いところも全部知ってるし、逆につくしは俺のダメなところも余すことなく理解してる。理解した上で、俺たちは好き合ってるんだ。
「にしても……今日の服は、すげー似合ってるし、大人っぽい」
「本当? 実は化粧とかで時間かかりすぎちゃって」
「それで遅刻?」
「うん、でも大輔が褒めてくれるなら、頑張ってよかったって思った」
「つくし……」
なんか、つくしがかわいい。いや知ってるよつくしがかわいいことくらいは。なんせ俺の自慢のカノジョなのでね。高校生になってからどんどんと大人っぽくなることに対してちょっとした焦りは感じるけど。なにせ自己評価では俺が大人っぽくなってる要素は皆無なんだ。なんなら中学生の時から精神的には成長してる気がしない。
「別にいいよ」
「よ、よくはないだろ」
「だって、私……子どもっぽいし、あんまり大輔が大人になられても、困るし」
そのリアクションが萌えた。うちのつくしちゃんかわいくね? いやいやほんとに付き合ってからかわいいが無限に広がっている感じがするよ。おっぱいはせいぎとか、巨乳主義とかクソみたいなこと言ってる俺だけど、つくし相手にはホントにそんなことすらも言えなくなるくらいにかわいいが過ぎる。あいらびゅー、心の底から愛してる。
「あい……っバカ!」
「まぁまぁ、それはさておき、行こうぜ」
「う、うん」
朝から遅刻という凡ミスの女神様に愛された俺たちだけど、そもそもめちゃくちゃ早めに集合時間を設定して、買い物などを駅で済ませる予定だったため、のんびりと電車に乗り、そして一旦降りて朝ごはん等を買ってから新幹線に乗り込む。指定席とかいう贅沢をさせてもらっていた。
「本当によかったの?」
「なにが?」
「モニカのみんなとじゃなくて、私だけで」
「デートなのにそのメンバー連れてくのか、むしろ」
「いや、そうなんだけどさ……うん」
まぁつくしの言いたいこともわかる。この計画がつくしちゃんのうっかりによってモニカに、特に倉田ましろ八潮瑠唯の両名に伝わったことで一時はモニカ全員で行くみたいな話になっていたけど、簡単なことで、これデートの予定なんだよ。なのにモニカがいたら意味がないし、なによりつくしとイチャイチャできねーじゃん!
「でも、大輔の好きなおっぱいは見れるよ?」
「それはそう。悩ましいことに」
「悩むな」
しかもモニカの四人ってみんな平均サイズは越えてるんだよな。特に瑠唯さんましろちゃんだけど、透子ちゃんと七深ちゃんも立派なおっぱいを持っているし、そこで温泉旅行とかムフフなテンションになってしまう。
ってこればっかり語ってるとまるで俺がつくしと二人より楽しむみたいに思わるじゃないか。
「いや、大輔だし」
「俺に対する信用をもうちょっと上げてほしい」
「大輔だし、おっぱいがあったら喜んじゃうでしょ」
「確かに!」
「否定しろ!」
否定はできない。そこに大きいおっぱいがあったら大喜びだし、そこで顔を赤らめて触っていいよとか言われたら理性崩壊ボーイになってしまうだろう。
──でも、でも違うんだよ。俺はつくしとデートがしたかった。つくしと、俺の大切で最高のカノジョとの時間がほしかったんだ。
「す、すぐ真顔でそういう……」
「だから安心してほしい。なんならつくしと二人きりの方がテンション上がるまである」
「……変態」
「つくしだって、ちょっとは期待してるでしょ?」
「してない……してないもん」
は〜ん? このリアクションは期待してるんだよなぁ。俺は、そんな風に期待してくれるつくしが愛おしくて我慢できなくて抱きしめた。腕の中に収まっちゃうくらいのつくしの小さな身体も今では誰にも代えがたい抱き心地だ。
正直言って、数ヶ月前、特に進級したばっかりの春にはこんなにつくしが大切な存在になるだなんて考えられなかった。そしてこんなにつくしのことを考えない時がないくらいに好感度三周くらい振り切れてマックスになるなんて思ってもみなかった。
「そういえば、露天風呂付──」
「──入らない」
「え」
「ぜーったい言うと思った! でも私は大輔と一緒にお風呂なんて入らないから!」
「えぇ……そんな必死に否定しなくてもよくね?」
「よくない! そもそも二人でお風呂って……恥ずかしいよ!」
「まぁいいじゃん、昔はよく一緒に入ったんだし」
「記憶を捏造しないでもらえるかなっ! 一回もないでしょ!」
確かに一回もない。けど俺としてはせっかくの露天風呂付なんだしもったいないじゃんって思うんだけど。つくしは頑なに男女別の温泉で十分だって言い張っていた。これはあれだな、付き合ったばっかりの時にキスより先のことは高校卒業してからとかどうとか言って拒否した時に似てる気がする。つまりは押せばヤレるくらいにはチョロいってことだ。
「大輔、今めちゃくちゃ悪い顔してる……」
「そりゃ、つくしが悪い顔させてるんだよ」
「変態、ホント変態……すぐえっちなこと考える」
「あれ、俺は別に一緒にお風呂入りたいって思ってるだけでエロいこととは言ってないんだよなぁ」
「……大輔の性格上、えっちなことでしょ」
「さぁ? じゃあつくしは、したくないの?」
「それ、やだ……その訊き方、最低」
「もしかして嫌だった?」
「……嫌じゃない、けど」
窓側に目をそらしたつくしの頭に手を乗せる。すると、むっとした顔をする。ここまでは予想通り、つくしは俺の方を向いてなにと唇を尖らせて訊ねてくるから、そこに対して俺はすかさず唇を奪ってみせた。一応人が見てる可能性が高いので一瞬だけだけど隙を見て二度ほど唇を重ね、そして脱力したつくしを抱きとめた。
「ずる……すぐそうやって」
「最初にキスで全部奪ってきたのはつくしの方だろ?」
「う、うぅ……あの時は勝てたのに〜」
「俺だって成長してるんだな、そう考えると」
「えっちな方面でだけどね!」
「いいことだ」
「よくない!」
そんなこんなで、いつも痴話喧嘩の多くてイチャイチャしかできない俺とつくしだけど、これから先も大きく変わることなく、でも確実に変わっていく中でいつか俺とつくしの関係が変わっていけるかな、なんてことを考えるくらい今の俺はこれからの春の季節の如くお花が咲き誇っていた。おっぱいは正義なんだけど、やっぱり俺にとって大正義なのは二葉つくしなんだよな。これからもそんな大正義で、最愛のつくしのままでいてほしい。そんでいつか、子どもにも嫁自慢してみたいなんて思うのは、きっとこんな温泉旅行なんかよりも贅沢なんだろうな。
オリ主の名前がむねがだいすきで宗山大輔くんという安直で性癖に忠実なカレが知り合ってしまった色んな女の子(基本巨乳)とルート別に恋をしていく、みたいな感じのお話で、当時すごく楽しかった記憶があります。
その中でやっぱり優遇というか、思い入れがあるのはつくしルートなわけで。おっぱいとか色んなものを越えた絆の勝利という、いわばタイトル詐欺をしたものです。思い入れはひまりルートも結構ありますが。あまあまかわいいつくしちゃんという私の中の新しい道を拓いた大輔は、割とオリ主の中でもお気に入りです。
次回は「ましろ、僕はね──」をお届けします。