モンスターハンター ~流星の騎士~   作: 白雪

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EPISODE38 ~狩場の指揮者~

 既に体力の消耗は激しい。追加の支給品が用意されたとはいえ、どこまで二体目のボルボロスに食い下がれるかはやってみなければわからない。

 勢いでヴァイスの問いに即答してしまったが、足手まといにならないようするのが精一杯かもしれない。疲労した身体に鞭打ちグレンは歩を進める。

「早いところ仕留めたいところですね」

 だが、一方的に不利な状況というわけではない。

 先のボルボロスとの立ち回りをそのまま生かすことができる。それを考えればかなり短時間で決着を付けることは十分可能だ。

「そうしたいところだ。……どうやら、相手もお出ましみたいだ」

 ヴァイスが顎をしゃくった先にボルボロスが佇んでいる。

 現在はエリア4。クーラードリンクは無論必要なく、広いエリアで自由が利く。倒したボルボロスの亡骸も何処かへ消えており邪魔するものはいない。

「どうしますか、師匠」

 クレアがヴァイスに判断を仰ぐ。

「身体が大丈夫、というなら思いっきり動いてもいいんだが……。どうだ?」

 ヴァイスは先程から念入りにグレンたちの身体の様子を訊いてくる。それだけ、ヴァイスは二人のことを気にかけているという証拠だ。

「大丈夫ですって! 心配しすぎですよ!」

「ならいいんだが……」

 乾いた笑いを漏らしつつヴァイスが言う。

「グレンはどうだ。行けるか?」

「はい、俺も大丈夫です」

 そうか、とヴァイスが理解したように呟く。

 そして、彼も携えるアトランティカの柄に手を伸ばした。

「なら、思いっきりやってこい!」

 そのヴァイスの一言が合図だった。三人は散開しボルボロスに接近していく。

 背を向けているボルボロスに対して、直線状にヴァイスが接近していく。向かってクレアは左、グレンは右だ。

 足音を聞かれてもおかしくない位置まで来た。もう気配を隠す必要はない。

 大きく踏み込み、鞘から引き抜きざまアトランティカで斬りつけた。突き、斬り上げと斬撃を繰り出しアトランティカを振る手を止める。

 ボルボロスがヴァイスの方へ向き直り、大きく息を吸い込んだ。バインドボイスの予備動作だ。だが、ヴァイスは退かない。クレアも接近してくる。

 バインドボイスが放たれる寸前、トランペッコの演奏効果、聴覚保護【小】が発動した。先程同様、ヴァイスたちはグレンがどう動くかを意思疎通だけで理解していた。グレンもそれに応え見事な連携となる。

「ガアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァッ!」

 普段なら耳を塞がなければ耐えられないような轟音も、聴覚保護のスキルがあればまるで意味を成さない。

 ヴァイスは、一体目のボルボロスであまり狙わなかった前脚に向かって斬撃を繰り出す。

 耐雪&耐泥の演奏を終えたグレンもボルボロスに接近してくる。だが、グレンがたどり着く前にボルボロスが動いた。

 ボルボロスが最も得意とする突進。やや離れ気味だったグレンを標的とし猛スピードで走り出す。

「行ったぞ!」

 斬り下がりで距離を取り、狙われたグレンに警告を飛ばす。

「わかってます!」

 走って回避するのはリスクが高い。そう判断したグレンが身を翻し横っ飛びをする。

 ボルボロスの突進でも、そこまでの追尾性能は兼ね備えていない。グレンを捉えることができずもぬけの殻となった空間を突っ切る。

 すぐにグレンも立ち上がりボルボロスに向かう。しかし、今度はなぎ払いだ。

 冷静に動きを読み、一瞬の隙を付いてボルボロスの懐に飛び込んだ。狭い空間だが、構わずトランペッコで殴りつける。

 火属性の効果を最大限に生かすため泥を纏っていない腹部を狙う。左、右とぶん回し上段へ振り上げる。

 ここでボルボロスが動き、グレンの身体がボルボロスの真下からずれてしまった。同時に、死角がなくなったボルボロスが再び無防備なグレンを狙う。

 頭突きか、あるいは突進か。どちらにしても避けるのは難しい。

 そう考えていたグレンの背後からまばゆい光が走った。この光は閃光玉だ。クレアが閃光玉を投擲してくれたのだ。

「クレア、助かった!」

「いえいえ!」

 これで再びこちらが優位に立つ。

 はじかれ無効のスキルを付けていないため腹部を狙う。クレアは後脚。ヴァイスは尻尾だ。

「ガアアアアァァァ、ガアアアアァァァァァァァァッ!」

 周りから攻撃を受けていることは目が見えなくてもわかる。身震いをし、ボルボロスが泥を撒き散らし始めた。

 それでも攻撃は止まない。耐雪&耐泥のスキルがある限りこの手の攻撃で相手の行動を制限させることは不可能だ。

 素早い動きでクレアがレムナイフを振るう。この固体はまだ睡眠状態を誘発させていない。レムナイフの刃に宿る睡眠属性が蓄積すれば効果は必ず現れるはずだ。そう信じ、斬り上げ、斬り下ろし、水平斬り、斬り返し、回転斬りと連続で斬撃を放つ。

「このっ!」

 狩猟笛という大柄な武器を振り回す中で一点に攻撃を集めることは容易ではない。腹部を狙った攻撃の一部が腕などに命中してしまう。これは、今後のグレンの課題だろう。ヴァイスは、位置的には更に難しく、かつ常に動いている尻尾を着実に捉えているのだから。

 ボルボロスが頭を持ち上げる。閃光玉の効果もここまでだ。

 さらに、ボルボロスが脳天から白煙を吹き上げた。

「オオオオオオォォォォォアアアアァァァァァァァァァッ!」

 怒り状態。一体目のボルボロスで苦戦した厄介な状態だ。足止めをしない限りあの不規則で激しさを増した動きには付いていけない。

 だが、その閃光玉もあと三つしか手元には残っていない。残念なことに、この砂原では閃光玉の素材が入手できない。つまり、使うタイミングをよく考えなければいけない。

「師匠!」

「構うな。使え!」

 躊躇うことなくヴァイスはクレアに対して閃光玉を使うよう指示した。

 破裂した衝撃で閃光玉がその光を発する。わずかな間を空け、ボルボロスの悲鳴が聞こえてくる。ということは、閃光玉の効果が現れたということだ。

 ヴァイスが真っ先に動き出す。太刀の間合いに入り込み、アトランティカで突き、斬り上げ、斬りつけと斬撃を浴びせると気刃斬りを繰り出す。続けて気刃大回転斬りも繰り出そうと構えるが、ボルボロスはそれを許さなかった。

 ある程度離れている位置にヴァイスがいると判断したボルボロスがなぎ払いを繰り出す。気刃大回転斬りを繰り出そうとしていたヴァイスは、瞬時に斬撃を止め前転してボルボロスの真下に潜り込んだ。

 その隙に、グレンははじかれ無効の演奏を行っていた。動きが止まっているボルボロスの頭部目掛けてトランペッコを振りかぶる。狙うはめまいだ。

 ならばとクレアも考えた。グレンとタイミングを合わせてボルボロスを眠らせれば大きな痛手を与えることができる。レムナイフの力を信じボルボロスに斬撃を繰り出す。

 この間、ボルボロスはその場から動こうとはしなかった。だが、閃光玉の効果は先程より短かった。この調子では閃光玉が底を尽きてしまう。

 何か打開策がないかとグレンは必死に思考をめぐらせる。それでも有効な手立ては見つからない。

 一体、どうすれば……。

「大丈夫だ。閃光玉が無くても奴の動きに付いていけるはずだ!」

 そこに割り込む声。ヴァイスだ。

 しかし、実際そんなことを言われても不安が残る。目の前でボルボロスが突進を繰り出す。これも何とか回避できるくらいだ。

「でも、そんなのどうやって!?」

「今まで、奴の動きは十分みてきたはずだ。その自分を信じろ!」

 ボルボロスの背後から接近したヴァイスがアトランティカを鞘から引き抜いた。上段から斬りつけた後、突き、斬りあげと繰り出し移動斬りで距離を取る。

 その動きは、まるでボルボロスの行動を先読みしているようだった。

「まさか、そのことを……!」

 ヴァイスの口にした「自分を信じろ」。言い換えれば、それは今までで学んだボルボロスの癖を自分の考えを信じて生かせということだ。

 ボルボロスの動きはある程度偏っているように思われる。それが癖かどうかはわからない。だとしても、それを利用しない手はない。ヴァイスはそれを言っているのだ。

 それを言葉にするのは容易い。だが、実行するとなれば話は別だ。

 ボルボロスが再び突進を行い距離が開いてしまった。そこにグレンとクレアが接近していく。

 この状況で、ボルボロスが頻繁に繰り出す攻撃といえばなぎ払いか、あるいは泥撒き散らしか。

「クレア、一旦止まれ!」

「えっ、あ、はい!」

 一瞬戸惑った様子を見せたクレアであったが素直にグレンの指示に従っていた。

 直後、ボルボロスがその場でなぎ払いをする。見事にグレンの読みが成功したのだ。あのまま接近していればなぎ払いの餌食になっていたかもしれない。

「すごい、なぎ払いを読んだんですね! さすがです!」

 感嘆の声をもらしたクレアは既にボルボロスに向かって走り出していた。

 実際のところ読みというよりは勘といった方が正しい気がする。だが、あの激しい動きに喰らいつくにはボルボロスの行動を先読みしなければならない。仮に読みを外しても危険にならないような程度にだ。

 なぎ払いが空振りに終わったボルボロスが数歩後退する。これも、グレンの読みどおりの行動であった。

「クレア突進だ。突進が来るぞ!」

 グレンの言葉を信じてクレアはレムナイフを腰に納めた。そこから突進の範囲外になるよう真横に走り出す。クレアが突進の範囲外に出るのとボルボロスがその場を突進で突っ切ったのはほぼ同時であった。

「次は……、また突進か?」

 これも的中する。ボルボロスが再びクレアに向かって突進を繰り出したのだ。今度はクレアもだいぶ余裕を持って回避に成功する。

 ヴァイスがやはりな、と呟く。

 グレンは周りの状況を見るのがうまい。それが彼の感性だといえばそれで済むが、その一言では収まらないように思える。ガンナーのそれとある程度同じであり、また違う。だが、彼にとっては、それは漠然とした要素の中で何かを結びつけた上での結論なのだろう。それも一種の才能の一つだ。

 まさに、彼は狩場の指揮者(カペルマイスター)と言われても過言ではない。まだ未成熟であるが経験と自信を兼ね備えればそれは確かなものへと変貌していくだろう。

 自らに怒りを露わにするボルボロスが暴れまわる。怒りに任せた無茶苦茶な攻撃で辺りをなぎ払う。それと同時にボルボロスの攻撃は単調なものとなり回避がしやすくなった。

 ボルボロスに気づかれないよう背後から近づいたヴァイスがアトランティカで斬りつける。一発、二発と立て続けの斬撃がボルボロスの尻尾を捉える。

「ガアアアァァァァァァ、ガアアアアアァァァァァァァァ!」

 怒りの矛先を攻撃を仕掛けていたヴァイスに向ける。

 素早く振り替えると力任せに頭突きを繰り出す。動作が短く素早い動きであったがさすがヴァイスである。あっけなく回避してみせ次の攻撃に転換する。

 それはボルボロスに向けての挑発でもあった。弄ばれているかのようなヴァイスの動きにボルボロスの怒りが更に増す。周りが見えなくなり、ただヴァイスのみを狙うようになった。

 その隙はクレアとグレンが好機だと踏んで攻撃を仕掛ける。

 ボルボロスの攻撃に巻き込まれないよう、二人は背後からの攻撃を試みた。共に脚を狙いそれぞれの武器で斬り、叩きつける。

 それでもボルボロスの動きは止まらない。ヴァイスを直線上に捉えるとすぐさま突進を繰り出す。クレアたちは振り切られ、完全に武器の間合いから外れてしまった。

「もう一度来ます!」

 やはりグレンはボルボロスの習性や癖を掴んでいるのか、ボルボロスの行動を先読みする。これもヴァイスはやり過ごし、ここでようやく余裕ができた。

 アトランティカを鞘に収め、開いた間合いを再び詰める。

 しかし、振り返ったボルボロスはまたも突進を繰り出す。ヴァイスは身を翻し真横へ横っ飛びをする。

 突進で開いた間を詰めようとクレアが近づいていく。背後から接近しているためボルボロスはクレアの存在に気が付いていない。そのはずだったのだが、ボルボロスはその場でいきなりなぎ払いをする。予想外の動きにクレアも対処できずなぎ払いを喰らってしまう。

「くそっ!」

 自分が気がつけていれば、と自らに怒りを表しつつも頭の中ではグレンは冷静だった。即座に演奏体勢に入り、体力回復【小】の演奏を行った。

 吹っ飛ばされたクレアはすぐに立ち上がっていた。そこにヴァイスが近寄ってくる。

「大丈夫か」

「はい、ひっかけられただけですから。今度からは気をつけます」

 傷も軽いものだった。安堵のため息をしながらヴァイスは「無理はするなよ」と念押しする。

 相変わらずボルボロスは暴れまわっている。無造作に繰り出す攻撃を掻い潜りつつヴァイスが太刀の間合いへと入った。

 既にアトランティカの刀身も白銀の光を帯びた状態に戻ってしまっている。だが、ここで無理をして気刃大回転斬りを叩き込む必要はない。今は、確実にこちらが優位な状況だ。この状況で求められるのは多くの痛手を与えることではなく、確実に一撃一撃を決めていくことだ。

 走り寄ったかと思うと、アトランティカで横一文字に斬る。これは、気刃斬りの一撃目だ。そこから突き、斬り上げ、斬りつけと基本の型へとつなげ移動斬りで距離を取る。回避しながら斬撃を浴びせる太刀の典型的な立ち回りである。

 身震いをしながらボルボロスが泥を散乱させる。ヴァイスも空けた距離を詰め寄ろうとはせずに様子を窺う。

 攻撃が収まると三人は一斉にボルボロスに肉迫する。

 互いが狙いやすい場所に位置取りそれぞれの武器を振るう。中でもグレンは一番危険な頭部を集中して狙う。切れ味が落ちることを関係ないとばかりにトランペッコをぶん回した。

「アアアアアアァァァァァァァァァァァッ」

 目の前に無防備な姿を晒す獲物がいるのにボルボロスがそれを狙わないわけがなかった。牙を唸らせグレンの首筋目掛けて噛み付く。

「うわっ!?」

 間一髪の差でグレンが身体を反らし回避に成功する。だが、その影響でグレンは体勢を崩してしまった。

 突進を繰り出す体勢に入り、グレンも必死に回避しようと試みる。それでも一足遅く、防具を引っ掛ける形でボルボロスの突進に巻き込まれてしまった。

「グレンさん!」

 受け身を取り衝撃は少なからず和らげることができた。クレアに手を上げて大丈夫だとアピールする。しかし、回復薬を使いたかった。

 視線でヴァイスに訴える。それだけでグレンが何を言いたいか、ヴァイスにはすぐ理解できた。

「グレンが回復薬を使う隙を作るぞ」

「はい!」

 ヴァイスは背後からボルボロスに近寄るのではなく、あえて真正面から近寄って行った。無防備な姿を曝け出すことによってこちらに注意を惹きつけるためだ。

 ヴァイスの罠にボルボロスはまんまと陥る。

 誘うような動きでボルボロスをグレンから遠ざけていく。クレアも加わり、ボルボロスは完全にグレンから注意を逸らしてしまった。

 怒り狂う大型モンスターを足止めするのは難しいことだが、二人の連携はそれを可能にした。互いに一撃離脱し、ボルボロスを翻弄する。

「俺はもう大丈夫です!」

 回復を終えたグレンが叫ぶ。

 役目を果たした二人はボルボロスから距離を取る。しかし、ボルボロスも地響きを立てて接近してくる。相手はヴァイスだ。

 アトランティカを抜刀したままではボルボロスを振り切ることは出来ない。そこでヴァイスは、身を翻し頭突きを繰り出してきたボルボロスとすれ違うような形で前転をした。回避は成功し攻撃のチャンスも生み出せた。

 左前脚めがけてアトランティカを振り下ろす。突き、斬り上げと放った後で斬り下がりで一旦退く。

 前脚の肉質は他の部位よりも軟らかい。アトランティカから伝わる感触がそう教えてくれる。ならば、前脚の破壊も困難なことではない。

 こちらに向かってこないことを確認した上でヴァイスが再びボルボロスに接近する。

 泥を撒き散らすボルボロスだがヴァイスには命中しない。その隙にヴァイスは気刃斬り、気刃大回転斬りを繰り出した。

 その全てが吸い込まれるように命中する。が、ボルボロスは怯んだだけで破壊にまでは至らなかった。

「だが、あともう一押しのはずだ……」

 そうなれば立て続けに前脚を狙う。ヴァイスの意図を察したクレアも前脚を狙う。リーチの短い片手剣であってもボルボロスの前脚は狙いやすい位置にある。

 ジャンプ斬りから斬り上げ、斬り下ろし、横斬りと連撃を繰り出す。次の攻撃はボルボロスが移動してしまったために空振りに終わるが手応えは掴めた。

 グレンは、向かってきた突進を回避し後脚にトランペッコを叩きつける。頭部を狙いたいところだがこの短時間では一撃も繰り出せない。

 ヴァイスとクレアが向かうが、ボルボロスはそれを尻目に動き出す。誰を狙うということはなく、ボルボロスはエリア3へと進む道へと消えていった。

 緊張が解かれ、溜まっていた疲れが一気に表に出てきた。クレアもグレンもその場に座り込んでしまった。

「さ、さすがに連続狩猟は身体に堪える……」

「師匠は……、まだまだ大丈夫って顔してますね……」

 それも経験の差だろう。

 ギルドナイトという役職に身を置くヴァイスは、この程度の相手でへこたれるわけにはいかない。

「それも経験さ。慣れればどうにかなる」

 砥石でアトランティカの刃を研ぎながらヴァイスは言う。

 二人も何とか身体を起こし、切れ味の落ちた武器に砥石を当てる。

 もうそろそろこの砂原の日差しも傾いてくる時間帯だ。夜になれば砂原は昼とは一変、寒冷な狩場へとその姿を変える。二体目のボルボロスも時間との闘いになってしまった。

「今度は、先に演奏しておきます」

 ボルボロスとやり合う以前に演奏効果をつけておけば時間のロスを防ぐことができる。

 耐雪&耐泥、聴覚保護【小】、はじかれ無効のスキルを延長させ準備を整える。

「次で終わらせたいですね」

「終わるさ。必ず」

 その言葉には強い説得力があった。つまり、ヴァイスには次のエリア3で勝負を決められる自身があるということだ。

 それは、クレアとグレンをも奮い立たせた。疲れは感じるが、それ以上に気力が満ちている。

 一行はエリア3を目指した。

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