かわいそうな被害者たち   作:豪次郎

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第十話 ハメられた被害者達

ハメられた被害者達 海にて

 

 

 

「いや~遊んだね!!」

 

「ええ、楽しかったわ」

 

気づけばもう夕方か・・・

 

最初こそ何があるやらと不安に思っていたが、その後は何事もなく海で遊び今に至る。

 

こんなに海で遊び倒したのはいつ以来か・・・ととっ、さすがに疲れたな。

 

あとはバスに乗って最寄り駅まで行って帰るだけ。

疲れたから早く帰りたい・・・

 

「あぁ~~~~!!!!」

 

「ぬぉ?!何だ!?」

 

「バスがなくなってる~~~~!!!!」

 

「・・・は?」

 

バスがない・・・だと?

そんなはずは・・・確か今がバスの時間のはず・・・あれ?そう言えばバスの時間調べたのって・・・

 

「どうしよーバスがないよー」ニヤッ

 

「今からタクシー呼んでも最寄駅からの電車に間に合わないわー」ニヤニヤ

 

「これはもうこのあたりの宿に泊まるしかないよねー」ニヨニヨ

 

「あら、ちょうど知り合いのおばさんが女将さんやってる旅館が近くにあるわー。しかも部屋があいているらしいわー」ニヤリッ

 

「ちょうどいいねー、そこに泊まらせてもらおうよー」ニチャァ

 

「仕方ないわね、そうするしかないものねー」ニチャニチャァ

 

は・・・謀ったなああああああああああああああああぁぁぁ!!!!!

バスの時間を調べたのは成香!!噓の時間を教えやがったな?!始めからこうするつもりで・・・!!

 

「あ・・・アカン・・・もうダメや・・・おしまいや・・・俺らはこいつらにハメられて今夜こいつらにハメることになるんや・・・」

 

「おい丈二!!何とち狂った事言ってんだお前?!」

 

「鉄風、お前にはわからんのか?!俺らはクモの巣に引っかかった蝶々なんや!!このままあいつらに美味しく頂かれるしかないんや!!」

 

「あら丈二、何を言ってるかしら?ただ泊まるだけよ?ナニもしないわよ?」ニチャチャチャァ

 

「ひぃぃぃ!!する気満々やん!!鉄風、俺もうこんなとこにおられへん!!先に家に帰らせてもらうわ!!」

 

「それ死亡フラグゥゥゥ!!てか、家に帰れないんだって!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ハメられた被害者達 旅館にて-1

 

 

 

「鉄風、俺ら後どのくらいの命なんやろな・・・」

 

「人生詰んだみたいなこと言いだすな」

 

結局成宮の言う旅館に泊まる以外の手段を見つけることが出来ず、チェックインしてしまった。

唯一の救いといえば、あいつらとは別の部屋と言うことだ。

さすがに親戚とは言えそこは許されなかったようだ。

ただ・・・

 

「ねえねえ鉄風!お風呂入りに行こうよ!!露天風呂があるらしいよ!?」

 

成香のやつが部屋のドアを遠慮なしに部屋の扉を開けてズカズカと部屋に上がり込んできた。

後ろに成宮もいる。

 

「丈二、ほら入りに行くわよ。その後は私たちの部屋でトランプよ」

 

こいつらの部屋、隣なんだよなぁ・・・

 

「(鉄風どないしよ?俺ら風呂でやられるんやないか・・・?」

 

「(んなわけあるか。疲れたからさっさと入り行くぞ)」

 

混浴でもない露天風呂、一般客もいるのにそんなことあってたまるか。

 

支度を済ませ、四人連れ添って露天風呂に向かう。

その道中、露天風呂の構造を記した看板があり、全員がチラリと目をやる。

すると、成宮と成香が驚愕の表情を浮かべた。

 

「なん・・・で・・・?」

 

「どう言う事よこれ・・・?」

 

「?」

 

「涼子ちゃん、これは抗議に行かないと!!」

 

「もちろんよ!!」

 

急に走り出す二人に呆気にとられるしかなかった。

 

「なんや・・・?」

 

後を追うと、フロントで何やら話しているようだ。

 

「おばさん、これは由々しき事よ」

 

「そうは言ってもね涼子ちゃん」

 

あの人が成宮のおばさんか。

二人して何を詰め寄ってるんだ?

 

「なんで・・・なんで・・・」

 

あの成宮が体をプルプル震わせている。一体何が・・・

 

「なんで露天風呂の男湯と女湯が真隣にないんですかぁ!!これじゃあ男湯を覗けないじゃない!!」

 

「そうですよ!!鉄風の全てを覗き見る計画が・・・!!」

 

「ろくでもない計画立てんな!!」

 

「ごめんね涼子ちゃん」

 

「あんたも謝んなよ?!」

 

「でも、涼子ちゃんの計画に加担した身としては・・・あ」

 

「計画?加担?」

 

あれれ?この女将さん今とんでもない事言わなかった?

 

「失礼、他の用事が・・・」

 

そう言って足早にどこかへ去っていった。

 

「さて・・・」

 

首謀者の二人に向き直ると、視線をそらされた。

 

「どう言う事かな・・・?まあ、ここまで連れてくるのは計画だったとわかっていたが、おばさんもグルなのか?」

 

「何のことかさっぱりね」

 

「だったら目を見てお話しようぜ?」

 

「そっ、そうだよ鉄風!!私たち何も・・・」

 

成香が一歩こちらに踏み出した時、何かが荷物から落ちるのが見えた。

 

「何だこ・・・れ・・・?」

 

「あ・・・・」

 

それを拾い上げると、部屋の名前の記入されたタグの付いた鍵だった。

しかも、この部屋は俺たちの部屋だった。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・よし、説教の時間だ」

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