「あたしの名前はピエールド・ハル・フローネ。
あんたたち、あたしは何歳に見える?」
こちらを見ながらニコリと笑う。
彼女の見た目は20歳そこそこといった印象だが話し方で少しプラスして25辺りだろうか。
「25」
「21」
「20?」
と思い思いの年齢を言う。
「100以上は正確には数えてないが、115歳辺りといったところか。」
みな唖然としている。
「あたしの食べた悪魔の実はそういうものなのさ。
クサクサの実モデルユグドラシル
聞いたこともないだろう?
この実のおかげで不老になり、いろいろな草や木を生やせるようになったんだよ。」
右手からは小さな木を。左手からは小さな花がたくさん咲いた草を生やす。
「能力はものすごく便利で薬草なんかも取り放題よ。
でも普通の生活はできなくなった。」
悲しそうな顔で話す彼女はとても儚げだった。
「いつまでも見た目が変わらないあたしを気味悪がって何度も追い出されたよ。
この街でも最近噂になってきてそろそろ潮時と思っていたんだよ。」
「そいつはつれー思いをしたな。」
ダラスが慰めにかかる。
「フローネさん、事情は分かった。
俺たちとしても先生がついて来てくれるなら大歓迎だ!
マーガレッタのことよろしく頼む!」
そう言って手を差し出す。
「やっぱりあんたいい男だよ。
あたしのことはフローネでいいよ。」
握り返したては少し震えていた。
「俺たちはフローネのこと怖がったりしねーぜ。」
テイラーも獣モードになってフローネに戯れつく。
しかしフローネの反応が変わる。
「テイラー!あんたその姿もっとよく見せて!」
「え?なんだなんだ?」
あっちこっち触られながらモフられてテイラーもまんざらでもない。
「あんた、とんでもない実を食べたね。
まさか幻獣種にお目に掛かれるとは思わなかったよ。」
と爆弾発言をする。
「げ、幻獣種?
俺が?
なんの取り柄もないただの犬だぜ?」
当の本人が能力について理解できていないようだ。
「バカ言うんじゃないよ!
あんたのその力は世界を滅ぼせる力になるよ。」
「え?」
あまりの衝撃にテイラーはフリーズした。
「フローネ?そんなに凄いのか?」
「ああ、テイラーが食べたのは動物系イヌイヌの実幻獣種モデルフェンリル。神をも喰らう最強のオオカミさ。」
「神を喰らう…
あまり現実感がないな。」
「まぁその能力は大器晩成の極みみたいなものだからね。
ただ、その能力は育て鍛えればどこまでも大きく強くなれる最強の力だよ。」
「マジかよ…」
フリーズが解けたテイラーはどんどん顔がにやけていく。
「良かったのぅ、テイラー」
「俺の時代キターって感じだな!
鍛えて鍛えて最強目指してやるぜ!」
テイラーの目が燃えている。
「そうだな。
俺たちもっと強くならなきゃだめだ。」
そんな決意を新たにしてるころ、町が俄かに騒がしくなってきた。
「なんだか外が騒がしいね。
あたしは準備してくるからあんたたち様子を見てきておくれ。」
フローネに促され船に戻る。
「マーガレッタはここで待ってて、フローネと一緒に来てくれ。」
「ええ、わかったわ。
気をつけてね。」
2人を置いて4人で歩いていると町の人が港から逃げてくる。
「海賊だー!」
あちこちからそんな声が聞こえてくる。
「いっちょやってやりますかー」
テイラーが完全に調子に乗っている。
「テイラー、気をつけろよー」
一応注意はするが実際大したことは無さそうだ。
テイラーも覇気でそれを感じているんだろう。
港まで行くとガレオン船が見えてきた。
規模はかなり大きいようだ。
「俺は5500万の賞金首、白髪海賊団の船長マヌケスだ!」
そんなことを息巻いているやつがいる。
手下は多いようで200人ほど感じる。
「テイラーあいつ任せていいか?
俺は真ん中100
ダラスは左50
ソニーは右50
行け!」
「もちろんだぜ!キャプテン」
「あいあい、キャプテン!」
「了解!キャプテン」
最近テイラーがふざけてキャプテンと呼んでからキャプテンと呼ばれるようになった。嬉しいやら恥ずかしいやら。
戦闘自体はあっという間だった。
ダラスは元々魚人空手の達人クラスでかなり強い。
ソニーもダラスが調整と塗装をし直したそれなりに重い鎧をつけているにも関わらず、スピードで撹乱し相手の懐に入り両手で持った大きめの両刃剣で切り捨てるスタイルでバタバタ敵を倒していく。
テイラーはマヌケスと遊んでいると言うのが正しい。
戦闘にすらなっていない。スピードで翻弄しパワーでねじ伏せている。
俺はウハウハの実を食べてから戦闘スタイルがかなり変わった。
以前はスピードで翻弄しレイピアで急所を突くスタイルだったが、今は刀を使うようになった。
刀というのはとても難しい武器だ。
切るには適切な角度で的確な力でブレなく振り切ることが必要であり、適当に振り回しても力は発揮できない。
しかしウハウハの実を食べてからこれが面白いように上手くいく。
俺の感覚としては前と同じく適当に振るっているが、全てが完璧な一太刀になり鋭い切れ味を持つ。
また敵の攻撃が逸れていくので、攻撃に集中した一撃必殺スタイルに変更し、とにかく最短距離で的に近づき最速の一撃を加える。
このスタイルがはまりスピードタイプのソニーやパワータイプのダラス、テイラーとも相性がとてもいい。
そんなこんなであっという間に殲滅した海賊団は一部小舟で逃げた奴ら以外ほとんど片付けた。
おかげで賞金首なことが町の住人にばれ一騒動あったが、ガレオン船の宝の半分ほどと賞金首を渡して見逃してもらった。
それでも奴らはかなり宝を貯めていたので充分すぎる収穫だった。
さらに悪魔の実も見つけまさにウハウハだった。