VRMMOで遊ぼう! 作:between してう and 至
──── 先に結論だけ書こう。俺は死んだ。
ではなぜこんなことになったのか、話は5時間くらい前まで遡る……。
俺たちは二回目のバトルロワイヤル形式のイベントに参加していた。
まーたバトルロワイヤルやってるよって言われるかもしれないがこればっかりはしょうがないと思う。結局コレが一番盛り上がるしさ。
……しかし、こういうプレイヤー同士の仮想的な殺し合いってなんかそう言う団体に怒られたりしそうだよな。というか、間違いなく教育とかには良くないとは俺も思う。だからこそこのゲームは対象年齢15歳以上なんだろう。それでも対象年齢を無視したクソガキというものは往々にして居るのだが
ま、大体そんな特に捻りのないイベントだ。
イベントが始まってすぐ、俺たちのパーティーは取り敢えず生存時間を稼ぎたかったので取り敢えず団体行動をすることにした。
ただまぁ、最初は壁際でずっと芋ってようと思っていたのだが、フィールド端の謎の透明の壁に触れたブレイブが即死したのでその案は却下となった。
多分終盤になったら中心に向けて見えない状態のままトリカゴみたく迫ってくるんだろう。俺たちは全員ワンピ既読者だったのでそれを察する事が出来た。
……ありがとうブレイブ、お前のおかげで俺達は救われた。R.I.P.……。
そんな尊い犠牲もあったので俺達は戦略を『迫ってくる壁に焦って逃げるプレイヤーをキルする』というものに変えることにした。誉はブレイブと一緒に死んだよ。
実際、その戦略は有効に働いた。
ま、それもそうだ。見えない壁がオブジェクトを壊しながら迫ってくる様を見て冷静な状態で居られるやつはなかなか居ない。
FPS畑の奴らは割と冷静に対応していたが、一人だけなら割と何とかなった。三人に勝てるわけがないだろ!
割と壁が動き出したタイミングで野良で組んだヤツらが仲間割れを始めていたところが多かったのも成功の要因だろう。
協力してプレイヤーを倒してもキルスコアが加算されるのは最後に攻撃したプレイヤーだったので仕方ない。本当に仕方ない。
ちなみに、うちのパーティは完全な出来高制だったのでこの時点までは仲間割れとかそういうことは無かった。
やっぱり利害が一致していてそれなりに気心の知れた関係って強い。
そんなこんなで強いグループとの衝突を避けながら程々に芋りながらの不意打ちを続けることで、俺達はもう少しで残り100人(上位1%)になるまで生き残った。
……生き残ってしまった。
「残り101人……」
「その1人が20分くらい経っても減らねぇな」
俺達は凄まじく微妙な時間まで生き残ってしまっていた。
このイベントでは上位1%になるまで生き残り続けることでスコアとは別に称号が貰えるらしい。まぁ、残りの101人は誰もあぶれる1人にはなりたくないよな。
「最悪な発想をしていいか? 多分現状で生き残ってるのは大人数の団体か単体で凄く強いプレイヤーだ。このままだと俺らはそいつらに全員為す術なく殺られて、その内の一人が貧乏くじを引くことになるんじゃないか?」
「まさかそんなわけ。取り敢えずあと10分だけ待とうよ」
ハゲが冷静に現状で発生しうる最悪のパターンを口に出す。ポピーはそれに対して震え声で反論した。
ハゲはそれに同意した。そりゃそうだ。ハゲもそのパターンだけはあってほしく無かったからだ。
ただ、プレイヤー心理は残酷だった。20分経っても『1』が減ることは無かった。
──── 後から聞いた話によると誰かが事故死するまでは戦闘をしないという紳士協定のようなものが好戦的なプレイヤーの間では結ばれていたらしい。クソが。多分俺もその状況ならそうしたけども。
……このままでは迫る壁から逃げる内に最悪のパターンを引いてしまうかもしれない。そう思った俺はハゲをキルした。
後ろから刺して、殺した。
「……ま、お前はそういうやつだよな。後で詫びとしてなんか寄越せよ」
ハゲはそう言って消えていった。
残りプレイヤーは100人になった。
その瞬間争いの音が急に再開して、俺は何か取り返しのつかないことをしてしまったような気になった。
……気付けば俺はエモートで涙を選択していて、ポピーはただただ俺にドン引きをしていた。
もう少し殺しながら生き残るだけでいい。そう考えると少し気分が楽になる。
「ねぇレタネア、なんで
恐怖を感じているのか緑色の髪を指で弄りながらポピーがそう言った。勿論片手には杖を構えてコチラに向けている。信用されてねぇな俺。
「まっさかー。ここから俺が
いや、まぁそういう考えももちろんあったが。
「単純に
「それも……、そうかな?」
「第一、ヒナゲシ氏とかみたい化け物からすりゃハゲもお前も強さはさほど変わらねぇんだ」
「うんうん、ボクもそう思うなぁ」
隣でそう呟くのは緑髪男の娘アバターのプレイヤー、髪に着いた赤い飾りが大変可愛らしく、腰に提げた無骨な刀とも不思議とマッチしている。
────KATANA? まて、コイツ緑髪だが
「げえっヒナゲシ」
うっっせやろお前!? なんでおんねん!
「うん、レタネアくんのは実に冷静な判断だと思うよ。ただね、ボクはサンライズくんが残ろうとキミが残ろうと関係なく殺るタイプだったのが運の尽きだったね。いや、まぁその
急に早口になったなコイツ。というか、そういやコイツ自分のキャラに落とし込むくらいには、
「ポピー、媚びろ。多分行ける」
「あっ、ハイ。 えぇと、ヒナゲシさん、助けていただいてもよろしいでしょうか……?」
「もっと可愛く」
「ヒナゲシお兄ちゃん! 助けて♡」
「いいよ。ちょうど人手が欲しかったところだったからね」
──── キッッッッッッ……。いや、これを声に出したら多分俺は斬られる。その上で
というか、ヒナゲシ氏と
……しかしながらここで
そう思っていた俺だったのだが……、地獄はここからだった。
感覚が空いた上に珍しく一話完結になりませんでした。申し訳ないです