「いいかお前ら。この島では何があっても天竜人に逆らうな。さすがにワシでも庇いきれんからな。天竜人の護衛任務はワシらがやるから、お前らは街を巡回していろ。」
ガープ中将はそう言い残してセンゴク大将と共に少将2名を連れて城の方へ行ってしまった。
ここゴッドバレーは天竜人の行楽地で見える場所は全て豪華絢爛。
ありとあらゆる贅沢が集まる場所である。
今回の任務は表向きはゴッドバレーから聖地マリージョアへ帰還する天竜人一家の護衛となっているが、とある情報が入りそれに対応すべくすでにこの島にいる大将一人に加え、センゴク大将とガープ中将が応援にきた形となった。
「われわれはのんびり散歩でもしますかね」
そんなふざけた調子でテイラーが話しかけてくる。
「散歩じゃなくて巡回な。また大佐に怒られるぞ。」
そんなやりとりはしているが実際俺も他の皆も気が抜けている。
ゴッドバレーは天竜人が来るだけあって犯罪などほとんどなく、兵士もたくさんいて防衛面でも安全そのもの。
これで気張れという方が難しい。
だからこそガープ中将も任務とはいいつつ、街の巡回と言ったのだ。
要するに体のいい息抜きだ。
ただ天竜人にさえ合わなければ不快な思いはしなくていいし、海軍の制服を着ているかぎりほとんど安全と言っていい。
そんな風に思っていた。
巡回を始めてすぐに大柄の奴隷に乗って現れた天竜人を見かけた。
奴は奴隷をオモチャのように扱っていて見るに耐えない光景だったが、今の俺達には何も出来ない。
二人ともただ黙ってやり過ごすしかない無力さに苛立ちが募る。
話には聞いていたが初めてこの目で見て吐き気を催す嫌悪感があった。
これが人間のやることなのかと…
そんな光景を見たあとでお互い気分も沈んだまま、巡回を続けていた。
「犯罪はないって言うけど、あれが犯罪にならないならなんでもありだな。ガープ中将もあいつらはゴミクズだって言ってたな。」
テイラーが呟く。
「余計な事言うなよ。気持ちは分かるが誰に聞かれているか分からんぞ。」
そう警告するも俺もゴミクズだと改めて思った。
「ああ。俺達には力がない。強くなりてーなー」
「そうだな。」
そんなことを話しながら歩いていると
バン!ガシャーン!
とすぐ近くから大きな物音と銃声がした。
周りを見渡したが海兵は自分達しかおらず、兵士もいない。
「マックス!女の悲鳴だ!」
そう言ってテイラーは走り出した。
俺には聞こえなかったがテイラーが言うなら間違い無いだろうと、俺もすぐに後を追った。
ガラスが割れた建物の窓からテイラーが中に入り、俺も続いた。
「お前たち誰だえ?」
先に入ったテイラーは立ち止まっていた。
俺もテイラーの横に並ぶ。
そこには銃を持ったさっき奴隷に乗っていた天竜人と地面に倒れている若い女性の天竜人がいた。
「まぁいいえ。」
そうして最初から俺達などいないかのように天竜人は振る舞う。
「お前はもう許せないえ。死ぬえ」
そう言って女性に銃を向ける。
俺は考えるよりも体が先に動いた。
腰のサーベルを抜いて銃を落とそうと突き出した。
と同時に覇王色の覇気が溢れ天竜人は気絶し前のめりに倒れる。
結果、天竜人が串刺しになった。